アルビノ美少女にTS転生したと思ったらお薬漬け改造人間状態にされた上にシティーハンターの世界なんですけど? 作:らびっとウッス
励みになります。
何分初心者の文章なので、読みづらい文章の特徴等あればご指摘頂けると幸いです。
東京、新宿。
新宿駅に設置された伝言掲示板。
ここにXYZという暗号と共に集合場所等連絡手段を記すこと。
これがシティーハンターに依頼をする方法だ。
そしてそれを確認するのは冴羽 獠本人ではなく、基本的には相棒の槇村の仕事であった。
槇村亡き後、その仕事はその妹の槇村香が引き継いでいる。
今日も朝から香は伝言掲示板にやってきていた。
「さーて。今日は依頼はあるかなっと・・・。お?」
はたしてその日、XYZの文字が伝言掲示板に綴られていた。
『XYZ 明日深夜0時、4号埋立地で待つ。ホワイトデビル』
「ホワイト・・・デビル?なんじゃそら。外人さんかしら・・・。にしても、ずいぶん端っこに書いたのね。」
伝言掲示板の一番下のほうにひっそりと書かれたその依頼に首を傾げる香。
依頼人と会う場所や指定時間も妙だ。
どうも人目を避けたい依頼人のようだが。
「ま、明日の0時ってことなら一回帰って獠に話してみればいいか。」
と一人ごちて、取り出したメモ帳に掲示板の内容をメモすると、獠のマンションに戻った香。
時刻は10時を少し過ぎた頃だ。
獠は家でコーヒーを飲みながら新聞を読んでいるようだった。
「ただいまー獠。依頼来てたわよ。」
「ふーん。で、依頼人は?」
新聞から顔も上げずに興味なさげに話を聞く獠に、少し眉根を寄せる香。
「それがちょっと変なのよね。明日の深夜0時に4号埋立地で待つって書いてあってさ。一応名前なんだと思うんだけど、ホワイトデビルって書いてあった。外人かな?」
「・・・なに?」
ホワイトデビルの名を聞いた途端に真剣な目になり新聞から顔をあげる獠。
その眼光に香は思わずたじろいでしまう。
「ホワイトデビル・・・。まさかとは思うが。」
「な、なによ。知ってるの?」
「・・・痛い奴だな。中学生の悪戯じゃないのか?」
「なによソレ!真剣に聞いてれば!」
真剣な顔のままズレたことをいう獠に思わずズッコケる香。
さっきまでの雰囲気はどこへやら、ヘラッとした笑顔を浮かべた獠は、新聞をテーブルに置いた。
「そんなあからさまな偽名の奴な上に指定時間と場所がそんなところだろ?獠ちゃんパス!」
「ちょっと!せっかくの依頼なのに依頼人に会いすらしないで決めるわけにも・・・。」
「いや、今回のはパスだ。この間のユニオン・テオーペの件もあって、少し普通の依頼は様子見をしたいのさ。完全に奴らが手を引いたと判断できるまでな。じゃないと、こっちのゴタゴタに無関係の依頼人を巻き込むことになりかねん。」
予想外に真面目な理由に毒気を抜かれたのか、香もそういうことなら、と納得してしまう。
その様子を見た獠はおもむろに立ち上がると、ジャケットを羽織り出かける素振りを見せ始めた。
「どこかに出かけるの?依頼は無視するんでしょ?」
「ちょっと町に情報収集にな。さっきも言ったが、まだ確実に奴等が手を引いたかわからん。念のため今日はここに居ろ。じゃあ、後でな。」
真剣な様子で部屋を出て行く獠。
残された香は、家から出るなと言われてしまったため、なんとなく獠がさっきまで読んでいた新聞を手に取ると、その新聞からチラシが一枚テーブルの上に落ちた。
『1級モデル集合!モッコリ撮影会!!本日12時~』
そのチラシを反射的に握りつぶす香。
「あ、あのモッコリ変態男ーーー!!」
時は少し遡る。
ユニオン・テオーペの所有する飛行機で日本に、その後同じく組織の車で新宿までついたホワイトデビルは、いつも通りの単独行動を開始した。
彼女に与えられる任務は基本的に単独のほうがやりやすいものが多い。
というのも、その小さな体躯と幼い子供のような外見から、暗殺・潜入・破壊工作といった任務が主だからだ。
一応実年齢は16(ということになっているが、孤児のため詳細は不明)な彼女だが、その見た目は10才ほどで成長が止まってしまっている。
恐らくはエンジェルダストを定期的に投与している副作用とみられていた。
アルビノである彼女は長時間日に肌を曝せないため、オーバーサイズの白いロングコートに同じく白い帽子、目を守るためのサングラスとほぼ素肌や素顔を隠した出で立ちだ。
小さな少女がそんな恰好で東京を歩いていれば目立ちそうなものだが、驚くほど彼女に視線は集まっていない。
これは彼女の極端に薄い気配によるもので、道行く一般人にはその存在が気に留められるほど意識できていないためだ。
命令通りに一路シティーハンターの持っているマンションに向かって歩いているホワイトデビルだが、ふと足を止めた。
額に手をやり、軽く二度、三度とかぶりを振る。
(ふぅ・・・。どうやら最後に薬を打たれてから12時間経ったみたいだな。)
もし薬を打たれる時間がもう少し遅ければこのまま冴羽獠を襲撃していたかもしれない。
危ない危ない。
ほっと一息をつくと、踵を返して別の場所に向かって歩き出すホワイトデビル。
程なくして新宿駅前の広場が目に入る。
設置された時計にチラと目をやると、まだ朝の6時を指していた。
時計を横目にそのまま歩いていき、目的地である伝言掲示板に辿り着く。
サングラスを外してコートのポケットに一度しまいこんだ彼女は、感慨深く伝言掲示板を見上げた。
(おぉ・・・。これが噂の伝言掲示板かぁ。実物は初めて見るな。)
いくらか既に書かれている部分もあるが、XYZの文字はない。
依頼がブッキングすることは無さそうだ。
ここで香や獠とバッタリ会ってしまっても気まずい。
さっさと書いて退散するとしよう。
(ん・・・?むむ、と、届かん・・・!)
背伸びをしても上のほうにチョークが届かず、妙に端っこに書いてしまったが・・・。
まあ、気づいてくれるだろう。多分。
『XYZ 明日深夜0時、4号埋立地で待つ。ホワイトデビル』
「・・・よし。」
目的を達し、満足気に頷くホワイトデビル。
色々麻薬組織とかの込み入った話がしたいし、問答無用で撃たれてもたまらん。
そこそこ見晴らしがよく、人目に付きづらいところ。
かつ、ホワイトデビルの名前を出すことで獠本人を呼び出したいという意思表示。
我ながら完璧な文章だ。
うんうんと頷きながら念のため誤字脱字チェックをしてから踵を返す。
サングラスをかけなおし、駅から出ると、まっすぐ公衆電話に向かうホワイトデビル。
コール先は先ほど車で東京まで送ってくれた組織の構成員だ。
「私。仕込みは終わった。夜まで待機する。場所を提供してほしい。」
『わかった。・・・おい、車を回してやれ。』
部下に指示を出しているのだろう、その場で5分待てとの事だったので電話を切り、やってきた迎えはリムジンだった。
(一応秘密組織だろ?いいのかね、こんなに目立つ車で。)
黒服が一人降りてきて後部座席のドアを開けたので乗り込むと、すでに別の黒服が車内で待っていた。
ここまで送ってくれた奴と同一人物な気もするが、どいつもこいつも強面、黒服、サングラスなので正直自信がない。
みんな名乗んないしね。
たまに名乗られてもジェネラルとかサージェントとかコマンドとか、覚えさせる気あんのかよって感じ。
じっと黒服を見つめていると、後部座席のドアが閉まり、ゆっくりとリムジンが走り出すと同時にその黒服が口を開いた。
「仕込みとはどういうことだ?次に連絡が来るときは任務成功の連絡だと思っていたが?」
「・・・シティーハンターを呼び出した。決着は明日の0時。」
「なんだと?」
俺の発言に何か違和感を抱いたのか、黒服の片眉が持ち上がる。
「お前は暗殺者だろう。正面から勝負を挑んでどうするつもりだ。相手はあの将軍に勝った男だぞ。」
(・・・まあ、そうなんだよね。)
俺も薬の影響下にあった時は最短でマンション乗り込んでぶっ殺そうとしてたんだと思うし。
多分獠には気づかれると思うけど。
普通に考えれば、わざわざ真正面から決闘を挑む必要もないわけで。
しかし、ホワイトデビルからすると事情が異なる。
まず戦いたくないし。
それに、万が一戦うならば、獠のマンションに乗り込んで暗殺を狙うなど自殺行為だ。
彼のマンションはあちらこちらに抜け道やトラップがあり、あそこに乗り込んでいった者で獠と戦って碌な目にあった者は居ないことを彼女は知っている。
なにより、あそこには獠にとっての逆鱗が・・・
槇村香がいる。
万が一にでも彼女を巻き込もうものならもう対話どころではないだろう。
ゆえに、獠を外に、できれば香を伴わず一人で誘い出す必要があった。
この黒服にそのまま説明してやってもいいのだが、それは手間だし情報の出元も不明瞭のまま話をすることになるので、面倒くさい。
なんとかコイツを丸め込まないといけない。
本当は組織に連絡を取ることは避けたかったホワイトデビルだが、なんせこの見た目だ。
いくら気配を薄くするといっても透明人間に成るわけでもなし、明るい時間帯ならいざ知らず、暗くなってくれば子供は目立つ。
それこそ補導されかねない。
故に夜まで安全に待機できる場所が必要だった。
「奴のマンションに乗り込むのは危険と判断した。長老は早期解決をお望みだ。なら呼び出したほうが確実と踏んだだけ。」
「しかしだな。これから殺すと宣言する暗殺者がどこにいるというんだ!暗殺者の貴様が、戦士であった将軍より強いとでもいうつもりか!?」
(まだ疑われてはいけない。あくまで堂々と、最強の暗殺者を演じるんだ・・・!)
ホワイトデビルはサングラスを一度外すと、スッと鋭い視線とともに意識して殺気を黒服に飛ばす。
「試す?プロは一芸だけじゃ務まらない。」
中身が会社員といえど、この世界に生まれてから培ってきた人殺しの経験と実力は本物だ。
その鋭い殺気に飲まれ、黒服は心臓を締め上げられているような錯覚に陥った。
「い、いや、結構だ。やり方は任せる。」
「わかれば、いい。」
ホワイトデビルが再びサングラスを掛けなおして黒服から視線を切ると同時に殺気が止み、解放された黒服はどっと汗をかいていた。
(こ、このガキ、なんて奴だ・・・!恐ろしい、これがホワイトデビル、最強の暗殺者か。任務達成率100%なんてホラかとも思ったが、コイツは本物だ。)
思わず身震いする黒服だが、一方のホワイトデビルはというと無表情のまま内心で歓声を上げていた。
(イヤッホオオオウ!乗り切ったぜえええ!暴力、暴力、暴力って感じで!この手に限る!!)
※この手しか知りません
そんなことがありつつも、ユニオン・テオーペの運営する酒場の地下までやってきたホワイトデビル。
どうやら応接室かなにかのようで、上品な小物や質の良いソファーなどが置かれた部屋に一人通された。
あとはここで時間まで待ち、なんやかんや理由をつけて一人でシティーハンターと接触して、土下座でもなんでもして保護を頼み込む。
これしかない。
一分の隙も無い完璧な作戦にうんうん頷いていると、ノックの音が部屋に響く。
「どうぞ。」
「失礼する。」
入ってきたのはさっきの黒服だ。
(まあ、多分だけど。)
黒服は左手にステンレス製の見慣れたケースをもって部屋に入ってきた。
ソレを見た途端、びくりとホワイトデビルの体が跳ねてケースから目が離せなくなる。
「・・・それは」
「そろそろ投与から24時間経つ。次の薬だ。」
(あああああ!!しまったあああああ!!!)
ちなみに先ほど確認した時間だと今はちょうど正午あたり。
作戦概要を変更したことは先ほど伝えてあるため、今すぐ殺しに行け等の命令をされることはないだろうが、シティーハンターと会うときに薬が切れているか微妙な時間帯だ。
自分から言い出すことで早めに投与しておくなどの逃げ道はあったはずだが、シティーハンターとあった時のことばかり考えていたため、今エンジェルダストを投与される可能性をすっかり忘れていた。
ならば理由をつけて投薬を拒否すればよいのでは、ということになるのだが。
ここで問題が立ちはだかる。
彼女はエンジェルダストを拒むことができないのだ。
なぜかって?
(あっあっあっ、おくすり、おくすりだぁ・・・)
御覧の有り様である。
いつも通り涼しい無表情だが若干頬が上気しているし、視線は黒服の持っているエンジェルダストから逸らすことができずに釘付け。
思考はほぼ薬に全部持っていかれている。
まあ、完全にジャンキーだもんね。仕方ないね。
慣れ親しんだ腕に針が刺さる感触と共に、ぼんやりとした思考で今後のことを考える。
(あー、頼む。ちょっと遅刻してきてくれシティーハンター。俺の自我が戻ったころに来てくれないと会話どころじゃああああああああんほおおおおおおおおおおお!!)
エンジェルダストが注射されると同時に彼女の意識は一瞬で吹き飛んだ。
シティーハンターものを書くなら、「しまった!」は一回はやっておきたかった。
なお一回で済むかは未定です。
次は明日の18時に予約投稿されます。