これがスランプってやつか……。
闇を青色の道が切り開く。
「ぜぇえいッ!」
一筋の光となったスバルの蹴りがガジェットを吹き飛ばし、その先にいた数体のガジェットを巻き込み倒れる。
そこにスバルは容赦のない砲撃を撃ちこんだ。
「スバル、後ろ!」
「ッ……!」
ティアナからの警告に従い、すぐさま回避行動をとると、そこにⅢ型のアームが振り下ろされた。
下水があたりに撒き散らされる中、ティアナの弾丸がⅢ型のコアを撃ちぬく。
「イライラするのはわかるけど、集中しなさい。
じゃないと……」
「……わかってるよ」
ティアナの注意にスバルはぶっきらぼうに答える。
彼がこのようにイラついているのは先ほど、ギンガからの報告にあった、ある言葉に対してだった。
ギンガはとある横転事故の現場検証に立ち会っていた。
その場にあったのはガジェットと、小さい子供程度の大きさのものが入る生体ポッド。
この二つの要因から導き出されるのは……人造魔導師。
「あんたの身からしたら、到底我慢できることじゃないってのはわかるけどね」
「……」
エリオたちが保護した女の子はその人造魔導師の素体として生み出された可能性が高いということだった。
そして、その言葉を心底嫌っている人物も多かった。
スバルもその一人。
「ティアナさん、こっちは終わりました!」
「よし、先に進むわよ。
スバル!」
「わかった……とまれ!」
ティアナに促されて先頭を進もうとしたスバルだったが、すぐに他の三人に静止を呼びかけた。
「何か来る……!」
「何かって……ッ!」
スバルの言葉に首を傾げるティアナだったが、その直後に彼らの目の前の壁が崩壊した。
すぐに戦闘態勢をとる四人だったが、その奥から出てきた人物を見てすぐに警戒を解いた。
「姉貴…!」
「ギンガさん!」
「久しぶり、スバル。
ティアナも」
壁をぶち抜いて彼らの目の前に現れたのはスバルの姉であり、今回の捜査協力者であるギンガだった。
その豪快な登場の仕方にエリオとキャロは呆然としていた。
「というか、局員が公共設備ぶっ壊してくるなよ……」
「え、だって最短距離で来るなら一直線に来た方が早いじゃない。
それに、ここはもう廃棄都市区画だから問題なし」
「いや、問題ありすぎじゃ……」
「その前にスバルはギンガさんのこと言えないわよ」
壁を壊して進路を確保してきたというギンガにスバルが詰め寄るが、そんな彼にティアナは言葉を投げかけた。
「え……?」
「あんた忘れたの?
前の部隊で火災現場で救助活動中に突入口がないからって壁に砲撃で穴開けたじゃない」
「……そうでした」
こういったとんでもないことをしでかすところはやはり姉弟だな、と思ったティアナは悪くないはずだ。
ギンガのことを不思議そうな視線で見ていたエリオとキャロに気づいたティアナは一度咳払いをして空気を切り替えた。
「ギンガさん、こっちの二人が今の私たちのチームメイトのエリオとキャロです」
「あら、ずいぶん可愛らしいチームメイトね。
ギンガ・ナカジマよ、よろしくね」
「エリオ・モンディアルです、よろしくお願いします!」
「キャロ・ル・ルシエと、フリードリヒです。
よろしくお願いします」
ギンガが微笑みながら二人に挨拶すると、二人は慌てて返事をする。
「ちなみに、俺のシューティングアーツの師匠でもあるから、かなり強いぞ。
怒らせたらひどい目に合うから気をつけろよ?」
「あら、スバル?
この間の続きをしたいのかしら?」
ギンガの笑顔の裏側に潜む怒気を感じ取ったスバルは冷や汗をダラダラ流しながら誤解を解こうとしたが、その前にティアナが疑問を口にした。
「ギンガさん、この間って?」
「前の検診の時にね……」
「―――ッ、動体反応来!
ガジェット、来ます!」
ギンガのティアナに対して口を開こうとした直後、キャロの警告とともに突き当りの曲がり角からガジェットが飛び出してきた。
「姉貴!」
「話はここまでね。
ティアナ、指示出してくれる?」
「わかりました」
ガジェットから放たれた攻撃を後ろに飛び退くことで回避する三人。
ガジェットの数を確認したティアナはすぐにギンガとスバルの二人に指示を出した。
「私がまず風穴を開けます。
エリオはその隙に奥まで切り込んで。
スバルとギンガさんはそこから穴を広げてください」
「「「了解!」」」
「キャロ、抜けてくる奴は任せるわよ?」
「はい!」
瞬時に出された指示に従い、前衛の三人はティアナの橙色の砲撃によってこじ開けられた風穴に突っ込んでいった。
「タアァッ!!」
ギンガの声とともに繰り出された蹴り落としがガジェットを地面に叩き付け爆散する。
「姉貴ッ!」
「ッ!」
その背中を狙っていたⅠ型のコアをスバルの右腕が貫き動きを止める。
二人はそのまま背中合わせで周囲を見回し、同時に同じ方向に駈け出した。
「スバル、TNF、行けるわよね?」
「もちろんッ!」
ギンガは横目で隣を走るスバルに尋ねる。
その返答は彼女が予想していた通りのものだった。
「「リボルバーシュート!」」
合図無しに同じタイミングで放たれる二つの魔力弾が彼らの標的とされたⅢ型の腕を吹き飛ばす。
腕を吹き飛ばしたときに周囲に撒き散らされた煙に紛れてスバルがⅢ型の上を飛び越し背後をとった。
「スバル!」
「ドンピシャッ!!」
Ⅲ型がギンガとスバルのどちらを排除するべきかの判断を下す時間を与えずに二人は拳をⅢ型に叩き込む。
「ナックル……」
「ジェット……」
叩き込まれた拳に魔力が集中し、彼らの腕に装着されたリボルバーナックルから二発の空薬莢が排出される。
「バンカーッ!」
「マグナムッ!!」
前後からの挟撃によって内部を蹂躙されたⅢ型は二人が拳を引き抜くと同時にその巨体を四散させた。
「「…………」」
そのあまりにもの手際の良さにエリオとキャロは驚愕していた。
「あぁ、エリオとキャロはギンガさんとスバルのコンビは見たことなかったんだっけ?」
「はい、スバルさんから聞いたくらいで……」
「まさかあそこまで息がぴったりだなんて、思ってもいませんでした……」
ティアナは二人の反応に苦笑しながら応える。
「ギンガさんとスバルのシューティングアーツの師匠って誰か二人は知ってる?」
「あ、はい」
「確かお二人のお母さんでしたよね?」
「そう。
そのお母さんにシューティングアーツの模擬戦で勝てるように二人で考え出したのが、さっきのコンビネーション攻撃。
二人は『
ティアナは少し前の方で先ほどのコンビネーションの感覚を言い合っているギンガとスバルを一目見て、言葉を続けた。
「ま、ギンガさんとスバルの
ティアナの「少し悔しいけど」という呟きはだれにも聞かれることはなかった。
どうも、お久しぶりです。
実家に帰ってやることないのであたりを歩いていたら中学時代の同級生とあって、実家に置いてあったキューブのスマブラで大はしゃぎしてました。
いや、DXは最高ですね(笑)。
さて、今回はギンガの登場です。
スバルの行動に一番長い付き合いをしていた彼女。
原作以上に強くなってます。
このままじゃ三対一でも勝てちゃうんじゃ……(;´・ω・)