蒼天を駆ける野球バカ   作:FAKE MEMORY

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こんにちは、大島です。誰が何を言おうと大島です。
ユーザー名で決して呼ばないでください。あれは黒歴史です。
まあそんなことはともかく、最近ウマ娘にハマったので勢いで書いてみました。
そして、そのまま聖ウンス会に入会しました。
皆さんよろしくお願いします。


転移

「中卒でいきなり中央サブトレーナーなんて、初めはどうなるかと思ったんだがな……よく頑張った」

 

 急に目の前に現れた光景は、職員室のようで職員室っぽくないよく分からない部屋だ。

 プレハブっぽくもあるし、部室と言われても納得はいく。

 このよく分からんじっちゃんが作業するであろうデスクには、パソコンと謎の大量の資料が積み上がっている。

 学校……なんだろうがサブトレーナーとか中央とか単語がよく分からない。そもそも俺は学生でそんな大層な名前はないぞ?

 そんでもって百歩譲ってここが学校だとしても、こんな部屋俺の記憶にない。

 それに……おかしいな。俺さっきまで授業中に寝てたはずなのに。

 ここはどこだ……? そんで目の前のこの人は誰なんだ……?

 

「え、あ、はい」

 

 ちょ……マジで何の話だこれ。

 

「気ぃ抜けてんなぁ……それも、お前らしいわけだが」

 

「えっと……」

 

「おっと済まない。本題に入ろう。実は、俺はそろそろトレーナーを引退することになる。結局、重賞ウマ娘は育てられなかったのは、あの子達に申し訳がない。だから、悠介。君が、君の思う自由に動きなんでもやりたいようにやった末の未来を、俺は見てみたい」

 

「そうですか……」

 

「ああ。おめでとう、今日から君はトレーナーに昇格だ」

 

 う……うん? な……なんかすんごい重要な話な気が……。な、俺は何をされてるんだ?

 

「……ありがとうございます! 絶対(打者)三冠取ってみせます!!」

 

 ヤケクソで放ったその言葉。目の前のじっちゃんは唖然としていたが……すぐに満足気な顔をした。

 

「ああ……頑張れよ」

 

 分からない……話の流れが全く分からないぞ……。

 

◇◇◇◇

 

「何だこのケモ耳天国は」

 

 適当に散策してみて、俺がなんかすっごいでかい女子校にいるのは分かった。

 植え込みが豪華だし、校舎は立派だし、陸上のトラック……? みたいなのもアホみたいにでかい。 相当金かかってる私立だな、これは。

 だが、トレーナー。これが分かるまではかなり時間がかかった。

 まず、ケモ耳……しかも馬耳というかなりニッチなケモ耳でゴリ押ししてくるのがびっくりだ。普通犬か猫だろって思うんだよ、俺は。

 そこから、なんか見たことあるような顔を見てようやくトレーナーという言葉が記憶と噛み合った。

 そういや、なんかそんなゲームあったなと。

 確か……競馬の……ダビ、スタ……だったか? なんか、そんな感じだったはずだ。

 そして、このケモ耳種族はどうやらウマ娘というらしい。そうだ、ダビスタじゃねぇ。ウマ娘だ。全然記憶と噛み合ってねぇじゃねぇか。

 正直競馬は触った程度しか知らない。何とかルドルフとか、あとディープ……インパクトだったかパープルだったかと……あと最近の……そう、アーモンド吉田だ。これだけは覚えてる。後は聞けば思い出すと思う。知らんけど。

 ようするに、ウマ娘の名前言われてもほぼほぼ分からないだろうな。

 そんでもって問題はトレーナーの仕事がほぼほぼ分からないということだったが、それは何とかなりそうだ。

 どうやら俺はさっきのじっちゃんの下でサブトレーナーとやらをしていたらしく、じっちゃんが引退までの少しの間仕事を補助してくれるそうだ。

 そして、まずするべきはウマ娘のスカウトらしい。ウマ娘を見る目はいっちょ前らしいが、俺は絶対無理だからそういう期待はかけないで欲しい。

 

 そして、来たのがどデカい陸上のトラックもとい模擬レース場だ。

 

「えげつなく広いんだよな」

 

 トラックがでかい。競馬場に行ったことがないからわからないが、こんな感じなんだろうか。

 そのレース場で人間とは思えないとてつもないスピードでウマ娘が走っていた。

 あの子たちはサイヤ人かなにかだろうか。ちょっと状況が飲み込めない。

 じっちゃん、俺この中から誰選べばいいんだよ。まあでも、ポケモンとか御三家は基本どれ選んでもそこそこ強かったし最初は良い感じのが選べるんだろ。

 

「どうだ、お前から見てこいつとなら三冠取れるってやつはいたか?」

 

 あ……なるほど競馬にも三冠があるのか。

 

「いや……皆同じに見えますけど」

 

「同じ……? そんなわけが無い。あの子なんか走りっぷりは大したものじゃないか」

 

 そう言って、じっちゃんは一着を取ったウマ娘を指さした。

 どう、するか……。このままだと俺がトレーナーの知識が全くもってないと気づかれてしまう。

 ……そうだ、こういう時こそ野球馬鹿の俺がひたすら選手やOBの言葉を本やら動画やらで探し回ってた時の知識を生かす時が来た。

 その言葉に信ぴょう性を持たせるためにすること……それは悪ノリだ。取り敢えずノリに乗って、調子に乗ってそれっぽいことを言えばなんでも本気に見えるのだ。

 俺は腕を組んでため息を吐いた。

 

「中央のトレセンに入れるウマ娘は極わずかだ。俺の経験則からして、それだけのレベルの場所に集まる人は皆一流。単純な身体能力の差は極僅かしかない。とはいえそこで、着順の大きな差が生まれるわけが無い。じっちゃん、入学したあとの伸びはウマ娘自身が『分かる』かどうかで全てが決まるんだ」

 

「分かる……。何を、分かると言うんだ?」

 

 じっちゃんの眼光が鋭くなった。正直怖くてチビりそう。だが、ここで一歩引くと信憑性がなくなってしまう。

 ここを首にされた時どうなるかわかんない以上、突っ走るしかない。

 

「ふっ……そんなの簡単さ。自分は誰なのか、それを細部まで知る。体も心もだ。そして、自分が誰なのか分かる。それさえできれば、誰にでも等しく勝ちが見えてくる」

 

「だから、変わらない……」

 

「そういうことだ」

 

 俺は組んでた腕を降ろしてそーっとじっちゃんの胸ポケットに手を入れてとある箱を取り出した……ところで腕を掴まれた。

 

「お前はまだ未成年だ」

 

「Peace……ヘビースモーカーかよ」

 

「ふん、流石にトレセン内では吸わん。臭うと生徒に嫌われるからな。……緊張してないようで安心したわい。それだけ俺のやってきたことを否定するくらいなら、もう手助けなんかいらないな」

 

「え……ちょ待っ」

 

「お前に俺の夢を託したぞ」

 

 どん……と拳で俺の胸を叩いて。じっちゃんはどこかへ行ってしまった。

 待て、今のとんでもないバッドチョイスだ。ヤバいってそれは、帰ってきてくれよ!! ヤバいマジでヤバいから!!

 ほら、あの一着のウマ娘見てよほら才能の塊だってうぉぉぉぉい!! 誰だ皆同じって言ったやつ馬鹿じゃねぇの、天才はいるんだよぉぉぉ!!

 くっ……ダメだ。もうクビ寸前だ。この世界で仕事失ったらどうなんの? リアルと変わらん? 終わりだよ。

 ガックリと肩を落とした俺。そして、その後ろから見る1人のウマ娘。

 

「おお〜お熱いですね〜」

 

「誰やねん」

 

 振り向いてみると、髪の短いウマ娘がいた。

 

「はいはーい。セイウンスカイですよ〜」




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