やはり俺が黒の組織に居るのは間違っている。   作:ひよっこ召喚士

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特に用もやることも無く

 

帰る事も許されず部屋に居る

 

ただひたすらに無駄な時間だ

 

「はぁ」

 

「部室に断りもなく居座ってため息を吐くなんて不愉快極まりない行為をするのであれば早急にこの部屋から出て行ってくれないかしら?」

 

部活の内容については先生から聞いている

 

だがこのような非公式の部活に客が来るのか疑問だ

 

その疑問の答えは思いがけない形で直ぐに出た

 

この部活の扉からトントンと音が響いた

 

「どうぞ?」

 

「し、失礼しまーす」

 

「平塚先生に言われて来たんですけど・・・な!?なんでヒッキーがここにいんの!?」

 

こいつは……由比ヶ浜結衣か……

 

面倒ごとが舞い込んできた気しかしない

 

「それは俺の呼称で良いのか?」

 

「こ、呼称って……ヒッキーはヒッキーだし、何言ってるのか分かんなくて、ヒッキーキモい!!」

 

間違いなく面倒ごとのようだ

 

ヒッキーねぇ……比企谷からとったのか

 

それとも欠席の多い引きこもりからか

 

どちらにせよ馬鹿馬鹿しい呼び方だ

 

「それで何の用だ由比ヶ浜、平塚先生からと言うなら依頼か?こんな部活によく来たもんだな」

 

「勝手に話を進めないでくれる……それで由比ヶ浜さんは何の依頼で来たのかしら」

 

「えっと、その……」

 

言いづらそうにこちらをチラチラ見てくる

 

異様に驚いてたのは俺が邪魔だからか、もしくは……

 

「ああ、そこの害獣が居るせいで話せないのね。とっとと出ていきなさい、空気を読む事すら出来ない訳?」

 

「部長自ら出て行けと言うのであれば平塚先生への説明義務を負ってくれると解釈させてもらう」

 

そう呟くと逃げる様に部室から出ようとした

 

しかし、それは叶わなかった

 

「ちょ、ちょっと待ってよ!?別に出てって欲しい訳じゃないから、それになんで二人はそんなにけんわるなふいんきなの!?」

 

由比ヶ浜が出て行こうとした俺を遮った

 

けんわる…険悪のことか?

 

ふいんきじゃなく雰囲気(ふんいき)だろ

 

面倒だが振り払うか……?

 

いや、十中八九余計に面倒な事になるな

 

「なんで?そこの人の気持ちを踏みにじる事しか出来ない男と仲良くすることなんて不可能だからかしらね」

 

「はっ、好きに言え。俺は人と関わるのが嫌いなだけだ。険悪云々はそいつが一方的に絡んでるだけだ」

 

「う~、二人とも怖いよ……ええっと、それでさ依頼なんだけど、私クッキー焼ける様になりたいの、上げたい人がいて、それで、えっと手伝って欲しくて……」

 

クッキーに、上げたい人ねぇ……くだらねぇ

 

依頼の方もどうでもいいな

 

手順さえ守ればある程度の物は作れる

 

作り方でも調べてろ

 

「必ずしもあなたの願いが叶うわけではないけれど、奉仕部の理念に基づいて可能な限りのお手伝いはするわ」

 

自己満足な行為で好きに浸ってると良い

 

2人が話をしている隙に出ていく

 

話しと依頼に夢中な雪ノ下は気づかない

 

俺をずっと見ていた奴は小さく「あっ」と声を零した

 

それを無視してそのまま歩き去る

 

「気の迷いってのは厄介だな」

 

あの時の俺はきっとどうかしていたんだろう

 

そしてここまで後を引くとは思わなかった

 

仮入部に付き合うのを辞めるか?

 

教室で動く事は無いだろう

 

あの場所へ行かなければいい

 

そうだ簡単な事だろう

 

「俺に関わるな……」

 

全て間違いでしかない

 

ならば関わる必要も無いだろう

 

家に帰ろうと自転車に乗る

 

そこで仕事用の携帯にメールが入った

 

「……明日の休みにトロピカルランドに集合?」

 

このメールだけで理解できると思ってるのか……

 

呆れながら詳細を寄越せとメールを送り直した

 

すると取引の見届けと工作の手伝いらしい

 

先にそっちを言えとしか言葉が出ない

 

リア充の仲良しグループじゃねぇんだぞ

 

そう思いながら必要になる荷物を選定し

 

明日の計画を複数用意してから眠った

 

そして仕事当日、俺は怪しまれない格好で来た

 

トロピカルランドなんてファンシーな遊園地

 

黒ずくめなんて浮いて仕方がないというのに

 

目の前の二人を思うと呆れるしかない

 

そもそもなんでこんな場所を取引の場所にしたんだ?

 

木を隠すのは森とは言うがいささか騒がしすぎる

 

「本当に一人で来てるのか確認するぞ」

「へぃ、アニキ」

 

確認の仕方がジェットコースターってお前ら

 

自分達の見た目を考えてねぇのか

 

悪目立ちなんてもんじゃない

 

俺は少し離れて着いて行く事にした

 

どうやら一回の乗員は8人か

 

俺は次になりそうだなと思ってると様子がおかしい

 

戻ってきたコースターは血まみれだった

 

面倒に巻き込まれやがって

 

俺は関係ないから離れて仕事の準備に向かった

 

「おー、工藤君じゃないか!!」

「なに、工藤!?」

 

後ろの方から気にくわない名前が聞こえた

 

だがあの状況では好都合か

 

あの一般人はターゲットじゃないし

 

アイツらは犯人ではない

 

となればあの場の警察からはむしろ助かるだろう

 

目ぇ付けられたら面倒どころじゃないがな

 

予想通りあの気持ち悪い探偵は事件を解決したようだ

 

俺はあいつに見つからない様に隠れた

 

そして取引の様子を見守っていると

 

【ウォッカ】の奴がつけられているのが見えた

 

しょうがないと【ジン】にそれを伝えた

 

静かに携帯を覗いたジン、工藤を確認すると

 

気配を殺してあいつに一撃を入れた様だ

 

あの様子なら顔を隠せばばれないだろう

 

「こいつ(バラ)しやすかい!?」

 

「いや拳銃(チャカ)はまずい!!さっきの騒ぎでサツがまだうろついてる!!」

 

今の気分を言葉で表すのは難しい

 

良いとは決して言わないが悪い訳では無い

 

だが目の前に倒れる存在を嫌悪し

 

その自身をも殺す好奇心に呆れた

 

「こいつを使おう…組織が新開発したこの毒薬をな」

 

どこかで聞いた話だな

 

ああ、そうだシェリーの奴が愚痴ってた奴か?

 

「フフフ…なにしろ死体から毒が検出されない…完全犯罪が可能なシロモノだ!!まだ人間には試した事がない試作品らしいがな…」

 

『やっぱりアイツの薬か、勝手に使って迷惑してると言ってたぞ』

 

「フン、知った事か、行くぞ」

 

「アニキ達、早く!!」

 

【ウォッカ】の声に従い俺も素早くこの場を離れる

 

まったく、名探偵とは愚かしい生き物も居たもんだな

 

 

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