魔法少年リボルバースバル   作:飛鳥

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第十一話

バニングス家所有の別荘でそれは起こっていた。

 

「肉いただきぃ……アレ!?」

 

「ふっ、スバル、状況判断がなってねぇぞ。

 フロント張るならこれくらいできねぇとなってぇ!?」

 

「ハハハ!

 甘い、甘いですよ副隊長。

 翠屋のシュークリームよりも甘いです!

 焼肉大会(ここ)はもう戦場です。

 口を開く暇があるなら得物(はし)を動かさないと!!」

 

「言いやがったな、スバル?

 わかった、ならば戦争だ!!」

 

「二人とも、少しは静かに……っ!貴様っ!

 私の焼いていた肉を全て取りおって!」

 

「甘いんだよシグナム。

 さっきスバルが言っただろうが。

 ここは戦場だってな」

 

急遽行われることになったバーベキュー大会。

その一角に大食いのスバルとヴィータ、負けず嫌いのシグナムが集まったことで勃発した第一次焼肉戦争。

すでに彼らの胃袋の中にかなりの量の肉が吸い込まれていっていた。

 

「なんというか、あの二人についていくあの子ってすごいわね……」

 

「なはは……。

 スバルはいっつもあんな感じだよ?

 おかげで最近胃がキリキリと痛んでね……」

 

「ちょっとあんた、大丈夫なの?」

 

「心配しないで、少し薬の量が増えるだけだから」

 

「いや、それをどう心配するなっていうのよ……」

 

一方、その様子を少し離れたところで見ていたアリサとなのは。

昔からの知り合いで、その気性を知っている二人についていくスバルに対して呆れと感心の視線を送っていたアリサだった。

しかし、彼女の隣でジュースを飲んでいるなのはの言うことを聞いて、なのはのミッドでの状態がどのようなものなのか非常に気になったアリサだった。

 

「いや、私はまだいいよ?

 スバルとずっとコンビ組んでるティアナの方が大変だから」

 

「ティアナって……あぁ、あそこで鶏肉焼いてる子ね」

 

「うん。

 何しろ、あのスバルとコンビ組んで今年で4年目だからね。

 たぶん胃の強さならこの六課一なんじゃないかな?」

 

「誰もそんな強さいらないわよ。

 少し話してみようかしら」

 

アリサはそういうと手にジュースを持ちティアナの元へと歩いて行った。

 

 

 

 

「はぁ……」

 

その時、ティアナはさらに乗った肉と野菜を一目見て、スバルたちの方に視線を向けた。

彼らのさらに乗った肉と野菜のアホ盛りを見てため息を吐いた。

 

「どこにあれだけ入るのかしら……?」

 

「まったくよね」

 

「あ、バニングスさん」

 

「アリサでいいわよ。

 隣、いい?」

 

「あ、どうぞ」

 

アリサは微笑みながらティアナの隣に腰を下ろした。

 

「ふぅ……。

 ねぇ、ちょっと聞きたいんだけど……」

 

「なんでしょうか……?」

 

ティアナが紙コップに入ったジュースを口に運ぶ直前、アリサが問いを投げかけた。

 

「あんた、スバルって子のこと好きでしょ?」

 

「ブゥーーーッ!?」

 

剛速球のど真ん中の質問を投げかけられたティアナは恥も外聞も無しに口に含んだジュースを吐きだしてしまった。

 

「な、何を言ってるんですか!

 あたしが、スバルのことを好き?

 冗談もほどほどにしてくださいよ!

 だいたい、なんであんな無茶苦茶で、大雑把で、女の子に対するデリカシーの欠片もない奴のことを……!」

 

「アハハ、やっぱり。

 あんたって面白いわ」

 

ティアナが顔を真っ赤にして反論しているのを遮り、アリサは声をあげて笑った。

 

「どうしてそう考えたんですか……?

 あたしがスバルのことを好きだって……」

 

「だって、あんた自分の言ったことを思い返してみなさいよ。

 最初は確かに成り行きでコンビを組むことになったかもしれない。

 けど、今のあんたはさっき言った程度にはあいつのことを見ているってことでしょ?」

 

アリサの言葉を聞いたティアナは先ほど口にした言葉を思い出し、また顔を紅く染めた。

その向こうでスバルは500mLのコーラのペットボトルをはやてに渡され「一気、一気!」と囃し立てられていた。

 

「それにね、その関係がいつまでも続くわけじゃない。

 現に、私たちは別々の道どころかまったく別の世界に分かれちゃってる。

 今はいいかもしれないけど、いつかはどうにかしないといけないわよ、自分の気持ちを」

 

「……アリサさんは、どうしてあたしにそんなことを……?」

 

アリサの言うことを聞いたティアナはその言葉を送った理由を尋ねる。

そして、その向こう側でははやてから渡されたコーラを一気飲みしていたスバルがコーラの噴水を作っていた。

 

「んー、昔の私にそっくりだから、かな?

 私もね、昔は自分の考えを素直に言えるような性格じゃなかったの。

 どこか捻くれた言い方というか、素直には認めなかった。

 まぁ、今私にいい人はいないんだけどね。

 そういうのってなんか嫌じゃない?」

 

「……」

 

「ま、悩みなさい。

 悩むのも若者の特権よ」

 

「アリサさん、その言葉は年増に片足突っ込む前兆だって言いますよ?」

 

「む、言うじゃない。

 言っとくけど、これでも私はミス・キャンパスになるほどよ。

 探そうと思えば探せるんだから!」

 

「じゃあ、またね」と言ってアリサはまた別のところに歩いて行った。

その後ろ姿をティアナはただ見つめるだけだった。

会場に大きく聞こえるスバルの咳き込む声と、はやての笑い声、ヴィータの怒鳴り声も今の彼女の耳には入らなかった。

 

 

 

その後、晩御飯の片づけを終えた機動六課+αはひとまず集まっていた。

 

「さて、サーチャーの様子を監視しつつ、お風呂済ませとこか」

 

はやてのその言葉に女性陣から歓声が上がった。

しかし、此処で一つの問題が起こった。

アリサがはやてに告げたことは、このコテージには風呂が無いということだった。

残りの選択肢は近くにある湖の水を浴びることだが、未だに夜は肌寒いこの季節に水浴びは勘弁ということだった。

 

「そうすると……」

 

「やっぱり」

 

「あそこですかね?」

 

「あそこでしょう」

 

すると、バーベキュー大会にも参加していた自称お姉ちゃんズのエイミィ・ハラオウン、フェイトの使い魔であるアルフ、なのはの姉の美由紀の三人になのはたちの親友である月村すずかと機動六課隊長陣とアリサが話し合い、一つの結論を出していた。

その様子を見ていたフォワード新人組は地理などはサッパリなので、蚊帳の外の状態だった。

 

「さて。機動六課一同。着替えを準備して、銭湯準備っ!これより、市内のスーパー銭湯に向かいます」

 

「スーパー……」

 

「セントウ……?」

 

聞いたことのない言葉に首を傾げるフォワード四人になのはが簡単に説明すると、ティアナとキャロが食いついた。

こと男性の少ないこの環境で、水浴びでも構わないと思っていたスバルとエリオは女性陣の言葉に口を出すことができなかった。

 

「は~い。いらっしゃいませ~。海鳴スパラクーアへようこ――団体様ですかぁ~?」

 

「えっとぉ……大人12人、子供4人です」

 

「エリオと、キャロと……」

 

「わたしとアルフですっ」

 

「あの、ヴィータ副隊長は……」

 

「あたしは大人だ」

 

場所を移し、スーパー銭湯のロビーで受付を済ませる機動六課+αの大所帯。

時間が中途半端だったのか、その日銭湯には一人も他には客がいなかった。

 

 

「広いお風呂だって。楽しみだね?エリオくんっ。」

 

「あ、うん。そうだね。

 ティアナさん達と一緒に楽しんできて」

 

「……えっ?エリオくんは?」

 

「えっ!?

 ぼ、僕は、その、一応、男の子だし……」

 

「うん……あ、でもほらっ。あれ見て?」

 

キャロが指差した先には、入浴施設の利用規定。

そして、そこに書かれている一つの文。

 

※女湯への男児入浴は、11歳以下のお子様のみでお願いします。

 

エリオは10歳。この利用規定によれば、女湯への入浴は可能である。

その文章を見たエリオは目に見えるほどに狼狽した。

他の女性が嫌がるだろうとキャロを説得するが、その頼みの綱である大人たちが面白がって許可したのでエリオは焦りながらも最終手段に出た。

 

「いや、あの!

 僕がそっち行くとスバルさんが一人になっちゃいますし!!」

 

「うん?

 別に俺は一人でもいいけど?」

 

「ほら、スバルもこういってることだし」

 

「スバルさんが一人だと何するかわかりませんよ?」

 

『…………』←キャロを除く女性陣営

 

「いや、なんで……?」

 

とたんに静まり返った風呂場の入口にスバルの声が寂しく響いた。

 

 

 

 

 

 

結局、エリオはスバルとともに男湯に入ることとなった。

だが、その前にエリオはスバルからお仕置きとしてティアナ直伝のコメカミクラッシャーを喰らってしまいぐったりとしていた。

 

その後、スバルとエリオは服を脱ぎ、タオルを腰に巻き付けると、その時彼らの耳にドアが開く音と聞き覚えのある声が聞こえてきた。

 

 

「は~い。どうぞ」

 

「ありがとうございます」

 

「「……は?」」 

 

あまりにも予想外すぎる声に二人して振り返る。

そこにはタオルで身を包んだキャロがいた。

 

「エリオ君!スバルさん!」

 

フリーズしていたスバルがその声を聴いて再起動したが、エリオは未だにパニックに陥っていた。

 

「キャ、キャキャキャキャロっ、キャロ!?」

 

「?」

 

「ふ、ふふっ、服、服っ!」

 

「うん。うん。女性用更衣室の方で脱いできたよ?エヘッ。だからほら、タオルを――」

 

「前を開こうとしない。

 はしたないぞ」

 

慌てまくって使い物にならないエリオに代わって、いきなりタオルの前を開こうとしたキャロの手をスバルが止める。

流石に他の客がいないとはいえ男湯でその行為をするのはどうか、フェイトさんの教育はどうなってるのかという疑問がスバルの頭をよぎった。

 

「あ、えへへ、ごめんなさい」

 

「それで?こっちは男湯だけど、どうして入ってこれた?」

 

「女の子も、11歳以下は男性用の方に入って良いみたいなんです。注意書きの方にも書いてありました」

 

「そう……か」

 

盲点だったとスバルは頭を抱えてしまう。

エリオが女湯(あちら)に行くのがOKなら逆もまた然り。

当たり前のことを考えていなかったスバルは一応フェイトに念話で連絡を入れておく。

 

(フェイトさん、スバルですけど)

 

(ん? どうしたの?)

 

(後でエリキャロの教育のことでお話がありますので、逃げないでくださいね)

 

(え……、スバル?

 なんか雰囲気が……)

 

スバルはそれだけ伝えるとフェイトからの念話を切ってため息を吐く。

すでにキャロはエリオを引っ張り風呂の入口まで歩いて行っていた。

 

「スバルさーん!

 早くいきましょう!」

 

「あ~、ハイハイ。

 今行くよ」

 

女の子のバイタリティ溢れる様子に感心しつつも10歳の子供二人でいつまでもおらせるわけにはいかないとスバルは今日二度目のため息を吐きながら風呂場へと向かっていった。

 

 




はい、今回はアリサとティアナの新旧ツンデレキャラ対談でした。
彼女のおかげ(?)で自分の心と向き合うことになったティアナのこれからにもお楽しみください。
それじゃ、今回の人物紹介は、スターズ分隊副隊長のヴィータです。

名前 ヴィータ
年齢 不詳
性別 女
好きなもの はやての手料理、アイス
最近の悩み なのはからスバルのことについての愚痴を聞かされること

ヴォルケンリッターの一人、「鉄槌の騎士」ヴィータ。
今ではなのはの補佐を主な業務とし、特にスバルに対する訓練相手を務めることが多い。
なのはと違い、スバルに対しては深く考えず、何かあった場合は鉄拳制裁で言い聞かせているため、胃へのダメージは少ない。
たまにスバルとのアイスについて口論を繰り広げているところを目撃する者がいるそうだ。

スパロボ風精神コマンド
「必中」「鉄壁」「加速」「突撃」「直撃」「魂」

スパロボ風特殊能力
「鉄槌の騎士」:気力130以上で発動。武装にギガント・シュラークが追加

「ヴォルケンリッター」:気力110以上で発動。同じヴォルケンリッターを持つキャラクターとの連携攻撃でボーナス15%

スパロボ風エースボーナス
「ギガント・シュラーク」の攻撃力アップ
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