魔法少年リボルバースバル   作:飛鳥

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誤字報告感謝です。
誤字の確認はしてるのですが、どうしても気づかないこともあるので、見つけたときは、あぁまたやってるなと生温い目で見てください(笑)


ノーヴェルート 第十三話

ノーヴェとティアナの間に降り立ったスバル。

彼は目の前にいるノーヴェを見ると、「やっぱり、そうだよな……」と小さく呟く。

 

「ティアナ、あっちのピンクを任せてもいいか?」

「えぇ、いいわよ。こっちのことは気にせず、あんたはあんたがやりたいようにやりなさい」

 

ティアナは自分の方を見ずにそう尋ねるスバルに対して苦笑しながらそう告げた。

そんな彼女の言葉に応えるように、体制を低くする。

 

「さて、行くぜノーヴェ。少し付き合ってもらうぞ……っ」

「――――ッ」

 

言葉と同時に飛び出すスバル。

そんな彼に向けて反撃の拳を振るうノーヴェだったが、直後の彼の行動に彼女は驚愕の表情を浮かべた。

 

「な――――ッ!?」

「マッハキャリバーッ!!」

《Wingroad》

 

スバルは迎撃のためのノーヴェの拳を紙一重に避けると、そのまま彼女の身体にしがみつき、天井に空いた穴から彼女と一緒に外まで飛び出していった。

そんな彼らの様子を見ていたウェンディとティアナは

 

「行っちゃったっすねー」

「そうね……、それで、あんたはよかったのかしら?」

「何がっすかー?」

 

ウェンディの気の抜けた言葉に対して、ティアナは苦笑しながら尋ねる。

 

「あいつの突進に対して何もリアクション見せなかったじゃない」

「あぁ、そのことっすか。それなら別にどうということはないっすね」

 

ティアナの問いに、「だって……」と続けるウェンディ。

 

「あたしはノーヴェの妹っすからねー。お姉ちゃんがずっとあんな顔してるのはさすがにってところっす。

 それに、スバルっちが来たならよっぽどのことがないと、悪いほうには行かないと思ってるっすからねー」

「あら、ずいぶん信用してるのね、あいつのこと」

 

ウェンディの言葉に驚きの声を上げるティアナ。

そんな彼女に対してウェンディは、だって……とつぶやき

 

「あの二人、ぜったい両想いっすから」

「……そうね、互いに相手のことを考えすぎてるってのは傍から見て分かるぐらいにはねー」

 

そう言い合い、ティアナは薄く笑みを浮かべ、ウェンディは「いしし」と朗らかな笑みを浮かべる。

そして、互いに相手に砲口を向ける。

 

「……今すぐ武器を捨てて投降すれば、痛くはしないわよ?」

「残念ながら、ほかの姉妹が戦ってて自分だけ降参ってわけにはいかないっすねー」

 

あ、もちろんノーヴェは別っすよ?と付け加えるウェンディ。

 

「そう、なら全部終わったらまた話をしましょう?あんたのことは嫌いじゃないみたいだから」

「そうっすねー。ま、アンタがあたしに勝てればの話っすけど」

「あと、一つ言っておくわ」

 

ティアナの声が笑顔のまま一段階下がったのに対して、ウェンディの背筋を嫌な汗が流れ始めた。

 

「今ちょっと失恋のせいでストレスが溜まってるから、やりすぎたらごめんね?」

「うわぁお、スバルって意外とモテモテっすねー」

 

 

 

 

 

 

 

「このっ、離せっ!」

 

スバルに抱きかかえられて外へと飛び出したノーヴェは、何とかスバルの拘束から逃れることに成功した。

地上に降りた二人は、互いに向き合う。

 

「いきなりなんなんだ、お前。もうお前とあたしは何の関係もないはずだ!!」

「そんなこと言うなよ。俺はお前に会いに来たんだから」

 

腕を振り、スバルを拒絶する反応を見せるノーヴェに対して、スバルは苦笑しながら彼女の目を見つめる。

 

「――――ッ、うるさいッ!!」

 

スバルの深い蒼色の瞳がノーヴェを見つめる。

ノーヴェにはそれが耐えられず、悲鳴を上げるように彼の言葉を遮る。

彼を騙し、傷つけた。その罪悪感が、彼女の心に住み着いていた。

その罪悪感に押しつぶされそうになりながらも、ノーヴェはスバルに向けて右手のガンナックルを向けて直射弾を放つ。

 

「俺さ、地上本部の襲撃の後、散々悩んでたよ、お前のことをさ」

 

向かってくる直射弾をしっかりと見極め、直撃するものだけをリボルバーナックルで払い除けながら、スバルは心の中で考えたことを口にする。

近づいてくるスバルに対して、ノーヴェはジェットエッジによる加速をかける。

ジェットエッジによって加速されたノーヴェの蹴りを紙一重で避ける。

 

「悩んで悩んで、考え抜いて。そして思ったんだ」

「――――ッ!」

 

ノーヴェから繰り出される蹴りと拳の乱打を前にしても、落ち着いていた。

 

「うだうだ考えるのは止めるってな。で、会いに来て、改めてわかった」

「うるさい、うるさい、うるさい!!」

 

スバルはその蹴りを避け、拳を捌きながら言葉を続ける。

だが、ノーヴェは、駄々をこねる子供のように叫ぶ。

 

「ノーヴェ、俺はさ……」

「黙れ!!それ以上は……ッ」

 

ノーヴェの渾身の拳がスバルに向けて放たれる。

彼女は彼の言うことが、言おうとしていることがなんとなくわかっている。

だが、それは彼女が捨てた、捨てたと思っている事実だった。

スバルは、彼女の拳を、リボルバーナックルを解除した右手で受け止める。

そして、その心に浮かんだ言葉をそのまま形にした。

 

「お前のことが好きだ」

 

「なんで……」

「ん?」

 

拳をスバルに捉えられたまま、小さく呟く。

 

「なんで、あたしは、お前をだましてた……!」

「そうだな」

 

ノーヴェは顔を俯かせ、スバルに顔を見せずにそう口にする。

スバルは、彼女の言葉に頷きながらその言葉の続きを待つ。

 

「あたしは……、お前を裏切った……ッ!」

「まぁ……そうだな」

 

ノーヴェの声が震えながらもだんだんと大きくなっていく。

 

「あたしは、犯罪者で……お前は管理局員で……、敵同士なのに……ッ!!」

「それも確かにそうだな」

 

瓦礫が散らばる地面に、数滴の水が落ちて染みを作る。

すでに、彼女の声は涙ぐんでいた。

 

「なんでお前は……っ」

「それがどうした」

 

ノーヴェの言葉を遮り、小さく、しかしハッキリとスバルは口にする。

 

「ノーヴェが俺をだましてた?確かにそうだ。俺はかなり傷ついたさ」

「――――ッ」

 

スバルの言葉にノーヴェは息を飲む。

そんな彼女の様子を無視し、スバルは言葉を続ける。

 

「お前が俺を裏切った?確かに、俺の心はボロボロだった」

 

スバルは自分が彼女のことを自分が思っている以上に大切に思っていたことに気づいた時のことを思い出しながら言葉を紡ぐ。

 

「ノーヴェが犯罪者で、俺が管理局員。それも事実だ」

「だったら……ッ」

 

ノーヴェが泣きながらも、彼から離れようと自由な手を彼の身体に向けるが、スバルは左手でその手を掴む。

そして……

 

 

「それがどうしたって言ってるんだ!」

 

 

ノーヴェが再び彼を拒絶するような言葉を発する前に、スバルは声を荒げる。

 

「――――ッ」

 

荒げた声に驚きの反応を見せるノーヴェに対してスバルはさらに言葉を続ける。

 

「お前が俺を裏切った?お前は犯罪者で俺たちは敵同士?

 それがどうした!!お前がそう言うなら、俺は何度だって言ってやる!!」

 

そう言って、スバルはノーヴェの両手を離し、彼女の身体を抱きしめる。

それは先ほど、彼女を外に連れ出す際のように強引でありながらも、割れ物を扱うように優しい抱擁であった。

 

「俺はお前のことが大好きだ、ノーヴェ」

 

彼女の身体を抱きしめ、その耳元で再度、先ほどの言葉を繰り返す。

 

「――――ッ、でもッ、あたし、はっ!!」

「お前はどうなんだ、ノーヴェ?」

 

ノーヴェの泣きの入った言葉に対してスバルは彼女の気持ちを尋ねる。

 

「俺は、隣にお前がいてほしい。一緒に生きて生きたいよ。お前は?」

「あ、あたしは……ッ!!」

 

「いっしょに……ッ」

「……」

 

スバルは彼女の答えを待つ。

すでにノーヴェの目からは涙が溢れ、その表情も崩れきっていた。

 

「一緒に、いても……いいのか……な?」

「あぁ……」

 

ノーヴェから、自分が聞きたかった言葉が聞けたスバルは、彼女の身体から離れる。

 

「もちろん、この騒動の後始末とかいろいろあるけどな」

「それは……」

「だけど、それを選ぶならさ……」

 

スバルは笑みを浮かべながら右手を差し出す。

 

「この手をとってくれよ、ノーヴェ」

「スバル……」

 

スバルの差し出した右手を見ながら、ノーヴェは自分の手をその手に載せようとする。

 

《相棒ッ!!》

「―――ッ、ノーヴェ!!」

「え―――?」

 

だが、次の瞬間、マッハキャリバーの警告が響き渡り、スバルの声がノーヴェに届く同時に彼女の身体は突き飛ばされていた。

突き飛ばされたノーヴェがスバルの姿を目に捉えた。

 

「あ、あぁぁ……」

 

「戦闘機人タイプゼロ・セカンドによる妨害を確認。優先目標変更無し、ジェイル(J)スカリエッティ(S)型戦闘機人の排除」

「――――ガッ!?」

 

謎の人影によって、瓦礫に叩き付けられ、苦悶の表情を浮かべながら沈むスバル。

 

「――――――ッ」

 

意識を失った彼の姿を見たノーヴェは、自分の頭が怒りで沸騰しはじめるのを感じていたが、彼女の(カメラ)はその下手人を捕らえ、彼女の頭からその存在の情報を引きだしていた。

 

下手人の名は、『タイプゼロ・ジエンド』。

今は亡き最高評議会の三人が、ジェイル・スカリエッティへのカウンターとして生み出された刺客。

 

「JS型戦闘機人No.9を確認。破壊する」

 

最凶の番犬が牙を剥いた瞬間だった。

 

 

 

 

 

 

 

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