オラリオの喧嘩屋   作:アイズに膝枕されたい侍

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三人称ってほんと難しい。


喜びの再会

〈お見事ッ!華麗に躱したァー!そして、攻撃!これはモンスターも屈服かァ!?〉

 

━━ワアァァァアァァアアァア!!!

 

そんな言葉が響き渡る闘技場。そして、その言葉に盛り上がる観衆。

中央に立つ1人の冒険者とモンスター。

公開調教(テイム)を披露真っ只中のその中に、1つの影が飛来した。

 

〈な、なんだなんだ!?〉

「こほっ…こほこほ…」

 

困惑するアナウンスに見世物に出ていた冒険者も思わず咳き込んだ。そんな中土煙が巻き上がるその中にゆらりと映る人影。

 

「クソが、いつまで来んねんあの野郎ども」

 

手を払い除けそこから現れたのは、

 

〈け、け、喧嘩屋ァ!?〉

「っ!?」

 

━━ッ!!??

 

その姿を見たその場にいたもの全員が驚愕の表情をあらわにした。

そんな中でもお構い無しとばかりにモンスターは鼻を鳴らす。狙いは今現れた喧嘩屋に。

 

「相も変わらずめんどくせえ女どもだな……あ?」

《ブモォォオォオッ!!》

 

そんなボヤキを口からこぼす喧嘩屋に向かって突進しだしたモンスター。

ため息を零しつつ手のひらをモンスターに向けて、

 

「動かねえ方がいいぞ」

《っ!?》

 

そう言うと寸前で足を止めるモンスター。

喧嘩屋の目の前に立つそのモンスターの体は震えていた。

 

「うし、それでいい」

 

そんな言葉に頷くことしか出来ないモンスター。

そんなことをしていると、

 

「あそこだ!」

「もう逃がさないわよ!」

「フッ!」

 

そんな声とともに喧嘩屋の目の前に現れた3人の女性冒険者。

そのうちの一人の和服に身を包んだ黒髪の女性がその手に持つ薙刀を喧嘩屋に振り下ろした。

その刃を手の甲で受け止める喧嘩屋。

 

「しつけえな」

「なら、逃げなければいいだけの話だろう?」

 

そんな言葉をぶつけ合いつつ押し飛ばす喧嘩屋。

 

〈あ、アストレアファミリアと喧嘩屋の乱入!?数年前のよく見た光景だァ!〉

「うるせえッ!!」

〈あ……す、すみません…〉

 

アナウンスの声に思わずと言った形で叫んだ喧嘩屋。

いつの間にかショーに出ていた冒険者とモンスターも裏手の方に下がっていた。

 

「たく……で?これ以上しつこく追い回してくるってんならここでボコすぞ?」

 

目の前に立つ3人にそんな言葉を投げた喧嘩屋。

しかし、それを聞いた3人は口角を上げ、

 

「「「出来るものなら…!」」」

「オーケー、んじゃ……やろや」

 

そう言ってぶつかり合う3人と1人。

喧嘩屋を取り囲んだ3人はそのまま交互に喧嘩屋に向かって休みなく攻め立てるが、その攻撃の悉くを素手でいなされる。

真ん中に立ち、圧倒的な不利な状況でありながら綺麗に捌き切る喧嘩屋に3人の冒険者は悔しさを持ちながらもその顔には喜びがあった。

久しぶりに見た大恩人。その強さも存在も未だ健在ということに歓喜していた。

 

「ニヤニヤしてんじゃねえぞクソどもが」

「言われなくても!」

 

そんな言葉ともに突貫する赤髪の冒険者。

剣をかまえその先端を突き出した、が。

 

「……思ったより速くなってて素直にビビったわ」

「っ!」

「けど、止められないほどでもねえな」

 

そう言う喧嘩屋は素手で剣の刃を受け止めていた。

その硬直を隙と見て後ろから薙刀を振るう黒髪。しかし、

 

「っ」

「何も言わずに奇襲は合理的だけどよ、殺気がすげえぞ?」

 

振り向く喧嘩屋に驚く。

そのまま喧嘩屋は手にしていた剣を引きながらその黒髪の方へと投げた。

 

「っ!まず…」

「ちょっ…!」

 

剣を離すまいと握っていた赤髪もそのまま投げられてしまい、そのまま2人は激突してしまう。

その間に桃髪の冒険者は上から喧嘩屋へと両手に持つ剣の刃を向けていた。

 

「次はてめえか、クソガキ」

「っ!アタシはテメェより年上だァ!」

 

そう言って振り下ろされる刃。しかし、それを腰に差した刀を一瞬引き抜きそしてすぐに戻す、時間にして1秒もないそんな居合で打ち払う喧嘩屋。

 

「っ!」

「相も変わらず……パワーがねえな」

 

呆れたように声を漏らす。

その様子に目を血走らせるが、体制は崩れてる。何か出来る訳もなく崩れた体勢のまま地面落ちた。

 

「……満足したか?じゃあな」

 

3人が地面に倒れたのを確認した喧嘩屋はそう言って立ち去っていく。

ジャンプし、観客席を横切りながら闘技場の壁を乗り越えそして姿を消した。

残された3人、まさに惨敗といったものだったがその顔には笑顔があった。

 

「相変わらず強すぎだぜ、あの野郎」

「でも元気そうだったわね」

「むしろもう少し自重するべきだな。あの男は」

 

アストレアファミリア所属、"アリーゼ・ローヴェル"、"ゴジョウノ・輝夜"、"ライラ"はそう言って仰向けに寝転がった。

 

◆◇◆◇◆

 

「はぁ、久々にあんな走ったな……」

 

そんな呟きを零しつつ方を揉み、大通りを歩いていた。

そういや兎は財布を届けられたのか。まあ、俺には知ったことじゃないが。

そんなことを思いつつ前方に目を向けた時、

 

「ベル君!次はあっち!」

「ちょ、か、神様ぁ…」

 

兎のとツインテボインの姿が見えた。

……なるほど。俺も野暮じゃない。若い二人で楽しんでくれ。

そう思いつつ俺は踵を返して来た道を戻って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

兎が楽しんでる。ならば俺もということで1人で屋台を回っていること数十分。

 

「も、モンスターが逃げ出したァ!?」

 

どうやらトラブルのようだ。




とりあえず今回は次の話のための導入みたいな感じで書きました。
アストレアファミリアとの本格的な絡みはいつになるんだろうね。

あ、感想いつもありがとうございます。やる気とやる気とやる気に繋がってます。ほんとありがとう!
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