魔法少年リボルバースバル   作:飛鳥

21 / 89
模擬戦です、ティアナの策のお披露目です。
それではお楽しみください!


第二十話

「よーし、三人とも準備はいいな?」

 

六課の訓練スペース(廃棄都市バージョン)のとあるビルの屋上に立つヴィータがそのビルから少し離れた場所にいるスターズの三人に尋ねる。

 

『こちらスターズ1、準備OKだよ』

 

『スターズ3、4もオーケーです』

 

ヴィータは通信機から聞こえてくる返事に頷き、右手を高く上げ……。

 

「それじゃ、模擬戦開始だ!」

 

振り下ろした。

 

 

 

ヴィータの合図とともにティアナとスバルは動き出した。

なのははその様子を油断せずに観察する。

 

(さて、二人は何を仕掛けてくるのかな……?)

 

「スバル!!」

 

「応っ!」

 

《Wing Road》

 

ティアナの呼びかけに答えるスバルは返事とともに十八番のウイングロードを展開する。

だが、それは一般的な使い方である道としてではなかった。

 

「えっ!?」

 

なのはは展開されたウイングロードの軌跡に驚愕の表情を浮かべるしかなかった。

彼女はウイングロードをスバルが自分を囲むように(’’’’’’’’)球状に展開するとは考えてもおらず、対応が一瞬遅れた。

 

「レイジングハート」

 

《Allright.Accel Shooter》

 

なのはは予想外の出来事に対応が遅れるも、落ち着きその囲みを魔力弾で破壊する。

もともとの運用方法ではなかったウイングロードは魔力弾によって取り払われ彼女の視界を取り戻した。

だが、その一瞬の対応の遅れにできた時間でスバルとティアナは彼女の視界から姿を消していた。

 

「これは、中々に厳しいことになりそうだね……。

 気を引き締めていくよ、レイジングハート」

 

《もちろんです。彼女たちの力をここでしっかりと見極めていきましょう》

 

愛機の言葉に頷きながらなのはは周囲の警戒レベルを一段階上げた。

 

 

 

 

 

『よし、なのはさんはこっちの姿を見失ったわね』

 

「第一段階終了といったところだな」

 

一瞬のスキをついて姿を隠したスバルは、別の場所にいるティアナと念話で連絡を取り合っていた。

 

『えぇ、とりあえず第一難関は突破。

 あたしはこのままなのはさんの索敵範囲のギリギリまで離れるわ。

 あんたは……』

 

「隊長の注意をそらせばいいんだろう?

 しっかりやってやるさ」

 

『任せたわよ。

 それじゃ、第二段階(セカンドフェーズ)開始(スタート)!』

 

 

なのはがその音に気づいたのは、普段以上に周囲に気を張っていたからだった。

それは何かを蹴り飛ばす音、それも小石などの小さいものを蹴り飛ばす微小な音だった。

だが、それに気づいたなのははそちらに振り返り、そして障壁を展開した。

 

「クッ、……まずいッ!」

 

《Barrier Burst》

 

障壁を張った左手にかかった衝撃がいつも以上に大きいことに気づき、また別の感覚に襲われたなのははすぐに障壁を爆破し、その爆風に乗ってその場から離れた。

 

「今の感じ……」

 

《障壁を突破しかけてました。

 おそらく何らかの方法で速度を増したのかと》

 

「だよね、あの魔法はたぶん……!」

 

なのはは言葉を言い終える前にその場からさらに飛び去る。

その直後、彼女のいた空間を一つの魔力弾が過ぎ去った。

 

「スバルだと思うんだけど、障害物の使い方がうまいね。

 こっちからは捕捉できないように動いてる」

 

《すべてあなたの教えたとおりですね。

 ヒット&アウェイ、一撃離脱をスバルとマッハキャリバーが自分たちなりにアレンジした戦闘方法のようです》

 

「うれしいね、ちゃんと教わっただけじゃなくて自分なりに考えてぶつかってくるってのは」

 

 

スバルからの攻撃を避けながらも彼女は嬉しそうに笑っていた。

 

 

 

「おいおい、この状況で笑ってるよ、あの人」

 

《恐らく相棒の戦術を潰す作戦でも考え付いたのでは?》

 

そんななのはの表情を一目見たスバルは背筋に何か冷たいモノが走るのを感じた。

 

「物騒なこと言うなよ、マッハキャリバー。

 あの人だから本当にやりかねんだろうが」

 

《すみません。

 次、左です》

 

マッハキャリバーは謝りながらもスバルにルートの検索結果を伝える。

スバルはその指示に従い道を進んでいった。

 

今回の模擬戦、ティアナの考え付いた作戦は主に四段階に分かれている。

まず、最初のスバルのウイングロードによるなのはの視界を遮りその場から姿を隠す。

そしてティアナはなのはがウイングロードを排除するまでのごく短い間にある仕掛けを施しすぐにその場から離れる。

第二段階はスバルによるなのはの索敵を行わせないこと。

廃棄都市区画という障害物の多いステージが使われることをあらかじめ調べていたティアナによってその走るルートを決め、なのはをその場にくぎ付けにすることがこの段階の肝であった。

 

「ここで……!」

 

次の攻撃ポイントに到着したスバルは右足に魔力を溜める。

使用した魔法は、直射弾とソニックムーブ。

 

「ハーケンインパルスッ!!」

 

《Shoot》

 

スバルが足を振りぬき、右足に溜めた魔力弾を放つ。

スバルの脚力による一次加速と、ソニックムーブによる二次加速によって通常の4倍に達した速度の魔力弾はなのはの障壁を貫通するほどの威力を持つようになった。

それをビルとビルの間、崩れた橋などの攻撃に最適なポイントからなのはにむかって放っていく。

スバルはそれでなのはを撃墜できるとは考えてはいなかった。

現に今ではこの魔法はすべて回避されている。

だが、今はなのはに攻撃を当てることが目的はないのでスバルはすぐにまたビルの陰に姿を消した。

 

『スバル!』

 

「ついたか?」

 

『えぇ、作戦を第三段階に移行するわ。

 なのはさんを追い込んで!』

 

「了解!」

 

 

 

 

周辺の空気が変わったことをなのはは今までの経験から感じ取っていた。

そしてそれはデバイスであるレイジングハートも同様であった。

 

《マスター》

 

「うん、そろそろ仕掛けてくる

 (けど、さっきからなんなの、この感じ……。既視感みたいな……)」

 

そして、小さく聞こえていたマッハキャリバーの駆動音が次第に大きくなり、彼女はついに教え子(スバル)の姿を捕らえた。

そして彼の右手(’’)から魔力弾が放たれるのも彼女の目は捉えていた。

 

「リボルバーシュート!!」

 

《Revolver Shoot》

 

「レイジングハート!」

 

《Flash Move》

 

なのはは高速移動でその場から離れると同時に疑問を抱いた。

 

(さっきまでの魔力弾と速さが違う……!)

 

なのはがそのことに気づいたのと同時にスバルの口からある言葉が紡がれた。

 

別れろ(ブレイク)!!」

 

スバルの言葉とともに、なのはに迫っていた魔力弾が弾け、無数の微細な魔力の塊がなのはに襲い掛かった。

障壁を展開せずに回避に移行したなのはは広範囲にばら撒かれた魔力弾を防ぐために障壁を展開するが、多くの魔力弾を受け止めきれずにその衝撃で大きく後ろに飛ばされてしまう。

そして、それを確認したスバルが声をあげた。

 

「ティアナ!」

 

『了解、第四段階(フォースフェーズ)開始(スタート)!!』

 

 

 

 

体制を崩したなのはがそれを目にしたのは単なる偶然だった。

スバルの魔力散弾によって吹き飛ばされたなのはの目の前にいきなり魔力スフィアが姿を現したのだ。

 

「クッ!」

 

そのスフィアから連続で放たれる直射弾をなのはは紙一重で躱すとそのスフィアを撃墜しようと魔力弾を生成するが、その魔力弾を別方向から放たれた弾丸が撃ちぬいた。

 

「この射撃、ティアナ?

 だけど、どこから……!」

 

《マスター、後ろです》

 

なのははその射撃を放ったであろう少女を探そうとするが、愛機からの警告を聞き入れすぐにその場から離脱する。

直後にまた別の方向から彼女に向け魔力弾が放たれた。

 

 

 

 

 

「次、オプティックハイド解除、スナイプシューター、3番、4番起動」

 

そのころ、ティアナはなのはの様子を離れたところから設置したサーチャーから送られてくる映像で監視していた。

そして、第一段階で設置したスフィアに掛けていた幻影魔法『オプティックハイド』を解除し、彼女を狙撃していたのだった。

 

「スバル、少しコースが外れてる!

 修正頼むわ!!」

 

『了解!』

 

彼女が相棒に指示を出すと同時に映像の中のなのはに青色の砲撃が放たれ、彼女はそれを回避した。

だが、その回避方向はティアナが設置したスフィアの射程圏内だった。

 

「6番、7番起動!」

 

彼女がここまで幻影魔法の維持が可能なのは、彼女の幻影魔法に対する才能と、この一週間の努力の結果だった。

そして、なのはの教えたセンターガードとしての心得『戦況をよく観察する』ということをこなし、今はなのはをあるポイントまで誘導していたのだった。

 

「最後、15番!」

 

ティアナが最後のスフィアを展開しなのはに向かって魔力弾を撃つ。

そして、彼女がティアナのいる位置から直線上の場所に出てきた。

 

「行くわよ、クロスミラージュ」

 

《Load Cartridge》

 

彼女の両手に握られたクロスミラージュに込められた四発のカートリッジから魔力が放出する。

その魔力反応に気づいたであろうなのはが彼女の方を向くが、すでにティアナの準備は整っていた。

 

「今までの特訓の成果を……ここで……!

 ファントム、ブレイザーッ!!」

 

《Shoot》

 

そして、二つの橙色の閃光が空を切り裂いた。

 

 




続きはwebで(嘘
きりのいい終わり方が掛けなかったので、このようになってしまいました。
申し訳ありません。
さて、とりあえず模擬戦を書いたわけですが、この部分、原作とは全く違うため頭の中で浮かんだ戦いを文章にするという難しいことをやりました。
作家のみなさんのすごさを改めて実感しました(笑)。
読者の皆さんに伝わればいいんですけど………。
わかっていただけるかびくびくしながら書いていました(苦)。

さて、人物紹介と行きたいところですけど、ネタ切れです。
とりあえず今回はオリジナル魔法の解説を行いたいと思います。

それではどうぞ!


あ、あと感想も待ってます!

オリジナル魔法

名前 ハーケンインパルス
使用者 スバル
種別 直射型

スバルの考えたなのはの障壁突破用の魔力弾。
彼の強靭な肉体による脚力と、魔力弾そのものに掛けた加速魔法によって速度が異常に早くなったもの。
「障壁を抜けないならもっと早くすればいいんじゃね」という安直な考えのもと生み出された魔法だが、予想以上に強力なものとなった。

元ネタは『スーパーロボット大戦シリーズ』に登場する『雷鳳』から


名前 クレイモアシューター
使用者 スバル
種別 直射型(面制圧型)

スバルがなのはを追い込むときに使った魔法。
任意のタイミングで魔力弾を爆散させ、大量の微細な魔力弾を目標周辺にばら撒くという魔法。
所謂、指向性地雷、散弾と似た仕組み。
もとの弾丸に障壁突破の術式が掛けられており、四散した後もそれなりの貫通力を持っている。
(今回はなのはの障壁なので影響はなかった)

元ネタは『スーパーロボット大戦シリーズ』の「アルトアイゼン」


名前 スナイプシューター
使用者 ティアナ
種別 直射型

設置したスフィアからスナイプショットを放つという単純な魔法。
単純だがティアナように作戦によっては部類の強さを発揮する。
ティアナの総魔力量の関係から、一つ一つの弾丸に込められた魔力はそこまで多くはないが、すべてが螺旋回転をしており、貫通力はかなりある。
今回はなのはの誘導がメインの目的だったのでその威力は発揮されなかったが、ガジェット相手ならフィールドを突き抜けるほどの威力を持つ。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。