魔法少年リボルバースバル   作:飛鳥

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第十四話

「ほな改めて。ここまでの流れと、今日の任務のおさらいや。

これまで謎やったガジェットドローンの制作者。及びレリックの収集者は現状ではこの男――違法研究で広域指名手配されている次元犯罪者、ジェイル・スカリエッティの線を中心に捜査を進めてる」

 

はやての言葉とともにモニターに白衣を着た男が映し出される。

紫の髪に金色の瞳。

そして、この男の出している雰囲気をスバルは敏感に感じ取り、さらにその雰囲気と似たものを持っている男を思い出していた。

 

(あ、この男、サカキ博士と同類だ)

 

「こっちの捜査は私が中心になって進めるけど、一応みんなも覚えておいてね」

 

「「「「はい!」」」」

 

「で、今回の任務の会場はここ。

 ホテル・アグスタ」

 

「骨董美術品オークションの会場警備と人員警護。

 それが今日のお仕事ね」

 

今回、機動六課のフォワード部隊はオークション会場の護衛に駆り出されていた。

その理由は、開かれるオークションに出され取引されるものがロストロギアだからだ。

そのロストロギアに反応してガジェットが襲撃してくるかもしれないということで六課に白羽の矢が立ったのだった。

すでに各分隊の副隊長であるヴィータとシグナムが先行していた。

 

 

「私達は内部の警備に回るから、皆は副隊長達の指示に従ってね」

 

「「「「はい!」」」」

 

 

 

 

 

 

(しかし、今日は八神部隊長の守護騎士団全員集合か……)

 

(あんた、確か結構詳しかったわよね?)

 

(親父や姉貴に聞いた程度の話だけどな)

 

ホテルアグスタでヴィータから指示を受けたスバルとティアナはそれぞれの持ち場で周囲の警戒をしていた。

だが、さすがにそれだけで時間を潰すのは難しく、二人は念話で世間話をしていた。

その話の内容は、はやてのデバイスは魔導書型で『夜天の書』という名前で、守護騎士(ヴォルケンリッター)は彼女固有の特別戦力で、全員がそろえば無敵だということだけだった。

 

(まあ、隊長達の詳しい出自とか能力の詳細は特秘次項だから、俺も詳しくは知らないけどな)

 

(レアスキル持ちの人はみんなそうよね)

 

(?ティアナ、何か気になることあるのか?)

 

(……別に、何もないわよ)

 

(そうか、じゃあまた後でな)

 

そうして彼からの念話がプツリと切れた後も彼女の胸の奥底には一つの疑問が残っていた。

 

(以前スバルが言ってたことだけど……。

 普通では考えられないほどの戦力を保有している機動六課。

 あの人がどんな裏技を使ったのか知らないけれど、隊長は全員オーバーSランク、副隊長でもニアSランク。

 他の隊員達だって、前線から管制官まで、全員未来のエリート達。

 それに比べて、以前よりは強くなったとはいえ、此処にいたらあたし霞んじゃうな……)

 

ティアナは大きくため息を吐いた。

 

「ため息吐くと幸せが逃げるっていうぞ?」

 

そこにヴァイスがお茶を持って現れた。

 

「ヴァイス陸曹、どうしてここに?」

 

「差し入れだ。

 お前らがいないとヘリは俺とストームレイダーだけだからな。

 いつもの騒がしい連中がいないと静かで寂しいんだよ」

 

ヴァイスはそういいながら手に持った紙コップをティアナに渡す。

ティアナはそれを礼を言いながら受け取る。

 

「ヴァイスさん、一つ聞いていいですか?」

 

「ん?なんだ?」

 

唐突にティアナがヴァイスに尋ねる。

 

「周りが優秀で、自分だけ少し劣るとき、ヴァイスさんならどうします?」

 

「なんだその質問」

 

ティアナの問いにヴァイスは呆れた表情で彼女を見る。

しかし彼女の真剣な顔つきを見てヴァイスは一つため息を吐き、渋々答える。

 

「たぶんスバルの野郎が言ってるかもしれんが、周りは周りだ。

 俺は俺のできることを精一杯やればいい。

 それで誰かを救えるんなら俺はそれで十分だ。

 お前は違うのか?」

 

「自分のやれること……」

 

「あと、周りが優秀ってのはいいことじゃねえか。

 自分のできないことを周りのやつらに任せちまえばいい。

 結果が大事だからな、その理屈ならどんな手を使ってもやり遂げるってのが一番かもしれんが」

 

ヴァイスはそう告げると紙コップに入ったコーヒーを飲み干し、「そろそろ六課に戻らねえとな、警備任務頑張れよ」と言って彼女の元から去っていった。

 

「自分のできることとできないこと……。

 周りを頼る……か」

 

ティアナはヴァイスに言われたことを口ずさみ、かつてスバルに言われたことを思い出していた。

そして、一度頬を思いっきり叩いた。

その顔は何か吹っ切れた表情を浮かべていた。

 

「なんだ、簡単なことだったんじゃない。

 スバルの言いたかったことってこのことだったのか」

 

自分の今やれることを精一杯やる。

スバルがかつて彼女に向かって言い放った言葉。

その真意をようやく理解した彼女はすぐにスバルに念話を繋げた。

 

(スバル、少しいい?)

 

(?なんだ?)

 

(あんた、前にさあたしに『自分が今やれることを~』って言葉、覚えてる?)

 

(あぁ、六課に来る前の話か。

 当たり前だろ?

 お前に言って自分が忘れてちゃ世話ないからな)

 

(うん、その言葉の意味、やっと理解できたわ。

 ありがと)

 

(……どういたしまして?)

 

なぜか疑問形の彼のセリフに吹き出してしまうティアナ。

そんな彼女にスバルは不満気に口を開いた(念話だが)。

 

(別に感謝されるつもりで言ったわけじゃないんだが……)

 

(あんたの言葉のおかげで、悩みの一つがなくなった。

 そのお礼よ)

 

(そうかい)

 

その後、二人の間に穏やかな雰囲気が満たされていた。

だが、彼らのその空気を引き裂くように通信が入る。

 

『来ましたっ!ガジェットドローン陸戦Ⅰ型、機影30、35……』

 

『陸戦Ⅲ型、機影2,3,4!』

 

(スバル!)

 

(今そっちに向かってる!)

 

通信が入ったことによって彼らの感覚が日常から戦闘のそれへと切り替わる。

直後、彼女の後方のテラスからスバルが飛び降りてくる。

 

『前線各員へ。状況は広域防御戦です。ロングアーチ1の総合管制と合わせて、私、シャマルが現場指揮を行ないます』

 

「スターズF、了解っ!」

 

『ライトニングF、了解!』

 

「シャマル先生、前線の様子を見たいんで映像回してもらえますか!」

 

『わかったわ、クロスミラージュに回線をつなぐわね』

 

シャマルからの通信が切れると同時にクロスミラージュから映像が映し出される。

映像の中ではすでに前線での副隊長の戦いっぷりが映し出されていた。

 

 




どうも、飛鳥です。
今回の話、ティアナとヴァイスの会話の部分はかなり悩みました。
入れるか入れないかで。
でも入れなければヴァイス君がめっちゃ影薄いキャラになってしまうと思ったので入れさせてもらいました。
さぁ、次回はいよいよ戦闘シーンです。
ちゃんと皆さんにわかるように書けるか心配ですけど、お楽しみに。


人物紹介
名前 ヴァイス・グラセニック
性別 男
年齢 24歳
最近の悩み 妹の誕生日に何を送るかということ

六課の足代わり、ヘリパイロットの24歳独身シスコン野郎。
原作と違い、過去に、妹のラグナ・グラセニックを巻き込んだ犯人の狙撃に失敗しておらずトラウマを抱えていない。
その代り、ラグナへの愛が溢れだし重度のシスコンと化した。
妹を心配させないという理由で武装隊からヘリパイロットへと転向した経緯を持つ。
シスコンの行動原理は妹第一。
六課ではスバルにとって数少ない年上の男性ということで兄貴分であり話の通じる友人でもある。
(歳は離れているが……)
また、休憩時間にはスバル、エリオとともに一狩りしているところを目撃されている。
この光景を目にしたとある女性局員が「ヴァイス×スバル、スバル×エリオ……」などと呟いていたようだが、彼らには聞こえていなかった。
後日その女性局員はとあるイベントでガッポリ小遣いを稼いだらしい。


スパロボ風精神コマンド
「集中」「必中」「加速」「狙撃」「直撃」「熱血」

スパロボ風特殊能力
「シスコン」:敵味方問わず、妹属性持ちユニットに隣接した場合、ステータスに30%のボーナス。

「バルキリー乗り」:お前たちが俺の翼だッ(`・ω・´)!!

「乙女座の男」:この気持ち、まさしく愛だッ(`・ω・´)!!(愛ッ(゚Д゚;)!?

スパロボ風エースボーナス
すべての武装の射程がプラス1
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