ウマ娘プリティダービー~因子の光、ハリボテの剣~ 作:アライズ
ウマ娘プリティダービー~因子の光、ハリボテの剣~
第6話
一人のウマが狂えば千人のウマも狂う
駿川しおん:(だけど一人のウマが狂えば千人のウマも狂うというし、人間でもウマ娘に勝てることを見せて萩を安心させるのがベストだな)
しおんの不安を他所に、桐生院萩の目論見は結局のところ頓挫した。
彼の娘である葵が父親を告発、彼がスキャンダルを捏造しようとしていたことが明るみになったのだ。
駿川しおん:(ハリボテエレジーも脅迫され、アイディアを提供させられた……か。ハッピーミークのトレーナーやってるのに梯子外されかけたらそうもなるか)
しおんにとって不幸中の幸いは、葵が父親の憂慮していた事態を全面否定はしなかったことである。
彼女はウマ娘に対抗できる人間が存在する証を立てるために、ハリボプロジェクトが継続できるように配慮した。
つまりしおんがハリボテエレジーであることや萩にアイディアを与えたことは明かさなかったのだ。
駿川しおん:(確かに萩は俺の弱味を握っていたからな。協力したのはそれもあったわけだし)
それはともかく、しおんはファンを集めることだけなら出来ていたので秋華賞に出場する。
エイシンフラッシュ:アドバイスは生かせなかったみたいですね。せいぜいレースを汚さないことですね。
サイレンスフウカ:エレジーちゃん、夏合宿はしっかりやってたしそういうのは良くないと思いますよ?
タマモクロス:ゴールドシップとマックイーンは菊花賞やけど、ミホノブルボンに勝てるんかいな?
ハリボテエレジー:勝つつもりはあると思うわ。
ゲートインが終わり、いよいよ出走の時が近づいていた。
実況:さあ、いよいよ始まる秋華賞。一番人気はエイシンフラッシュ。
実況:トリプルティアラを狙うサイレンスフウカは二番人気。
そして、ゲートが開く。
ハリボテエレジー:(みんな早い……夏合宿で強くなったつもりでも上には上が居るのか!)
実況:サイレンスフウカ、逃げる逃げる!
サイレンスフウカ:(今度も確実に、逃げ切ってみせます!)
実況:第三コーナーに入ります。トップはサイレンスフウカ、エイシンフラッシュはまだ足をためている。
サイレンスフウカ:(そろそろフラッシュさんが来ますね)
実況:そしてポツンと一人ハリボテエレジー。
エイシンフラッシュ:(いいえ、後ろから妙なオーラを感じます!)
ハリボテエレジー:まだ……行ける!私の剣は、まだ折れてない!
エイシンフラッシュ:(まだ第三コーナーに差し掛かったばかりだというのに……)
実況:場内が騒然としています。 驚異的な伸びを見せて来たハリボテエレジーがここに来てサイレンスフウカのトリプルティアラに待ったをかけようと迫って来ます!
エイシンフラッシュ:(くっ……すっかりペースを乱されましたが負けません!)
実況:サイレンスフウカ、今一着でゴールイン!エイシンフラッシュ、三位に終わりました。
ハリボテエレジー:(五位、か。だがこれは、案外行けるのかもしれない)
続く