甘雨と結婚したい人生だった者の妄想   作:むーしゃか

7 / 11
中々忙しく、投稿が遅れて申し訳ない。
なんて少しづつ書いていたら保存出来ておらずデータ飛んでました…
ちゃんと完結させますんでよろしくお願いします…


愛する人と大罪人

「俺はオセルが生み出した魔人だ。お前らの敵だよ。」

 

「はい…知ってます。」

 

何を今更…と言いたげな顔をして、微笑んでいる。

 

「…は?いや…だから俺は…」

 

訳が分からない。いつもの夢ならここで俺は…

 

予想外の出来事に頭が回らない。

 

冷や汗もでてきた。

 

「知ってるんです…」

 

涙ながらに彼女は言う。

 

分からない…分からないわからない!!

 

マフラーから1匹の蛇を作り出し…

 

人1人覆える程の火球を作り出す。

 

「お前を…お前の仲間を殺す為に…俺はここにいるんだぞ。分かってるのか!?」

 

感情的になってしまう。

 

所詮火球も脅しに過ぎない。だって俺は…

 

「無茶はだめです…よ?」

 

甘雨が近付いてくる。

 

分かっているようだ。

 

俺が彼女を殺せないこと。

 

「来るな…来るな来るな来るな!!裏切ってるいるんだよ!?お前が何を知って…」

 

1歩ずつ後退りする。

 

道を歩いていたはずなのに、背後には壁があって。

 

追い詰められた形になり、その場に崩れる。

 

火球も維持出来ていない。

 

甘雨が膝立ちになり、両手で顔を包んでくる。

 

手袋越しにも分かる温もりに、甘雨の甘い匂い。

 

何も考えられない。

 

甘雨に顔を上げさせられる。

 

甘雨と見つめ合う形になった。

 

甘雨が顔を近付けてきて━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

現代。

 

「はぁ…」

 

半仙の少女は溜息をついていた。

 

昨日游潾に再会してから、仕事があまり進まなくなってしまっていた。

 

”ママ〜大丈夫〜?なんかヘンだよ?これくらいなら幸卵にも出来るから。休んできて?”

 

”ううん、大丈夫。ありがとね。”

 

数分後

 

”じー……”

 

”ど、どうしたの幸卵?”

 

”やっぱり進んでな〜い〜。いつものママなら8倍くらい進んでるの”

 

”あぅ…そんなに…?”

 

”うん。幸卵が言うんだから間違いなし”

 

”凝光様には…”

 

”幸卵が言っておくので”

 

”休むことを推奨します”

 

 

半分無理矢理だが、休息をとるために外に出ていた。

 

時間的にも昼寝をしている頃だし、気が乗っていないのも確かだ。

 

(幸卵にも心配かけてしまいました…でも嬉しかったですね…)

 

娘の笑顔を思い出して、少し気持ちが楽になる。

 

楽になったことで睡眠欲も出てきた。

 

近くに大きめの木が見えたので、そちらに向かう。

 

「えっ…」

 

甘雨はそこでまた信じられない者と遭遇する。

 

見慣れない服装だが。

 

その顔はよく知っている人物で。

 

木にもたれかかって眠っている。

 

悩みの種である游潾本人だった。

 

信じられない光景に目を見張る。

 

どうしたらいいのか分からず、戸惑ってしまう。

 

言わなきゃいけないことがあるのに、また昨日会った時と同じ。

 

眠っている彼に駆け寄る。

 

「夢じゃないんですよね…」

 

寝息もたてず目を閉じている彼を見て呟く。

 

「游潾…?」

 

ピクリともしない彼を見て不安も込み上げる。

 

本当にもう死んでしまっていて、先日は最後に逢いに来てくれたのではないか。

 

なんて。

 

游潾に体の正面を向けたまま膝の上に座る。

 

懐かしい感覚と共に安心感に包まれた。

 

少し後ろに下がり游潾の胸に耳を当てる。

 

布越しの体温と、川のせせらぎが確かに聞こえる。

 

生きていることに安堵を感じると共に、

数千年間押し殺してきたはずのヒトとしての欲求に駆られる。

 

静かに眠る游潾。

 

いつものマフラーをしておらず、首元があらわになっている。

 

「この傷……弓矢の…」

 

少し苦い思い出が蘇る。それでも今込み上げる欲求が、その思い出も押し殺してしまう。

 

「自分を…慰めるのはもう…」

 

口を少し開けてだらしなく眠る游潾に、そっと顔を近づけて

 

「…これくらいは、いいですよね…」

 

 

「ん…ちぅ………」

 

 

少しだけ満たされた感覚と、それにつられたのか、強烈な睡魔に襲われる。

 

(お昼寝の…時間…でした……)

 

意識が遠のいていく…

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

游潾の夢

 

「……!?」

 

目を覚ますと懐かしい空気に包まれた。

 

ずっと前の風に匂いがして、目の前には愛した人。

 

あの時に戻った感覚。

 

「なぁ…甘雨…」

 

…彼が口を開いた。

 

本当に過去に戻った様だった。

 

この時、私が彼の事情を知っていたら、変わっていたのだろうか。

 

無駄と知っていても考えるのを辞めることが出来ない。

 

すると游潾が、澄ましているようでどこか寂しげな顔で話した。

 

「俺は渦の…」

 

驚いた。あの時は1度も話してくれなかったのに…

 

でも今は…分かっている。

 

だから「知っている。」と正直に言った。

 

彼は驚くどころか…恐怖していたようだった。

 

何を怖がっているのかは分からない。

 

ゆっくり近付いていくと。

 

彼は私を拒絶しようとした。

 

寂しかったけど、何かおかしいと思った。

 

当時の彼らしくない。済ましているようで寂しげな顔は、どちらかと言うとこの前会った彼の顔だった。

 

何かを不安に思っているような。

 

いや、怖がっているの?游潾?

 

大丈夫…だから…

 

「ずっと待ってるよ…?」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

キスをしたあとまた意識が無くなって花畑に寝転んでいた。

 

いつも通りの夢に戻ってしまった。

 

きっと今のは…游潾の…

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

現代

 

 

「……ゆぅ…りん…?」

 

目を覚ますと、人肌は無かった。

 

どこまでが夢だったのだろうか…

 

術の気配がして、顔を上げる、

 

木に札が貼られていた。

 

「結界呪符?」

 

彼がよく使っていたような…?

 

ということはやはり彼は…

 

「ままぁーー?」

 

娘の声が聞こえた。

 

「こ、幸卵!?」

 

こちらを見つけると、勢いよく飛び込んできた。

 

「ままぁ〜!!えへへ〜」

 

お腹に顔を埋めた幸卵にぎゅぅ〜っと抱きしめられる。

 

「もう…飛び込んで来ないで…」

 

そうは言っても表情が柔らかくなってしまう。

 

娘の頭…もとい角を撫でると、嬉しそうな声を漏らす。

 

「それより、どうしてここに来たの?」

 

「お仕事もひと段落着いたから〜まま探しに来たらね〜」

 

「知らない術の気配がしたから来てみたんだぁ〜」

 

仰向けになった幸卵がはにかみながら話す。

 

どうしても、甘やかしたくなってしまう。

 

沢山甘やかしたけど、わがままになっていないのは、不思議だけど。

 

「まま〜結局この術なんだったの?」

 

「えと、これはね…」

 

ここで突然父のことを話してしまっていいのだろうか。

 

こんな大事な話を簡単に話しても…

 

「まま?」

 

「え?うん、これはね…」

 

でも十分、大きくなったから

 

「幸卵、少し、大事な話をするね。」

 

「わかった、お母さん。」

 

察して起き上がった幸卵が真面目な顔をする。

 

「お父さんの事なんだけどね。」

 

「……游潾っていう人…だよね…」

 

少し暗くなったような…?

 

「うん。その、游潾がね、最近お母さんの目の前に現れるようになったの。」

 

「!?」

 

歯ぎしりをした。何かあったのだろうか?

 

「幸卵…?大丈夫…?」

 

「ギリギリギリギ……あっうん大丈夫だよ気にしないでお母さん」

(どうして?今更ままを…)

 

「それでね、さっきお昼寝してる時もいたはずなのに…起きたらこれが貼られてた。」

 

「じゃあ、これはお父さんの…?」

 

「うん。きっと。」

 

「………貰っていい?」

 

「えっ!?いいけど…」

 

「お父さんの手がかりだから…絶対…見つけるの。」

 

「幸卵……」

 

「まま〜そろそろ帰るの〜」

 

ニコッといつもの幸卵に戻る。

 

「うん、そうだね。もう少し、仕事しないといけない…かな?」

 

「うぇ〜?」




游潾が目を覚ます。

現実に戻ってきたのだな、と安堵していると重みを感じる。

甘雨が眠っている。

ぎゅっと服や手を握ったまま眠っている。

勘弁して欲しいと思った。

離れられなくなってしまうじゃないか…

覚悟をしているようで、しきれていない。

角を撫でる。これも久しぶりのような気がした。

最初は全然触らせてもくれなかった。

だんだんと気を許してくれて、角を撫でると安心した表情をしてくれるようにも。

全部壊してしまったけど。

そして、夢の最後を思い出す。

待ってる…とキスをされた…のか…?

少し曖昧だが、何故か唇が暖かいというか、湿っているというか…

本当にキスをされたような感覚…?

このまま襲う前にここを離れることに。

体を溶かしすり抜けるように。

彼女が襲われぬよう、結界を貼っておく。

「甘雨、ごめんな。流石に俺は……」


2人の再会は遠くないうちにまた。

だけど必ずしもそれがいい形になるとは限らない。

文章力無くて伝えられないし、絵も下手だけどキャラデザ…いります?

  • 絵が下手でも欲しい
  • 妄想するからいい

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。