やはり俺が黒の組織に居るのは間違っている。 作:ひよっこ召喚士
上手いこと離れる事が出来たと思ったら
知らない場所で事件が起きていたらしい
実害が出て、皆一様にピリピリしている
八の次の七である奈々さんは特にである
「村上が順番を飛ばして変えてなかったって事は次に狙われのは奈々ちゃん、君だって事だ」
宍戸さんが冗談めいた口調でそう告げる
「や、やめてよ!!なんでそんな名前も知らない男に狙われなくちゃならないのよ」
「でも、気になることあるんでしょ」
優秀であると言うのは中々に厄介ですね
「だからあれは関係ないって」
「関係ないかはどうかは我々が判断します。話してください」
そして語られたのはバイク相手への事故
接触はしてないが相手へ被害が出ている
怖くて逃げたと言う典型的な証言でした
だがその話と村上は関係ないと判断され
全員で脱出の為、出口を探す事となった
まぁ恐らく村上とは関係無いでしょうね
そんな事を考えながら探索に参加すると
施設内の明かりが落とされて暗くなった
その暗い中で響く足音がいくつか聴こえ
遠くで覚えのある声による叫びが届いた
少し待つと慣れた目である程度は分かる
手元の小さな灯りを頼りにフロアへ戻り
発生元に辿り着く頃には明かりが回復し
床に横たわった小山内さんの姿が見えた
「スペードの七とジョーカー」
「村上です。村上がいるんです。この建物の中に」
「くそぅ。調べてきます!!」
「毛利さん!!一人じゃ危険です!!私も行きます!!」
何処か焦りが見える毛利さんが駆け出し
それに白鳥さんも慌てて後をついていく
その最中も警部により検死が進んでいく
暗闇の中で刺す為に贈られたマニキュア
そして襲われた時に剥がれ落ちた付け爪
この現場から分かる情報を集めていると
村上を捜す為に駆け出した二人が戻った
「警部駄目でした。村上はどこにも…」
「もう、ここから逃げ出しているんじゃないでしょうか」
成果が無かった事を残念そうに報告する
「状況的にここは密室じゃないのですか?」
「きっとまだ何処かに潜んでるんだよ」
不安の渦巻く中、あの子の姿が見えない
探してみると受付の裏にしゃがんでいる
近くには側面がへこんでいるジュース缶
あれが蹴り跡だとするとやはり彼ですか
「申し訳ない沢木さん。俺のせいで旭さんが殺されて店を任せるどころの話じゃなくなって」
「いえ、どうせ断るつもりでしたから。実は今勤める店も辞めて田舎へ帰る事にしたんですよ。私一人息子ですから両親の面倒をみなければならないんですよ」
視線の先では申し訳無さそうな毛利さん
そして何処か晴れやかな表情の沢木さん
「とにかく今は下手に動かない方が良いでしょう。特に宍戸さん」
「分かってますよ。次に狙われるのは俺って言うんでしょ。せいぜい殺されないように気を付けますよ」
次が宍戸さん、更に次が毛利さんとなり
そしてその次が四の僕になるんでしょう
しかし本当に思い当たる所はないですが
理由が分かれば気付く事もありますかね
そんな事を考えながらそっと距離をとる
気配を殺すのも得意中の得意ですからね
厨房の扉をそっと開けて彼の後ろに立ち
「何か手伝う事はあるかい?」
驚きに目を見開いているギフテッドくん
まず手に持つ水を代わりに持ち上げよう
小さな探偵くんに少し手を貸して見守る
その代わりに聞き出した彼の予想を聞き
なるほどと納得すると共に原因を考える
その間にも悪戯の準備は終わったようだ
「何やってんだお前は?」
「みんな喉渇いただろうと思って」
「バカ野郎!!勝手に動き回るんじゃねぇ!!村上が何処に隠れてるか分かんないだぞ!!」
「でも僕の名前に数字は入ってないから」
そうして配られたグラスに入れられた水
僕も含めて全員が笑みを浮かべ飲み干し
予想と現実が噛み合ったことを確信する
あの子が何かを探す様に死体近くにいる
そちらに意識をとられていた為に遅れた
次の瞬間、爆発の揺れと共に照明が消え
非常灯がついたかと思うと硝子が割れる
レストランの位置からして当たり前だが
どんどん海水が流入して流れに呑まれる
壁に叩きつけられ治りかけの腕を打った
痛みは酷いが意識を失う程ではないので
なんとか水面を目指して浮かび上がった
次々と浮かび上がる中で一人だけ居ない
それに気付いたあの子が再び潜っていく
見に行きたい気もしたが此方が危ないか
残念に思いながらしばらく待っていると
後を追うように潜った毛利さんが上がり
腕の中にいる蘭さんが水を吐き出してる
「あれを見てください!!」
知ってしまうとわざとらしく思えますね
指差した先には浮かび漂う六から二の札
「くそぅ、ここで一気に殺そうっていうのか?!」
「このまま留まればいずれそうなるでしょうが…」
「出口ならあるよ!!爆破された窓硝子!!」
やはりあの子供と考える事は一緒ですね
「無理です?!私はもう…」
「弱音を吐くんじゃねぇ!!俺が連れてってやる!!」
泳げない仁科さんは不安になっているが
宍戸さんが手を貸して連れて行くらしい
傷が開いたらしい警部さんは刑事さんが
死にかけてた蘭さんは父親の毛利さんが
流れ的には僕がまだ小さい子の担当だが
「すみませんねコナンくん。流された時に怪我した腕を痛めまして、自分だけで精一杯みたいです」
「僕、一人で大丈夫だよ」
まぁ実際にこの子ならどうとでもなるか
ただ身を守るので精一杯なのは情けない
「では私が先導します。行きましょう!!」
それぞれ息を吸って海の中へと泳ぎ出す
今が冬じゃなくて良かったと思いながら
遠い水面を目指して足をバタバタ動かし
近くの無事な施設の一角へ浮かび上がる
だが仁科さんが水を飲んでしまったのか
意識が戻らずに声掛けに反応が返らない
「私が人工呼吸をしましょう。私はライフセーバーの資格を持っています」
止めるべきか考えてると変な声が響いた
「待ってください!!人工呼吸は白鳥刑事貴方がやりなさい。早くしろ白鳥!!」
「分かりました…」
納得してない刑事さんが渋々動き出した
あの声の発生元は毛利さんとはズレてる
そもそも答えを出しているのは私と彼…
そこまで考えた所で首へと衝撃が走った
チクリとした痛みと共に何かが入り込む
恐らくは麻酔系の薬物だろうが意識が…
最後の最後にやってくれたなあのガキめ
『0』
本日三話目の投稿です。
次で本当に終わります。
とりあえず終わらないと語れない事も多いので今回も後書きは少々寂しいですが終わります。
いつもの挨拶でさようなら。
読んでくれている方々に多大なる感謝を。