やはり俺が黒の組織に居るのは間違っている。   作:ひよっこ召喚士

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ボランティアを終わらせても暇にならない

 

動けなかった分の仕事は結構な量になった

 

日常を削ると結局は面倒になると痛感した

 

だから休みの間に終わらせるのが最低限だ

 

今後の成果分も何かしら掴みたいもんだが

 

そんな事を考えながら端末で報告書を書く

 

その途中で連絡が届いていた事に気付いた

 

ジンからでわざわざアジトに呼び出しとは

 

面倒事の香りが香水の様にプンプンと漂う

 

それでも仕方がないのでハンドルをきった

 

赤信号の度に書いてた報告書は途中のまま

 

アジトへ到着したので仕方なく仕舞い込む

 

運転しながらやれば終わったかとも思うが

 

犯罪組織幹部が交通事故で死亡は笑えない

 

作業が進まない分、面倒が少なけりゃ良い

 

アジト内で見た顔、見たこと無い顔を眺め

 

指定された部屋に着くと珍しい表情が映る

 

「その愉しそうなイラついた顔は?」

 

厳つい顔が普段は見ない歪み方を見せてる

 

こうなる理由に怖い物見たさが湧いてくる

 

茶化したくなるのを我慢しつつ問い掛ける

 

すると予想だにしない言葉が耳に入り込む

 

「シェリーの奴が逃げやがった」

 

「は…? はぁあ!?」

 

全くもって何がどうやったらそうなるんだ

 

そんな疑問やらに覆われて頭が機能しない

 

だが言葉を呑み込んだと同時につい叫んだ

 

なるほど組織を完全に裏切ったと言う訳だ

 

後、何故仕事の途中で呼ばれたか分かった

 

「なるほど、少し前まで俺の調査をしてた訳だな。そして、俺の完全な白が証明されたな?」

 

いや、この場合は完全な黒と言うべきか?

 

まず間違いなく疑うべき対象なのは分かる

 

そもそも逃げられると思って無かったんだ

 

何者かの手引き無しでは不可能と踏んでた

 

それなのに逃げられた外部の手引き無しで

 

自身の管轄下で格下と判断していた相手に

 

まんまと出し抜かれて消息も掴めていない

 

だから裏切者を仕留める狩の愉しさと共に

 

自分自身のミスを伝達する辱めを受けてる

 

そりゃあ情緒はやられて、顔も歪むだろう

 

「それで俺に始末でもして来いと?」

 

「見かけ次第始末の指令は幹部全員への伝達だ。まぁ、お前がどうするのかまでは強制しない。好きにするんだな」

 

先程までのなんとも言えない面は消え去り

 

何かを期待するかのように笑みを浮かべる

 

この野郎、アイツの一件以来楽しんでるな

 

人をてめぇの娯楽の為だけに呼び出すなよ

 

他には要件は無かった様で本当に腹が立つ

 

おそらくまだ調査の途中なのか消えやがる

 

嫌がらせの為だけにわざわざ時間を作るな

 

それにしてもシェリーの奴が逃亡したねぇ

 

止められていたであろう情報に目を通すが

 

あいつが自力で脱出出来るとは思えねぇな

 

それにしても姉妹揃って堪え性の無い事だ

 

【ごめんね。八幡くん】

 

【お願いね、あの娘の事】

 

【ごめんね…とだけ】

 

「なんで俺なんだよ……」

 

選ぶのも選ばれるのも、もう沢山なんだよ

 

選択肢があったとしても、役割があっても

俺は二度と主人公(正義の味方)には憧れたくねぇんだよ

俺のこの目を光らせる事は出来ないんだよ

それなのに、それなのに、何で俺なんだよ


〜Close〜

 

味気ない最後の晩餐は最悪の毒が入ってた

 

望みの無いこの世界にたった一つの選択肢

 

選ばざるを得ない道筋を照らす性格の悪さ

 

死ぬ事も出来ない私の運の悪さも笑えるわ

 

この場を離れずにこの場に残るのは無いわ

 

確率が低くても確かな結果を見てしまえば

 

組織はもう手段を選ばず、形振り構わない

 

何をしてくるのかいよいよ分からなくなる

 

より多くデータを得る為に薬を多用させて

 

薬の使用者を調べて研究を無理に進ませる

 

それだけでなく過去の使用者にも目を向け

 

私が改ざんしたデータなんて直ぐに気付き

 

小さくなった彼に簡単に辿り着いてしまう

 

そう言えばアイツは彼の事を嫌ってたわね

 

そうなると嬉々として殺しに行くのかしら

 

姉さんと同じ裏切った私の事も追い掛けて

 

逃げ場も人けもない場所に追い込められて

 

…やる気の無い彼からは想像出来ないわね

 

想像出来ないのよ…仕事をする姿なんて…

 

どうしてなのかしら、全く分からないまま

 

何処までも間違ってる彼からの正しい言葉

 

自分を恨めと言う最適解がすんと胸に沈む

 

此処までお膳立てされないと動けない私を

 

同仕様もない自分自身を恨んで止む事無い

 

それでもボロボロの身体で逃げ道へ入った

 

ダストシュートから出入り口はとても近い

 

薬品と関係ないゴミは外の業者が回収する

 

組織は勿論、研究所の人間も見には来ない

 

カメラの類だけ気を付けて外に飛び出した

 

初めは何も考える余裕もなく、ただ走った

 

小さくなった足で少しでも距離を稼ぐ様に

 

少し経ち働きの変わらない頭を必死に回す

 

警察が役に立たないのは彼と私の共通認識

 

組織に居続けた私に頼る知り合いはいない

 

そんな中で思い出した情報だけを頼りにし

 

同じ境遇である彼の家へ向けて足を動かす

 

東京都、米花市、米花町、2丁目21番地へ

 

頼りない身体を気力を駆使して動かし続け

 

なんとか見たことのある風景へと辿り着く

 

でも役立たずでも毒は毒、酷使された身体

 

見放したかの様に降る雨で体力も削られた

 

ゴールを見てしまった私の意識は途切れた

 

「こりゃいかん!? 大丈夫か!?」

 

遠くで焦った様な何処か暖かい声が響いた

 


〜Open〜

 

途中で下らない邪魔が入ったが経過は順調

 

動かせなかった身体と離れた精神も慣れた

 

鬱憤を晴らす様に仕事を熟して余裕もある

 

この調子なら来週にはマイナスは無くなる

 

残りの期間も働けば来期は楽が出来そうだ

 

そんな事を考えていると珍しい連絡が入る

 

何かあったのかとメールを開いて目を通す

 

From:[email protected]


To:[email protected]


件名:手土産をお探しだと耳に届きました


 

 

◯月△日 19:00〜

千葉ポートタワー花火大会

 

協賛者一覧

https://www.hanabiexample.com/page.html

 

 

 

何処までも丁度よい内容は甘美な罠の様だ

 

だが、信頼はしないが信用は出来る相手だ

 

裏切らないと言う一点は信頼もしているが

 

()()の中でも扱い辛い類なのは間違い無い

 

それに下らない内容なら無視しても良いが

 

今回ばかりは渡りに船と言える内容だろう

 

拘束時間や準備期間を考えると非効率だが

 

使いようによってはお釣りもぶんどれるか

 

上手く誘導さえすれば四の成果を得られる

 

「まだ時間はあるな。後で順番に連絡していくか」

 

その前に書き途中の報告書を終わらせよう

 

はぁ、一気に終わらせるとこれが面倒だな






『2』


大変お待たせいたしました
ほぼ六ヶ月ぶりの更新です
いや、本当にごめんなさい
何から書こうか悩んでたら
気付いたらこんだけ空いて

と必要ないのに後書きまで文字数揃えて遊ぶのはこれくらいにして、改めて読んでくれている方々にはお待たせしましたとしか言いようがないです。

前回の劇場版を書いて力尽きたんじゃないかと思われそうですが、まだまだ書いていく予定なので気長に待ってもらえると幸いです。……まぁ気長にも限度はあると思うのでこれ以上あかないように気を付けはします…はい…

はい、と言うことで前回が劇場版ですがコナン側と言う事もあり、今回は一応俺ガイル側のお話となりました。

原作と違い由比ヶ浜に誘われるなんて事はありませんが、組織の関係者から情報提供と言う形で八幡が花火大会へ出かける事になりました。

情報提供の形をメールっぽい見た目にしようと試行錯誤しましたが、あまり上手く出来た気はしません。それと使って良いダミーのアドレスの書き方とかがあるんですね。調べながら書いてて一番の勉強でした。

まぁ、私の苦労にさほど興味はないでしょうから話を戻しますが…情報提供者は本文にある様に黒の組織における八幡の部下となります。

今回のFileの間には出てくるので言ってしまうとオリキャラですね。オリキャラばかり生やしたくないんですが、全く無しともいかないのでね。

コナンとか一回しか出て来ないキャラも多いし、許して欲しいです。まぁそのオリキャラがどんな人物なのか、詳しくは登場してからと、今後の活躍次第のお楽しみです。

八幡は提供された物を利用し尽くす予定ですが、夏祭りの間にいったいどれだけの事をするのか、そしてそれは何処まで上手くいくのか、こちらもお楽しみに。

今回の話の初めの方ではシェリー逃亡についてと、その逃亡中のシェリーについてもざっとありましたが、これで進めやすくなる面もあるのでチマチマ書いていきます。

とりあえず今回のFileの続きはだいぶ書けているのできりが良い所で区切って、ポンポンとはいきませんが、ポン……ポン……程度のリズムで上げていくのでよろしくお願いします。

それでは久しぶりにこの挨拶でさようなら
読んでくれている方々に多大なる感謝を
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