やはり俺が黒の組織に居るのは間違っている。   作:ひよっこ召喚士

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沢木さんや辻さんと会えたのは良いが

 

まさかあの店で毛利さんに出会うとは

 

正直探偵としてどうかは疑問でしたが

 

元刑事としてのあの人は確かに本物だ

 

それに彼処でも見たあのメガネの少年

 

おそらくギフテッド、中々面倒ですね

 

気分を落ち着かせる様に準備を進める

 

まだ夜は長い、急遽開店もありですね

 

整った店内を見渡し、端末を弄くって

 

お客様に開店の報せをメールで送った

 

それから程なくして店の扉が開かれた

 

「やぁ、マスター。急に報せが届いて驚かされました」

 

仮面の様に綺麗な笑みを浮かべている

 

エッセイストとして今人気の仁科(にしな)(みのる)

 

今日は東都でサイン会だった筈ですが

 

お客の事は此方から話すことはしない

 

がこの人は訊かずとも自然と語り出す

 

「今日は東都でしっかり女性達のハートを掴んで来ましたよ。ただ少々疲れてしまいましてね。少し喉と心を潤しに来たのです」

 

変わらずキザな言い回しが好きな様で

 

見栄ははるが裏表がないのは好ましい

 

「はぁ、この店に来る度にこの店の事が書ければと思わずにいられませんよ」

 

「それはご勘弁願いますよ」

 

それをされたらこの店はやってけない

 

この人は正面から恨まれる事はしない

 

断っている限り勝手な真似もしません

 

振る舞いだけで恨みを買いそうですが

 

そんな感想はおくびにも出さず微笑む

 

「それならマスターから何か話しはありませんか?他の客の事が話せないならマスター自身の事でも良いから聞かせてくれませんか?」

 

ルポライター時代の物か一切ひかない

 

押しの強さや入り込もうとする手口も

 

けっこうやり手に感じられますからね

 

人気はさておき昔の方が優秀でしょう

 

「そうですね。といっても話せることなんて余りはないのですが、特に今は少々立て込んでましてね。知り合いに調べ物を頼まれて忙しいんですよ。そのせいで今日も知り合いにヘリでの遊覧に誘われたんですが断るしかなくて申し訳なかったぐらいです」

 

辻さんには悪い事をしてしまいました

 

なんて思ってもない事をと自己を笑う

 

「マスターの交友関係は広そうですね。ですがもっと面白いネタがマスターには眠ってそうですがね」

 

まぁ、一つ大きな物がありはしますが

 

ここで話せば面倒な事になるでしょう

 

カウンター裏に置かれた手紙を隠して

 

なんてことない様にただ笑みで流した

 


 

送られてきている情報に目を通しつつ

 

いつも通り眠気を誤魔化して登校する

 

決定的な情報は未だに得られてはない

 

だが相手の予定はしっかり調べられた

 

五日後は宇佐門を動かす事が出来んが

 

ちょうど対象の予定もフリーだからな

 

考えていると見知った姿が視界に入る

 

頭に一方的にと付ける必要はあるがな

 

「…なんの用だ…川崎…」

 

宇佐門と関わりが深い相手ではあるが

 

俺との直接的な関わりはないんだがな

 

とは言えある程度は知っている相手だ

 

変に振り払う必要性もありはしないと

 

此方を見たまま佇んでいる川崎を見る

 

「あんたのこと、宇佐門さんに聞いた。カフェによく来てたらしいけど、あたし店内で姿を見たこと一度もないんだけど…」

 

意を決しやっと口を開いたと思ったら

 

いったい何を言いたいんだか頭が痛い

 

実際に痛んでるのは利き腕なんだがな

 

我ながらクソ程くだらないジョークだ

 

「…俺が引っ越したのは噂になってるだろ…忙しいのと今までと生活が変わったから行ってないだけだ……」

 

そう言うも何か納得がいってない様だ

 

言いたいことがあるならはっきり言え

 

そう言う思いを込めて睨みをきかせる

 

するとまたぶつぶつと声を出し始めた

 

「違う、あたしが来てから来なくなったんでしょ。前にあたしが休みの時に近くに寄ったらあんたの姿を見たんだ。その日は店も休みだったみたいだけど…」

 

その話を聞いて一気に背筋が凍る様だ

 

いったい何時、俺の姿をみたってんだ

 

慣れから来る鈍化だろうがやらかした

 

だが内容からして不味いものではない

 

ならばまだ誤魔化し様は幾らでもある

 

「…勘違いだ…お前が見たっていうのが何時かは知らんが…俺は俺の意思で動いてる…」

 

これ以上言う事はないと切って終わる

 

だが向こうの諦めも中々に悪い様子だ

 

立ち去ろうとする俺をまた引き留める

 

だが止まる気のない俺に紙を手渡した

 

程よく離れた所でその紙に目を通すと

 

見た覚えがあり過ぎる出勤の予定表だ

 

何時開くか分からない為に全てでなく

 

確定している出勤しか載っていないが

 

それでも個人情報の一部を躊躇なくか

 

頭が悪いのか、肝が据わっているのか

 

何方にせよ少ないが店の情報でもある

 

この事は一応叱っておく必要があるな

 

「はぁ、俺も反省が必要か」

 

上手く切り替えてやっていかないとな

 


 

ラ・フルールの食事から八日が経って

 

あれから絶好の時は来ませんでしたが

 

対象が予定にない準備をしてる様です

 

しかしそんな情報が来ても仕方がなく

 

アクアクリスタルに行くのは午後三時

 

午前だけで終われるなら良いのですが

 

仕事は勿論、全てに絶対はあり得ない

 

借りてるの人員は動かし自身は諦める

 

念の為、万が一、そんな準備を整えて

 

八日前にも走らせた車を車庫から出し

 

時間に間に合うように目的地へ向かう

 

駐車場が見えると既に車が並んでいる

 

きっと旭さんが招待した人でしょうが

 

知った顔もひぃふぅみぃと並んでいる

 

「こんにちは、皆さんも旭さんに呼ばれたのですか?」

 

「あれ、マスターじゃねぇか」

「宇佐門さんじゃん!!」

「マスター、一週間ぶりですね」

 

毛利さんに加え小山内さん、仁科さん

 

「お店でお話して以来ですね」

 

ラ・フルールで会って以来の沢木さん

 

「奈々ちゃん達からの呼ばれ方からして、あんたがあのパロマドラダのマスターか」

 

そして直接の面識はないが宍戸永明氏

 

情報は手に入れている様で笑みを返す

 

「失礼ですがお嬢さん、貴方方は?」

 

毛利さんの近くに立つのは推定警察官

 

何か事件でも起こっていたのでしょう

 

一番近くにいた奈々さんに質問を投げ

 

「えぇ?!おじさんアタシの事知らないの?」

 

自身の事を知らない彼に驚いてる様子

 

すると近くの部下がフォローを始める

 

「小山内奈々さんですよ警部、人気モデルの…あちらの二人は向かって左からエッセイストの仁科さん、カメラマンの宍戸永明さんですね。あいにく、マスターと呼ばれている方はメディア等で見た覚えがないのですが…」

 

お客以外は僕を知る機会はありません

 

なので彼が知らないのは当たり前です

 

毛利さんに紹介して貰うのも手ですが

 

初めの印象は大事なので自分から語る

 

「カフェ&バーを経営している宇佐門大西です。僕の店は紹介制で広告は一切していませんので知らないのも当然ですよ。そんな営業スタイルな為にこの様に世間的に有名な方々がお客として多くいましてね。お二人は警察の方の様ですし、店について知っている方ばかりなので言いますが、そちらの名探偵の毛利さんにもお世話になっています」

 

本来なら客の事は一切口外をしないが

 

変に口を噤んでも怪しまれますからね

 

「えっ、貴方があの有名な名探偵さん。うわぁ!!本物見るの初めて宍戸先生撮って撮って!!」

 

小山内さんは以前と変わらずの様子で

 

その脇で先ほどの刑事が紹介を続ける

 

「こちらはソムリエの沢木公平さんに毛利さんのお嬢さんで蘭さん、そして江戸川コナンくんです」

 

奇しくも僕が知らない方はいませんね

 

それにこれはなんとも嫌な予感も漂う

 

「おや、貴女はこれからも美味しい本をのお嬢さん」

 

「わぁ!!覚えてくれていたんですか?」

 

「ワインも女性も美しいと人の心に残るものなんです」

 

仁科さんもまた別の意味で相変わらず

 

「皆さん、旭さんに呼ばれているんですか?」

 

「えぇ、三時の約束ですね」

 

警部さんから訊ねられたのでそう返す

 

「私も三時よ」

「私も三時です」

 

やはり皆さんも三時の約束の様ですね

 

きっと返してない方々も同じでしょう

 

「警部さん何か事件でもあったんですか?」

 

「えぇ、実はですな……」

 

「ねぇ、三時になっちゃう。早く行こうよ」

 

事件の事を話そうとしたが時計を見る

 

「ん、あぁそうですな。とりあえずレストランに行きましょう」

 

そうして一同揃ってモノレールへ乗る

 

その直前に一つ連絡だけ送信しておく

 

「紛う事ないチャンスではありますからね」






『0』


大西「何か言うことは?」
作者「Page2の最後の電話の所少し変えました」
大西「違うでしょう?」
作者「あぁ、Page3の宇佐門さんの一人称が設定と違ってたので直しました」
大西「で?」
作者「三連休中に投稿しきれずにすみませんでした」


活動報告にも書いたんですが、普通に作業が出来なくて投稿というか執筆作業が出来ませんでした。何回も自分が言ったことを守れなくて我ながら情けない。

そして今回ですが、原作と違ってフォードさんには残念ながら消えてもらいました。彼の原作での悪ふざけとか好きではあるんですが、代わりに宇佐門大西が入ります。

そして、まぁ分かりやすくぼかしていますが、黒の組織の仕事の対象もこの中にいます。どうなるかはいつも通りお楽しみにですが。

さて、この後も遅れてる分書かないといけないのでこの辺で…

それではいつもの挨拶でさようなら。
読んでくれている方々に多大なる感謝を。
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