蒼天を駆ける野球バカ   作:FAKE MEMORY

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毎度毎度投稿遅くてすみません……引越しありました……。
結構距離が離れてたんで、高速使ったんですけど休憩しないとヤバいですね。


一大ニュース

「激震、カレンチャントリプルティアラ路線か……っていうニュースあるんだけどさ、流石大人気ウマスタグラマーってところだな。デビュー戦勝っただけでこんなになるか」

 

「それだけファンがいるわけですよ。カレンチャンはほかのウマ娘と違ってかなり特殊ですからね」

 

 前カレンチャンのウマスタを覗いたが……まあ正直あれを見て何が楽しいのかはよく分からない。カレンチャンが可愛いのは認めよう。認めるが……その写真をじっと見ても感想はと言えば……なんだろうね。何も思い浮かばないんだ。

 それなら素振りして筋トレして寝る。

 

「あんなのがなぁ……」

 

「お兄ちゃん! カレンのこと『あんなの』呼ばわりしちゃダメ!」

 

「分かってるよ」

 

「むぅっ! ぜんっぜん分かってない! ふんだ。そんなことするならー……こうだ!!」

 

 と言って、抱きついてくるカレン。

 

「わけがわからないよ」

 

「トレーナーさん、テイオーのマネですか?」

 

「いや、これはゲスみたいなクズの塊みたいなくっそ嫌われてるマスコットキャラのモノマネだ」

 

「それもはやマスコットじゃないですよね」

 

 うん、あいつマスコットじゃない。黒幕というか、諸悪の根源というか……ラスボスみたいなあれだな。

 アイツがいたせいで魔法少女として壮絶な運命を辿ることになるのだ。ほんと、前見たけどえぐいアニメだよな。

 

「ぎゅぅぅぅぅぅっ♪」

 

「なんかさ、人の温もりを感じるよね」

 

「なんでお兄ちゃんは冷静にいられるの!?」

 

「……トレーナーさん、ちょっと気持ち悪いですよ」

 

 冷静じゃないし、あとなんか酷い言われようしてるし。

 

「ちなマックイーンはなんて思った?」

 

「いえその……それはレース前にする話なのですか?」

 

 うん、この雰囲気は緩かったな。

 

「1回落ち着くとしよう。そんでなんだけど、今回のレースはカレンにとって重要になるのは確かなんだが……マックイーンにもこのレースから感じてくれるものがあればと思うんだ」

 

「私に……ですか。それは、何か欠点があるということでしょうか」

 

「欠点はまだろくにレースしてないんだし、色々あるんじゃね? 知らんけど。まあ、そうじゃなくてさ。自分のためにレースをするということが何なのか、肌で感じてもらえればと思ってな」

 

 マックイーンは良くメジロのウマ娘だとか、メジロ家の……みたいな言葉を良く使う。

 プライドだとか、誇りだとか、そういうものを持って走るのは悪いことではないが……まだ中学生なんだしそれに引きずられていたらいずれ潰れてしまいかねない。

 無理して練習して怪我とか言う問題ではなく、単に走ることが楽しくなくなってしまうだとかそっちの方での潰れるのだとすれば、それほど悲しいものは無いだろう。

 幸い、マックイーンにはトウカイテイオーというライバルがいるわけだし、カレンの走りを見て、そこから改めて感情をぶつけてくれればどこまでも伸びてくれるだろう。

 

「まるで、カレンチャンさんの勝ちが決まっているような言い方ですわね」

 

「別に勝つ走りを見てほしい訳じゃないよ。こういう走り方もありなんだってくらいに見てくれればいい」

 

「? 分かりました」

 

 てかさ、マックイーンはめっちゃいい子だよね。普通に、俺だったらメジロとかいう家名に囚われるの最高に嫌だし、名前が先行して自分自身の能力を見られないのも嫌だ。

 だが、マックイーンは素直に受け止めていてメジロの名前に誇りを持っている。

 これはもう神だよ。中学生ってこんなに心広いの?

 

「カレン、今回は勿論得意な前目に着くのがキモだ。嘘だけど」

 

「嘘なの!?」

 

「取り敢えず、走る体力と気力をこれでもかと虐め抜いたと。で、瞬発力も短距離だったからある程度持ち合わせてる。加えてカレンは割とコツコツ準備して確実に成功させるタイプ。もうこれは差し追い込みしかないでしょ」

 

「叱って言ってる割には2択なんですね」

 

「黙れスカイ。痛い、痛い痛い」

 

「カレン、差しの練習なんてしてないよ? それをいきなり?」

 

「スパートの練習ならやってただろ? てか、元々ハンデがある分体力温存しないとダメなんだよ。逃げとかもはや博打だぞ。ギャンブラーか? カレンはギャンブル中毒カレンチャンか?」

 

「うう……それは可愛くない……」

 

「だろ? 最後スパートを最大限切れる準備を整えるんだ。使えるものは全て使え、前のウマ娘を風避けに使ったり、ポジション上手くとって相手を牽制して集中力を削ったり……」

 

 そんで最後のスパートを全力で切って隙だらけの塊から抜ける。

 元々カレンはレースでもそういうの得意分野だし、十分力を出せるはずだ。

 後は、1番前のやつに届けばそれでいい。どうせ、今回の中距離は血迷っただかだからとカレンへのマークはない。だから自由に動けるはずだし、それなら何も問題は無い。

 マークされない前提の話だから今回しか使えない作戦だ。だが、それだけにこの作戦が刺されば勝ちは確実。カレンには何としてでも取ってもらいたいし、それくらいはしないとな。

 

◇◇◇◇

 

『青空が広がる中山レース場。桜花賞への切符をかけてウマ娘たちがしのぎを削る。2着までには果たして誰が入るのか、1番人気は……』

 

 当たり前っちゃ当たり前だが、観客のほとんどはカレンに期待していない。声援が聞こえる分、カレンのファンが応援してくれている訳だが……カレンが2着までに入ると思っているやつが何人いるのか……。

 

「私、正直カレンって子気に入らないかも。短距離でデビューしたかと思えば桜花賞狙いって……どれだけ掻き回せば気が済むのよ」

 

「だよね〜。レースへの気持ちとかも大して感じられないし、なんかやな感じ」

 

 ふむ、こんな近くでそんな話されてもな……。

 カレンのトレーナーってそんなに有名でないのか、それともカレンにそもそも興味無いのか。

 

「……私、声をかけて参りますわ」

 

「やめとけ」

 

「ですが……カレンチャンさんの努力を間近で見ていて何も出来ないなんて」

 

「自分に必要なことだけを考えればいい。カレンのためを思うなら、カレンに必要なことだけを考えればいい。それは、本当にカレンに必要なことなのか?」

 

「それは……」

 

「人に言葉をぶつけたところで人は変わらない。変わるためには外からじゃだめなんだ。内側から、変わらないとダメだと思わせないと人は変わらない」

 

 ソースはどこかと言うと……まあ、部内で色々あるんだよ。特に個性ばっかりのチームで上目指そうとすると仲良くてもまあなんかあるわな。

 

「そこにいるサボり魔だってそうだろ」

 

「サボり魔とは人聞きが悪いですね。私はただルーズに、のんびりとしていたいだけなんです」

 

 それでサボってたらサボり魔なんだよ。

 

「そうですわね。スカイさんの話を聞いたら少し納得致しました」

 

「……うーん。なんか、あんまりいい気分じゃないかなー」

 

「スカイは典型的だからな。そう、SKYは」

 

「トレーナーさんはバカにしてますよね」

 

「してないよ? どちたのスカイちゃん。妬いちゃったの? そうなのー。うーんかわいそうによーちよちグフェェ!!」

 

「なに急に頭撫でるんですかぁ……!?」

 

 そっちなの。ちょっとツッコミどころ違くね?

 

「はぁ……。トレーナーのせいで怒る気も失せてしまいました。でも、そうですわね。私も考えを改めていかなければなりません」

 

「そっか、そりゃよかった。んじゃ、そろそろスタートだしちゃんと見ておけよ」

 

 そこにいる名も知らぬウマ娘もな。

 みんな見た瞬間分かるんだ。カレンのしてきた努力を。綿密に立ててきた計画を。

 そして、今持ってる考えを変えざるを得なくなる。勿論、今すぐでは無い。少しずつ、変わっていくんだ。

 

『ゲートが開きました!! 先頭に立ったのは――』




ちなみに今回のスカイは引かないです。
今持ってる石は今持ってるスカイを強くするためにサポートキャラに回します。
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