蒼天を駆ける野球バカ   作:FAKE MEMORY

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初めて感想を頂きました!!
面白いって最高の褒め言葉だと思うんですよね。めっちゃ嬉しいです。
どこまで続けられるか……は本当にモチベ次第にはなりますが、出来るだけ書いてきたいと思います。


見た目と中身

 スカイが外部でフォームチェックを続けて、俺とスカイとの距離もようやく近づいてきた気がした。

 向こうにいる間はほぼほぼ遠くから見ているくらいしかやることないし、あまり話すことも無いのだが……まあ、心配してくれるならそれに越したことはない。

 後はスカイのコンディションをメイクデビューまでにどれだけ上げるか。それだけに集中するべき……なのだが。

 

「そうもいかないんだよなぁ」

 

 今絶賛内職中。

 練習中に仕事をするのが常態化している。助けを求めようにも、他の人は年上だし仕事が出来ないことがバレて上に処罰が……なんてことになるのは最悪だ。そのリスクを考えてしまうと……どうしても他人に頼るなんてことは出来ない。

 

「にゃはは。このセイちゃんがお仕事を手伝ってあげましょうか? なんなら、私がやった方が早かったりして」

 

 給水中のスカイにもこう言われる始末である。これは救えない。

 

「……流石にそれはないだろ。俺が言うのもなんだけど、そういうの気にしないで練習に集中してくれ」

 

「はいはーい。トレーナーさん、無理はしないようにね」

 

「分かってるよ」

 

 これじゃどっちがトレーナーなのか分かったもんじゃない。

 俺は黒と金の箱に入っているお高めの栄養ドリンクをぐいっと飲み、パソコンに向き直る。

 休みの日も外部の人との会議を入れたりでまともに休めていないし、そろそろダメになりそうだ。が、やらねば仕方あるまい。

 

「ふわぁ……」

 

 欠伸をして目を擦り、薄目を開けた。

 下を見ると、たっている人の影が写っているのが見えた。背後を取られた……だと?

 くっ……どうする? 切り捨てるか? やっちまうのか?

 

「あの……三浦トレーナー、ですよね」

 

「いかにも」

 

 振り返ると黒い髪の女性が立っていた。

 黒いベストの下に見える白いシャツはちょっと高級そうだ。そして、隣には真っ白い……それはもう何もかもが真っ白なウマ娘が立っていた。

 

「あの、私桐生院葵って言います。こちらは担当しているウマ娘のハッピーミークです」

 

「よろしくお願いします」

 

「ああ、うん。三浦悠介です。こっちは相棒のピカチ「セイウンスカイです」……こちらこそよろしくお願いします」

 

 ちょっとくらい乗ってくれても良いじゃないか。ピッカッチュって言ってくれよスカイさん。

 

「はい。よろしくお願いします。やっぱり、息ぴったりなんですね」

 

「……息、ぴったりか?」

 

「さぁ。ちょっとセイちゃん、何言ってるか分かんないですね」

 

 だよなぁ。ぴったりも何も、練習時間はほぼ別行動と変わりないし。

 

「でも! 遠くから見てると息ぴったりに見えますよ? ハッピーミークとは兄妹みたいだって話もするくらいです」

 

 仮にそこまでに見えるなら異常だな。信頼はあるに越したことはないけど、家族間は無条件の信頼みたいなのがある。そこまで信用されるのはさすがに怖い。

 何より……。

 

「俺が……兄だよな」

 

 兄妹……とは言うものの、なんか誤解されてないか心配になるんだよな。足引っ張ってんの俺だからさ。

 いや、男って関係なく足引っ張る生物だよな……? 親もだいたいそんな感じだったし年上年下関係なしに多分そうだよな?

 

「まさかまさか。私がお姉ちゃんでは?」

 

「いや……でも年齢的には俺が上だろ?」

 

「精神年齢なら私が上ですよ?」

 

「おいそれはどういうことだ」

 

「どういうことも何も……ねぇ?」

 

 なんか言われそうとは思ってたけど、めっちゃくちゃ喧嘩売るなぁおい。なんだ、普段溜まりに溜まった不満が爆発でもしたのか?

 

「精神年齢を引き合いに出すところまだ子供だな」

 

 スカイの眉毛がピクっと動いた。

 

「私をほったらかして内職して残業してのどこが大人なのか、セイちゃんは詳しく聞いてみたいですねー」

 

「……ぬぅ」

 

 言い負かしたのが嬉しかったのか、スカイがドヤ顔で俺を見てきた。なんかムカつくな。

 

「……残業? もしかして、今パソコンを使っているのは練習のためでは無い……ということですか?」

 

「げっ」

 

 なんて答えようかと考えていると、桐生院さんの後ろからハッピーミークがじーっと俺の事を見つめていた。圧力が凄い。こいつ、担当のウマ娘を雑に扱いやがって……みたいな感じだろうか。何も言わないから怖い。

 

「そうなんですよー。トレーナーさんったら、毎日仕事を残してるみたいで、トレーニングの時間はいつもこうです。困ったものですよねー」

 

「あら、そんなんですか?」

 

「まあ、そんな感じですね。でも大丈夫。俺とスカイには兄妹並の信頼が、あー……」

 

 スカイからめっちゃ睨まれてる。ダメだ、これ以上なんか言ったらダメなやつだ。

 

「いや、まあ、スカイには迷惑かけてしまってますね。あはは……」

 

「そうなんですね。因みに、今日の仕事はどの程度残っているんですか?」

 

 うぐっ……やめてくれ。これ以上責められると死ぬ。

 

「まあ、こんな程度……ですかね」

 

 俺はまだ終わっていない仕事のリストを桐生院さんに見せた。

 そこには確実に深夜まで残るんじゃないかという仕事の名前がズラリと並んでいた。

 

「なるほど……これはだいぶ遅れてしまっていますね。確かにやりたくなってしまう気持ちはわかる気がします」

 

「で、ですよね」

 

「でも、トレーニングの時間はちゃんと見てあげないとダメですよ? それがトレーナーの仕事でもあるんですから、いくらセイウンスカイさんがしっかりしていたとしても、ちゃんと見てあげないとダメです」

 

 お、おっしゃる通りで。

 とはいえこれをどうしろと言われても、この時間にやらなければ明日に仕事が持ち越しになる。それでズルズルといけばそれだけスカイにも迷惑をかけることになる。

 落とし所としてはこれ以上にない場所のような気がするんだよ。俺は。

 

「――ですから、私が手伝ってあげます!」

 

「……は?」

 

 今なんて?

 

「仕事のフォローは私がしてあげますから、毎日セイウンスカイさんの練習をちゃんと見てあげてください。この状況を見てしまった以上は、トレーナーとして見過ごせませんから」

 

「……マジで?」

 

「マジです!」

 

 これとない救いの手なんじゃないのか? これは。

 

「なら、すみません。お願いしても良いですか? 正直、今のままだと無理があるし」

 

「ええ、任せてください!」

 

 うっひょー、助かったぜ。どういう風の吹き回しかは分からないが、手伝ってくれるなら誰だって大歓迎だ。

 ……これで徹夜残業生活からおさらばだ。毎朝毎朝鏡の前のグロッキーな顔を見るのは堪えるんだよ。こう、自分が腐っていく音が聞こえる。あれは、ほん怖の何倍も怖い現象だ。

 

「トレーナーさんが私の練習を見てくれる……のは嬉しいけど、余計な人が1人増えちゃったかな。いや、でもこれがベターな選択という可能性も捨てきれないし、うーん……」

 

 セイウンスカイがブツブツ言ってるけど、まあなんとかなるだろう。




読んでいただきありがとうございます。
感想評価等ありましたらよろしくお願いします。

因みにウマ娘は無課金でちびちびやってます。
ごめんなさい、最初の確定とウマ箱うまよんは買ってました。
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