魔法少年リボルバースバル   作:飛鳥

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まさかの連日投稿!!
今回は筆が進みました。
それではどうぞ!



ティアナルート 第三十七話

「ギア……」

 

「モード……」

 

「「エクセリオンッ!!」」

 

『『Drive ignition』』

 

マッハキャリバーの外装の一部がパージされ、蒼き翼がその姿をさらす。

マギリングコンバーターによって、ティアナの周囲の魔力素をすべて彼女に適合する魔力へと変換され、余剰魔力が、ティアナの背から四つになって噴き出し、その勢いは、彼女の身体を空中へと浮かべた。

 

「行けるか?」

 

「えぇ、魔力の供給も安定してる。

 行けるわよ」

 

スバルは隣に浮かぶティアナを横目に見ながら尋ねる。

それに対して、ティアナは両手にクロスミラージュを持ちながら答える。

その視線は、静かにノーヴェを捉えていた。

 

「なら、行くぞ……クロスシフト、『ランページスターズ』ッ!!」

 

「……ッ!!」

 

スバルとティアナが同時に飛び出す。

陸と空に蒼と橙色の道が浮かび上がる。

道路を一直線に駆け抜けるスバルの周囲に六つのスフィアが展開される。

 

「ディバインバスターッ!!」

 

『リボルバーシフト』

 

六つの蒼い砲撃は、ノーヴェの周囲に着弾し彼女の視界を奪う。

舞い上がった煙はノーヴェの身体も隠してしまうが、彼女には見えていた。

 

「狙いは外さない……ッ!!」

 

『Cross Fire and Shoot Barret』

 

浮遊する魔力素を取り込むことで縦横無尽に空中を駆け抜けるティアナの目には、ノーヴェの身体から発せられるエネルギー反応がしっかりと映っていた。

その反応へと彼女の両手に握られたクロスミラージュから十数発の誘導弾と直射弾が発射される。

 

「……がッ!?」

 

弾速の速い直射弾がノーヴェの脚を射抜く。

脚を撃ち抜かれたノーヴェの身体がバランスを崩し、そこに追撃で誘導弾が連続して彼女の身体を空中に打ち上げる。

 

「スバルッ!!」

 

「わかってる……ッ!」

 

ノーヴェの身体が打ち上げられたのを確認したティアナはすぐさま相棒の名を叫ぶ。

彼女の声に答える前に、ノーヴェの後方に回り込んでいたスバルは空に向かって伸びるウイングロードを駆け昇る。

 

「打ち抜くッ!!」

 

『Knuckle Bunker』

 

硬質のフィールドに覆われた拳がノーヴェの身体に接触した直後、フィールドが弾け飛び、その衝撃がノーヴェの身体を貫き、彼女の身体を逆方向に吹き飛ばす。

 

「ブラストシュートッ!」

 

『Phantom Blazer』

 

ティアナが放った砲撃がノーヴェの身体の勢いを止める。

そこにスバルが飛び込み、彼女の身体をガッシリと掴んだ。

 

「逃がさないッ!!

 ティアナッ!!」

 

「了解ッ!」

 

ノーヴェを掴んだスバルは、そのまま上へ昇っていく。

そんな彼の周囲に膨大な魔力を溜め込んだスフィアがいくつも現れ、そのすべてがノーヴェだけに向けてピンポイントで砲撃魔法を放った。

 

「これで最後だ、ノーヴェッ!!」

 

 

 

「行くわよ、クロスミラージュ」

 

『了解。

 シフトチェンジ。

 ハウリングシフト』

 

スバルが自分と同じ高さまで上昇しているのを見たティアナは右手に握ったクロスミラージュを左手のものの前に添える。

すると、クロスミラージュの銃床が左手のものの銃口と合わさり巨大な一つのライフルへと姿を変えた。

 

『クロスミラージュ・エクセリオンモード・ハウリングシフト』。

彼女の最強の切り札の一つ。

それを今解放した。

 

 

「ティアナッ!!」

 

「わかってるわよ!」

 

すべてのスフィアの攻撃を受けたノーヴェを連れて、スバルがティアナの傍を通り抜ける。

彼女はスバルの声に反応して、すぐにその後ろを追いかける。

 

 

「ノーヴェ、これで助けてやるからな……ッ」

 

スバルはノーヴェの身体にリボルバーナックルを当てる。

その拳から六発の空薬莢すべてが排出され、魔力が充填される。

 

「準備はいいな?」

 

「当然」

 

スバルは隣に並んだティアナが自分と同じように、ノーヴェに銃口を当てるのを見て尋ねる。

ティアナの答えに頷くスバル。

そして、声をそろえた。

 

「「せーの……」」

 

 

「「行けぇぇぇぇぇッ!!!!」」

 

『Strike Blazer』

 

『Starlight Breaker』

 

蒼と橙色の砲撃が、ノーヴェの身体を包み込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

ゆりかご、玉座の間―――

なのはは自分の目の前で頭を抱えて声を荒げていたヴィヴィオが静かになったのを見て、名前を呼びながら近づこうとする。

 

「ヴィヴィオ……、ヴィヴィオッ!!」

 

「来ないでッ!!」

 

だが、彼女の行動はヴィヴィオから止められた。

頭を抱えながら片手で放った虹色の魔力弾がなのはの足もとで弾ける。

 

「ヴィヴィオ……!?」

 

「身体が、いうことを効かないの……。

 これ以上、なのはさんを傷つけたくない……ッ」

 

「どうしたの?

 ヴィヴィオ、いつもみたいに、なのはママって呼んでくれないの?」

 

ヴィヴィオの自分の呼び方が、変わっていることに気づいたなのはは彼女に尋ねる。

 

「思い出したの……。

 私が、このゆりかごの心臓の一つだった聖王のクローンってことに。

 小さい姿をしていたのは、優れた魔法技術と戦闘能力を持った人に守ってもらえるように。

 そして……、本当のママなんていないってことに……」

 

「ヴィヴィオ……ッ」

 

「だから、これ以上私に近づかないで。

 このままじゃ、少しの間だったけど家族だったなのはさんを……ッ!」

 

ヴィヴィオはその瞳に涙を浮かべながら叫ぶ。

自分から離れろ、もう自分に構うなと。

なのはは、そんな彼女に向けて言い放った。

 

「それがどうかしたの?」

 

「え……」

 

なのはの言葉が予想外だったのか、ヴィヴィオは驚きの声を上げるだけだった。

 

「たとえ、過ごした時間が少なくても。

 私はヴィヴィオのことを本当の家族だって思ってる。

 例え、血がつながってなくても、私たちは家族でいられるって思ってる。

 例え、ヴィヴィオが過去の人のクローンだからって、私がヴィヴィオを見捨てる理由にはならないよ」

 

「で、でも……!」

 

「でもじゃないッ!!」

 

ヴィヴィオの言葉を声を上げて遮るなのは。

彼女の剣幕に口を閉じるヴィヴィオ。

 

「それにね、約束したんだ。

 フェイトちゃんや、スバルと。

 絶対に連れて帰るって。

 みんな、ヴィヴィオの帰りを待ってるんだよ?

 ヴィヴィオが造られた存在だからって嫌う人なんていない。

 みんな、ヴィヴィオをヴィヴィオとしてみてくれる。

 だから、一緒に帰ろう、ヴィヴィオ?」

 

「………い」

 

なのはが手を彼女に向けて差し出す。

その手を見て、ヴィヴィオは俯きながら呟く。

 

「ほら、ちゃんと言葉にして言ってごらん?

 言葉は、自分の言いたいことを相手に伝える魔法なんだから」

 

「帰りたい……ッ!!

 帰りたいよ、皆のところに……

 だから、助けて……なのはママァッ!!」

 

ヴィヴィオの口から紡がれたのは、助けを求める声。

それに答えるために、なのは大きく頷いた。

 

「助けるよ。

 いつだって、何度でもッ!!」

 

『Limit break』

 

「ブラスター2ッ!!」

 

『Drive ignition』

 

レイジングハートの機械的な声とともに、なのはから膨大な魔力が溢れ出す。

高濃度のAMFに満ちたこの空間においても視認できるほどに溢れだす魔力の奔流は想像を絶するものだ。

 

「レイジングハート、狙いは一つ。

 わかってるよね?」

 

『ヴィヴィオの身体に埋め込まれたレリックを露出させ、封印。

 リスクの高い方法ですが、ヴィヴィオの身体とマスターの身体の負担を考えるならばこれが最良の選択かと思われます』

 

なのははレイジングハートを構える。

 

「行くよ、ヴィヴィオ!」

 

「……ッ!!」

 

なのはが飛び出すのに反応してヴィヴィオの身体に纏わりつく聖王の鎧が彼女の拳をなのはに向けて振り下ろした。

 

『ブラスターピット展開』

 

だが、拳がなのはを捕らえる直前、小型の遠隔操作機器『ブラスターピット』がバインドを展開しながらその腕を絡め取った。

 

「ちょっとだけ、痛いの我慢してね、ヴィヴィオッ!!」

 

『Load cartridge』

 

腕を絡め取った瞬間に、ヴィヴィオの懐に入り込んだなのははレイジングハートの切っ先をヴィヴィオに突きつける。

聖王の鎧がその進行を阻もうとするが、レイジングハートの切っ先が二つに分裂し、桃色の魔力刃(ストライクフレーム)が姿を現し、その障壁を貫く。

ヴィヴィオに届く道が開いたことを確認したなのはは装填されているすべてのカートリッジの魔力を放出させる。

 

「ディバインバスターッ!!」

 

「あぁぁぁァァァッッッ!!!」

 

桃色の砲撃がヴィヴィオの胸を貫く。

そして、その膨大な魔力の流れによって聖王の鎧は砕け散り、ヴィヴィオの身体(なか)から赤い宝石(レリック)がその姿をさらす。

 

「レイジングハートッ!!」

 

『レリックナンバー1、封印』

 

姿を現したレリックをなのはは片手で掴み取り、すぐに自分の魔力を流し込み、その活動を停止させた。

レリックからの魔力供給が途絶えたヴィヴィオは、その身体を虹色の光を放ちながら元の幼児の姿へと戻っていく。

 

「ヴィヴィオッ!!」

 

宙に浮いていたヴィヴィオの身体が静かに地面に降りていくのを、なのはは自分の身体で優しく受け止めた。

 

「ヴィヴィオ、大丈夫……ッ!?」

 

「だい、じょうぶ……だよ……」

 

「あぁ、ヴィヴィオッ!!」

 

ヴィヴィオが小さくとも、しっかりとした声で答えたことに、なのはは涙を浮かべながら彼女の身体を抱きしめる。

 

「あのね、なのはママ……」

 

「何、ヴィヴィオ?」

 

ヴィヴィオはなのはに抱かれながらも、彼女に伝える。

自分が、今一番伝えたい思いを。

 

 

 

「助けてくれて、ありがとう……」

 

 

 

 

 

 

 




今回は、スバル組となのはの方の決着がつきました。
スバルとティアナのクロスシフトは、まぁ知ってる人は知ってる『暴れまくり幽霊』をもとに作り上げたオリジナル戦法です。
なのはは原作とは違い、レリックを完全破壊ではなく、ヴィヴィオの身体から吐き出させた後に封印という方法で彼女を助けだしました。

さて、今年もあと数日ですが、ティアナルート完結目指して頑張ります!!


オリジナルモード紹介

『クロスミラージュ・エクセリオンモード』
スバルのマッハキャリバーのエクセリオンモードとの連携を前提に追加された機能。
全力稼動の魔力変換炉(マギリングコンバーター)が周囲の魔力素を取り込み、ティアナの使用する魔力へと変換するために、戦闘力が大幅にアップする。
取り込んだ魔力の内、ティアナの許容量を超えた魔力は彼女の背中から放出され、放出された瞬間に再び取り込まれるために、理論上では半永久的に魔力の運用が可能。
ティアナの身体にかかる負担が倍以上になるために、フルドライブ状態でいられる時間は少ない。

『クロスミラージュ・エクセリオンモード・ハウリングシフト』
クロスミラージュ・エクセリオンモードにおける最終形態。
ティアナが(補助ありだが)収束魔法を使用可能となる。
ただし、一度の使用でコンバーターが熱暴走を起こすため、ハウリングシフトを使用した後の戦闘能力はガタ落ちする。
ティアナにとってはまさに虎の子の切り札と言える形態。
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