やはり俺が黒の組織に居るのは間違っている。 作:ひよっこ召喚士
小学生達の相手をする時間は終わって
ボランティア組の食事も終え皆が集う
「大丈夫かなぁ?」
「ん、何か心配事かね?」
そんな時に由比ヶ浜がポツリと溢した
それを逃さずに平塚先生が拾い上げる
ただの心配で終われば面倒はないのに
そのまま他の面々の目も集まり出した
「ちょっと孤立しちゃってる子がいたので」
「可哀想だよね〜」
本当にそう思っているのかも疑問だが
間違いでしかない感情に溜息も出ない
「それで、君たちはどうしたい」
望むわけじゃ無いが本題はそこだろう
心の中で何を思おうが文句は言わない
だが此方としても巻き込まれたくない
そんな心の底の思いを出す気はないが
「俺は可能な範囲で何とかしてあげたいです」
「可能な範囲でね…あなたでは無理よ。そうだったでしょ」
可能な範囲に含まれてる思いが違うな
本当の意味で可能な事しかしない奴と
相手の今を捉えず決め付けている奴と
どちらも面倒事の予感しかしてこない
「雪ノ下、君は…」
本当に変わったのか疑問でしかないな
それとも葉山相手には何か根深いのか
「これは奉仕部の合宿も兼ねているとおっしゃっていましたが彼女の案件についても活動内容に含まれますか?」
杓子定規な言動には奉仕の意味はない
ただただ成果を望んでる結果の奴隷だ
「林間学校のサポートボランティアを部活動の一環とした。あくまでサポートボランティアをだ」
「そうですか……」
繰り返して強調する暗喩的な伝え方に
勝手に期待し勝手に消沈する勝手な奴
「ただ…君達の意見を私が学校側に伝えたり、私の方で働き掛ける事は可能だ。イジメの事実を見逃す様では教師は務まらん。すきに話し合え、私も付き合おう。ただ寝不足にならない程度に収めてくれたまえ」
そう言いカッコつけた笑みを浮かべる
その視線が一瞬だが俺へと向けられた
あぁ、あぁ、あぁ、あぁうざったいな
そのままその場は談議の会場と成った
「つーかさぁ、あの子けっこう可愛いし他の可愛い子とつるめばよくない? 試しに話しかけてみんじゃん、仲良くなるじゃん、余裕じゃーん」
「それだわー、優美子冴えてるわー」
「ふふーん、だっしょー?」
教室で駄弁っているのと何も変わらん
娯楽の延長でなく娯楽そのものだろう
「それは優美子だからできるんだよ」
「足掛かりを作るって意味では由美子の言ってることは正しいな。けど、今の状況下だとそもそも話しかけるハードルが高いかもしれない」
「そっかー」
持ち上げながらのやんわりとした否定
そして肯定と否定を織り交ぜた無関心
あくまで外側に立とうとするやり方か
「はい」
「姫菜、言ってみて」
「大丈夫、趣味に生きればいいんだよ。趣味に打ち込んでいるとイベントとか行くようになって色々交流広がるでしょう、きっと本当の自分の居場所みたいなのが見つかると思うんだよね。学校だけが全てじゃないって気づくよね…」
実体験かそれとも経験則か悪くはない
悪くないが本気で勧める気があるかだ
「私はBLで友達が出来ました!ホモが嫌いな女子なんていません!だから雪ノ下さんも私と……」
「優美子、姫菜と一緒にお茶とってきて」
「おっけー。ほらほら海老名、行くよ」
「あー!!まだ布教の途中なのに!!」
下手に関わっても良くないと知ってる
小さな優しさを取り除き残るのは一つ
他人に構ってる余裕なんてないだけだ
「はぁ…やっぱりみんなで方法を考えないと解決にならないか」
「そんなことは不可能よ、一欠片の可能性もないわ」
果たして本当に言い切れるのだろうか
みんなねぇ…何を持ってみんなとする
葉山隼人は外側の何処に足を着けてる
何を言おうとも何処からの声か次第だ
「ちょっと雪ノ下さ…「いやいや、基本的に裁判でも話し合いでしょ
へぇ…
それでも四対六と言った感じであるし
葉山が胡散臭いことは変わりゃしない
だが、雪ノ下はその言動に驚きを示す
「あなた……いえ…
明確な否定に驚きで思考が止まったか
一周回って何処か落ち着きが戻ってる
茫然自失の手前で踏み止まった様子だ
「イジメとかは問題として受け取られやすい。そこを突けば取れる手段はあると思うよ。子どものやる事だから探さなくても粗はある。ボランティアとは言えスタッフである俺たちに見つかるくらいだからね。ただ、証拠を集めて法的な手段を取ろうと思えば明確な本人の意志が必要になる。そればかりは俺たちでは出来ない」
救けを求められる様な状況か関係なく
結局の所は頼まれない限りは部外者だ
それにしても意味有りげで中身の無い
いや中身はあるが無意味のが正しいか
どちらにせよ成果の全くない話だった
「なるほど…今のところ出ている意見に通じているのはその子自身が動く必要があると言う事だな。私から向こうに働き掛けるにもその方向だと意図とズレてしまう可能性が高いかもしれん」
向こうの教師の采配が優れてれば良い
だがそうでなければ悪化の一途を辿る
イジメが起こってる時点はまだ良いが
習慣化してそうな時点で信用はないな
「簡単に意見なんか出るわけじゃないと思うが、話してない面々はアイデア程度で良いんだが何か思いつかないか?」
葉山グループの男子二人と奉仕部二人
個人できている戸塚に小町と俺の二人
この場で案を出していないのは七人だ
葉山グループの二人は目を逸らしてる
奉仕部の二人も話し合える状態でない
戸塚は考えてはいるがそこ止まりだろ
小町に関して言えば話すべきではない
そして語ってやるつもりは俺にはない
小町を視線で止めただけ恩情を与えた
沈黙が辺りを包み話し合いは終わった
あぁ、もう眠くて眠くて仕方がないな
そんな仕草で部屋に入り目蓋を閉じる
俺の敵となる様な存在は此処らにない
寝る事自体はそこまで難しくはないが
今日ばかりは夢見が悪くない事を願う
たとえ死んでも祈る様な真似はしない
それが何の意味も無い抵抗だとしても
「この世に神様なんているのかしら?」
何を寝ぼけたことを言い始めたのやら
それともついに頭の中までボケたのか
唐突に似合わない事を口にした訳だが
何かの当て付けかお得意の暗喩なのか
いや、それにしては此方に向いてない
溢れたかの様な籠もるものがない言葉
人を地獄に引き込んだ奴が言うとはな
なんとも面白くない笑えるジョークだ
仮に存在するのならば殺してやる所だ
そんな答えに満足したのか彼女は笑う
不条理を呪うと言う心は共通していた
そこだけは共通している筈だったんだ
なんとも言えない気分だが体を起こす
まだ朝も早く、他の面子はよく寝てる
そのまま気配を消して部屋から出ると
目の覚めきってない顔を映す鏡に呟く
「……何が
その言葉の響き自体に最早反吐が出る
此処らの犯罪組織の調査の時もそうだ
どうにも苛つきが収まらず仕方がない
顔を洗って少しでも頭を冷静にさせる
彼奴等が起きるまでまだ時間はあるか
仕事のないこの場で俺は身体を動かす
逃げれる訳がないと知っておきながら
逃げる様に振り払う様にただただ動く
他の連中が起きた頃にそっと混じって
朝食を終えてから今日の活動を始める
オリエンテーションは昨日で終わって
基本的に昼間は自由時間となっている
見守りは学校側で足りてて仕事はない
肝試しの前には準備に入る事になるが
此方も自由時間が多く与えられている
それでも雑用程度はありそうな物だが
君もたまには遊んでいけと放り出され
とりあえず小町に声を掛け川まで来た
「お兄ちゃんと川遊びだー!!」
新しいらしい水着で元気に叫んでいる
既にありきたりだが感想を伝えてあり
その後からとてもテンションが高めだ
楽しめているなら誘った甲斐があった
俺は水着を着る気はなく、用意もない
着替えがあるから濡れても良いと伝え
小町は不服そうだったが納得はしてる
水を掛け合ったりして過ごしていると
がやがやと騒がしくなり、人が増えた
「小町ちゃんに比企谷くん、二人も遊んでたんだ」
「見かけないと思ったら先に行ってたのね。戸塚くんが探していたわよ」
初めに奉仕部の二人組がやってくると
その後から葉山グループに戸塚も続き
差し金であろう人物もすっと顔を出す
「ここは小学生には深めの場所もあるからうちで好きにして良いと言われてる。ないとは思うが小学生が逸れて来たら伝える様に、時間が来たら報せるから存分に遊び給え」
小町と奉仕部の面々は付き合いがある
以前の依頼関係からだが仲は悪くない
下手に俺が気を使うよりも良いだろう
そう思う事にしてこの雰囲気を諦める
遊んだり話したりで大分賑やかになる
俺も少しだが戸塚に葉山、戸部と話す
「なんか疲れるな……」
仕事の時の方がまだ楽だと思えるのは
ただの慣れなのか、それとも手遅れか
少し休むと伝えてから川から上がると
離れた位置に昨日の議題の少女が居た
小学校側の監視はどうなってるんだか
何処までも杜撰な仕事っぷりに嗤って
これも仕事だと気配を消して近付いた
「こっちは小学生の行動エリアは含まれていない。そしてトイレなんかも反対方向だが、何をしてる」
「っ?!……別に……」
当たり前だが気付かずに驚きを示して
相手が俺と分かると表情を整えて返す
大人ぶっているがやはり子供は子供だ
誤魔化せてないのに誤魔化してる姿も
「なんで一人なの?」
「疲れたから休んでるだけ…って事じゃないだろ」
表面までしか読み取れない未熟さだが
関係性を把握するくらいは出来ている
意図的に一人であり続ける事への答え
「単純にその方が楽だからだ」
自分と他と言う究極的な二択の選択と
個々の関係を踏まえての選択はどうか
声を掛け、息を合わせ、下に合わすと
ただただ自身で全てを押し進めるのと
効率なんかは一側の技量次第になるが
楽であるという一点だけは変わらない
「考え方が違うからなのかな…私はそこまで割り切れない。シカトされると自分が一番下なんだなって感じる。ちょっと嫌だな、惨めっぽい」
確かに考え方も違うが捉え方もそうだ
惨めっぽいなんて当たり前の話だろう
自分で自分を下に置き続けているんだ
いや、下にいる自覚すら本当はないな
「負けてる奴が勝ってる奴より惨めなのは当然だろう」
「負けてる…?」
集団と言う力を基に行われる椅子取り
負けて弾き出されて輪の外で立ち呆け
一番下と言いながら負けた自覚がない
下だと言いながら受け入れてないのだ
それこそ惨めと言い表す他ないだろう
「負けても清々しいなんて痩せ我慢に過ぎん。本当に清々しいなら何かしらでソイツは勝ってるんだ。見えないところでな」
それでいて惨めなのは嫌なんて滑稽だ
これ程まで傲慢で負けず嫌いもいない
抑えきれない笑いが喉から零れ落ちる
そして腹の底から憎悪が湧き上がった
惨めと言いながらも負けてる気がない
下だと言いながら同じ位置にいる気で
勝ててない現状を嘆いてる夢見がちな
その温過ぎる考え方に腹が立ったのだ
「一度ちゃんと自身の立ち位置を確認するべきだな。正しく負けてもないのにリスタート出来る道理はない」
俯瞰したつもりなんだろうが甘過ぎる
他より賢い大人な自分に酔ってる子供
そんな少女だからこそ現実を知ろうか
「縋り付いてねぇでとっとと堕ちろ」
目線を合わせて覆っていた眼鏡を外し
何処までも堕ちた自身の目と圧を込め
低く身体を震わせる様な声を浴びせた
硬直した身体が古い洗濯機の様になり
目からは小さな雫が顔に線を作り上げ
地面には足を伝って水たまりが出来る
ため息を吐きながら一歩距離を詰める
すると足が動かないまま逃げ出そうと
その場で後ろに尻餅をつく様に倒れる
恐怖が限界を超えて叫び声すら出ない
そのままもう一度目を合わせてやると
眼の前の少女の意識は完全に途切れた
「八つ当たりとか何やってんだ俺は……」
仕事モードになり過ぎた弊害だろうか
それとも不快な夢による影響だろうか
何方でも良いが現状には問題しかない
この場に誰も近付いてないのが救いか
仕方なく重い腰を上げて処理を始めた
『2』
ベル「この世に神様なんているのかしら?」
作者「ほれっ、『青◯剛昌』」
原作者様は神様です。どうもお久しぶりの投稿となりましたが、さて…なるべく早く書くと言っておきながら空いた時間は2ヶ月ちょっと…すみません。普通に書く気力がわかなかったのと純粋なサボりです。
初めのうちは本当に他の小説を書いてたけど、途中からはペーパー◯リオRPGやったりしてました。そして暑くなってからはだるいなぁとか言いながらピク◯ブで二次創作漁ってました。本当にすみません。
と謝罪ばかりで後書きを埋め尽くしても仕方がないので、私も初めに思っていたよりも長くなっているボランティア編。
話し合いでは少し黒さが加わった葉山くんが暴れてくれました。そして本当に物理的に暴れそうな人物は八幡がそっと抑えてくれるファインプレー。
小町(は?その程度でイジメ名乗るとかなんな?フリ?フリなの?ヤッちゃうよ?小町ヤッていいよね?)
八幡(ステイ)
小町(ワン!!)
幾つかのワードや状況にはとても素早く反応する為に扱いに注意が必要なタイプの妹です。西◯カナではないので取扱説明書はございません。
後書き恒例のネタにも使いましたがとある人との過去の会話を夢に見る八幡。地味にストレスが溜まっている事でしょう。戸塚がよく天使扱いされてますがこの世界においては天使は禁句でしょうねぇ。
そして最後にルミルミと八幡の対面。ストレスも疲労から思い切り八つ当たりして裏モード全開での睨みつけるを繰り出し、意識を奪いました。さて、これがどんな影響を与えるかですね。
さて、とりあえず投稿する為に後書きを書いてますが遅れを取り戻す様に次の話も既に書き始めています。今度こそそんなに遅くならない筈ですので何卒見限らずにお待ち下さい。
それではいつもの挨拶でさようなら。
読んでくれている方々に多大なる感謝を。