魔法少年リボルバースバル   作:飛鳥

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どうやらこの回はやたらと賛否両論なようで、気分が悪くなる人もいるようです。
そのような人は見ない方がいいかもしれません。



第二十一話

「ん……?」

 

機動六課隊舎のある部屋で彼女(ティアナ)は目覚めた。

寝ていたベッドの上で身体を起こし周りを観察する。

 

「ここ……医務室……?」

 

《起きられましたか、マスター》

 

ティアナが声を出すと、その傍らに置かれたクロスミラージュが彼女に呼びかけた。

 

「え、えぇ……。

 というか、なんであたしここで寝てたの……?」

 

《そのことについては……。

 あぁ、お待ちください。

 たった今レイジングハートから通信が入りました。

 ロビーに集合してくださいということです》

 

ティアナは愛機の言葉を怪訝に思いながらいつの間にか脱がされていた訓練着を着て医務室を後にした。

 

 

 

 

 

「ナニコレ」

 

医務室からロビーに向かったティアナの視界に映ったのは何ともおかしな光景だった。

 

 

「なのはちゃん、反省してるの!?」

 

「は、はい~!」

 

めったに怒りの感情を見せない医務官(シャマル)分隊長(なのは)を正座させて説教をしている姿。

 

「本当にすみませんでした!!」

 

『いや、こちらも想定外というかだな。

 そちらにも悪気はなかったのだろう?』

 

「それでもお騒がせしてしまったのです。

 すみませんでした!!」

 

モニターに映るレジアス中将に頭を必死に下げている部隊長(はやて)

そんな普通ならあり得ない光景を見てティアナは……

 

(きっと疲れてるのね)

 

一度目をつむり目の間をしっかりと揉んで瞼を開いた。

そこには先ほどとまったく変わらない光景が映った。

 

「ナニコレ」

 

彼女の言葉を責める者はだれ一人としていなかった。

 

 

 

「あ、目が覚めたんだな」

 

「ヴィータ副隊長……。

 これ、どういうことなんですか?」

 

呆然としていた彼女に声をかけたのはヴィータだった。

そのすぐ後ろからフェイトをはじめとしたライトニング分隊の四人と相棒のスバルが歩いてきていた。

 

「あ~、そのな……かくかくしかじかで、まるまるうまうまということだ」

 

ヴィータの説明を聞いたティアナは確認のために自分の口から同じことを繰り返す。

 

「つまり、あたしの砲撃を躱したなのはさんが反撃に砲撃を撃とうとしたところ、ちょっと本気になってしまってあたしはその砲撃を防ぐこともできず、気絶。

 スバルもその後叩きのめされた。

 そこで、あまりにも魔力の量がリミッターかけられた状態ではないのでおかしいと気づいたフェイトさんが調べてみるとリミッターが外れていることが判明。

 急いで八神部隊長に報告に向かうと、レジアス中将から連絡があって八神部隊長はあのように謝りっぱなし。

 で、シャマル先生は教え子を気絶させるほどの砲撃を撃ったなのはさんをお説教と」

 

「そういうことだ」

 

「一ついいですか、副隊長」

 

「おう、なんだ?」

 

「なんでリミッターが解除されたんですか?

 この部隊作るのにかけられたものなんですよね?」

 

ティアナの問いにヴィータは頭を掻きながら口を開いた。

 

「あ~、機動六課の隊長陣、副隊長にリミッターがついてるのは知ってるよな?

 そのリミッターなんだが、地上のものをあたしたちは掛けられたんだよ」

 

「地上の……?」

 

「つまり、機動六課は本局の部隊でありながら地上に隊舎を持つ異例な措置をとってる。

 それもこの施設見てもわかる通り、新品のモノだ。

 そうさせたのが本局のお偉いさんで、その代りといっちゃなんだがリミッターは地上本部の方で掛けることになったんだ。

 まぁ、そのことに地上に文句言った馬鹿もいるみたいだけどな。

 そこにレジアス中将が皮肉たっぷりに言い返したところこうなったわけだ。

 で、今回のことなんだが……」

 

ヴィータは一度「ゴホン」と咳払いをし言いづらそうにつづけた。

 

「地上のリミッターが外れやすくなってたんだと。

 なんでもこれまたレジアス中将が指示出してて『いざというときに上からの命令を待っててリミッターを解除なんてしてたら手遅れになるだろう』ということらしい」

 

それがこんなことになるなんてな、とヴィータはため息を吐きながらロビーを見つめる。

 

「まぁ、リミッター云々は置いておいてだ。

 お前たちは高町に本気を出させたということだ。

 胸を張っていいぞ」

 

「そうだな、あの作戦はかなり良かったと思うぞ。

 なのはの好きにやらせないで終始躍らせっぱなしだったからな」

 

話が一段落着いたところでシグナムがティアナの肩に手を乗せながらそう言うと、それに続いてヴィータも模擬戦の内容を思い出しながらそう彼女に告げた。

 

「あ、ありがとうございます」

 

シグナムとヴィータは礼を言うティアナに背を向け、ロビーに向かっていった。

 

「なぁティアナ。

 なのはさんの砲撃受けてどんな感じだった?」

 

その後、スバルがティアナの元に寄ってきて彼女に尋ねる。

スバルに言われて模擬戦で、自分が気絶する直前の記憶を思い出そうとすると、なぜか身体が震えだしてティアナは両手で肩を抱いて蹲ってしまった。

 

「お、おい!

 大丈夫か!?」

 

「だ、大丈夫……。

 チョットすれば収まるから……」

 

「無理しちゃダメだよ、ティアナ」

 

震えているティアナの肩に手を置いて声をかけたのはフェイトだった。

フェイトはティアナの背に手を回すと子供を落ち着かせるように背中をリズムよく優しくたたいて声をかけた。

 

「怖かったよね、視界いっぱいに広がる桃色の光って」

 

「は、はい……」

 

フェイトの言葉に頷くティアナ。

そんな彼女の耳にフェイトはある言葉を告げた。

 

「でも大丈夫。

 ティアナよりも小さいときにあれよりもすごいのやられたから」

 

その直後、ティアナの身体の震えは止まっていた。

 

 

 

 

結局、レジアスからお咎め無しとなった六課。

仕方がないので、なのはのリミッターは後日地上本部で、今回のものよりも強めのリミッターを掛けることとなった。

そうポンポンとリミッター解除されてたら地上本部も大変だということだろう

ちなみに今回のことでなのはに責任はないということをレジアス自身が証明しており、はやてがほっと安堵していたことはだれも知らない。

 

その後、シャマルからの説教の後、はやてからやんわりと注意を受けたなのははフォワード陣で集まり、今後のことを話していた。

 

「今日はさっきの騒動の影響で、ライトニングの模擬戦はもう無理だから、ライトニングFとフェイト隊長の模擬戦は明日行うことにします。

 何か質問は?」

 

「質問というか、なのはが本気出さなければやれたんだけどね……」

 

フェイトからの指摘になのはは冷や汗を流しながら目をそらした。

 

「そ、それはほら!

 私に本気を出させたスバルとティアナが悪いってことで」

 

「教え子がしっかりと結果を出したのに対して責任を擦り付けるとは、さすがなのはだな」

 

「うぅ……反省してます……」

 

「それで、今日はどうするんだ?

 模擬戦は出来ねえかもしれないけど、時間はまだあるぞ?」

 

ヴィータの言葉になのはは頭を抱えた。

 

「とは言ってもねぇ……。

 もともと今日は模擬戦をやってその反省で一日使う予定だったから……」

 

「あ、なのは。

 あの話はみんなにしたの?」

 

「あの話……?」

 

なのははフェイトの言葉に首を傾げた。

そんな彼女にフェイトは微笑みながら答えた。

 

「なのはの訓練の意味。

 本当に今日のなのははボケボケさんだね」

 

「ボケボケ……!?

 酷いよ、フェイトちゃん!!」

 

「いや、今日の高町はボケボケだろう」

 

「そうだな、ポンコツもいいところだ」

 

「てぃ、ティアナー。

 みんなが苛める~!」

 

自分の周りに味方がいないとみると、教え子を引きずり込もうとするなのは。

そんな彼女に苦笑しながらティアナは口を開いた。

 

「なのはさんがポンコツなのはどうでもいいとして、訓練の意味って何の話ですか?」

 

「ティアナまで!?」

 

ティアナの発言になのはは涙目になる。

そんな彼女に一言。

 

「だって気絶させられましたから。

 別に何か危ないことしたわけでもないのに……」

 

その一言でなのはの中で何かが壊れたのか、なのはは「うにゃー!」といいながら顔を伏せてしまった。

そんな彼女を見たヴィータが「やりすぎたか」と呟いたが、そのつぶやきに突っ込むものは誰一人としていなかった。

 

 

 

余談だが、このリミッター解除騒動は地上本部どころか、本局にも長らく伝えられる話となるのだった。

その話を聞くたびになのはは気恥ずかしい思いになるのだが、それはまた別の話。

 

 




ということで、模擬戦はなのはの勝利(?)です。
まぁ、今回の場合、教え子のあまりにもの成長ぶりになのははうれしすぎて本気を出しちゃったということです。
それと、リミッターのことですが、いざというときに上からの指示を待ってるなんて悠長なことはしていられんというレジアス中将の独断で、制限を軽くしていたということです。
もちろん反対したものもいるだろうけど、そこはほら、ね?

それと、やったねフェイトちゃん!
オチ担当じゃなかったよ!!


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