蒼天を駆ける野球バカ   作:FAKE MEMORY

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 カレンチャン、いつか欲しいです。ピックアップまで貯めるか自然と出るのを待つか……迷いどころではあります。
 コラボ商品、はちみー早く飲みたい。


魔改造のお知らせ

「お待たせ! 次はどこに行こっか」

 

「腹減ったし飯だな飯。牛丼とか「カレン、あのカフェにきーめたっ!」……ふむ」

 

 カレンチャンが指さしたのはなんかオシャレなカフェ。そこらじゅうにある有名チェーン店なんかでは無い。

 まあ、普段量食えばいいとかしか思ってなかったし、たまに食べるのもありかな。

 

 店員さんに連れられて、テーブル席に座った。

 外装から何からクラシックな雰囲気で、机や椅子、電気など何から何までアンティーク調に統一してある。

 そして、音楽は穏やかなジャズが流れている。完全にそっち系のカフェだ。

 カレンチャンも俺も、別にこだわりは無いので注文はすぐに決まり、さっさと頼んだ。

 ちなみに俺はサンドイッチとアイスコーヒー。

 カレンチャンはなんかでっかいパンケーキみたいなのとミルクティーだ。

 注文がくるや否や、カレンチャンへ早速写真を撮り始めた。

 

「俺がいることバラすなよ」

 

「そんな気にしなくていいのにー」

 

 慣れた手つきで投稿。流石カレンチャン、一瞬だった。

 

「それにしてもさ〜。お兄ちゃんが誘ってくるなんてことあるんだね。珍しい……ていうほど一緒にいたわけじゃないけど、お兄ちゃんらしくないよね」

 

「そうなのかね」

 

 意外と鋭いもんだな。確かにカレンチャンの言う通りで俺らしくないことだ。というか、俺がやってないから俺らしくないのは当たり前だ。

 流石に、俺とマヤノトップガンで繋がりがあるとは思わないらしく、そこは追求してこなかった。だが、俺でない何かを察せないのか疑わないのか。

 

「でも、カレンは嬉しかったから。まあいいかなって」

 

 まあいいかなってならないで欲しいんだ。

 あと、これ言いふらすなよ? スカイもスカイでなんかあると拗ねるし、これでまた変な自体になったら困る。困るというかシンプルにめんどい。

 

「うわぁ……ふわふわであまーい」

 

 カレンチャンはとろけそうな笑顔でパンケーキを食べていた。うん、サンドイッチも美味しい。

 まあ、値段そこそこしたしこれで美味しくないとかあるわけがない。

 うむ……? おっと、どうやらスカイから連絡が来てたらしい。

 タチウオとったどー!! ふむ、タチウオがどれだけ珍しいのか分からないが、すっごい嬉しそうにしてるタチウオとスカイのツーショットを見ると……まあ、かなりいい魚なんだろうな。

 とりあえず俺も写真送っとくか。

 

『ショッピングモールのカフェなう』

 

『彼女さんとかなー?』

 

『いるわけないだろ』

 

『じゃあ誰』『二人で来てるの、誰』

 

「いや怖いな!!」

 

 とったどー! からの落差よ。

 誰と言ってるのー? とか、友達と? とかじゃなくて誰。

 クエスチョンマークも何も無く、ただ誰と。

 この後どう返信すればいいんだよ。

 

「お兄ちゃん?」

 

「いや、なんでもない」

 

 どうする? ここから帳尻合わせられるか?

 いや、そもそもスカイはどんな気持ちでこれを送ったの?

 

『河原で1戦混じえてお互い瀕死になったけど、なんか友情が芽生えた的な……? その勢いでカフェで話すことになった』

 

 アホみたいな文章だな。

 オサレなカフェにアザだらけボロボロの2人がパンケーキ食べてると……どんな状況?

 

『嘘下手すぎかな〜? セイちゃんには分かるぞー』『で、誰』

 

「エグイな」

 

 二重人格なの? っていうくらいのこの落差。お化けフォークもびっくりの落差だよ。多分スカイはホークスでエース張れる。

 

『頑張れ、お前ならドラフト行ける。育成の星になれる。今からでも野球やらね? その内大台乗るレベルでいける。160投げれるぞ!! レッツプレイボール!!』

 

 なんだよレッツプレイボールって。意味わかんねーよ。

 

『ブロックするね』

 

 おい。宣言してブロックするってなんだよ。嫌味か?

 俺、普通に傷ついちゃうよ?

 

「くっそ……こいつ」

 

「むぅ〜〜〜……。もう! なんでさっきからセイちゃんばっかりぃ……っ」

 

 流石に店内なので声は小さめに喋ってはいたが、それでもカレンチャンから漏れ出る怒気は抑えることはできない。

 スカイばっかりって言われてもなぁ……ほら、既読つけちゃったら早めに返信しないとなあって思うじゃん。

 俺、既読のままにしとくのあまり好きじゃないからさ、めんどい時は未読で用があるフリするから。

 だから、既読つけた以上は……ねぇ?

 

「今デートしてるのはカレンなの! セイちゃんだけズルい!」

 

「ズルいも何も……」

 

「私なの。だから……今だけでいいから、ちゃんとカレンのこと見てよ……」

 

「……」

 

 ……あれ? これは……。これは、まさかだったりするのか?

 デートする時すんごい喜んでたには喜んでたけどさ。いや、なんかおかしいなとは思ってたけどさ。

 

 ――思い上がんなよクズが。

 

 おっと、脳内にいるスカイからの罵倒が……。

 スカイにこれ話したら殴られるな。うん、だって絶対こんなこと言わないもん。

 ……って言われたそばからなんでスカイの話してんだよ。

 まあともかく冷静になれ。深呼吸して大きく息を吸ってぇ。吐いてェェェェェ!!!

 よし、力は抜けた。これなら技ありヒットだってお手のもんよ。

 じゃない落ち着け、忘れるんだ。危ない危ない。トレーナーという身でありながら魔が差すところだった。

 あれだ、アンチさえもカワイイカレンチャンしか言えなくなる最強の能力持ちだからな。飲み込まれるなよ、俺。

 

「ねぇ、どうしたらカレンを見てくれるの?」

 

 んむぅ……。これまた難しい質問を。

 

「見てくれるって……俺別にカレンチャンのこと見てないってわけでもないんだけど」

 

「ううん、お兄ちゃんは見てなかった。カレンの方が絶対可愛いはずなのに!」

 

 まあ可愛いのは認めるよ。うん。でも……。

 

「俺見てるよ。めっちゃ見てる。ガン見しすぎてビーム出そう」

 

「適当すぎ!! お兄ちゃん……セイちゃんとレースの目標立ててるでしょ。セイちゃんが何を目指してるのか、カレンに教えて欲しいな」

 

 また突然な。

 何を目指してるってそりゃあ……。

 

「僕はね、正義の味方になりたかったんだ……あ、ごめんなさい」

 

 カレンチャンにすんごい目で睨まれた。

 

「何ってそりゃあ、長距離走れるなら目指すところはひとつしかないだろ。三冠王だよ三冠王。あいつぁ、バースになれる逸材だァ」

 

「なら、カレンも三冠目指したら……お兄ちゃんはカレンのこと見てくれる?」

 

 いやいや、待て待て。ちょっと話が飛躍しすぎだろ。

 

「三冠って……カレンチャンは短距離だろ? 流石に菊花賞とかってなると距離がなぁ……」

 

 なんかやたら幕臣幕臣叫んでるスプリンターがいるんだが、そいつ模擬レースで何でもかんでも走っててさ、長距離中距離ボロッボロになってたんよね。中距離はまだマシだけど、長距離に関しては全くだ。

 

「クラシックじゃない。トリプルティアラ。私には、王様よりも王女様の方が似合うでしょ?」

 

「て言ってもなぁ……」

 

 トリプルティアラとなると、長距離は無いにしてもオークスが2400mある。中距離の中でも長めの距離。

 走れないとは言えない。でも、現状で考えれば走れる状態に持っていくのが精一杯だ。何せ、短距離とは違ってゼロから全てを作り上げることになるからだ。

 努力するにしても、ウマスタグラマーであるという圧倒的なハンデがある中でどこまでやれるのか……。正直検討がつかない。

 難易度を考えれば短距離路線。俺的には、そっちの方が絶対に輝けると胸を張って言える。

 

「冗談とかじゃ……」

 

「ない」

 

「相当な覚悟が……」

 

「カレンは本気だよ」

 

 うむ、まあ本気と言うのであればやらせてあげないとそれはそれで後悔が残るかもしれない。

 

「動機……もうちょっと自分よりにならんかね。俺に見てもらいたいなんてこと、カレンチャンは満足できるのか?」

 

「大事なことなの。だって……お兄ちゃんはカレンの……」

 

 そこで、カレンチャンは口を噤んだ。

 俺は……なんなんだろう。カレンチャンは、本当に俺のことを言ってるのか? 俺、カレンチャン似合った記憶なんてこれっぽっちも……いや、そりゃあそうか。

 今気づいた。カレンチャンが俺と会っていたのだとしても、俺はカレンチャンとは会っていない。

 そういうの、普通に有り得るような状況にあるんだもんな。

 だが……んな事は言えない。

 俺はぽんぽんとカレンチャンの頭を撫でた。

 

「まあ、カレンチャンがそれで満足できるならいい。俺に出来ることは、目標に向かって走る人の手助けだからな。ちゃんと、自分で決めた目標なら俺は精一杯応援するし。ちゃんと、カレンチャンの事も見てるよ」

 

「お兄ちゃん……。ふふっ、やっぱり変わってないね」

 

 いや、中身はごっそり変わってるんよ。

 

「お兄ちゃん、カレンのことはカレンって呼んで。カレンチャンじゃ、ちょっと距離感じるから」

 

「カレンでいいんだな?」

 

「うん! 改めてよろしくね、お兄ちゃん!」

 

 カレンはようやく元気を取り戻したみたいだった。

 原因が俺だったようで、なんか申し訳ない気持ちだが、まあ機嫌が直ったなら全部忘れよう。

 

 なお、スカイに尋問されるのはまた別の話である。




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