ディエチ、ゴメン。
注意!
オリジナルのデバイスが出てきます。
オリジナル何て要らねぇって人は回れ右を。
オリジナル?バッチコイ!!な人はお進みください
「ほー、あっちも派手にやってるっすね~」
姿を隠したティアナを探していたウェンディはライディングボードを担ぎ、ノーヴェとスバルの方に視線を向けながらそう呟いた。
「さてと、あっちも決着つきそうだし、こっちもさっさと終わらせますかね~」
(スバルっちを倒した後のノーヴェのことも心配っすからね~)
ウェンディは待機させていた十機のガジェットⅠ型改を集める。
「さー、もういい加減に出てきたらどうっすか?
今出てくる方がまだましな終わり方にできるッすよ~?」
彼女の呼びかけに、ティアナは答えず、返ってきたのは魔力弾のみだった。
誘導されて発射もとを読ませなかった弾をライディングボードで防ぎながらウェンディはため息を吐いた。
「頑固っすね~。
まぁ、いいっすけど」
彼女の
彼女がライディングボードをその熱源が隠れている場所に向けると、周囲のガジェットもその武装のロックを解除し、彼女の照準と同じポイントをマークする。
「それじゃ、おやすみなさいっす!!」
砲口に光が集まり、そして、弾けた。
ライディングボードの砲撃と、ディエチ謹製の改良型のガジェットによる飽和攻撃。
そして、その煙を橙色の光が引き裂いてガジェットを貫いた。
「な―――ッ!?」
ガジェットが爆散する中、ウェンディは煙の中から道が伸びているのを見た。
そして、その道を駆ける橙色の弾丸を。
「間一髪、ってところね。
クロスミラージュ、ウィングロードの制御は任せるわよ?」
『お任せください』
煙の中から飛び出したティアナはその脚で空を貫く道を走っていた。
『スターキャリバー』。
スバルが、彼女の力となるために、彼が使用していたローラーブーツをアップデートしたデバイス。
魔力量は並の彼女がウィングロードを万全に使用できるように最新型の
「さぁ、行くわよッ!!」
『Drive ignition』
ティアナの視線が、ウェンディを貫く。
彼女の思考を予測したクロスミラージュによって、彼女の走るべき道が創られ、彼女が走り去ると同時に道は霧散し、霧散した魔力はスターキャリバーのマギリングコンバーターによって新たな道となる。
「ちっ……!」
対するウェンディも、ライディングボードを上昇させる。
互いに銃口を向ける。
そして、その銃口から光の刃が放たれた。
「ちょ、今のを捌くっすか……!?」
ウェンディは背後に走り去ったティアナに驚きを隠しきれなかった。
彼女の腕に装備したライディングボードの銃口からは人の腕ほどの長さの光刃が伸びていた。
すれ違いざまにそれをティアナに叩き付けようとしたウェンディだったが、対するティアナは、両手に持ったクロスミラージュのうちの片方を即座にダガーモードに切り替えてその刃を切り払ったのだった。
「悪いけど、こっちもやられるわけにはいかないのよッ!」
「上等っすッ!!」
橙色と黄金の軌跡が空を駆ける。
二つの軌跡の間を、いくつもの光が行き交い互いにそれを避ける機動で駆け抜ける。
「しまった……ッ!?」
だが、それも終わりに近づいた。
ティアナの放った弾丸の一つが、ウェンディの乗ったライディングボードを撃ち抜いたのだ。
損傷によって飛行能力を失ったライディングボードは、失速し、次第にその高度を下げるしかなかった。
「悪いけど、終わらせるわよッ!!」
『Phantom Blazer』
「あぁ……ッ!!」
クロスミラージュから二つの砲撃が放たれる。
ウェンディはライディングボードを縦のように構えて、防ぐが、損傷したライディングボードの上では衝撃を逃すこともできずに、地面に叩き付けられた。
「クッ……!」
すぐに起き上がり、ティアナを見つけようとしたウェンディだったが、背後からの声が彼女の耳を叩いた。
「チェックメイト。
まだやる?」
ウェンディが首を少し動かし、背後を見ると、そこにはクロスミラージュを構えたティアナが不敵な笑みを浮かべていた。
そんな彼女の顔を見たウェンディは大きくため息を吐き、ライディングボードを放り投げて両手を上げた。
「降参っす。
まったく、とんだ隠し玉っすよ……」
スターキャリバーが光に包まれ、そして彼女の手に納まる。
ティアナはそれを首に掛けながらウェンディの呟きに答えた。
「そりゃそうよ。
なんたって、あのスバルが作ったんだもの。
隠し玉としては最高よね」
「デヤァアァッ!!」
ヴィータは、雄叫びとともにグラーフアイゼンを振るい、目の前にいるガジェットⅢ型を叩き潰す。
Ⅲ型が爆散したのを確認するとともに、上がっている息を整えながらポケットの中から残っているカートリッジを取り出す。
「まだ、残ってるな……」
手のひらにあるカートリッジを握りしめ、顔を上げ、その先に続く通路を見る。
「ここまでくれば、あとは動力炉まであと少し……ッ!?」
と、そこまで呟いた彼女の背中を悪寒が走り抜けた。
自分の感覚に従い、身を投げ出したヴィータだったが、彼女の背中に一文字の傷が入る。
痛みを堪えながら、ヴィータはすぐにグラーフアイゼンを振るい背後にいた何かを粉砕した。
「くそ、何が……!?」
背中の傷から響く鋭い痛みを感じながらヴィータは響くような足音を耳にした。
音のする方―――動力炉に続く道の先に視線を向けると、そこには、鎌のような腕を持つ四脚の戦闘機械が群れを成して彼女に向かっていた。
「はは、そうかよ……。
てめえら、あの時の奴の同類か……!!」
ヴィータの記憶の一つに、目の前のそれと合致するものが存在した。
数年前、なのはが撃墜された日。
その時、彼女の背中を貫いたそれ。
ヴィータの中で一つの感情が膨れ上がる。
「こんなところでまた会うなんてな……。
全部、ぶっ潰す……ッ!」
「IS『ヘヴィバレル』発動
最大出力」
ディエチは両手で砲を構え、人の眼では視認できない距離にある通路を見ていた。
ガジェットからの信号の途絶によって、彼女の目標である『高町なのは』の位置はわかっていた。
あとは、彼女に察知されるように砲撃を放つだけ。
そう考え、ディエチは視界になのはが映った瞬間、引き金を引いた。
『マスター』
「わかってる。
レイジングハート、カートリッジロード」
同時刻、放たれた砲撃を察知したなのははレイジングハートを構え、カートリッジを装填する。
なのはは自分の勘がささやく言葉に従い、もう一つの言葉を発する。
「ブラスター1」
なのはの言葉とともに、彼女の身体から魔力が溢れ出す。
ブラスター、使用者とデバイスの限界を超えた強化を施す彼女の切り札。
それを彼女は躊躇いもなく使うことを決めた。
『blaster1,Drive ignition』
「ハイペリオンスマッシャーッ!!」
レイジングハートから放たれた魔力の奔流は、通路を彼女の魔力光で明るく照らし、ディエチの身体をも呑み込んだ。
「ハァアァッ!!」
「チィ!」
フェイトとトーレの刃が交差する。
フェイトのバルディッシュとトーレのインパルスブレード。
自然、バルディッシュの方がトーレのインパルスブレードを押し返す。
トーレの体勢が崩れた瞬間を狙って切り込もうとするフェイトだったが、横合いから彼女を挟み込む機動で向かってくるブーメランブレードを避けるために後ろに飛び退く。
「…………」
フェイトは自分を間に挟んで立つトーレとセッテへの対抗策を頭の中で弾きだしていた。
(この先に、スカリエッティがいるけど、この二人を抜けないと。
だけど、このAMFの中での戦闘は……。
全力で行けば、抜けられるかもしれないけど、そうしたら、なのはたちの援護に……いや)
「バルディッシュ」
『Plasma Lancer』
フェイトの呟きと同時に、バルディッシュによって彼女の周囲に魔力弾が生成、即座に彼女の周囲で爆発し、その姿をトーレたちの視界から消した。
「クッ!」
「血迷ったか……?」
彼女の突然の行動に眉を顰めたトーレだったが、煙の中から彼女の羽織っていた上着が飛び出し、それに対してセッテが反応し、得物を投げつける。
「なに……!?」
だが、そこに彼女の目標はいなかった。
そして、セッテが己の得物を一瞬とは言え手放したタイミングを彼女が見逃すはずがなかった。
「フルドライブ」
『Riot Blade set』
突然の魔力の膨大にトーレは目を見開く。
そして、彼女の目の前でセッテが壁に叩き付けられた。
「セッテッ!!」
トーレが声をかけるが、壁際に倒れたセッテは返事をすることはなかった。
「意識を刈り取っただけ、命に別状はない」
「フェイトお嬢様……。
本気というわけですか」
トーレは目の前に降り立ったフェイトを見て、笑みを浮かべた。
彼女の前に立つ者は、自分の全力をぶつける相手にふさわしいと改めて感じたからだ。
だが、フェイトは首を振った。
「まだ、本気じゃない。
だけど、出し惜しみはしない」
(そうだ、私はここでスカリエッティを捕まえる。
なのははヴィヴィオを、はやてはゆりかごを、皆はみんなのやるべきことを。
だから、私は信じるだけ)
一度目をつむり、静かに息を吐く。
自分の中から、焦りや怒りといった余計なものをすべて吐き出す。
そして、一言。
「リミットブレイク」
『Riot Zamber Drive ignition』
バルディッシュの低い音声とともに、彼女の周囲にさらに魔力が溢れ出し、渦を巻く。
高濃度のAMFの中での魔力の奔流に姿を隠したフェイトが、新たな力を身にまとう。
その姿を見たトーレはさらに笑みを深くした。
「悪いけど、一瞬で蹴りをつける」
「望むところ、と言わせてもらいます。
IS、ライドインパルスッ!!」
フェイトが両手に握った二本の長剣を構える。
トーレがその足元に金色のテンプレートを出現させ、その身体に力を溜めこむ。
「いざッ!!」
「……ッ!」
刹那、閃光が走る。
互いの位置関係を入れ替えたところで、勝負はついていた。
フェイトの持つバルディッシュの二振りの長剣の片方の魔力刃が砕け散る。
そして、トーレのインパルスブレードがすべて切り落とされた。
「さすがですね、フェイトお嬢様。
どうぞ、先にお進みください」
「あとであなたたちにも話を聞かせてもらう。
そのつもりで」
フェイトは、トーレの方を振り返らずにその場から走り去っていった。
彼女が去った後、トーレはその場に座り込み、先ほどの一撃を思い返す。
「まさか、片方の長剣で私の攻撃をすべて凌ぎ切るとは……。
上には上がいるのだな……」
悔しそうに呟く彼女の顔は、嬉しそうな表情を浮かべていた。
「ねぇ!!
戦っている理由だけでも、教えて!!」
「あなたに話すことなんてない」
ガジェットに乗ったルーテシアの周りに魔力刃が浮かび上がり、正確にキャロへと放たれた。
「……ッ!!」
キャロは自分に向かって放たれたナイフを障壁を張ってやり過ごすが、障壁と衝突したナイフは爆発を起こし彼女の視界を潰した。
「ルーちゃん!!」
「……ッ!」
キャロの注意が自分から逸れたのを感じたルーテシアは乗っているガジェットから飛び降り、ビルの屋上に降り立つ。
そんな彼女の後を追うように、キャロも彼女のいるビルから少し低いビルに飛び降りた。
「どうしても、教えてくれないの……?」
「……私は、私のお願いを叶えてくれるドクターの手伝いをするだけ」
「そんなことのために……ッ!」
「そんなことなんかじゃないッ!!」
キャロの言葉に、初めてルーテシアが声を荒げた。
そんな彼女の隣に先ほどまでエリオと切り結んでいたガリューが現れる。
それと同時に、キャロの前にエリオがストラーダを構え、ルーテシアとガリューに視線を向ける。
「あなたたちにとっては、そうかもしれない。
けど、私にとっては、大事なこと」
「それでも!」
「あなたたちは、隣に誰かいてくれたからそう言えるの!!」
「「――――ッ!!」」
「私には、ずっとガリュー達しかいなかった。
ゼストやアギトもいつかはわかれるから……。
でも、ドクターは、私の願いを叶えてくれるって、約束した」
ルーテシアの足もとに魔法陣が現れる。
それと同時に、ガリューの身体に力が漲り、周囲のビルの屋上に地雷王が現れる。
「それは……!!」
「そんな叶え方、間違ってるよ!!」
「うるさいッ!!」
エリオとキャロの言葉に、ルーテシアは耳を貸さず、その目に涙を浮かべながら言葉を紡いだ。
「私は、もう一人はいやなんだ!!
だから……、あたしの邪魔をしないでッ!!
白天王ーーッ!!」
「―――――ッ!!」
ルーテシアの叫びとともに、周囲の地雷王が雷を発し、ガリューが渾身の一撃をエリオに叩き込む。
そして、ビルの間を通る道路に巨大な魔法陣が出現し、そこから巨大な身体を持つ召喚虫が呼び出された。
白天王。
ルーテシアの使役する最大の召喚虫。
それ、この世界に呼び出された。
「クッ!!」
「エリオ君!!」
ガリューの一撃をストラーダで受け止めたエリオだったが、その力の差に徐々に押されていた。
彼は、駆け寄ろうとしたキャロを言葉で制す。
「キャロ、君はルーテシアを!」
「でも!!」
「あの子は、寂しいだけなんだ!!
止めてくれる人がいないから……!」
キャロは彼の言葉で、彼が何を考えているのかを理解した。
彼女は、以前までの自分たちと同じ。
だから……。
「ヴォルテールッ!!」
彼女は、その名を呼ぶ。
最強の真竜を。
「ここッ!!
玉座の間!!」
通路を最大速度で駆け抜けたなのはは、ついにその場所に辿り着いていた。
彼女の目の前には、巨大な扉。
一人で開けるには大きすぎるそれを、彼女は砲撃で撃ち抜くことで無理やりこじ開けた。
「ヴィヴィオッ!!」
なのはが玉座の間に飛び込むと、その先には、幼い少女の身体には不釣り合いなほどの大きさの椅子に座り込んだまま意識のないヴィヴィオの姿があった。
「ヴィヴィオ、今助けるから……ッ!?」
『玉座の間に侵入者を確認。
ゆりかごの安全確保のため、玉座の間にての戦闘行為を許可。
聖王の鎧、インストール。
《戦闘パターンS》発動』
なのはがヴィヴィオに向けて一歩を踏み出した瞬間、彼女たちのいる部屋のどこからともなく、機械の音声が響き渡った。
「レイジングハート、これは!?」
『わかりません。
ですが、何かよろしくないことがあるのは確実でしょう』
相棒からの警告に苦虫を潰したような表情を浮かべるなのは。
だが、彼女のその表情も長くは続かなかった。
「うぅーーぅ……ぁぁぁあああーーーッ!!」
「―――ッ、ヴィヴィオ!!」
玉座に座るヴィヴィオの身体に、光が集まり、彼女の姿を包み込んだ。
そして、その光が砕け散ると、そこには少女の姿はなく光を失った瞳の女性が立っていた。
「ヴィヴィオッ!?」
「侵入者、確認……。
これより、排除を開始する……」
限界時間まであと―――一時間四十二分。
どうも、お久しぶりです。
この一週間、忙しくてパソコンに触れることすらもできませんでした……。
大学の学祭って大変です。
チビッ子の相手があんなにつかれるとは……。
エリキャロや無印のころのなのはたちがいかにできた子だったのかよくわかります……。
さて、話の方ですが、それぞれの戦いは収束に向かっていきます。
今回は、ティアナ対ウェンディ、なのは対ディエチ、ヴィータの突撃、フェイト対トーレ&セッテ、エリキャロ対ルールー、そして、なのは対ヴィヴィオの開幕といったところです。
そして、ごめんよ、ディエチ。
君の活躍の場所が少なくて……。
オリジナルデバイス解説
スターキャリバー:スバルがティアナの夢のために作り出したデバイス。
元々、彼女のために作ることは決めていたスバルだったが、マッハキャリバーを使うことになったためそれまで使用していたローラーブーツをアップデートするという方針で作り上げた。
機動力アップを目的としたものなので、理論上はフェイト並みの高機動戦闘を可能とするが、ティアナの経験が足りないためにそこまでの変態機動はできない。