●この作品はあくまでフィクションです。現実と創作は全くの別物ですので、この小説に書かれてあったことだから問題ないだろうと真に受けずに一度考えてみてください。何気ない行動が他者を傷つけてしまい、不快に思う言葉や行動に繋がってしまう可能性だってあります。相手の気持ちをまず考えて、自分がされたら嫌だと思うことは絶対にしないでください。
●作者も配慮が足りていない点がありました。読者の皆様にご迷惑をおかけすることがあるかもしれません。
●それらを承知した上でこの小説を読んでください。
初めましての方は初めまして。てへぺろんと申します。
艦これに今更ながらハマってしまいました。
またまたまたまた投稿小説が多くなりましたが、好きだから仕方ないね……
ちなみに登場するキャラは作者が実際に手に入れている艦娘のみとさせていただきます。それに始めたばかりなので間違っていることやこちらの独自解釈もありますので、そこのところはご了承ください。
それでは……
本編どうぞ!
0-1 新米提督がとある鎮守府に着任しました
『不細工』それには誰もが嫌悪する。
容姿や見た目が醜い様子を指す。元は細工(工芸品)の出来が悪いことをいい、転じて、物事一般に体裁が悪いこと、好ましくないことを指す。それに付け加え悪口にも含まれる。そしてその人物の内面を指して使うこともある。 女性の場合は
誰だって不細工にはなりたくない。だが世界は不平等である……美しいとは差別である。
これから始まるのは一人の青年とそれを取り巻く者達の物語である。
「お前には期待しているぞ。前任のあいつはヘマをやらかしたから特にな。苦労してあいつの後釜としてあの鎮守府へ就任させることになったのだ。感謝しろよ?」
「はっ!誠にありがとうございます!!」
「ブヒヒ♪
高級なスーツに身を包んだ肥満体系の男と反してスラリとした体型の軍服に身を包み敬礼する青年にそう告げると満足な笑みを浮かべ、これまた高級な自動車へと乗り込んで行った。その背を最後まで見送った青年もまた笑みを浮かべる。
「これで俺も提督か……やったぞ!待ちに待ったこの日が来たぜ!」
その笑みは楽しそうな笑みには見えなくはなかったが、どちらかと言えば悪だくみを考えているような邪な笑みであった。そこから覗かせるギザ歯が更に邪さを際立たせていた。
「これで
軍服に身を包んだ青年は忌々しそうに唾を吐き、何かを思い出したように苦虫を嚙み潰したような表情を浮かべていた。
「チッ、気色悪い
これこそ楽しみの笑みであろう。青年はこれから先に起こるだろう光景を想像して笑みを浮かべるだけでなく、数々の戦果を上げ、昇進し王座に君臨する自身の姿を思い浮かべたらますます笑いが止まらなくなる。青年は上々な気分で目的地へと向かうため足を踏み出した……そんな時だ。
「――ニャッ!!?」
「――んあっ?!!」
間抜けな声が聞こえ、思考が停止する。意気揚々と一歩を踏み出したが、急に横から小さな影が割り込んで来た。その影は野良猫のようで一瞬猫が光ったようにも見えた。青年は目がくらみ避けようとした足が空振りし、踏み出した足が空を切る。そのまま青年の体は重力に逆らえず前のめりに倒れ込んだ。
野次馬が集まる中騒然としていた。通行人からの連絡を受けた救急隊が現場に到着し、階段から足を踏み外したと思われる一人の青年が救急車へ運ばれて行く姿が確認された。
『艦娘穏健派』と『艦娘軽視派』この二つの派閥はお互いに睨み合っている。
今より数年前の出来事である。ある日突如として「深海棲艦」なる存在が世界中の海に現れた。人間の武器ではまるで歯が立たず次第に押され始めもうダメかと思われた……その時に彼女達は現れた。それが「艦娘」と言う存在であった。人間の女性と変わらぬ姿だが、戦うための装備を身に付けると昔戦場に投入された戦艦さながらの力を発揮する。そして何よりも誕生する経緯が人間とは明らかに違い、資材を特殊な装置に込めてそこから建造されるのだ。人間に見えて人間ではない存在それが「艦娘」だった。
そして何よりの特徴が艦娘は皆総じて
そう……艦娘は可哀想なことに
ここで登場するのが『艦娘穏健派』と『艦娘軽視派』である。そんな可哀想な彼女達のことを擁護し、我ら人間と共に戦う者であり、人としての対応をするべきだと主張している者達が『艦娘穏健派』で、醜悪な容姿に人外の力を持つ彼女達を化け物と呼び、中には道具扱いする者もいる。ぞんざいに扱っても艦娘達は人間に対しては深海棲艦を打ち負かすことのできる力を行使できない特徴も持ち合わせており、その為に人ではなく物として扱うべきだと主張するのが『艦娘軽視派』なのである。この二つの派閥争いが見え隠れしているのが現状であった。
深海棲艦と戦争している最中に人間は何をやっているのかと思うだろうが、人間と言うのは欲深く罪深い生き物であるからどうしようもない。
そして一人の青年へと話を戻そう。
青年は先月訓練学校を卒業したばかりの新米軍人である。今日からはとある鎮守府の提督として艦娘達の指揮を執る役職に付くはずだった。残念なことに就任する日に階段から足を滑らせてしまうと言うミスを犯した。気を失い病院へと搬送されて行ったので、起きるまで彼のことを説明しておこう。
この青年は『艦娘軽視派』であった。艦娘は道具で、人間の皮を被った化け物の集まりであると教えられ信じて疑わなかった。艦娘は玩具であり、過激に取り扱って壊れたとしても資材があれば
何故軽視派である青年を軍は何故艦娘達の提督に選んだのか?それには同じく『艦娘軽視派』の上層部の息がかかっていた。訓練学校生時代から『艦娘軽視派』の上層部が青年に目を付け、卒業すると同時に提督へなれるよう手配したのだ。人間に対して力を行使できないと言えどももしものことがある。その為に自分達の都合の良い提督が居ればと考え白羽の矢が立ったのだ。これに反対したのは『艦娘穏健派』であったが、残念なことに抑え込まれてしまった。歯痒い思いをしたのであろう……最後まで何とか艦娘達の為にも青年を辞退させることはできないか思考を凝らしていたが……もう遅い。
翌日、青年は病室で目が覚めた。診断を受け、後遺症の心配もなくすぐに退院できるとのことで、鎮守府に一日遅れで向かうことになった。
「……ここに艦娘がいる……か」
青年の表情は邪な笑みではなく困惑した表情を浮かべていた。
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はじめまして、私は特型駆逐艦1番艦の吹雪と言います。海の平穏を脅かす深海棲艦と戦う為に建造されこの世に生まれました。皆さんと一緒に戦えると期待に胸を膨らませ、きっと素晴らしい司令官の元で海をかける自分の姿を
艦娘である私達は人としての姿はしていますけど、資材を投入して建造されます。生まれる過程は人とは違い、私達のことを化け物と呼ぶ人がいます。それだけが理由ではありません。私達の容姿は……自分で言うのもあれですけどとても……
「チッ、またブスか。気持ち悪い化け物だ」
そう言われた時、唖然としてしまいました。でも本当のことなので胸が痛みましたけど我慢しました。期待はされていないけど、きっと頑張って戦う姿を見てくれれば司令官も考えを改めてくれると思いました。けれど……待っていたのは地獄でした。
初めての鎮守府で他のみんなに挨拶しようと顔合わせしましたけれど、私は何も言えなくなってしまいました。みんなあの司令官に役立たずの烙印を押され、小破、中破した状態で放置されていたのです。酷いと思いました。どうしてこんなことをするのかと司令官に説明してもらおうかと来た道を引き返そうとした時に一人の駆逐艦の子に袖を掴まれて言われました。
「反抗したら私達までも殴られる」
その言葉に何もできなくなって暗い雰囲気の中の出撃を余儀なくされました。私よりも小さい子達が何かを悟ったような瞳でふらつきながら海上を移動していく姿に心が痛みました。初めて建造された私でもわかるぐらい結果は見えていました。何せ小破、中破状態の駆逐艦の子達と一緒に深海棲艦の撃破なんてできるわけがないと思った通りの結果になってしまいました。
運よく轟沈は免れましたが、大破した子が出てしまい途中敵と遭遇せずに鎮守府へ帰って来れたことで私は安心できました。それから傷ついた子達を連れて入渠しようとしたら司令官に止められ、今回の戦闘で大破した子はそのまま放置しろとのご命令でした。私はその命令に堪らず抗議の声を上げてしまい……
「気持ち悪い化け物風情が!提督の私に反抗する気か!?」
殴られました。痛かったです……他の子達も同じような目にあったんだと思います。みんな私が怒鳴り散らされながら殴られているのを耳を塞ぎ、目を背けて震えていました。
司令官が言うには私達が「
艦娘はみんな総じて容姿が醜いのが特徴の一つです。誰も好き好んでこんな姿で生まれて来た訳じゃないのにどうしてこうなってしまったのでしょう……醜いから沈んでも心は痛まない、変わりはいくらでも作ればいいだなんてそんなこと言えるのですか?どうして沈んでいった子の名前すら憶えていてくれないのですか!!
今も誰かがどこかで暗い海底に沈んでいく。でも仕方ないことだと思いたいです。私達は戦争をしているのですから……でもこんなことはみんな嫌でした。ここには痛い思い出しかありません。艦娘の私達は人間に対して力を行使することが出来ません。だから私達は普通の女の子としての力しか出せないのです……普通ではないですね。醜い女の子なんて私達ぐらいです。力も無く、容姿も醜い私達は一生こんな目に遭わなければいけないのでしょうか……
もうこんな世界は嫌です。消えてしまいたいと何度も思いました。でもみんなを見捨てることなんて私にはできません。だから苦しくても生きないと……
「……大丈夫……かな?」
誰かが呟いた言葉は重く暗いものだった。ここ○○鎮守府、仮にA基地としよう。小規模ながらも深海棲艦と戦える艦娘が建造可能な施設であった。しかし現在提督は存在しない。大本営から連絡が入り、提督は連行されて悪夢は終わり、心なしか艦娘達はその報に喜びを感じているようにも見えた……が、すぐに暗雲が立ち込めることになった。
昨日代わりに新たな提督が就任することになっていたのだ。しかし事故が遭って昨日は来ることができなかったそうだ。艦娘達は安堵したが、無事に退院し、こちらに向かっているとのことだった。艦娘達にとって提督と言う存在は大きいものだ。彼女達には提督が必要不可欠な存在で彼女達も提督を必要としていた。だがここにいる者は提督のことが怖かった。『艦娘軽視派』であった前提督は艦娘は人間に危害を加えられないという理由から人権は不要とし、好きに扱えばいいと考えていたようで、暴力や罵倒など大破をしても放置され、変わりがいるからと使い捨ての駒として扱われてきた。「醜い」と言う理由だけで彼女達は人としてでもなく、消耗品として見下され辛い思いをしてきた。ここにいる誰もがまたそんな思いをすることになるのではないかと不安が募る。
私もここからいなくなりたい。けれどみんなを置いて行くことなんて私にはできなかった。それに……それにもしかしたら今度の司令官は……いい人……かも。
理想の提督は幻だと実感したがそれでも吹雪は心のどこかで求めていたが、それを人は儚い希望と言う。
「大丈夫、きっと……きっと今度は私達のことを大切に扱ってくれる司令官が来てくれる」
吹雪は自分に言い聞かせているようにも聞こえた。言葉とは裏腹に苦痛にも似た表情を浮かべているのが証拠だろう。しかもそれを否定する声が聞こえる。
「無駄よ吹雪」
「叢雲ちゃん……」
特型駆逐艦5番艦の吹雪の姉妹艦に当たる叢雲であった。
「でも、今度はきっと私達を……」
「大切にしてくれるって?バカなの?あれだけ散々酷い目にあってまだ信用したいの?あなたはバカにも程があるんじゃない?」
「……でも、今度の司令官はきっといい人……じゃないかな?」
そうです。大本営からやって来るのは今度こそいい人に決まっています。前司令官が酷い人でしたが、あの人はもういない。次は理想の提督が着任してくれるはず……!
前任の提督は提督の座を解任された。吹雪達艦娘に対する暴行等の罪状でこの鎮守府から去ることになった。それもこれも軽視派であった前任の提督は自由気ままに私利私欲を肥やすことができる状況で浮かれ、軽視派の上層部の連中からの言うことも聞かなくなっていた。そんな最中、艦娘に対する暴行容疑が明るみに出ると助けを求めて来たが、上層部には見切りを付けられ捨てられたと言うのが現実である。なれば私達のメンタルケアも兼ねて穏健派の人間が来てくれると吹雪は予測したのであろう。だが現実は非情である。
「……無駄よ」
叢雲は新たに着任する提督も軽視派だと知らない……そうだったとしても、彼女は無意味だと悟っていた。
「言われたでしょ吹雪……あいつに土下座させられて『醜い艦娘にはお似合いの姿だな』って。悔しくなかったの?憎いと思わなかった?私は思ったわ。殴られ蹴られて、ボロボロになっても私達を一切入渠させてくれなかったあいつと同じ奴が来る。また逆らったら酷い目に遭うのよ」
「そ、そんなことは……」
「ないって言える?司令官なんて誰も同じなのよ。きっと今度も……また同じ目に遭うわ。これまでもこれからも私達は人間達の使い捨ての駒なんだから……ね」
叢雲は今日着任してくる提督に対して否定的な感情を向けていることをその表情が語っていた。しかしそれも仕方のないことであった。叢雲は吹雪よりも後に建造されたが、勝ち気で高飛車な性格をしており、その性格上提督に反抗することが多かった。その性格が仇となり前任の提督から人一倍暴力を振るわれ、しまいには抵抗する気も失せていき、提督と言う存在を信用しなくなっていた。
この場から去る叢雲の後ろ姿に吹雪は感じるものがあった。姉妹艦である叢雲とは辛い時にはお互い励まし合った。提督と言う存在を信じられなくなっても艦娘として提督を信じたい、理想の提督の元で共に戦いたいと心のどこかで希望を持っていた叢雲を見たことがある。今もその儚い希望を捨てきれないのだろう……吹雪と同じで。
……そうかもしれない。けど……けど私は……!
吹雪は答えが出なかった。
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「……知らない天井だ」
一人の青年が薄っすらと暗い暗雲から目を覚ます。
頭が少しボーっとして視界に
青年は急に痛みを感じて頭を抱えて苦しみ出した。締め付けられるような圧迫感に苦痛の表情を浮かべ、助けを求めて手当たり次第に手を伸ばす。
『『『『『提督が鎮守府に着任しました』』』』』
突如頭の中に直接響く声……一人ではない。複数人の女性の声だろうか『提督が鎮守府に着任しました』と何度も聞こえてくるがそれが癇に触ることも不快に感じることもなかった。何故か何度も聞きなれたような感じさえして来たのだ。そして同時に真っ暗な光景が頭の中で浮かび上がり、中心には船の形をした物体が水面上に浮かんでいるように見えた。青年は訳がわからないと思いながらもこの光景も懐かしさを感じさせる安心感があった。それだけではない……次に見えたのは一人の女の子が現れた。
黒髪のセミショートにセーラー服という素朴な出で立ちであったが、何よりも顔や肌にはシミやそばかすなどなく、この世界で不細工のカテゴリに
な、なんなんだ……この愛らしい子は……!!?
青年は自分自身が何を言ったのか一瞬理解できなかった。
おい待て、俺は今なんて言った?この餓鬼が……愛らしい子だって?バカな!?こんなブス餓鬼が愛らしいなんてある得るはずは!!?
そんなはずはないと否定しつつも先ほどから頭の中で映し出された女の子から注意を逸らせられない。意識すればするほどに愛らしい姿だった。特に黒髪のセミショートとセーラー服がポイントが高く、素朴な出で立ちだが、その素朴でひたむきで初々しい姿勢を見せてくれる気がする故に応援したくなってしまう。それに青年が更に注目したところはスカートだ。そのスカートから白い何かが見えた。これに意識を集中する……もしかしてもしかすると!!?
――ッブシュ!!
赤い液体が鼻から流れ出た。しかも両穴から……鼻血だった。青年は我に返り、擦るとやはり鼻血に間違いない。こんな不細工にしかも餓鬼に興奮したと言うのか!?っと自分自身の変化に驚きを隠せない。不細工なのに、醜いはずなのにっと思っても本能は正直者だった。先ほどの女の子の姿をまた見ようと瞳を閉じて思い出そうとしていた。
コンコン。
そんな時に扉がノックされた。脳内作業を中断せねばならなくなり、鬱陶しい感情が本人に意図せず生まれていた。服に垂れてしまった血痕の痕は適当に誤魔化すとして、来訪者と対面する。入って来たのはこの病院の医師であろう。容体を見に来た医師は女性だった……が、青年はその医師を見て固まってしまった。
「………………………………………………はっ?」
入って来た医師は同じ人間なのか疑いたくなるような女性だった。まるで未完成のジグソーパズルが人の顔を作っているような歪なものをしていて青年は唖然としてしまったのだ。しかし青年は今まで何度もこう言った顔をした女性と会っている。寧ろ会いたいと思っていたぐらいだった。美人と呼ばれる顔を持つ女性は皆大半が歪である。女性医師のことを美人と評していただろう……以前の青年であるならばの話であるが。
今の青年にとって目の前の女性は美人には見えなかった。何故いきなりそう感じるようになってしまったのか、先ほどまで頭の中に浮かんでいた女の子の方がずっと可愛かったと思えたのは何故なのか?青年にはわからない。
女性医師はそんな事情も知らず、唖然とする青年の元へと近づいて来る。近づくと何だこれ?と言いたくなる衝動に青年は飲まれながらも衝撃が大きすぎた為に声にならない。その間にも女性医師は体調などに異常は無いか質問し、青年は淡々と受け答えしていく。
数分後、結果は問題なくすぐに退院できるとのことだった。すぐに退院するかと聞かれれば青年は即答し、手続きを済ませ逃げるように退院した。
問題ないとの答えだったが、青年は問題大ありだった。何故なら以前まで美人に見えていた女性が醜く感じるようになり、逆に今まで醜く見えていた容姿の女の子が愛らしいと感じたのだから。
なんなんだ!?俺に一体何が起こっていると言うのだ!!?
混乱する精神にまるで語り掛けるように再び頭の中に何かが流れて来た。
『艦隊これくしょん-艦これ-』
艦隊育成型シミュレーションゲーム、擬人化された実在した艦船「艦娘」を集め、自分だけの艦隊を作ろう!
「――ッ!!?」
それを皮切りに次々自分の知らない情報が流れて来る。幼い子供から大人の女性まで出会ったこともないが女性達が艦娘だとわかる。その中に先ほどの素朴な女の子の姿があった。しかも全員美人女性または可愛い幼女達だと思えた。短時間で多くの情報が一気に青年に流れ込んでいった。やがて役目を終えたかのように青年の意識は現実へと引き戻され、気づくとまだ病院の前で立っていた。道行く人々に疑惑の視線を向けられていたが、気にもならなかった。
それどころではなかった。だが、一つの可能性を青年は得ることになった。
「あの餓鬼……艦娘なのか」
一つの可能性を得た青年は一つの確証を得る為に目的地へと向かった。
「……ここに艦娘がいる……か」
青年は○○鎮守府の前へと来ていた。目的地……それは青年が提督を務める場所こそA基地だった。
俺は病院を退院し、タクシーを経由してここまで辿り着いた。しかしここへ来る途中で出会った女は皆不快な顔だったな……いや、そう思うようになってしまった。
俺の身に起きた異変……考えられるとするならば先輩に変わった趣味を持った人物がいた。その先輩に無理やり勧められたのが「あべこべ世界」と言うものを題材とした小説だった。先輩に勧められて嫌々読んだもので内容はある程度しか憶えていないが、確か「美醜逆転」とか言ったか?価値観が逆転し、現実で美しい女が小説の中では不細工に扱われ、現実で不細工な女は小説では美人に扱われるだったはずだ。もしそれと同じ現象が俺の身に起きたと言うならば……
頭の中に流れ込んで来た『艦これ』に出てくる女共……まさかと思うが現実に居る艦娘なのかと考えた。しかしそれだけでなく『艦これ』と言う言葉を
艦娘は醜い道具共だと今まで思っていた。醜い容姿なのだから迫害されて当然だと教えられ、人間ならまだしも人権があるが「人間ではない艦娘に情けなど無用。使えるだけ使って粗大ごみに出せばいい」と言った先輩達「気持ち悪いのに優しくする必要なんてあるのか?」と呆れていた同期「容姿は醜い。だが我らは助けてもらったのは事実だ。だから同情してやる必要があるのではないか?」と情をかけた奴もいたけど、結局そいつは提督就任してから数日でやめていった。結局美人が良いに決まっている。俺だってそうだ。だが……不細工ではなかったら?艦娘共がもし美人に見えたなら……
俺は……どうするのだろうな……
青年は答えが出なかった。
「は、はじめまして!特型駆逐艦1番艦の吹雪です!あなたがここに新しく着任する司令官様ですか!!」
青年はこの日、初めて生の艦娘と出会った。そしてその艦娘は頭の中に浮かび上がったあの女の子であった。
――ッブシュ!!
「うぇ!?ど、どうしましたか!!?」
「ぱ、ぱん……つ……」
答えが出なかったが、鼻血は出た。
青年の名は
「ニャ~♪」
その光景を見つめる一匹の猫が居たことに誰も気づかない。
セリフが読みづらいとの指摘を受け、変えてみました。これで少しでも読みやすくなれば幸いなのですが……
追記
何度も修正して申し訳ありません。読者様の皆様には大変ご迷惑をおかけいたします。