やはり俺が黒の組織に居るのは間違っている。   作:ひよっこ召喚士

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待ち合わせをするには駅前が良い

 

住所は履歴書に載ってて分かるが

 

近所にあらぬ誤解を招くのは悪い

 

マメな彼女は早く着こうとする筈

 

なので此方も少し早めに車を出す

 

東都に行く為に予定時間も早いが

 

この程度なら苦でもなんでもない

 

待ち合わせまで暇を潰していると

 

窓の外に見慣れた立ち姿が見える

 

まだ30分以上も前だって言うのに

 

一応確認する為に携帯端末を出す

 

『…あれ?…宇佐門さん?』

 

「おはようございます沙希ちゃん、もしかして既に千葉駅に着いてるんじゃないですか?」

 

『え?! はい、もう居ますが…もしかして…』

 

不思議にしていたが気付いた様だ

 

エンジンをふかして近くにつけて

 

窓を開けてお互いに顔を合わせる

 

「改めておはようございます。少し早いですが問題なければ出発しますか?」

 

笑みを浮かべそんな提案を投げる

 

お客への紹介は道中で良いだろう

 

「うわぁ、かっこいいっす」

「さーちゃん、速いね」

「うん、車とか詳しくないけど凄そうなのは私でも分かるよ」

 

車を走らせ始めたが乗り心地は中々に好評だ

 

自己紹介もまだだが話始める話題に丁度良い

 

「このB8 Gran 〇oupéはアル〇ナの最上級モデル、そのパフォーマンスもその名に相応しい優れものだよ」

 

「やっぱこう言う車って高いんっすか?」

 

中学生となればこういった物が好きな時期か

 

男の子らしく目を大きく開いて輝かせている

 

「車両本体で約3000万だからね。有名なフェ〇ーリとかロー〇スロイスとかよりは安いけど、車の中では高い方だと思うよ」

 

なんてこと無い様に告げると空気が固まった

 

動いているのは首を傾ける女の子だけとなり

 

3000万円ってなんのこと?と言う反応である

 

「さ、3000万……」

「数字が大きすぎてピンと来ないけどとんでもなく高いっす……」

 

ようやく口を開いても愕然として表情は硬い

 

「はは、自分でぶつけたりした事もあるからそんなに気にしないで良いからね」

 

話のとっかかりには向かない内容だったかな

 

まぁ質問が質問だったから仕方ないのだけど

 

それまでの弾んだ声がむしろしぼんでいった

 

「車は今日この後もずっと乗るから後でも幾らでも話せるからおいといて、今日の予定は聞いてる?」

 

「えっと、東都航空博物館って所を観て回って、その後にお昼を食べると」

「ひこうきとヘリコプター!!」

 

「うん、そんだけ聞いてれば十分だね。僕は宇佐門大西、沙希ちゃんの雇い主でカフェ兼バーを経営してるから今度カフェの時間帯に来てくれたら店でも歓迎させて貰うよ」

 

無理矢理ではあったが自己紹介へと繋げると

 

弟くんが慌てて頭を下げて彼もその口を開く

 

「姉ちゃんがお世話になってます。弟の川崎大志って言います。中学三年生っす、でこっちが妹の」

「けーちゃ、じゃなかった…かわさきけいかです!!さーちゃんとたーちゃんの妹です!!」

 

練習していたのだろうかなんとも微笑ましい

 

そして中々に可愛らしい呼び方が耳に入った

 

「良い子達じゃないかさーちゃん?」

 

「ちょっ?!やめてください!!」

 

笑いながらそう呼ぶと顔を赤くし止められる

 

「沙希ちゃん呼びとあまり変わらないと思うんだけどねぇ。名前だとたーちゃんと被っちゃうからうーちゃんって呼んで良いよけーちゃん」

 

「うん、うーちゃん!!」

 

なんとも言えない表情を浮かべているのだが

 

妹が喜んでいるから止めにかかれない様子だ

 

家族好きの優しい子を揶揄うのは程々にして

 

「楽しい日になりそうだ」

 

なんて笑い声が溢れている車内を見て笑った

 

目的地まで大体二時間程掛かる予定だったが

 

信号の連動もよくスムーズに運転出来たから

 

予定より前に出発したのを考慮しても早いな

 

「まぁ既に開館時間の九時半は過ぎてるからチケットを買って入ろうか」

 

セット券で大人二人、子ども一人で二千円か

 

未就学児はタダだから奢ったのは千円ちょい

 

代金を出すと豪語した割には正直高くないな

 

ここまで車で送ったのは大きいと思うのだが

 

内心で少し恥ずかしく思いつつ会計を済ます

 

「普通の展示から少し回ってから映像館に行けばちょうど良いかな。確かミニアニメが十時二十分からだからね」

 

「気になる所や時間の掛かる所は観た後にまた行けば良いですね」

 

館内での予定を立ててる間も既にソワソワと

 

子ども組が何処か待ち切れない様子を見せる

 

「それじゃ、行こうか」

 

ぐるりと一周、展示されてる飛行機を回って

 

ミニアニメを楽しむ一番下の子を見て楽しみ

 

ゆっくり見れなかった所へと足を運んでいく

 

「さっきより人が多い気がするのは気のせいっすかね?」

 

「いや、向こうに人の流れがありますね」

 

視線を向けた先にはカメラを持つ中年の男が

 

館内の飛行機の数々をフィルムに収めていた

 

「彼は…カメラマンの宍戸(ししど)永明(えいめい)氏ですね」

 

見覚えある男の名前を思い出す様に告げると

 

「あ、確かクラスで雑誌開いてる奴が何度か名前出してた気がする」

「俺も写真とかは興味ないけど、名前は知ってる有名人っす」

 

上二人も識ってはいる様で見る目が変わった

 

「早くさっきのところいきたい」

 

だが、小さいお姫様(けーちゃん)にはつまらなかった様だ

 

展示を一つずつ激写しているその横を通って

 

邪魔にならない様に展示の奥へと進んでいく

 

中に入れるV-44Aと言うヘリが目当てですが

 

「人がいますね。そんなに長居はしないでしょうから待ちましょうか」

 

おそらく小学生の低学年らしい子どもが四人

 

そしてその引率をしているお爺さんが一人だ

 

楽しんでる様で話し声が此方にまで聴こえる

 

「ここヘリコプターの模擬操縦も出来るらしいぜ」

「面白そうですね」

「うん」

 

期待に満ちた声が耳に入るが確か模擬操縦は

 

思い至った所でパンフを持つ子が声をあげる

 

「残念でした」

 

言葉から察するに模擬操縦の情報を見た様だ

 

「なんでだよコナン」

「ヘリコプターの模擬操縦って小学校五年生以上って書いてある」

「えーつまんない」

 

男の子の言葉にがっくりして浮かない表情だ

 

「おっ、儂が代わりに面白い話をしてやろう」

 

お爺さんの優しさだが子どもの顔は更に苦い

 

おそらく学校の校長みたいに話の長いタイプ

 

展示の前で話されると困るなと考えていると

 

「ギリシャ神話に出てくるペガサスと言う馬は…「ジャーン!!ここでクイズ!!」なんじゃいきなり…」

 

話を余程遮りたいのか子供がクイズを出した

 

「元旦とエイプリルフールと子供の日に生まれた三人が集まって会を作りました。さて何と言う会でしょうか、ヒントはペガサスの様に空を飛ぶ動物です」

 

低学年の子が出したとは思えないレベルだな

 

「最近の小学生ってすご…私よりあの子らの年に近い大志は何か思い付かないの?」

「いや、さっぱり…それに年の近さならけーちゃんの方が近いでしょ」

「う〜ん…わかんない」

 

イベントは日付か、集まるはきっと和の比喩

 

「なるほどトナカイですか、これは面白い」

 

「宇佐門さん分かったの?!」

「なんでトナカイなんすか?」

 

導き方を伝えようと思うと男の子の声が届く

 

「あれ、コナンくん分かったんですか」

 

「もちろん、三人の誕生日を足せば良いんだろ?」

「誕生日?」

「一月一日…四月一日…五月五日…十月七日?」

「そう、十月七日、トナカイだよ。10()()(かい)、クリスマの時ソリを引いて空を飛ぶだろ」

 

他の子へと答えを教えるその声に息が漏れる

 

「分かると凄いスッキリした」

「俺は考えたら分かりそうなのがちょっと悔しいっす」

 

クイズのおかげで此方も退屈にならなかった

 

話が終わればあの子たちも動くかと思ったら

 

先程見た有名人が近くの展示へ来たみたいで

 

子ども達の興味もそちらの方へと移っている

 

「おいおい、あれ宍戸永明じゃねぇか?」

 

子供へのサービスかカメラを向けて光らせる

 

見た目は多少厳ついが中々に優しい人の様だ

 

なるほど広く人気が出る理由が分かりました

 

彼の登場で移った話題と共に彼らは進んでく

 

待たせていたと思わせない様に少し間をあけ

 

「さて、あの子達も進みましたし展示へ向かいましょう」

 

さて今日の本来の目的へと戻るとしましょう

本当の目的はしっかりと果たせた事ですしね


 

沙希ちゃんの家族への饗しは成功に終わった

 

航空博物館の後の食事もしっかりと楽しめた

 

『それで下調べの方はどうなったの?』

 

「…此方は此方で進めている所なので僕の方へ連絡しないで欲しい所なんですが」

 

ただ進捗を訊ねる電話に此方も淡々と返した

 

『対策はしてるから問題ないわよ。と言っても貴方からしたら私との繋がりは知られたくないものね』

 

「分かっているなら、いえ、貴女は分かっていてやるタイプでしたね。はぁ、とりあえず仕事は果たしますのでお待ちください」

 

その日の話次第だが長引けばチャンスはある

 

『そう、貴方がそう言うなら好きにやりなさい。貴方なら上手くやるでしょう()()?』

 

切られた電話の先へと溜めずに息を吐き出す

 

『言われなくても…』

 





『1』


大西「選出理由は元が8シリーズだから?」
作者「はい」
大西「14番目の標的内の時間は?」
作者「1998年ですね」
大西「僕の車の発売は?」
作者「2021年です」
大西「言いたいことはありますか?」
作者「細かい事は気にしないでください」

そもそもコナンと俺ガイルの時間軸すら本来合わないんだから世界の法則レベルでおかしな点がない限りは気にしないでくれると助かります。

車について調べたり、航空博物館のモデルであろう場所を調べたり、意外と時間がかかってしまいました。そして少々体調不良も重なり(正直今も頭痛が酷い)、投稿が遅くなりました。

今月中に書き切りたいと言っていましたが正直厳しくなってしまいました。熱が出たりしない限り次の三連休中(四日以内)に書き上げるのでお待ちください。

あまり喋らす事が出来なかったけど一応けーちゃんは登場させる事が出来ました。何処かでまた登場させる事が出来たらするつもり。

そして少しですが登場したコナン一行、宇佐門との関わりはまだないですがそれは今後次第かな。

それではいつもの挨拶でさようなら。
読んでくれている方々に多大なる感謝を。
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