世界を巡る異邦の救砕者   作:サウィンドゲッアウシー

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はーい。作者でーす。何故か筆が乗って書けた。何故かって?それは……読めば分かる。私はそれで分かりました。ってなもんで読んだら感想くれると嬉しいな♪ではどぞ☆


菜の捨陸「謀話」

 

 

 半ば冗談混じりにネタを混ぜ明るく朗らかに呼びかけてみたのだが……?

 

「…あれ?声が…男? おいおい珠世、お前さん400年も会わない内に気でも触れて性転換でもしたのか?」

 

 応答に出たのが何故か男の声だったので俺は疑問に思いそう問いただす。

 

「そんな訳あるかッ!」

 

 すると間髪入れず否定の言葉が返ってきた。もちろん男の声で…だ。

 

「言葉使いまで男だなんて徹底してるなぁ。俺は前の方が遥かに綺麗な声でよかったと思うんだが…勿体ねぇ」

 

「ふざけているのか貴様!?俺の声を珠世様と混同するなど耳が腐っているとしか思えんぞ!だが珠世様の声が綺麗だと称賛した事だけは褒めてやる!」

 

「おう、そうかそうか。そりゃありがとさん。で?お前さん誰?珠世を様付けで呼ぶなら下男か何かか?というか珠世を呼び出した筈なのに一体どういう事だ?」

 

 一割ぐらい本気で性転換の可能性を疑い聞いたのだが即否定された。珠世を様付け呼びする事から本当に別人だったらしい。というかこいつの声…なんか聞き覚えがあるぞ。俺の記憶じゃない。分身のだ。…ああそうか分かった。確か珠世が旅の最中に医者として助けた奴の声だわこれ。病から解放(・・)されて以降は尊敬と恋慕の情から強引に旅に同行していて名は確か…ゆし…ゆし…ゆし……!?

 

「ゆしどうふ!どうだ!当たってるだろう?!」

 

「なにがだ貴様!」

 

「いや、お前さんの名前」

 

「勝手に人の名を変えるな!俺の名は愈史郎(ゆしろう)だ!断じてゆしどうふなどではないぞ!失敬な奴めっ!!」

 

「ああ、そうだそうだ。愈史郎だ。いや〜さっき整理した記憶だからまだ完全に把握してないんだよな。愈史郎な愈史郎。うん、スッキリした。あ、ちなみに"ゆしどうふ"って言うのは今から約500年前くらいに中国から南国琉球王朝に伝来した豆腐を琉球独自に発展させ創り出された豆腐の一種だぞ。とろりと柔らかく口あたりもなめらかで豊かな風味があり何も加えずそのまま食べても美味いし鰹だしや味噌を加え汁物として堪能するも良し。ご飯にぶっかけ雑炊(オジヤ)にしても良しの固形化された豆腐とは異なる食感と美味さで一度食べるとやみつきになる逸品と評判だ」

 

「そんな説明なぞ要らんわ!と言うか人の名を食い物の名に変えて呼んだのか貴様!?無礼にも程があるぞッ!!」

 

「すまんすまん。似てたんでついな。ちなみに元が大豆で栄養満点。お粥より食べやすいって人もいるから病人食としても優秀だと思うし珠世も気に入ると思うぞ?」

 

「……後で詳しく聞かせろ」

 

 うむ。そう言ってくれると思っていたぞ愈史郎。いや!ゆっしー!珠世ファーストなお前なら確実にな!!

 

 だんだんと愈史郎に関する記憶が掘り起こされてきたので、つい調子に乗ってからかっていたのだが…まあこれくらいにしておこうか。これ以上珠世を待たせるのは悪いしな。

 

 ちなみにこの愈史郎は…人造人間である。分身の記憶によると元の身体は末期の肺癌で癌が身体の至る所に転移し過ぎて治療ポットでも治しきる前に死亡すると判断された為やむを得ず急遽ストックしていた人造人間体の予備を素体として使い延命したそうだ。…そう予備をだ。誰の予備だと思う?そう珠世のである。万が一を想定し用意していたものを流用したってわけだな。そして人造人間としての珠世の身体は元は縁壱氏の細胞を培養して創ったもの。つまり発する気も全く同じなのである。お互いある程度離れていれば区別できるが現在ドームハウスの中に居る二人の距離が近過ぎて珠世一人だと誤認してしまっていたらしい。具体的には…ほぼ密着?愈史郎的には至福だろうな。………ふっ、仕方ないよな〜来た以上は現状を打開しないといけないしぃぃ。ゆっしーよ、残念無念またいつの日か…があればよいね〜ぷぷぷっ! 人の恋路に首を突っ込まないのが不文律。だが生温かく見ぶゲフンゲフン!…見守るのはセーフ。なので俺はクールに振る舞うぜ!

 

「なあ、ゆっしー。珠世に代わってくれないか?ゆっしーの側に居るんだろ?」

 

「な!貴様!誰がゆっしーだ!勝手に変な渾名をつけるなッ!」

 

 うーん、この打てば響く感じ。すごく…愉悦です!まるでウェイバーのようで楽ぁーのすぃー!の一言。アイツってば俺のボケに悉(ことごと)く反応してツッコミ入れてきたんで弄りがいがあったんだよなぁ。それを傍らの征服王が面白がってウェイバーの背中をバンバン叩くもんだから前方へつんのめる事つんのめる事。だから余計に楽しくて出会う場面には必ず顔出してからかってたんだよ俺。元気にやっているだろうか。原作と違いケイネスだけでなく同行していたソラウ嬢も俺が救い存命さたせいで二世には…多分なっていないだろうが適正を告げケイネスに桜ともども面倒を見るよう依頼したんで悪いようにはなっていないとは思う。聖杯戦争で精神的に成長を遂げ一皮剥けた奴の事だ元々なんやかんやで優秀だから大成するだろうし心配ないか。なにより受肉した征服王も傍に居るしな!そのせいで後日譚の【ロードエルメロイ二世の事件簿】なんてどうなるか正直予想もつかんぞ。なんならケイネス共々巻き込まれて世界中を飛び回ってる姿が目に浮かぶわ。それを想像すると笑いが止まらん。ハハハハ。おいおいどうやって受肉したのかだって?聖杯の泥…なんて事はないぞ。あんな汚染されたもん使えば並外れた器と自我に王としての矜持なんてもんで対処できる頭おか金ピカ野郎ならともかく大半がオルタ化待ったなしだからな。イスカンダルも出来そうではあったが万が一にも失敗する可能性を考慮し俺は別の方法をとったんだわ。その方法とは…令呪って便利。それに尽きると言っておこう。まあ、それ単体では魔力が圧倒的に足りず永続化は不可能なのを知っていたから色々と工夫した末に実現したんだがな。詳細は…次の機会にでも語ろうか。

 

「おい!聞いてるのか!?この!あ、…珠世…様。愈史郎代わって下さい。ゴーマさんお久しぶりです」

 

 なんて事を懐かしく思い出し沈黙していると不満を爆発させ憤る愈史郎を押しのけ通信から珠世の声がするなり話しかけてきた。

 

 なんか妙にゆっしーの声が途切れ途切れだったんだが? …ふ、青いな愈史郎。だから貴様は青いのだ!とでも言っておこうwww

 

「ああ、久しぶりだな珠世。400年ぶりの再会を喜び合いたい所ではあるが…あまり余裕はなさそうだな」

 

 再会の挨拶もそこそこに俺は珠世の余裕のなさの原因を見て(・・)対処が先かと判断する。

 

「お察しいただきありがとうございます。遺憾ですが実のところ状況的に余裕があるとは言えません」

 

 再会したばかりであるが現状その余力が珠世側に無いと理解できるので対処を優先し俺はストレートに本題を切り出す事にした。

 

 「で?その随分と膨れているのが無惨…でいいのか?」

 

「見えているのですか?」

 

 その場に居ないのに見えている…その事実に若干珠世は驚く。

 

「おう、そっちのスカウターに繋いで見えるようにしたからな」

 

 なんの事はない。ただ珠世側のスカウターのカメラ機能を自身のスカウターにリンクさせ見えるようにしただけである。元々その機能を使って(・・・)い(・)た(・)ようなので遠隔起動の必要すらなく簡単だった。譲渡したとはいえ元々が俺の宝具。マスター権限で強制操作も可能なのだがプライバシーの観点から使うのは躊躇われるので渡りに船だったと言えよう。

 

「そうですか。現状を目視できるなら話は早いかと。早速ですが説明を始めますね」

 

 珠世もそれで納得したらしい。いや、理解が及ぶと言った方が正しいか。そこら辺の理由は予想がつくのでいいかと俺は珠世の説明に耳を傾けるのであった。

 

 

「現状は見ての通りです。詳細は省きますが色々と手を尽くしゴーマさん案の最終手段を用(もち)いて追い詰めたはよいのですが…結果はこの通り。この男の生き汚なさは十分知っているつもりでいましたが…まだまだ認識が甘かったと言わざるを得ません」

 

 珠世のスカウターから流れて来るLIVE映像に俺は内心なんだこの焦げピンク色の肉塊は…と呆れていたりする。なにしろ画面いっぱいに表示される光景がB級ホラー映画ばりに超グロテスクで気持ち悪い事この上ないものだったのだから。

 

 視界を席巻するは肉肉肉&肉肉肉肉肉の壁。ウネウネと蠢(うごめ)きドーム内をほぼ埋め尽くす肉塊は透明化した外壁を透過し常時降り注ぐ太陽光により表面が絶えず焼かれ焼失しているのだが焼け焦げる肉の下から次々と新たな肉が盛り上がり拮抗している。

 

 見ているだけでSAN値がガリガリと削られていくぞ。どこのクトゥルフ神話生物だと言いたい。それを直近でまざまざと見せられ続けている珠世達にはご愁傷様と言うしかないな。

 

「さしずめ増殖して延命を図ったってところか」

 

「ええ、その通りです。ここまで無様な姿を晒してまで死を拒み遠ざける…本当に何処までも見下げ果てた男」

 

 俺がそう呟くと即座に珠世が肯定した。ついでに悪足掻きを続ける無惨を無様だと酷評する。

 

 なるほど生き汚いにも程があると珠世が散々言う訳だ。絶えず蠢き焼滅と再生を続ける肉塊(むざん)を見て俺もまったくだと同意する。散り際ぐらい潔くするべきだろう。ラスボスの立場のくせに小物感満載で往生際が悪すぎる。そこら辺の死生観が戦う事を至上とするサイヤ人の端くれとして俺も気に入らない理由なのだろうな。

 

「珠世さん…話の腰を折るようで申し訳ないのだが少しいいだろうか?」

 

 そんな愚痴とも言える珠世との会話が無惨への呆れで数泊途切れた時だった。いきなり通信に知らない男の声が聞こえたのは。

 

 それは先んじて珠世のスカウターにリンクして(・・)いた(・・)であろうスカウター側からの声。穏やかで落ち着いたその声は妙に聴き心地が良く耳に残る感じがする。涼やで声変わり前の若者特有のテノールボイスから察するに年齢は十代前半の少年と言っていい歳だろう。

 

「耀哉殿。ええ構いませんよ。ちょうど皆様(・・)にご紹介しようと思っていましたので」

 

 珠世も知っている者らしく耀哉という名前らしい。

 

「そうでしたか。なら、お言葉に甘えて。お話の途中割り込んでしまい申し訳ありません。お初に御目に掛かりますゴーマ殿。私の名は産屋敷耀哉。鬼殺隊を率いる者…と言えば御分かりいただけるでしょうか」

 

 その自己紹介を聞き分身から受け取った記憶にある年若い姿が脳裏に思い浮かぶ。

 

 珠世と同盟を組んだ現産屋敷当主であり鬼殺隊を束ねる長。中学生になったばかりの少年といった年齢にも関わらずその所作は洗練され人を率いる者にありがちな周りを威圧する凄みを一切感じさせない穏やかな人物だったと記憶にある。だが俺は騙されない。あの凪いだ様に見える瞳の奥に宿るドス黒い炎…あれは誰かを心底憎悪する者の目だ。そう無惨という名の悪鬼を…。

 

 同盟の際に聞いた産屋敷という一族の成り立ちは鬼舞辻無惨によって決定付けられたもの。元は同じ血族。故に呪われたのだとか。事の始まりは平安の世。ある時を境に一族に子が生まれても病弱で大半が死亡。成人であっても齢三十を迎える前に死ぬ者が続出した。いよいよ血脈が途絶えかけたとき神主より助言を受ける。同じ血筋から鬼が出ている。それを討つ事に心血を注げば一族は絶えないと。神事を執り行う神主の言葉だ真偽を確かめるべく調べれば無惨の存在が発覚し助言が真だと一族は信じた。それで代々神職の一族から妻を娶る事で血の穢れを薄めるやもとの助言もあり娶る事に。実際それで子の死亡率は低下し安堵する。だが、それでも一族の誰もが三十まで歳を数える事なく世を去るのは変わらない。なので以後、千年に渡り元凶の鬼である無惨を滅すべく邁進してきたという。その道のりは血と怨嗟が敷き詰められ怒りと悲しみで舗装し続けたもの…まさに呪いだ。

 

 呪い…。実際それは間違いなくある。なにせ大本が人の持つ気だからだ。気当たり…それが呪いの正体だろう。死者の残した残留する負の気。言い換えるなら怨念とも穢れとでも分類されるそれは指向性を持つ。その矛先は負の感情を向けた個人もしくは属する集団。ひとつひとつは残滓ゆえに影響は薄い。だが数が揃えば生者へ悪影響を及ぼす。具体的には負の気が生者の持つ気を凌駕し身体を蝕み始めるのだ。気は命であり活力そのもの。それを阻害されれば体は弱り衰え病気にもなる。子供なら尚の事だ。だが負の気を身に浴びても微塵も影響を受けない者がいればどうなるだろうか?答えは…近しい者に行くだ。負の気は大半が対象にぶつかった時点で生者の気に相殺され霧散する。だが消滅しきれなかった一部は行き場を失い最終的に対象と同じ気を持つ者達の所へと向かう。それが産屋敷一族を千年苦しめてきた呪いの正体だ。

 

 その仕組みを出会ったばかりの少年に話すのは流石に憚(はばか)られたが目の前のドームハウスに阻まれ周りに濃く滞留し未だ増え続けている負の気がある以上言っておいた方がいいと俺は思ったのである。何故なら無惨が死ねば今目の前にある負の気の全てが一気に産屋敷一族…特に当主を務める耀哉少年に向かい降り注ぐ光景が目に浮かぶのだから。そして俺はこうも思うのだ。これ…使えるんじゃね?と。だからこそ俺は耀哉少年にこう提案する。

 

「産屋敷少年といったな?」

 

「少年…はい。できれば耀哉とお呼び下さい」

 

「そうか。なら耀哉と呼ばせてもらおう。お前さん…無惨の無様な死を最っ高ぉに!楽しく見てみたくはないか?」

 

 そう言葉を紡ぎ反応を伺うのであった……。

 

 

 

 愉悦部!降オオオォォォォーーー臨イイイィィィィーーーーーンンンッ!!!

 

 

 

 

 




どうでしたか〜?楽しめましたか〜?そうなら愉悦です☆では評価感想誤字脱字ありましたらどしどしお願いしまーす。またそのうちに( ´ ▽ ` )ノノ
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