魔法少年リボルバースバル   作:飛鳥

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第十五話

ガジェットをヴィータのハンマーが叩き潰し、シグナムの剣が切り裂く。

モニターの中に映るそれは戦闘ではなく蹂躙だった。

 

「うぉ、副隊長たち、すげぇな……」

 

「あれでリミッター付き?

 ベルカ式でリミッターはあまり足かせにならないと言ってもあれは……」

 

モニターに映る蹂躙劇を見てスバルとティアナは頬を引きつらせる。

 

『ケリュケイオンに反応っ!

 誰かが召喚魔法を使ってます!』

 

『クラールヴィントにも反応。

 でも、この魔力反応は――』

 

『大きい、何コレ!?』

 

モニターが切り替わり召喚魔法の魔力反応が映し出される。

そこに映った結果は、『推定Aランク』。

少なくともフォワード四人以上の魔導師があちら側にいるということになる。

 

『スターズF、ライトニングFと合流して、防衛ラインをお願い!』

 

「「はいっ!」」

 

スターズの二人はシャマルからの指示に従い、ライトニングの二人のいる正面玄関へと向かう。

 

「キャロ、召喚士は他になにかしてきてるか?」

 

「今のところは何も……でも、きっと何かしてくると思います」

 

「ならスバルとエリオがトップで、センターは私。

 キャロ、フルバックよろしくね」

 

「了解です」

 

「わかりました」

 

「背中は任せるぞ?」

 

「誰にモノ言ってるのよ。

 来るわよ!!」

 

その直後、目の前に魔法陣が展開される。

そこからガジェットが現れる。

Ⅲ型1機とⅠ型が10機だ。

 

「あれって、召喚魔方陣!?」

 

「召喚魔法って宅配便みたいに使えるんだ……」

 

「……優れた召喚士は、転送のエキスパートでもあるんです」

 

「スバル、今はそういったボケはいらないから」

 

スバルへの突っ込みもそこそこにしてティアナはクロスミラージュを構える。

 

「召喚魔導師がいるってことは援軍があるかもしれない。

 そこは注意していくわよ!!」

 

「「「おうッ!」」」

 

 

 

 

 

 

 

「これでッ!!」

 

最後のⅠ型をヴィータのハンマーが打ち砕いた。

 

「こっちは終わったぞ?

 そっちはどうだ」

 

『新人達は何とかやってるわ。

 でもちょっと余裕がないみたい。

 ヴィータちゃんはこっちに戻ってきてくれる?』

 

「おう、わかった」

 

シャマルとの通信を切ったヴィータはハンマー……デバイスであるグラーフアイゼンを肩に担ぐ。

 

「というわけだ、あたしは新人達のところに行く。

 さっきからガジェットの動きがよくなってやがるからな……。

 あいつらだけじゃやばいかもしれない

 ここは任せたぞ?」

 

「あぁ、任された、と言いたいところだが……」

 

「ここから離れたところから一つ、大きな魔力の動きを感じた。

 ホテルとは別方向に向かっているが……」

 

ヴィータの言葉にシグナムとザフィーラが答える。

その時、彼らの主から連絡が入った。

 

『そっちは追う必要はあらへんよ』

 

「主、どういうことですか?」

 

『実はこの任務の警備には六課の他にも特務一課の人が秘密裏についとったんやと。

 オークション前にレジアス中将から連絡があって、一課の第一目標が現れる可能性があるから~ってな。

 で、今一課の人から連絡があって、今移動しとる方は一課に任せてほしいってな。

 せやから、シグナムとザフィーラはそこで防衛線を張り続けとってな』

 

 

「承知しました。

 というわけだ、ヴィータ。

 新人達は任せたぞ」

 

「言われなくても」

 

シグナムから促されてヴィータはホテルの方へと向かう。

 

「さて、我々はここで連中を通さないようにするだけだな」

 

「守りこそ俺の生きがいだ。

 一機たりとも通さん」

 

 

 

 

 

 

 

「このッ!」

 

一方、ホテルアグスタ正面玄関前ではフォワード四人がティアナの指示によって、動きのよくなったガジェット相手に何とか戦っていた。

 

「エリオ、もう少し下がって!

 キャロ、スバルにブースト。

 スバルはエリオとチェンジ!」

 

「応っ!」

 

「「わかりました!!」」

 

《Boost Up Acceleration》

 

ケリュケイオンから補助魔法をかけられたスバルはエリオと入れ替わり前に出る。

その隙を抜けようとしたガジェットをティアナが魔力弾で撃ちぬく。

 

「ディバインバスターッ!」

 

《Divine Buster》

 

スバルの放った砲撃がⅢ型を包み込む。

キャロのブーストによって威力を底上げされた砲撃はそのままⅢ型を爆散させた。

 

「ティアナさん!」

 

「ッ!」

 

戦況を見極めようとしていたティアナの耳にエリオの叫び声が聞こえてくる。

その声のした理由を確かめる前に彼女は自分の直感を信じてその場を飛び退いた。

その直後、彼女のいた場所にガジェットの攻撃が突き刺さった。

 

「クッ!」

 

「ストラーダ!」

 

《Speerschneiden》

 

体制の崩れたティアナに襲い掛かろうとしたガジェットをエリオが一瞬でその懐に入り込み切り裂いた。

 

「大丈夫ですか!」

 

「え、えぇ。

 ありがとう、エリオ。

 助かったわ」

 

(だけど、このままじゃ……!

 何とかして数を減らさないと……)

 

『防衛ライン、もう少し持ち堪えて!

 ヴィータ副隊長がすぐに戻ってくるから!』

 

ティアナが状況の悪さを再認識し、その状況を打破するための作戦を考えているとき、シャマルから通信が入った。

 

「なら、副隊長が来るまでにある程度の数を減らします。

 スバル!」

 

「了解ッ!」

 

《Wing Road》

 

その一言で彼女が何をしようとしているのかを察したスバルはすぐさまガジェットの攪乱に向かう。

 

「エリオとキャロはフォローお願い!

 あたしとスバルで数を減らす……!!」

 

「「はいっ!」」

 

「クロスミラージュ」

 

《Load》

 

クロスミラージュから空薬莢排出された。

 

 

 

 

 

 

 

 

そこにある男がいた。

かつて陸にその男ありと言われるほどの男。

彼にかなう者など探せば片手で事足りるほどの男。

その男の名は……

 

「ゼスト・グランガイツ、二等陸佐」

 

「……」

 

「なんだ手前は!?」

 

かつてのストライカー級魔導師、ゼストは無言で男を見定める。

そんな彼に付き従う小悪魔のような容姿をしたまるで人形のような少女、アギトは目の前に立ちふさがる男を睨みつけていた。

彼らは、同行人である『ルーテシア・アルビーノ』が召喚魔法を使った後、その場を捕捉されそうになったため、ルーテシアのみを別の場所へ向かわせ、自分たちは陽動のためにホテル、ルーテシアの双方ともに別の方向へと向かっていた。

だが、彼らの目の前に一人の褐色の肌の男が現れたのだった。

 

「特務一課所属、レイニー・アイオス三等陸尉です」

 

「特務一課だぁ?そんな連中が……って旦那?」

 

レイニーの言葉に反応し、野次を飛ばそうとしたアギトをゼストが片手で制した。

 

「特務一課、レジアスの直属が俺に何の用だ」

 

ゼストはデバイスを握る力を抜かず、レイニーに尋ねる。

 

「あなたをあの人の元へ連れていきます。

 あなたと直接話がしたい、と」

 

「断る。

 こちらも聞きたいことがあるが、今はやらねばならないことがある」

 

「そうですか……。

 あなたとは戦いたくはなかったのですが……」

 

《Setup》

 

「来るか……。

 アギトは下がっていろ」

 

ゼストは槍を握りしめながら彼女にそう告げた。

 

「旦那、なんでだよ!?」

 

(俺たちの目的はあくまでルーテシアの離脱だ。

 あいつの離脱が完了したら、俺たちを呼び出す手はずになってるのを忘れたのか?)

 

「うっ、わかったよ……」

 

ゼストに諭されたアギトは大人しく彼の後ろに回る。

 

レイニーが自分のナイフ形のデバイス『ゼブラ』を構える。

それを認識したゼストは手に握った槍型デバイスをレイニーに向ける。

 

「武力をもって拘束させていただきます……!」

 

「悪いが付き合ってもらうぞ、特務一課……!」

 

地上本部所属特務一課随一の近接戦闘能力を持つレイニーと、かつてのストライカーがぶつかった。

 

 

 

 




はい、アグスタ編中編でした。
ティアナがどうするのか、それは次回!

そしてついに特務一課の隊員が初登場。
一課からは今回初登場したレイニーの他に二名が本編に登場予定です。
設定上は有能な戦闘隊員が多く所属する部隊ですけど、彼らを本編に本格的に参戦させられるだけの技量が私にないので、代表で三人ということにさせていただきます。
さて、今回登場したレイニー……というか登場予定の三人はどれも同じ漫画からイメージしたキャラです。(わかる人いるのかこれ?

今回の登場人物紹介は、番犬、もとい盾の守護獣ザフィーラと湖の騎士シャマルです。
どうぞ!

名前 ザフィーラ
性別 男(雄?)
年齢 不詳
最近の悩み 犬もとい狼の状態でいることが多いため、彼のことを番犬としか思っていないものが六課に多いこと。

盾の守護獣ザフィーラ。
原作では狼の姿でしか見られなかったが、この作品ではどうなることやら。
ほとんど原作とは同じだが、スバルにビーフジャーキーを与えられたりしている。

スパロボ風精神コマンド

「不屈」「鉄壁」「集中」「信頼」「激励」「熱血」

スパロボ風特殊能力
「盾の守護獣」:気力110以上で発動。援護防御時被ダメージを30%カット

「ヴォルケンリッター」:気力110以上で発動。同じヴォルケンリッターを持つキャラクターとの連携攻撃でボーナス15%

「番犬ザフィーラ号」:テオォアッ!!

スパロボ風エースボーナス
「盾の守護獣」が常時発動。


名前 シャマル
性別 女
年齢 不詳
最近の悲しいこと 医務室(自分の城)に来た人に出そうとしたクッキーをヴィータに砕かれシグナムに消し炭にされたこと

ヴォルケンリッターの参謀役(笑)。
原作ではほとんどいいとこなしの彼女。
作者ができるだけこの小説ではいい扱いをしてあげたいと思う人の一人。
医療関係の技術は素晴らしいものを持っているが、やはりある特定の技能だけは全く上達していない。
そのある技能のために着いた二つ名が「ポイズンガールシャマル」。
隙あれば勝手にキッチンを使い料理(という名の殺人兵器)を作成し振る舞おうとするある意味危険な人物。

スパロボ風精神コマンド
「集中」「信頼」「鉄壁」「友情」「祝福」「絆」

スパロボ風特殊能力
「湖の騎士」:気力110以上で発動。自軍ターン開始時に周囲の味方ユニットのHPを10%回復

「旅の鏡」:気力130以上で発動。自軍ターン開始時にすべての味方ユニットに必中をかける。

「ヴォルケンリッター」:気力110以上で発動。同じヴォルケンリッターを持つキャラクターとの連携攻撃でボーナス15%

「魔法少女ポイズンシャマル」:攻撃時に追加で5%のダメージを5ターン継続で与え続ける。

スパロボ風エースボーナス
「湖の騎士」による回復量が30%に上昇。
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