っていう言い訳です。
まあでも、公にスピカだとかでガッツリ絡ませるのはない……と思います。まあ、ちょこちょこ話は挟むかもしれませんが、一応そんな感じです。
「どうするよ、これ」
「どうするって言われましてもー……」
「いや、だって助っ人で来たからにはさ、なんかこう……サポートしてくれるとありがたいわけよ」
「でも、私だってデビュー戦控えてるんです。あまり時間は……」
うん、それは大事だな……ぶっちゃけスカイは理事長との一件だけで怒ったとは言い難い。
レースの日程が迫ってきた中で長期的に俺が消えたりとか、そういうことが積もりに積もって爆発した感がある。
だから、それこそスペシャルウィークをこき使ってたら本末転倒って訳だ。
「まあ……ほら、それとなーくスカイから俺の事どう思ってるのかとか、聞いてくれればいいから」
「トレーナーさんは初恋の男の子ですか……?」
おい、この子純粋そうな顔をして案外グサグサ突いてくるぞ。
「多分、私が聞いてもセイちゃんはなんとなーく察すると思います。それなら、いっその事直接聞いた方が火傷しなくてすみますよ」
何だこの話。確かに、マジで恋愛相談みたいになってんな。
「それに、私が聞いてきたとしてトレーナーさんはその後どうするんですか?」
どうする……あれ、意外となんも起きねぇ。てか、これ根本的な解決にはなってねぇな。
「私……正直に言ってしまうと、こういう経験ってあまり無いんですけど、こういうのはバシッと男らしく行った方がいい!! ……って、お母ちゃんなら言う気がします」
ふーむ……。男らしく、ねぇ。
「男らしくって……なんなんだ」
「え……えーっと、そうですねー……デートに誘ってみては?」
「俺トレーナーなんだが」
んな事して折角事なきを得た理事長サイドとまたゴタゴタが起きたらどうするんだよ。
いや、でも待てよ……なんかそんなのに似たシチュエーションが今まで出なかったか?
……そうそう、釣りだ。だいぶ前に、スカイと釣りに行った。あの時はスカイから誘われて行ったわけだが、俺から誘って行ってみるというのは案外ありかもしれない。
そこでなら、俺でも直接スカイと話すことはできるはずだ。
もし断られたら……なんてのは後で考えればいい。後先考えずの行動が俺なんだ。そんなことしてブレるのは良くない。
「ありがとう、スペシャルウィーク。多分、ちょっと進んだ気がする」
「本当ですか? それは良かったです」
「うん。後先考えず、直感で行動して誰かを困らせてなんだかんだいい感じに収まる。自己中最低クズ予定調和系主人公で行こうと思う」
「なんかよくわからないですけど、それはやめた方がいいと思います」
ふっ、決めたことはもう変えることはないぞ。人の性格はそうそう変わることは無い。
よし、そうと決まれば……。
「無限の彼方へさあ行くぞ!!」
「え……?」
スペシャルウィークを放っておいて、俺はトレーナー室にいっそいで戻った。
ワンチャンスカイが帰ってしまってるなんてことは無いだろうか……と心配だったが、律儀にも待っていてくれたらしい。
携帯を弄りながら暇そうに欠伸をしているスカイがいた。
スカイの性格的に帰っていてもおかしくなかったのに……。
ま、待てよ……お前まさか……。
「ザラブ星人か?」
「はい?」
「いや、なんでもない」
どうする? 取り敢えず目の前にいるスカイがザラブ星人だったと仮定してみよう。ザラブ星人と釣りの約束をしたら、当然約束した場所に来るのはスカイではなくザラブ星人なわけであって……。
俺は、ザラブ星人とデートするのか。いや……ま、それはそれでありっちゃあり……ねぇよ。
てかなんだよザラブ星人と仮定するって。んな状況起きるわけねぇだろ。
「それより、さっきはすまん。なんか、突然拉致されちゃって」
「まー、今に始まったことでは無いですし。これで私の気持ちを少しわかって貰えましたか」
「そうだな」
ごめんな……って言いたいところだが、あれはサボってたスカイにも非があるからな。
「スカイ、明後日なんだけど……予定は空いてるか?」
「……どうしたんです? 急に」
「もし暇なら、一緒に釣りでも行かないかと誘おうと思って」
「釣りですか……」
スカイは少し考え込む仕草を見せて、何度か頷いた。
「良いですよ。前と同じ場所でもいいですか?」
「ああ、それでよろしく」
うん……あれ? 意外とすんなり決まったな。まあ、それならそれでいいんだけど……。なんか、めちゃくちゃ考えてて損した気分だな。
さて、まあそんなこんなで釣りをすることになったのだが……。
「ん……トレーナーさん。竿は買ったんですか?」
「……いや、まあだから明後日って感じで」
そう、俺はなんにも持ってない。竿どころか釣り道具全般、クーラーボックスとかそういうのも一切持ってない。
だから、明日どこかしらのショップで道具を揃えて準備をした上でさあ行こうって感じで考えたわけだ。
大分行き当たりばったりになってしまうが、そこら辺は目を瞑るって決めたんだ。
「なら、明日一緒に買いに行きませんか? トレーナーさんのことだから、面倒くさくなって百均でーなんてこと考えかねませんからね」
なに、今百均で釣竿売ってるの? それはシンプルに面白いな。
そんだけなんでも売ってるんなら、大体のものあそこで揃えちゃえばいいんじゃないかな。
「良いのか?」
「折角、釣りに興味を持ってくれたんですし? まあ、かるーくレクチャーするぐらいならやぶさかではないですから」
「そっか、ありがとな」
「いえいえー。まあまあ、放課後にゆっくり探しましょうよ」
うんうんそうだな放課後に……あれ、放課後……トレーニングの予定だったよな。
おかしいな、なんかサボる流れになってるな。
……こいつ、謀ったな。
まあ……そのくらいの出費で信頼を取り戻せるなら大したことは無い、か。
◇◇◇◇
と、次の日やってきたのが駅から少し歩いて見つけた釣具店。
まあ、教えてもらうとは言っても俺は初心者なわけで、まあ投げて遠くに飛ばしたりとか、そういうのがいいのではということで5000円前後の竿で探すことになった。
まあ、正直ここは悩んでも仕方ないしなんかそれっぽいのを選べばいい。基本的に、初心者におすすめってなればわかりやすい売り方をしてるもんだし、間違えることは無いだろう。
とりあえず、あの時釣りをした堤防でというのであれば、こういう釣りにおすすめとか書いてあるのを片っ端から見て堤防で使えそうなのを選べばいい。
釣竿の名前をネットで検索して、詳細を見て、スカイにも見てもらってそれで良さそうならそれにするみたいな。
そんなのがいいかもしれない。
「いいと思いますよー」
スカイのその言葉で即決だ。実際、右も左もわからない状態で自分を当てにしない方がいい。
最初店員にも聞いてみたわけなんだが、結局店員とスカイが話し込んでて何言ってるのか全然分からなかったし、取り敢えずスカイに言われるがままに選んだ。
「あとは、ルアーを使うならどうとかある?」
「うーん、最初は生き餌で良いんじゃないですか? そっちの方が絶対上手く釣れますって」
「なるほど」
「だから、今回は釣りをするのに最小限のセットを揃えて、明日はそれでゆっくり釣りするのが1番だと思いますよ」
まあ、買ったとして何度も使う訳でもないだろうしな。ハマったらハマったでそこそこ使えて、飽きてもダメージの少ないものって考えれば無難なチョイスだな。
「なら、それで決まりだな」
まああっさりと決まったもんだ。
てか、俺自身買うもの選ぶのに迷うタイプではないからな。さっさと決めてさっさと帰る。
時間は無駄にしないに限るだろ?
俺はせかせかとレジに行って釣具を投げ釣り用の竿を買った。てか、投げ釣り以外ってどんなのあるの? なんか小エビみたいな赤いやつパラパラやったりとかあったような気がするけどああいうのはまた別なのか?
「うむ、良きかな良きかな」
さっき買ったばかりの竿を見ながらニヤける俺。
スカイは、そんな俺をじっと見ながら満足そうにしていた。
「トレーナーさん、明日は楽しみですか?」
「当たり前だろ。また、大物釣りてえし」
「そうですね。私も、明日は楽しみです」
うん……やっぱりなんか、ちょっとづつだが、関係が元に戻ってきてるような気がする。
やっぱり正解だったか。
いやいや、まだ油断出来ない。ちょっと気を緩めたらすぐダメになるのがテンプレだ。今こそ気を引き締めなければ。
とはいえ、遊びで緊張感を持つなんてやってらんねえ。
まあ、ここは俺らしく楽しめっていう感じの解釈をしておこう。
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