管理局ミッドチルダ地上本部
管理局の本部であるこの建物の中庭に二人の少年少女が寝転んで空を見上げていた。
「はぁ……」
「まさか、新部隊のお誘いが来るとわなぁ……」
少年少女―――スバルとティアナは先ほどまで目の前に建つ建物の中にある一室での会話を思い出していた。
部隊長に戦闘部隊の隊長が二人。
ただのランクアップ試験だったはずなのだが、彼らの知らぬ間にとんでもないことが進められていた。
「あんたは、どうするの?」
「俺か?
もちろん行くつもりだ。
古代遺物管理部、機動六課。
そこにいれば俺はもっと上を目指せるかもしれない。
それに……」
「なのはさんは、あんたの憧れの魔導師だからねぇ」
ティアナは隣に寝ているスバルを呆れた表情で見る。
そんな彼女にスバルは苦笑しながら、「まぁ、危険な火災現場で助けられたからな」と答える。
「だけど、あの年であのバリアジャケットは……」
「それ以上は言わない方がいいわよ。
また砲撃喰らいたいならいいけど」
ティアナの忠告を耳にしたスバルはつい数時間前の自分の失言とそれに対する制裁を思い出し顔を青くしていた。
「ちょっと、大丈夫なの?」
「いや、あのピンクの魔力はいかんわ。
ちょっとしたトラウマになる……」
スバルは思い出したくないのか、身体を震わせながら話題を切り替えようとした。
「お前はどうするんだ?」
「あたしは、どうしようかな……。
古代遺物管理部って言ったら高位魔導師ランクや特殊能力持ちがわんさかいるエリート部隊でしょう。
そんなところであたしみたいな凡人がやっていけるのか……何よ、その顔は」
ティアナは話の途中で自分の方を呆れた表情で見るスバルを見て眉を顰める。
「お前、まだ自分が凡人だって思ってたのかよ……」
「だってそうじゃない……。
あたしの魔力ランクは決して高くはない。
今も使えるのは射撃魔法といくつかの幻影魔法だけ。
そんなんでどうしろっていうのよ……」
「……」
スバルはその言葉を聞いてスッと立ち上がりティアナを見下ろす。
「何よ」
「帰るぞ」
「え、帰るって……ちょっと!?」
スバルはティアナを力尽くで起き上がらせると手を引っ張り歩いて行った。
陸上警備隊第386部隊
「はぁ?
ランスターが凡人?
寝言は寝て言え」
「お前が凡人なら俺たちは何なんだよ?」
「どこにBランク試験での大型スフィアの弾を撃ち落すやつがいるか」
「世の中の凡人に謝れ!!今すぐに!!」
「ほらな」
「何が、ほらな、よ!!
あんたはいったい何がしたかったの!?」
地上本部から彼らが自分の部隊の隊舎に戻ってまずやったのは、「ティアナ・ランスターが自分のことを凡人だと言ってますが、どう思いますか?」という質問を片っ端から訪ねて回ったことだった。
そして、今はその隊舎の中庭で座り込み彼らは話し合っていた。
「だから、お前は自分が思ってる以上に優秀だってことだよ。
だから先輩たちはあぁ言ったんだ」
「だけど、あたしよりも優秀な人はずっと多いし……。
それに……」
スバルの言葉を聞いてもなお自分が凡人で優秀じゃないと考えるティアナ。
そんな彼女にスバルは大きなため息を吐く。
「あのなぁ、上を見たら優秀なやつが多いのは当たり前だろう?
俺だってまだまだ上には上がいるってのは知ってる。
だけど、それがどうしたって話だ。
どう転んだって俺たちは俺たちだ。
俺たちは俺たちができることを精一杯やるだけだ。
そのためにはどうすればいいと思う?」
「……その上の人から技術を学ぶ、か……」
「そうだ、だからお前も一緒に来い。
どうせ俺たちはまだ二人で一人前としか見られないんだ。
まとめて引き取ってもらえるならそれに越したことはないだろ?」
スバルの「二人で一人前」という言葉に対して無性にイラついたティアナはスバルが見きれないほどのスピードで彼の後ろに回り込み両手の拳でコメカミを挟み込んだ。
「なんでどこに行ってもアンタといつまでたってもコンビ扱いされないといけないわけ!?」
「痛たた、ちょ、マジで痛い痛い痛い!!」
通称コメカミクラッシャー(命名スバル)を喰らったスバルは「うきゅ~」とうなりながら仰向けに倒れた。
「まぁ、いいわ。
うまくいけばあたしの目標である執務官への近道になるし。
あんたとコンビ扱いされるのは癪だけど。
今回は乗ってあげる。
決して、あんたに必要だからって言われたからじゃないから。
勘違いしないでよ!」
見事なツンデレぶりにスバルは賞賛の声をあげた。
「ツンデレ乙」
「ッ、うっさい!!」
だが、その返答はその美脚による顔面踏みつけだった。
「オレンジか、中々似合ってるじゃないか」
「~~ッ!!」
どうやらこの少年はパートナーの顔を赤くさせるのが得意なようだ。
顔を真っ赤にしたティアナはこれまた見事な蹴りでスバルの顎を蹴り飛ばし彼の意識を刈り取った。
だが、彼はその意識が途切れる間際に見たティアナの真っ赤にした顔をその脳に記録していたのだった。
「はい、わざわざご苦労様です。
いえ、それでは失礼します」
場所は変わって地上本部。
その一室ではやてとなのはがこれからのことを話し合っていた時に、はやての通信端末にとある部隊の隊長から通信が入ってきた。
「はやてちゃん、なんだったの?」
「さっきの二人のいる部隊の隊長さんからやった。
なんでも、さっき異動願いを出してきたそうやで」
はやては嬉しそうに言うと、なのはもまた喜びを露わにした。
「そっか、よかった。
あの二人、鍛えれば結構なものになると思うんだ」
「うん、これでスターズ分隊も問題なしやね。
ライトニングの二人も今日
「ようやく、機動六課が本格始動に向けられるね」
なのはの言葉にはやては「私たちの目標やったからなぁ……。ここまで来るのに苦労したわ」と遠い目をしながら呟く。
ともかく、これから彼らの運命は大きく動いていくことが決まった瞬間であった。
「ねぇ、はやてちゃん。
私のバリアジャケットってそんなにアレかな……?」
「なのはちゃん、気にしとったんか……」
はい、この作品のスバルはどんどんやっていきます。
手始めにティアナの凡人という意識を改変させてしまいました。
まぁ、ハッキリ言って彼女優秀どころじゃないですからね(笑)。
今回からあとがきで登場人物の紹介をしていきたいと思います。
まず一番手はわれらが主人公スバル・ナカジマ君から。
それでは、また!
名前 スバル・ナカジマ(15)
性別 男(ここ大事、テストに出る)
デバイス リボルバーナックル、ローラーブーツ(自作)
趣味 機械いじり、ゲーム、読書(主に漫画、特に地球で出版されているものを好んでいる)
この作品を生み出すだけのために性別を変えられた原作スバルちゃん。
男になったことで原作の性格では誰得なことになるので結構変わってる。
思ったことをそのまま口にしてしまうのでトラブルに巻き込まれることも多く、訓練学校では問題児のレッテルを張られていた。
原作とは違い、母クイントが生きているころから魔導師を目指しており、シューティングアーツをかなりのレベルで修めている。
臨海空港での火災の際にはちょっとしたトラブルで避難することができずにいたところをなのはに助けられた。
その時から、彼女の魔法を参考にしたスバル流ディバインバスターのバリエーションを開発している。
スパロボ風精神コマンド
「直感」「加速」「熱血」「気迫」「魂」
スパロボ風特殊能力
「振動拳」:気力130以上で発動。格闘の攻撃力30%アップ
「戦闘機人モード」:気力150以上で発動。格闘、回避30%アップ、武装に「振動破砕」追加
スパロボ風エースボーナス
「戦闘機人モード発動に必要な気力が130に低下」