魔法少年リボルバースバル   作:飛鳥

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遅くなりました。
詳細はあとがきにて


ノーヴェルート 第十一話

S級次元犯罪者、ジェイル・スカリエッティの管理局に対する宣戦布告より一週間。

管理局の中枢を担う第一管理世界『ミッドチルダ』の首都クラナガンの上空を船が飛行していた。

 

船―――聖王のゆりかごの周囲で、ゆりかごの上昇を止めるために取り着こうとする管理局員とゆりかご内部から射出されるガジェットの間で戦闘が行われていた。

 

 

その映像を機動六課のフォワードチームと部隊長であるはやては臨時の隊舎兼移動手段とした次元航行船『アースラ』のブリーフィングルームでその様子を見ていた。

 

 

 

「御覧の通り、状況は最悪の方向に進んどる。

 本日早朝、クラナガンの郊外から浮上したこの聖王のゆりかご(デカブツ)はクラナガンの上空を飛行しながら徐々にその高度を上げとる。

 あれが二つの月の魔力を得ることができるようになったら終わりや」

 

はやては無限書庫からの情報を出しながらその場にいるメンバーに顔を向ける。

 

「現在管理局はこのデカブツを止めることを最優先事項にしとる。

 地上本部のグレアム中将も全面同意し、地上部隊の展開し市民の避難を急がせてる。

 そして、うちらのやることやけど……」

 

はやてはそこまで言ってため息を吐きながら続ける。

 

「本来うちらみたいな少数精鋭の部隊にとってやったら拙いんやけど、戦力を分散させる」

 

はやては苦い顔をしてそう告げる。

そして、その理由をなのはをはじめとしたフォワードメンバーは理解していた。

 

「まず、聖王のゆりかごの停止と、ゆりかご内部にいるであろうヴィヴィオの救出、主犯格の逮捕は高町隊長とヴィータ副隊長。

 すでに対AMF対応型デバイスを配備された部隊が突入口の確保に向かっとるから、二人は突入口の確保の知らせが入ったらすぐに突入や。

 次にスカリエッティのラボにはフェイト隊長。

 現地でヴェロッサ・アコース査察官とシスターシャッハと合流してスカリエッティの逮捕。

 シグナム副隊長は地上本部に向かっとる魔導師―――騎士ゼストの足止めを頼むで」

 

はやてがそこまで指示を出したところで、ティアナに尋ねる。

 

「ティアナ、スバルから連絡は?」

 

「一時間前に、最終調整中だと」

 

「まだ終わってないか……。

 なら、地上本部に向かってる戦闘機人はティアナ達四人(・・)でやってもらうしかないか……」

 

「八神部隊長?

 四人、とは?」

 

ティアナ達は、はやての言葉に首を傾げる。

はやては四人といった。

だが、スバルが欠けた今、フォワードチームはティアナとライトニングのエリオとキャロの三人だ。

一体誰が?

 

彼女たちの表情に浮かぶ疑問を感じたはやては部屋の外にいるであろう彼女に中に入るように告げた。

 

「失礼します」

 

「ギンガさん……ッ!?」

 

「ギンガには、臨時でティアナとチームを組んでもらう。

 ティアナ、できるやろ?」

 

部屋に入ってきたのは、スバルの姉であり、先日の戦闘で重傷を負っていたギンガだった。

彼女が来たことに驚いたティアナに対して、はやてはそう尋ねる。

 

「あ、はい。

 でも、ギンガさん、怪我は……?」

 

(スバル)が身体を張って戦おうとしてるのに、寝てるわけにもいかないでしょう?

 大丈夫、身体はキッチリ修理(なお)してもらったから」

 

ギンガは右腕でガッツポーズをしながらそう答える。

そんな彼女の袖からは金属の輝きが見え隠れしていた。

 

「……わかりました。

 でも、あまり無茶はしないでくださいね?」

 

「うん、わかってる」

 

ギンガはティアナの言葉に微笑みながら頷いた。

 

 

 

 

 

 

 

「みんな、準備はいい?」

 

「「「「「はいっ!」」」」」

 

ブリーフィングからしばらく後、出撃の準備を終え、格納庫に集まったティアナたちは、なのはとヴィータの前に並んで立っていた。

 

「今回の出撃は、今までで一番ハードになると思う」

 

「あたし等も、お前らのピンチになっても助けてやれねえ」

 

「でも、目を閉じて、今までの訓練を思い出してみて?」

 

なのはの言葉に従い、目を閉じるティアナ達四人。

 

「何度もやった基礎訓練、嫌って程磨いた、それぞれの得意技。

 痛い思いをした防御練習、全身筋肉痛になっても繰り返したフォーメーション。

 いつもボロボロになるまでやった、私達との模擬戦」

 

なのはの言葉とともに、ティアナたちの顔がどんどん青ざめていく。

彼女の訓練を受ける期間が短かったギンガは比較的マシだったが、残る三人、特にティアナは今にも吐きそうな表情を浮かべていた。

 

 

「目、開けていいよ」

 

なのはは目の前に立つ四人の姿を見て、苦笑する。

 

「訓練メニュー考えた私が言うのもなんだけど、皆きつかったよね?」

 

「それでも、ここまで四人とも、それにここにはいないがスバルの野郎もよくついて来た」

 

「特にスバルとティアナはよく頑張ったよ。

 私が教えてきた中で一番キツイ訓練メニューだったんだから」

 

なのはのその言葉に、ティアナは頬を引き攣らせながら笑うしかなかった。

彼らは、彼女の考えた訓練メニューは彼女の教えを受けた者はだれでもこなしていると考えてやっていたために、その分の驚きも含まれていた。

 

 

「5人とも誰より強くなった……とは、ちょっと言えないけど。

 だけど、どんな相手が来ても、どんな状況でも絶対に負けないように教えてきた」

 

なのはとヴィータは、そう言いながら笑みを浮かべる。

 

「守るべきものを守れる力、救うべきものを救える力。

 絶望的な状況に立ち向かっていける力。

 ここまで頑張ってきた皆は、それがしっかり身に付いてる」

 

その言葉は、ティアナたちの中に何の抵抗もなく入り込んでくる。

そして、それは彼らの中で自信となってその心を強くする。

 

「夢見て憧れて、必死に積み重ねてきた時間」

 

言葉を続けながら、なのはは拳を握りしめて前に出す。

 

「どんなに辛くてもやめなかった努力の時間は、絶対に自分を裏切らない。

 それだけ、忘れないで」

 

最後にそう言って、締めくくる。

浮かべていた笑顔は彼らの知る、なのはの、強くて優しいエースオブエースの顔だった。

 

「キツイ状況を、ビシッとこなして見せてこそのストライカーだからな」

 

「「「「「……はいっ!」」」」」

 

ヴィータは不敵な笑みを浮かべながら彼らにそう告げ、スバルたちも自信に満ちた顔で答えた。

 

「じゃあ、機動六課フォワード隊、出動!」

 

「行ってこい!!」

 

「「「「了解!」」」」

 

今までで一番の敬礼をなのはとヴィータに返して、ティアナたちは踵を返して走り出した。

だが、ヘリに向かおうとするティアナをなのはは呼び止めた。

 

「ティアナ」

 

「なのはさん……」

 

「スバルがいないけど、大丈夫だよね?」

 

なのはの心配そうな表情と言葉に対して、ティアナは不敵な笑みを浮かべながら言葉を返した。

 

「大丈夫ですよ、スバル(あのバカ)の代わりにギンガさんもいますし。

 それに、なのはさんの訓練に比べれば怖いものなんてありませんから」

 

そう言ってティアナはもう一度敬礼をして、ヘリへと乗り込んでいった。

ティアナの言葉になのはは一瞬、驚きの表情を浮かべたがヘリに乗り込む彼女の背中を微笑みながら見送った。

 

「ティアナの奴、すっかり半人前を抜け出したな」

 

「うん、なんというか少し大人になったというか、何か吹っ切れたみたいだね」

 

少し大きくなったように見えた教え子の背中を見送りながらなのはとヴィータはそう言葉を交わす。

 

「さ、私たちも行こう」

 

「おう」

 

 

 

 

 

「新調した腕の調子はどうだい、スバル君」

 

管理局地上本部に隣接する研究所のとある一室、そこでスバルは全身の動きを確認するように身体を動かしていた。

そんな彼のすぐそばで、スバルの様子を見ていたサカキは彼に身体の調子を尋ねる。

今のスバルの身体(ボディ)は地上本部襲撃の際に破損していた部分の総取り換えと、各部のチューンアップを施されていた。

 

「大丈夫です、問題ありません」

 

彼の言葉に対してサカキは頷き彼に、彼と同じく修復されたマッハキャリバーを手渡す。

 

「つい先ほど、修復と再調整が済んで送られてきたんだ。

 以前よりもさらにピーキーになっているらしいけど、君なら大丈夫だろう」

 

「ありがとうございます」

 

スバルはサカキからマッハキャリバーを受け取る。

 

「久しぶりだな、相棒」

 

『えぇ、今度は以前のような無様なことにはなりませんので、ご心配なく。

 相棒は、相棒の走りたいように走って下さい。

 私は相棒とともに走りますから』

 

マッハキャリバーの言葉にスバルは不敵な笑みを浮かべる。

 

「現場までの足はこちらで確保しておいたから、この場所に向かうといい」

 

「ありがとうございます、サカキ博士」

 

「なに、これくらいどうということはないよ。

 ほら、早くいくといい。

 主人公(ヒーロー)が遅れたら話にならないだろう?」

 

「主役は遅れてくるものって言葉もありますけどね」

 

サカキの言葉にスバルはそう返し、部屋を出て行った。

スバルが去ったあと、サカキは眼鏡を指で押し上げながら一人、言葉を紡ぐ。

 

「見せてもらうよ、スバル君。

 君の可能性を」

 

 

 

 

 

 

 

 




前話の投稿から約三か月、遅くなりました。
申し訳ありません。
遅くなったことにはそれなりの理由があります。


簡潔に言うと、交通事故に巻き込まれました。

信号待ちで待っていたところに思いっきり突っ込まれました。
おかげで今年の二月に買った原付はスクラップになり、一か月半の入院とその後のリハビリで大学の講義は全部休むことになり、もれなく留年が確定しました(怒)

入院期間中はベッドからまともに動くこともままならないというか、何もできませんでした。
最近になってやっと外出できるようになりり、シャバの空気を味わってます。


とにかく、この小説は死んでも完結させるつもりなので、末永く見守っててください。
次回の更新は未定です。
それではまた次回。

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