魔法少年リボルバースバル   作:飛鳥

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第二話

「それで、そこまで言うなら何か手はあるんでしょうね」

 

「作戦ってほどじゃないがな。

 ティアナ、お前って誘導弾一度に何発撃てる?」

 

 先ほどの砲撃に使った分のカートリッジを補充しながらティアナはスバルに尋ねる。

全身からブスブスと煙を上げているスバルはガシガシと頭を掻きながら立ち上がる。

 

「誘導弾?

 だいたい4~5、頑張れば6くらいかしら」

 

「この先にあるのは大型の狙撃スフィアだったよな?」

 

「えぇ、前に受けた先輩に聞いたから間違いないはず。

 あんたも一緒に聞いていたでしょ?」

 

 スバルの質問に答えながらティアナは首を傾げる。

 

「あぁ、確認したかったのはその二つ。

 お前が誘導弾をどれだけ操れるか、この後の目標は何か。

 これがわかればたぶん行ける」

 

「そう、ならあたしはどうすればいいの?

 言っとくけど、走るどころか回避運動すらままならないんだからね」

 

「あぁ、お前は―――」

 

 この時、ティアナの顔は今日一番の驚愕に染まった。

 

 

 

 一方、サーチャーからの映像が途切れたことで二人の様子を知ることができなくなったはやてとフェイトは高架から一筋の道が伸びたことで二人がまた動き出したことを知った。

 

「お、出てくるみたいやな」

 

「うん、でもあれって確か……。

 スバルの『ウイングロード』だよね、あの方向は……」

 

「もしかしなくても、大型スフィアに一直線やね」

 

 二人がどうするのか全く考え付かない二人だった。

 

 

 

 

 

 

 

「いい、残り三分ちょい。

 あんたがさっさとやらないとどっちにしろ不合格になる。

 やるからには一撃で決めなさい」

 

「わかってる、二人で合格するぞ」

 

 スバルはそういいながら展開したウイングロードの端により、クラウチングスタートの構えをとる。

それと同時にティアナはデバイスに魔力を流し込み、スバルの周囲に6つの誘導弾を浮かばせる。

 

「いい、誘導弾は6発。

 スフィアの弾を防げるのはその六回だけよ。

 それまでにあのビルの最上階から一つ下の階に辿り着きなさい」

 

「了解だ……」

 

その言葉を最後にスバルは大きく息を吸い、一瞬止めそして吐きだした。

 

「レディ……ゴーッ!!」

 

 そして、一つの弾丸が6つの供を連れ青空に駈け出した。

 

 スバルが飛び出しビルに向かう。

 ビルから魔力弾がスバルに向かって放たれる。

 だが、それをティアナの誘導弾が撃ち落す。

 

 ―――誘導弾、残り五発。 

 

 スバルの右腕のリボルバーナックルに二発のカートリッジが装填され右腕に魔力が集中する。

 二発目の魔力弾が誘導弾に弾かれる。

 

 ―――残り四発。

 

 右腕に集中した魔力が彼の拳に収束する。

 三発目、四発目の魔力弾、これをティアナはすぐさま撃ちぬいた。

 

 ―――残り二発。

 

 割れた窓にスバルが飛び込む。

 その隙を庇うように二発の誘導弾が先にオートスフィアに向かう。

 

 ―――残り零発。

 

「オオォォッ!!」

 

 スバルの握られた拳をスフィアの周囲に張られたバリアがその動きを妨げる。

 

「拳一つで、何かが変わるわけじゃないッ!

 だけど、拳一つで救えるものがあるッ!!」

 

 スバルは右手にさらに魔力を流し込む。

 

「どんなバリアでも……打ち貫くだけだッ!!」

 

 刹那、バリアに一筋の皹が走る。

 

「オォォッ!!」

 

 軽い音とともにバリアは粉々に飛散した。

 

「ジェットマグナムッ!!」

 

 ―――豪―――と先ほどの音と違い、重い音ともにスバルの拳がスフィアに叩き付けられた。

そして、彼の右手に収束された魔力が一気に放たれ、その奔流がスフィアを蹂躙し破壊した。

 

こうして、Bランク試験最大の難関は突破されたのだった。

 

 

 

 

 

ゴールまで続く一本道。

そこをスバルたちは全力で駆け抜けていた。

 

「時間は!?」

 

「あと30秒!!」

 

ただし、走るのは一人だけ、スバルのみだった。

ティアナは彼の背中に背負われ、片手で彼の体に回していた。

 

「最後のターゲット!

 外すなよ!!」

 

「わかってるわよ!!」

 

スバルの掛け声とともにティアナは右手に持ったデバイスから魔力弾を放ち、進路上にあった最後のターゲットを破壊する。

 

「しっかりつかまってろよ?」

 

「ちゃんと停止できるスピードでね!!」

 

スバルはラストスパートをかけギアを一段階上げた。

 

「5、4、3、2、1……!!」

 

カウントがゼロとなる直前、ゴールを一つの風が駆け抜けた。

ゴールから大きく離れた位置で回り込むような動きでエネルギーを消費し、何とか止まったスバルとティアナは息を荒げながらタイムを確認する。

 

「二人とも、ギリギリセーフ!」

 

空から降りてきたリインが体を使ってセーフを表現していた。

残り時間0.35秒。

 

「セーフ?」

 

「て、ことは……?」

 

「はい、二人とも試験は合格ですよ。

 あとは……」

 

「私たちが試験の内容を判断して、君たちがBランク魔導師に値するかを決定します」

 

その時、一人のバリアジャケットを纏い、手には魔導師の杖を持った女性が降りてきた。

 

「あ……」

 

「うん、ひとまず試験お疲れ様。

 リイン、ティアナさんの足を治療してあげて」

 

「はいです!」

 

その女性の言葉に従い、リインはスバルたちのもとに飛んでいく。

 

「ナカジマ陸士、彼女をゆっくりとおろしてほしいです」

 

「は、はい。

 いいな、ティアナ」

 

「えぇ、お願い」

 

ティアナがスバルの背中から降りたのを確認したリインはすぐさま治療を開始した。

スバルはすぐに先ほどの女性の方を向いた。

 

「た、高町一尉……」

 

「うん、久しぶりかな?

 四年ぶりだね。

 大きくなったね、スバル」

 

「は、はい。

 あ、ちょっと待ってください」

 

「うん?」

 

スバルは女性―――高町なのは一等空尉に断りを入れると何やら指を折りながら何かを数えていた。

 

「えっと、四年前、ってことは俺は11歳、で、なのはさんは……14、5ぐらいで……ひぃ、ふぅ、みぃ……」

 

「す、スバル?」

 

「どうしたですかー?」

 

スバルの様子を見ていたティアナとリインはどうしたのかと声をかけるがスバルはその言葉が耳に入ってないようだった。

 

「高町一尉、いや、なのはさん。

 一ついいですか?」

 

「うん?何かな?」

 

なのはは首を傾げる。

その動きにつられてツインテールの髪も揺れる。

 

「19歳でそのバリアジャケットはちょっとどうかと……」

 

瞬間、リインの顔は青ざめ、ティアナは呆れ顔。

そして、スバルの目の前には魔王が君臨した。

 

 

 

 

 

 

その後、試験が終了したはずの試験場で莫大な魔力の放出が確認され、遅れて桃色の魔力光で周囲が明るく照らし出された。

 

 

 

 

 




第二話です。
次回でこの小説の序章は終了です。
原作とは違い、ティアナには射撃で頑張ってもらいました。

そしてスバルには後ろからではなく、真正面からぶち当たってもらいました。
原作も中々にも無茶な作戦でしたけど、この作戦も、下手したらスバル撃墜されてしまう作戦でした。
まぁ、スバルはどこ行っても無茶なことを押し通すってことですね。
例えそれが男になったこの小説でも。
評価、批評、感想、誤字報告などありましたらどしどし送ってください。
それでは、また。
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