魔法少年リボルバースバル   作:飛鳥

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連続投稿!
今回は短めです。


ルート分岐

スバルは薄く明かりの灯ったメンテナンスルームである作業をしていた。

彼の目の前に置かれたそれは、以前まで彼が使用していたローラーブーツ。

マッハキャリバーとは別に、彼にとっては思入れのある品だった。

 

『この子が私の先輩ですか、相棒』

 

「ん?

 あぁ、そうだ。

 そして、俺が初めて自分の手で一から作り上げた最初の相棒」

 

外装を取り外して内部をむき出しにしていたそれを見ていたスバルはマッハキャリバーの言葉に頷いた。

 

「やっぱり所々無理があったんだよな。

 まだまだだったってことだ」

 

懐かしむように呟きながらローラーブーツの部品を手に取って異常がないかを確認する。

 

『ですが、相棒ともに走り抜けてきた。

 今の私よりも、ずっと長く』

 

「なんだ、マッハキャリバー。

 嫉妬してるのか?」

 

スバルは愛機の言葉に苦笑しながら工具を手に取って部品を取り付ける。

 

『私たちデバイスに心があるのなら、そうでしょうね。

 なんとなくですが、この子が相棒と駆け抜けた日々は到底かなわない。

 それほどまで相棒とともにいれたことに対して羨ましいし、少し悔しくも思います』

 

あまりにも人間じみた言葉にスバルは目を見開き、驚き、そして相棒に声をかけた。

 

「まぁ、こいつは俺の魔導師としての毎日を一緒に走ってきたからな。

 まぁ、今の相棒はお前だ、マッハキャリバー。

 今まではこいつが俺の相棒だった。

 だけど今はお前が俺と一緒に走ってくれる。

 これ以上のことは考えられないよ」

 

『相棒……。

 わかりました。

 いつか、一番のパートナーだと言われるその日まで私はあなたと一緒に駆け抜けます』

 

「今でもそう思ってるんだがな……」

 

『私が自分でそう言える時までということです。

 それまで、よろしくお願いします』

 

「おう、これからもよろしく頼むぞ、マッハキャリバー」

 

スバルは愛機からの言葉をうれしく思いながらローラーブーツを見つめる。

 

「やっぱり、最後の部品が重要か」

 

本来、このローラーブーツはマッハキャリバーの予備として取っておいたスバルだったが、マッハキャリバーの頑丈性はピカイチであり、その必要性はないと感じていた。

そこで、彼は別の用法で再利用することを考えた。

 

『この子は相棒がまた使用するのですか?』

 

「いや、それはない」

 

マッハキャリバーの言葉を聞いたスバルの頭の中には一人の少女が映し出されていた。

愛機の言葉を否定し、外装を取り付けたローラーブーツを持ちあげる。

 

「まぁ、あいつなら扱えるだろうしな」

 

 

 

 

 

 

 

メンテナンスルームから出たスバルは、夜空の下、隊舎から寮までの道を歩いていた。

そんな彼にマッハキャリバーが声をかける。

 

『そう言えば、相棒。

 何時ぞやの眼鏡をかけた女性から連絡はあったのですか?』

 

「ん?

 あぁ、まだないな。

 どうしたんだ、急に」

 

『いえ、相棒の軟派な態度に対して少し思うことがあったのですが……』

 

もしも、マッハキャリバーが人間だったならため息を吐きながら出てきそうな言葉である。

そんな愛機の様子を疑問に思ったスバルはすぐに尋ねる。

 

「なんだよ、軟派な態度って」

 

『ティアナさんという女性(ひと)がいながらほかの女性に連絡先を教えるところですよ』

 

「いや、そこでなんでティアナが出てくるんだよ……。

 だいたい、あいつは仕事上のパートナーであって、そう言う関係じゃ……」

 

『では、相棒は彼女のことを誰かに取られてもいいと考えているので?』

 

マッハキャリバーの言葉にスバルは言葉を濁らせる。

 

『まぁ、此処から先は相棒が自分で決めることです。

 私は一切関与しませんので』

 

『それでは』といながらスリープモードに入った愛機を見ながらスバルは「なんなんだよ、いったい」と呟きながら頭を掻く。

 

 

 

 

 

 

寮までの道を歩きながらスバルはマッハキャリバーに言われたことを思い返していた。

ティアナのことをほかの誰かに取られてもいいのか。

その言葉を聞いたとき、スバルは彼女が自分以外の男と一緒に仕事をしている姿を思い浮かべてみると、自身でも考えられないほどにイラつきが生まれていた。

 

「なんかいやなんだよな、それって」

 

そして、いったんティアナのことを頭の外へたたき出すと、もう一人の少女のことを考える。

以前町で偶然出会った少女。

名前すらも聞いていないが、どことなく他人に思えないその少女のことを考える。

 

だけど、その途中で彼の頭に橙色の髪の少女がチラついた。

そのことに驚きを感じたスバルは二人のことを考えるのを意識してやめた。

だが、その後もずっと二人の顔のことが頭から離れなかった。

 

「あー、もう!

 なんなんだよ、まったく!!」

 

頭を掻きむしりながら大声を上げるスバル。

そんな彼の携帯端末が不意に音を立てた。

 

「こんな時間に誰だ?」

 

スバルは端末を取り出すと、そこに映し出された番号を見て目を見開きながらも通話のボタンを押した。

 

 

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