Dr.Monster~科学でモンスターの謎を暴け~ 作:アママサ二次創作
無事粘土の採集を終え、ついでにフユの袋には粘土の塊の代わりに先程の鉱石と巨大な虫を放り込んで大木の拠点まで帰還した。拠点の近くには砂が取れる場所もあるので、ひとまず土器を作るために必要なものは揃っている。
「あ? フユ、ちょっとこっち来い」
早速土器づくりに入ろうとした千空だが、その前に戦利品を種類ごとにわけてツリーハウスに置いておこうとしたところで、フユの背負っている袋に起きている異変に気づいた。
フユの背負っているその袋の側面から、何かが突き出しているのだ。
大人しくやってきたフユに革袋をおろしてもらい、突き出しているそれを確認する。といってもフユの持っているバッグには巨大な虫と青い鉱石しか入っていないのでそのどちらかなのだが。
「あー、破れちまったな。また作り直すか」
作りの甘い革袋だ。壊れる想定ぐらいはしている。そして千空はその突き出している部分、おそらく虫のどこかのパーツであろうそれを袋の中へと押し返そうとして。
プツリと。指先に鋭い痛みが走った。
「あ?」
焼けるような、という表現が正しいのだろう、まさに痛みというよりも熱さとして感じられる感覚。
指先の皮膚が、鋭いものによって切れた、感覚。
飛び出していたものを押し返そうとした千空の指先から、赤い液体が。
人の身体に流れる血が流れ出していた。
慌てて千空は、ハル達にある程度集めてもらっていた薬草の中からまだみずみずしいものを選び、口に咥えてすりつぶす。そしてそして唾液と薬草から染み出した汁で濡れたそれを、傷のあるであろう指先へと押し付けた。
「いっつ……そんな力入れて押してねえぞ? なんで怪我したんだ」
薬草を使ったことによって指先の痛みがひいていくのを感じながら、千空はその飛び出しているものを改めてよく確認する。飛び出しているのわずか2センチほど。
だがその飛び出している部分の上10センチほど、革が綺麗な断面を見せて切れていた。
「は?」
その様子に千空は思わず間の抜けた声を漏らした。
野生動物の革は、もともとかなり頑丈なものである。少なくとも多少尖った木の枝や石器ぐらいではろくに切れない。千空が革を加工する際には、とくに念入りに削って作った先端の尖った石器を使ったのだ。
それが。こうも綺麗な断面を見せてスパッと切れている。人間の皮膚などたやすく貫くはずだ。
「なんっつう斬れ味してやがる。完全に刃物じゃねえか」
指先の傷も完全に皮膚が戻ったわけではないものの流血が止まったので、空いている方の手で袋の口から中身を確認する。
「羽が鋭いみたいだな」
そっと見た目上明らかに丸みを帯びている赤い部分をつかんで袋の外へと取り出す。それに興味深げに4匹は近づいてくるが、千空が怪我をしたのを見ていたからか手を出そうとはしなかった。
「……先にこいつの観察しとくか」
丁寧に作った石器を遥かに上回り、皮膚をたやすく貫くその羽の鋭さに興味が湧いた千空は、土器づくりを一旦置いておいてその巨大な虫の死骸を先に調べることにした。もともと新しい生態系に属する生物がどのような危険を持つかだけでも早いうちに調べておきたいと思っていたので、予定の順序を入れ替えただけだ。
「おい、お前ら。こういうのを虫っていうんだ」
特に鋭かった羽に気をつけて虫を観察しながら、千空は4匹に話しかける。まずは名詞、それも大まかなものを教えるのが先決だ。
(特に鋭いのは羽……鋭いというか薄いのか。その分横からの衝撃には脆い。さっきの一撃で折れるわけだ。あとは……この目立つのは頭部じゃなくて胸部。そんで尻にはおそらく毒針。どういうたぐいの毒か知らねえが、こればっかりはすぐには試せねえか。毒腺が取り出せりゃあ罠にかかった生物にでも試せるんだがな)
大まかに見てある程度の特徴は掴めた。取り敢えず感じることとしては、むしろこの大きさでいてくれてありがたい、というところだろう。蜂などのように人よりも遥かに小さな身体で来られると叩くにも面倒だが、むしろこの虫ぐらいの大きさがあると攻撃を当てやすくて良い。先程はハルのぶん投げた石斧で空中から叩き落とせていたので、特に頑丈ということもなさそうである。速い、というのはありそうだが、それも通常のハエや蜂の速度ですら人間の手には負えないので、速くても叩きやすくなったと言えるだろう。
「よし。こいつの毒の検証は今後の課題だな。あとはこいつの身体がなにかに使えるかどうか、か。それはおいおい試しながらやっていくしかねえな」
動物の骨を使った道具などもあるが、これだけの大きさがある虫であればその代用ができるかもしれない。
そういう意味で言えば、あの巨大な怪獣たち。あれらの骨なんかは、そのままテントなどの骨組みに使うこともできそうなぐらいの大きさがありそうだ。
改めて、生態系の変化というのは非常に大きなことであると千空は実感した。
******
巨大な虫の観察が終わった千空は、当初の予定通り土器づくりをやってみることにした。
現代、というと語弊があるかもしれないが、滅びた現代の陶芸においては、土器を焼くための専用の竈門やそれを冷やすための施設なんてものがある。だがそれらは、あくまで土器をより洗練させるためのでものであって、ただ使うための土器を作るのに必要なものではない。
土器を作るのに必要なものは、実はそれほど多くないのだ。
「まずは材料の粘土、そして砂。あーお前ら、ちゃんとこれらの名前覚えろよ?」
土器づくりに必要なものは、まず素材として粘土の塊と水、そして砂。そしてそれを乾燥させるための火。
以上である。
ここに、例えば粘土の粘り気を増すためにある程度冷暗所で寝かしたほうが良いとか、乾燥させるときに熱が均一に行き渡る環境があったほうが良いとか色々とあるが、ひとまずそれらは今現在どうこうできることではない。竈門程度なら粘土を使って作れるかもしれないが、それも土器で粘土を扱う感覚を掴んでからのほうが良いだろう。
「まずは粘土の塊を砕く。砕いてなるべく細かくする」
側面が削れて平らになった木の上で粘土の塊を砕いて細かくする。その際混ざっている不純物、例えば小石や木の欠片なんかは土器を作ったときには割れる原因になってしまうので取り除く必要がある。
続いて、砂と同じぐらいにまで砕いた粘土に水を混ぜ多少馴染んてきたところで多少の砂を混ぜつつ、粘り気があり、かつ、こねたり丸めたりしても亀裂ができない程度を目指していく。砂を混ぜるのは、粘土の粘り気を抑えるためだ。
粘土に含まれる土の粒子は非常に細かく、そのために水を混ぜると粘り気が発生する。それを緩和するために、見た目上は粒が小さいとは言え『見える程度の細かさでしか無い』砂を混ぜることで、それを変化させるのだ。
砂と粘土と水を混ぜ続けると、やがてなんか良さげになってくる。感覚でしか語れないのが歯がゆいところだが、千空とて粘土などに対する知識はあっても陶芸に対して造詣があるわけではない。そういうのはまさに職人の領分というものだ。
だからこそ、自分の感覚でやってみるしか無いのである。
千空がこね終えたあたりで、それを見ていた猫たちも同じように粘土を砕いてこね始める。それを横目に千空は1つ先の段階へと進む。
「取り敢えずは、こねた後寝かせるのと寝かせないので試してみるか。後は焼く時間も試さねえと」
そう考えた千空は、こねた粘土を2つに分ける。一方はこれからすぐに土器を作り、もう一方は一晩寝かせてから作るのだ。
寝かせる方はツリーハウスの中に革をしいてその上に転がしておく。棚とか机とかはまだ作れていないのだ。
「んで、これで紐を作って丸めるように積んでくわけか」
常に手を濡らして断面から乾燥する粘土に対して水分を補充しつつ、基本的な土器を作っていく。まずは底となる部分を薄く広げる。そしてその上に、細長く伸ばした粘土を輪を描くようにして積み重ねていく。一塊の粘土を伸ばして器を作るのではなくこうやって何層にも積み重ねるのには何か理由があるのだろうが、流石の千空でもそこまで細かいことは知らない。
ただ、こうやって作れば隙間ができない、ということは知っている。
ひとまず粘土の塊から両手で持つ程度の大きさの器と、コップ程度の大きさの器ができた。
そうなると次は、この粘土の塊を使える器へと変えていかなければならない。その段階は、乾燥と焼入れの二段階に分けられる。まだまだ柔らかい粘土を一旦乾燥させて固くし、そこから更に焼くことで頑丈さを高めるのだ。
猫たちもそれぞれに土器の器を作る段階に至っているので、千空は一足先に土器を乾燥させるための焚き火を用意する。普段のとは別に、現在土器を作っている水場の近くに用意した。
それができれば、後はその焚き火の近くで乾燥させるのみだが。
これがまた時間がかかるのである。知識として、少なくとも半日程度かけてしっかり乾燥させたほうがいいのは知っている。
「不眠不休だな。まあいつも通りに火の番してくれりゃあ問題ねえか」
長くなったので土器づくりは二話にわけます。
石神村がどう原作から変化しているかについて。 モンハン世界だとハンターのいる村になってるかな、とか、自然の生命力が高いので原作より人が生きてそうだなとかあります。 後は、石神村は原作だと鉄を扱うという考えがなかったので、武器はボーン系、モンスターの骨を加工したのとかがメインかなとか。 回答選択肢はたくさん作っておきます。
-
原作そっくり。モンスターは避けている
-
規模は原作 ボーン武器でモンスターと戦う
-
規模が大きい ハンターいる
-
モンスターに襲われるので規模は原作
-
モンスター素材加工で発展した村
-
モンスター素材加工でちょっとだけ発展
-
モンスターによって滅亡の危機(イビル等)
-
瑠璃を助けるのに秘薬がいる