やはり俺が黒の組織に居るのは間違っている。   作:ひよっこ召喚士

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玄関付近で相手してる内に裏から逃げるか

 

いや一人で帰り着くのは少し厳しいかもな

 

だが一之宮を借りれば怪しまれるだろうし

 

この付近に呼び出して覚えられるのも厄介

 

詰んだというのが正しい様な最悪な状況だ

 

それと聞こえてきた名前には覚えがあった

 

「えっと、遠縁の親戚という事でなんとか誤魔化しましょう」

 

「無理だ…聞こえた名前には覚えがある。勘違いでなければ顔見知りだ」

 

「なるほど……蘭様は空手の大会ですかな。それと園子様はボーイフレンドの部活やサークルの大会に顔を出していました」

 

成績を残していて知られてるのだけでなく

 

工藤新一の所為で会話をした事があるのだ

 

まず間違いなくきっと向こうも覚えている

 

とりあえず落ち着こう何が必要か確かめろ

 

このままでは出会うのは確定になるだろう

 

出会った上で見せても良い事は一体なんだ

 

見せてはいけない知られてはいけないのは

 

誤解させてもいけない事もしっかり定める

 

「見せてはいけないのは拳銃くらいですか?」

 

「助けた助けられたの関係ならばここに置いてる理由にも十分です。関係を変に深読みされない為に出合いに関してはそのまま伝えましょう」

 

「園子ちゃんなら恋愛にこじつけそうですが何も他意はなくお礼ですと言って惚けてれば興味を失いますね」

 

問題なのは俺の事を家に報せていない訳と

 

病院ではなくて此処に運び込んだ理由だな

 

何か適当なストーリーを考える必要がある

 

「玄関へと向かいますのでお二人で話を用意してください。私はそれに合わせます」

 

救急車を待ってると間に合わなかったとか

 

近くに一之宮が待機してたらまぁ範疇内か

 

それを一切報告してない理由はどうするか

 

「報告先である父を理由にしてしまいましょう。過保護なのはお見舞いを差し向ける事から分かるので、大事にしたくなかったで押し切ってしまえば違和感もないかと思います」

 

粗はあるがまぁそこまでおかしくはないな

 

待たせ過ぎると怪しまれると一之宮が出た

 

対応を始めてから引き延ばせても五分程度

 

そろそろ見舞客が部屋へとやってくる頃だ

 

足音と気配がゆっくりと近付くのが分かる

 

部屋の前までやってきてノックが響き渡る

 

ガチャリとノブが回り扉がスゥーと開いた

 

「お嬢様、比企谷様、お客様がいらっしゃいました」

 

扉を開け一之宮が横に避けると姿が見える

 

「やっほー、幸さんお見舞いに来たわ。そっちの人が幸さんの命の恩人の方?…何処かで見たことある様な?」

 

「ちょっと園子、怪我人が居るのよ…すみません騒がしくて…って貴方はたしか?」

 

「あー!!比企谷八幡だ!!色んな大会で賞を取ってるあの超人!!」

 

部屋に騒がしさが広がり視線が俺へ集まる

 

相手の内一人はこっちに指まで向ける始末

 

一緒に来た子供の方がまだわきまえている

 

何故か分からんが異様に視線は向いてるし

 

それに対しての不快感を俺は少し感じてる

 

表に出さずに向こうの動きを待っていると

 

先に動いたのは視線の主である子供だった

 

「お兄さん、千葉の凄い人だよね。色んなスポーツで記録を残してるって聞いた事があるよ」

 

なんだこいつはどうにも言動が気持ち悪い

 

変装した同僚を見てる様な気分に襲われる

 

向けられる感情と行動は一致しているのに

 

感じ取った雰囲気が普通じゃないと思える

 

「ちょっとコナン君?! ごめんなさい、お見舞いに来たのに騒がしくしてしまって、幸さんも無事な様で良かったです。これ道中で買ったケーキです。それで、えっと……」

 

毛利蘭が子供を慌てて引っ張り俺から離す

 

そして見舞いの本命である幸に土産を渡す

 

慌ててるのは俺の怪我を把握したからだな

 

触れて良いのか分からないと言った感情か

 

続けて喋ろうとはしたが話題に悩んでいる

 

「お久しぶり蘭ちゃん。無事なのは比企谷くんのおかげって部分が大きいけどね。父が無理を言ったのに見舞いの品まで用意させて申し訳ないわ。来てくれてありがとう」

 

「いえ、これはどちらかと言うと新一からなので」

 

「まぁ、新一くんから?」

 

ものすごく嫌な名前が耳に入った気がする

 

なるほど寒川と工藤にも面識があったのか

 

「あいつ忙しいからってこの子経由でお金だけ渡してきたんです。そうだこの子なんですけどいま家で預かってる子で、新一の親戚の子なんですよ。ほら、コナンくん」

 

「えっと、ぼく江戸川コナンって言います。よろしくね幸お姉さん」

 

あれの親戚ねぇだから嫌悪感を感じたのか

 

何処か嫌な見られている感覚を思い出して

 

「それにしても凄い怪我ねぇあんた。こんな大怪我をしながらも幸さんの事を守り切るなんて映画みたいでロマンチックにも思えてくるじゃない」

 

「ちょっと園子?!」

 

「爆発し崩れ落ちていくビルの中からたまたま居合わせた男性に守られて脱出する。命の恩人と始まる恋とか定番じゃないの」

 

これを話題の対象がいる場でするんだから

 

中々に肝が座ってるとでも言えばいいのか

 

呆れを通り越してもはや感心すら覚えるな

 

「本当に危ない所を助けて貰って八幡くんには感謝しかないわ」

 

「他の感情は何かないの幸さん?ほら胸のあたりがキュゥってくるような!!」

 

心筋梗塞なんかの前触れじゃないだろうか

 

でなけりゃ気管支喘息か肺炎か高血圧だな

 

「胸のあたりは火傷もしてないし痛みはないわ。他に感情ねぇ……助ける為に怪我を負わせて心苦しいし、父がどう反応するか分からないからってコソコソ隠れて治療して貰って二重に申し訳ないわね」

 

表情を作るのが上手いし声に震えもないな

 

仕草は少し怪しめなのと話す速度が速いな

 

それでも一般人なら問題なく騙せるだろう

 

目と手の動きがなけりゃもっといけそうだ

 

「あぁ…そう言えば幸さんってそう言う人だったわね。騒がしくしてごめんなさいね」

 

「「ははは……」」

 

誤魔化しは成功した様で妙な追求は終わる

 

後はとっとと帰ってくれたら良いんだがな

 

怪我人が居るから要件が済んだら直ぐだろ

 

寒川の父親からの伝言など女組で話が進む

 

するとフリーになるのがガキ入れて男三人

 

このコナンと言う奴がずっと俺を見ている

 

「ねぇねぇお兄さん。サッカーも出来るんだよね。新一兄ちゃんから凄い強い奴が居たって話を聞いた事があるんだ。僕もサッカー好きでやってるんだけどお話聞かせてくれない?」

 

「コナン様、比企谷様は命に別状はありませんが身体はボロボロですのでお話はまたの機会にお願いします」

 

「えぇ、ならなんで病院にいかなかったの? そんなに怪我が酷いなら救急車呼ばないといけないよねぇ」

 

聞きたがりがガキになると余計に面倒だな

 

あいつも試合後にしつこく話し掛けてきた

 

嫌な遺伝子が機能してるんだな工藤の血は

 

とりあえず共有の意味も兼ねて設定を話す

 

「俺は目立つのが嫌いなんだ。事件当時に寒川を心配して駆け付けた一之宮さんが居たから彼に治療を願ったんだ」

 

「色々と噂になるほど有名人なのに目立つのは嫌いなの?」

 

ここが人気の無い路地なら殺してるかもな

 

それくらいうざったいが流石に分別はある

 

んな真似をすりゃ自分の首をしめるだけだ

 

「目立ちたがりなお前の親戚とは違うんだよ。それと自分を中心にして考えるのはやめておけ、いい迷惑だ。今のうちに直さねぇと手遅れになるぞ」

 

俺の嫌いだったアイツの様に冷たくなるぞ

 

そこまで考えた所で酸素と栄養を求めてか

 

身体中の血が頭に集まる様な感覚を覚えて

 

怪我とは一切関係ない所で頭が重く痛んだ

 

『これはどちらかと言うと新一からなので』

 

『この子経由でお金だけ渡してきたんです』

 

そんな訳がねぇだろうがあの馬鹿はジンが

 

シェリーの薬を確かに飲ませた筈だろうが

 

冷静になれ死者が金を渡してくる事はない

 

もしこれが本当の事ならば生きているのか

 

顔を見せなくなったのは死んだからでなく

 

組織から生きている事を隠す為だとすれば

 

「……さん?………お兄…ん?!………ちょっ………宮さん………ちさん……兄さ…の様…が?!」

 

「………んくん?!八幡くん?!」

 

アイツが生きていて組織を追っている光景

 

最悪とも言える状況が頭の中に過っていく

 

急に動かした脳に身体が全く追いつかない

 

それなのに嫌な想像に呼吸さえ忘れている

 

どうにか届いた声にハッとなり口を開いた

 

「はぁはぁ………わるい、少し意識が飛んでた……もう大丈夫だ……」

 

この状態を怪我のせいだと勘違いしたのか

 

見舞客が直ぐに帰ってくれたのは幸いだな

 

それ以外の全てが脚色なく最悪と言えるが

 

仮定に仮定を重ねた様な話は報告出来ない

 

色々と調べる必要が出てきて非常に面倒だ

 

怪我が回復するまでは派手に動けないしな

 

とりあえず今日一日はこのまま休ませよう

 

裏の仕事は俺でないといけない物は少ない

 

他のは流石にカバーを入れて貰えるだろう

 

となると問題になるのは昼間であり表側だ

 

怪我を誤魔化しながら生活する必要がある

 

利用できるものはなんでも利用していこう

 

少しでも回復を早める為にもここは便利だ

 

寒川と一之宮に話したら直ぐに許可が出た

 

マスコミとかが来ない限りと前置きしつつ

 

ここを拠点にしてしばらく生活をしていく

 

明日朝一で色々と準備を済ませるとしよう

 

頭の中で算段を立てつつ俺は眠りへ落ちた

 





『0』

八幡「はぁ………はぁ………」
コナン(やっべぇー……)

自分が無理に話し掛けたから体調悪化させたかと内心で戦々恐々しているコナン君。彼にはセンサーは無いので全く何一つ八幡の事には気付いてません。色々と話し掛けてるのは自分と同じくらいサッカーの強い同年代の有名人への興味関心からです……昔、新一の頃に会った際、話し掛けて迷惑そうにされた事は忘れてます。

そしてお見舞いだから何か土産ぐらい用意しないとという思いによって自分で自分の首を緩やかに締めていくこの有り様。まだ完全に確信した訳ではありませんが、もしかして生きてる?位の疑惑が八幡に宿りました。

ちなみに薬の詳細と言うか組織の目標は聞けば教えてくれる人、教えてくれる立場の人が居ますが、八幡は興味ないので聞いてないです。組織の上の人から見ても裏でしか生きれない存在だと言う認識のため、忠誠度とはまた別の所でフィーヌの評価は高いです。逆に薬の事を知ったら一発で辿り着くでしょうが、しばらくはすれ違う事でしょう。

次からドキドキ、ボロボロな身体で学校生活篇が始まります。そして俺ガイル側のストーリーですね。ちまちまとですが書いていくのでよろしくお願いします。

それではいつもの挨拶でさようなら。
読んでくれている方々に多大なる感謝を。
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