名探偵と他殺体愛好家   作:吉貝 雷

9 / 17
米花仕様テレビ局なので、探偵ものドラマ収録を経験してないスタッフはいません。


picture(ピクチャー).5[bullet.png](テレビ局殺人事件)

小瀬は日売テレビの第2会議室で企画担当(矢部)とドラマ化の打ち合わせをしていた。

 

「それで"解体信条"の八重坂(犯人)の狂気と几帳面さを表現するために少年時代にカウンセリングを受けていたシーンを入れると視聴者に八重坂(犯人)の異常性と小瀬先生の作品の魅力が伝えられるかと思うのですがいかがでしょう」

「確かに映像化すると描写上羽衣(探偵)のシーンが多くなるでしょうし、少しは八重坂(犯人)を掘り下げる方が良さそうですね。では、第6章の回想中に出る中学でクラスメイトが自殺した後に追加するのはどうですか?彼のクラスメイト全員がカウンセリングを受けて、当日の深夜に家を抜け出す、という感じで」

「なるほど。でも、それだと第2の事件が同級生ですし、容疑者として羽衣(探偵)にマークされませんか?」

「いえ、過去の事件は彼が自分の異常性を自覚する切っ掛けではありますが、彼の事件とは類似性がないので土方《相棒》が羽衣(探偵)に提示できません。でも、そうですね、土方《相棒》を彼の母校の元カウンセラーにして第3の事件で彼のことを思い出すのは面白そうです」

「それならクライマックス前に八重坂(犯人)の表の顔が出せますし、過去の八重坂(犯人)役の榎本くんのシーンが増えるのもありがたい」

「ではヤエの掘り下げはそこで。それと結末を変更するなら、途中の事件も変わってくるんですけど、変更無しで通りそうですか?」

「そこはそのまま通せました!エピローグは変えて貰いたいとは言われましたけど。俺を労ってくれてもいいですよ。でも先生、たまには素直に探偵に華持たせてくださいよ」

「ありがとうございます。別に探偵が幸せになったっていいんですけどね。探偵の方は脚本家(斎藤)さんも慣れてるでしょうし、お任せします。ドラマで報われれば私も今後書きやすいです」

「と、もう時間ですね。お疲れ様でした。今日は先生お気に入りの毛利さん来てましたよ」

「ああ、テレビで予告してましたね。日本まる見え探偵局の。私はうっかり顔出ししちゃうと困るので生NGにして貰ってますけど。この後予定なければまた食堂にお邪魔してもよろしいですか?よければご一緒に。おごり《労い》ますよ」

と打ち合わせを終えて談笑していると、近くから破裂音が響いた。

 

「あー、もうどの収録だよ。大きな音を鳴らすときはスタジオか録音使えって、もう。先生こっちが言っといて悪いんですが、次の会議まで近いんでまた機会があればよろしくお願いいたします。そのカード下げてれば使えますんで先生は是非。牛丼おすすめです。チェーンより安くて量が多いですよ!」

ドッキリか何かだと思っているんだろう彼に提案する。

「探してみます?ほら、事件かもしれませんし」

「やめてくださいよ、小瀬先生が言うと洒落になりませんって」

「毛利名探偵ほどじゃないですよ」

矢部Dと部屋を出ると1ヶ所、扉が半分開いているのが見えた。

「あそこは......、ミーティングルームだな。誰だよ、閉めずに使ってるのは。じゃあ、お疲れ様です先生」

「殺人鬼が待ち構えているかもしれませんので同行しますよ。生放送ではなさそうですし」

「やめてくださいって。あの......、着いてきていただいても?」

「勿論」

 

2人でミーティングルームまで歩き、扉を開けると窓際に頭部を狙撃された局員の死体があった。

これはコナン(新一)くんも来ているに違いない。

真っ青な顔で悲鳴をあげる矢部Dに警察への連絡を頼み、持ち歩いているカメラで写真を撮る。

カメラの持ち込みは取材名目で局員同行中のみだが、許可を取っている。

警察へ提出できるようカモフラージュ用のフィルムに取り替えて追加で撮るのも欠かせない。

死体写真入りは直ぐに取り替えているので趣味がバレることはないが、せっかく撮った写真を失わないように念のため行っている。

1人ならこのまま食堂に行ってもいいが、同行者がいるので警察を待つ。

 

警察が現場に来たので、銃声から今までの事を説明する。

「君かね。毛利くんほどじゃないがよく遭うな」

担当の警部は難事件遭遇で界隈で有名な目暮さんだったので、細かいことまで聞かれながらも矢部Dに打ち合わせの録音と会議室の利用記録を出してもらい直近のアリバイを証明しつつ、フィルムを提出した。

「会議にまでカメラを持ってきとるのかね」

「矢部Dに頼んで、会議前に取材させて貰ってたんですよ。局内構造がわかるような場所は断られましたけどね」

 

取り調べを受けていると、毛利さんの声が足音と共に聞こえてくる。

そして、当然のようについてきている新一くんが一睨みしてから死体を見に行った。

犯人らしき人も居たけれど、新一くんが暴くだろうし、食堂で食べてこようか。

「しかしですね、小瀬さん。お2人が共犯だとすれば成立するんですよ」

「硝煙反応出なかったでしょう。私はこれから食べるところだったんです、任意も出ないでしょう?局内にいるようにしますから食堂に行かせてください」

「しかし......。では、30分だけお待ちいただけますかな?1人つけますので」

目撃者或いは容疑者の両方面での監視か。まあ、余り掛かるようなら新一くんか毛利さんを焚き付けて解決してもらおう。もう殺す相手も居なそうだし。

 

毛利さんに疑われながら待っていると数千円じゃらじゃらと入った袋と食堂メニューと正の字の書かれた紙が同じく待機中の局員からまわってくる。

矢部さんに聞くと米花らしいサービスだった。

「あー、聞いたことあります。テロ予告とか事件が局に起こるとピークタイム過ぎたら、持ってきてくれるって。ロケ弁に使ってる台車もエレベーターもあるからって、お偉いさんが巻き込まれてから始まったって噂です」

大して拘りはないので、おすすめされていた牛丼に入れて代金を袋に入れると矢部さんが別の局員に回した。

 

届けて貰った牛丼を食べ終わり、出前について話していると若い刑事に呼び出されてぞろぞろと推理ショーに向かった。

そこからはトリックの解説を聞きながら、何となく顔色の悪くなっていく犯人を眺め、ショーが終わるのを待った。

仮面を着けているので、外れないように手を添えてはいるがカメラを避けたりはしない。

顔半分隠しさえすれば、親にも気付かれないので重宝している。

 

犯人に手錠がかけられたところで、解放されたのでノコノコ生放送に出た新一くんを捕獲しに行く。

「弁明を訊こうか」

「え?」

「なんで毛利家に厄介になったか覚えてるかな」

「お前こそ弁明いるんじゃねえの」

「特には。自分で殺されに行ったら自殺と変わらないよ。狙われている自覚はあるかな」

「どんな理論だよ。殺されたなら殺したのは犯人だろうが」

「まあ、今回はもう終わったし総評はご両親に任せるよ。誰かしらの伝で君の晴れ舞台を見るだろうから」

「それがどうしたんだよ」

 

「また誘拐されないようにしてあげなよ」




大変お待たせ致しました!
態々活報まで見てくださる方宛てですが、データごと蘇生できました!

他殺ソムリエは拘り派なので、関わってしまったら忠告ぐらいはします。

原作死亡人物(情報の多い警察学校のみ)、生きていたのは?オリ主の救助・助言ではなく、現場観光・深夜徘徊の影響です。下記の状況は変更の場合あり。うち一人の死亡確定エピソードまで受付

  • 萩原研二:爆弾魔の勘違いがオリ主に変更
  • 松田陣平:愛好会が集まり、爆弾場所バレ
  • スコッチ:オリ主の影響で降谷が先に到着
  • 伊達航:オリ主の職質の時間分で鼻先回避
  • 荻原・松田生存
  • スコッチ・伊達生存
  • 全員生存
  • 原作通り死亡:人でなし共が盛り上がる
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。