蒼天を駆ける野球バカ   作:FAKE MEMORY

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なんかこう、キャラブレしないようにって本当に難しいですよね。
何度もイメージするんですけど本当にキャラブレしてないのか疑心暗鬼になってきます。



逃避行

 どうも、セイウンスカイのトレーナーになった三浦悠介です。いやはや、今適当に走らせてタイムを計ってるわけなんだが、びっくりだよ。

 昨日の模擬レースのタイムを計ってたんだが、1着の平均タイムとほぼほぼ変わらん。

 なんならもう少し早いまである。おたく、平凡とか仰ってませんでした? 

 

「はぁ、はぁ……トレーナーさん、どうです? 私の走りは」

 

「正直ここまで走れるとは思わなかったわ」

 

 模擬レース見ずにスカウトしちゃったからあれだけど、正直未勝利戦を抜けるのは時間かかりそうかとか考えてた。

 でもこれはなんも問題ない。俺が何もしなくても勝手に抜けるだろう。

 

「トレーナーさん。次は何します?」

 

 何って……そりゃあ練習しかない訳だが、失敗したなぁ。所詮中学レベルだし、友人の陸上知識を借りてそれっぽく指導できるだろうとかタカをくくってた。

 俺、このままだと教えること何も無くね?

 うーん……えーっとだな……。

 

「トレーナーさん?」

 

「……帰るか!」

 

「え、えぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」

 

 驚いてる中マジでごめん。でもさ、このままだとなんも出来ねぇんだわ。せっかく俺を選んでくれたわけだし、なんもせず結局放出は頂けない。ってか外聞が良くなさすぎる。

 てなわけで、俺は修行の旅に出るッ!!

 

「サラバ!!」

 

「させるかぁぁ!!」

 

 やべぇ腕掴むな痛い痛いって!! 力強すぎない!?

 

「俺の居場所はココジャナインダァァァ!!」

 

「ここしかないよ!! もうっ落ち着い……落ち着けーー!!」

 

「たづなさぁぁん! セイウンスカイが虐めるよぉぉーー!!」

 

「ちょ……それは反則……あ、トレーナーさん!!」

 

「グッバイ! いい夢見ろよ!!」

 

 まじ俺何やってんだろうな……。

 それはもう忘れるか。なんにせよ、俺はセイウンスカイの為の練習をなんとしてでも作らなければならない。

 

「真面目になるか……」

 

 俺はトレーナー室で隠れながら、ひたすら事務作業をすることにした。そして、その傍らで彼女の練習を考えた。

 まず、最初に通るのはフォーム修正だ。トレーニングは今の時代、調べれば幾らだって出てくる。フォーム修正にとにかく重点を置いて、その間になんとしてでもトレーニングメニューを完成させる。

 ただ、俺はフォームを教えることが出来ない。ここでの一番の問題は、誰にフォームを教わるかだ。

 他のトレーナーに頼ると俺に知識がないことがバレてしまう。それの問題を考えれば、自然と外部との繋がりを考えるしかない。

 幸い、ウマ娘のトレーナーというだけでどんな人でも聞く耳を持ってくれるという強い武器がある。それに縋って、何かを見つけるしかない。

 

「となると……ここのアポ取りからか」

 

 スポーツ科学研究所。

 野球、サッカー、ゴルフ、様々なスポーツ選手を支援し有名選手を排出した文字通りスポーツのための研究所だ。

 ウマ娘に関しては学生ということもあり手を出しにくいところがあるのか、未だ手を出していない様子。

 なら、寧ろこっちから話しかければいいというだけの話だ。

 予想通り、相手はかなり驚いた様子だったが快く了承してくれた。

 あっぶね。まじ早速クビの危機だったからな俺。

 そんでもって、練習メニューをひたすら考える。メイクデビューを見すえて本格的に鍛えるとはいえ焦ってはいけない。まずは土台を作り、それから実践を重ねる。

 

「よし、ひとまず安心だな。うん、今度こそ帰ろう」

 

 時間は……げ、だいぶ残業してるな。まあ、こればっかりは仕方ない、か。いや、良くねぇよ研究所の人もアホみたいに残業してるじゃねぇか。もうこれ帰る時間ないぞ。

 しゃあないからシャワー借りて寝よ。

 

 そうして廊下で爆睡し、次の日たづなさんにトレーナーが倒れているとウマ娘から連絡が入り、頭を抱えたとか抱えてないとか。

 

◇◇◇◇

 

「本当に反省してるんですね?」

 

「はい……。それはもう山よりも深く海よりも高く反省してます」

 

「つまり、反省してないと?」

 

「いや、今のは単純に言い間違いで……」

 

「はぁ……。今日は見逃しますが、次からはきっちり始末書を提出してもらいます。何時までも学生気分では困りますよ」

 

「……はい」

 

 うう……こってり絞られた……。なんだよ、学生気分なのはしょうがないだろ? つい一昨日までま高二だからな?

 学生気分だってええじゃないかええじゃないか。

 お、セイウンスカイだ。

 

「おはー」

 

「あ、トレー……ぷいっ」

 

「なん……だと?」

 

 無視……。ああ、俺もついにここまで落ちたか。

 とかじゃなくて、やっぱあれはダメだったよな。うん、今考えればもうちょっとやりようはあった。あれはまんま俺の責任だ。

 

「いや、その……セイウンスカイさん、昨日はさーせんした」

 

 ここは素直に謝るに限る。アホみたいに騒いだらそれこそ「トレーナーさんやーめた」ってなりかねない。

 

「……ふんっ」

 

「うぐっ……」

 

 口聞いてくれない。どうすればいい? 隣にいるセイウンスカイの友達にも俺の醜態を見られてもうメンタルゼロなんだけど。助けて隣にいるそこの……あれ? もしや、隣は伝説のワンダーボーイもといグラスワンダーさんでは?

 

「もう、セイちゃん。そろそろ許してあげたらどうですか?」

 

「……ふん。勝手に帰ってサボるトレーナーなんて知らないよ」

 

「それは……その通りで」

 

 俺もそんな奴いたら縁切るもん。もう俺自身とも縁切りてぇな。

 

「私、トレーナーさんを本当に虐めたのか聞き込みが入ったんです。たづなさんから」

 

 うっ……いや、それはもうごめんとしか言いようがないわ。うん、徹夜でぶっ倒れただけじゃなくてそっちからもこってり絞られそうだな。

 

「いや、まあ帰ったのは本当に悪いって言うかなんというか……」

 

「……あら? セイちゃんのトレーナーさんは本当に帰ってしまっていたのですか?」

 

 セイウンスカイの耳がピクっと動いた。

 

「どういうこと?」

 

「いえ、徹夜で倒れるまで練習メニューを考えていたトレーナーがいたと聞きまして……貴方ではなかったのですか?」

 

「……あ〜。いや、確かにそれは俺だな」

 

 ま、たしかにそれは俺なんだが……あれを美談にしていいものなのか疑問に残る。どうやら、授業が終わる頃にはそんな噂があらぬ尾ひれがつきまくり俺が聖人みたいになっていたが、必死に俺の正体を隠したかったがためにやってただけだからなぁ……。

 

「では、セイちゃんの為に寝る間も惜しんで仕事をしていた。ということですね?」

 

「え、いやそこまで大事にっていうか……」

 

「ということですね?」

 

「え、あ、はい。そうですね」

 

 怖い。今のは怒ってるとか有無を言わさずとか、そういうレベルじゃなかったよ。明確な殺意を感じた。

 

「セイちゃん、今の聞きましたか?」

 

「……うん、しょうがないなぁ。トレーナーさん、今回だけは許してあげます。だから、今日は逃げないでくれます?」

 

 おっと? でも、なんかいい方に転がってるっぽいぞ?

 

「安心してくれ、準備はもうできてる」

 

「よーし。じゃあ私はお昼寝にレッツg「セイちゃん?」練習行こっか、トレーナーさん」

 

 なるほど、セイウンスカイが言ってたグラスワンダーには勝てないってのはこういうことだったのか。納得。

 さて、アポを取れたのは3日後。それまでの練習はひたすら基礎、だな。まあ、俺の調べた練習で合ってるのかは知らんがな。




見ていただきありがとうございます。

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