Dr.Monster~科学でモンスターの謎を暴け~   作:アママサ二次創作

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第18話 竪穴式住居

 海岸すぐ近くの大きな岩の隙間に、千空たちは一旦の居を構えた。焚き火の準備をするとともに、それぞれ持ってきた動物の皮を広げる。ガゼルと鹿の間の子のような新種の動物、アイルー達がケルビと呼ぶ動物の皮は非常に柔らかく柔軟で、少々厚みには欠けるものの、寝るときに体の下に敷くとそれだけで快適さが増す。今回はこれを、拠点の外でも落ち着いて眠ることが出来るようにと持ってきたのだ。

 

 ぶっちゃけ地面で眠れないのは千空だけなのだが。アイルーたちは知恵があるように見えてもまだ野生の存在なのである。

 

「そんじゃあ薪集めだ。集めれるだけ集めんぞ」

「ニャア」

「木、倒すニャ?」

「いや、薪にそれは向かねえ」

 

 千空と会話出来る言葉を覚えたことで、こうしてアイルーたちはわからないことを千空に問いかけるようになった。そして千空も、自分より自然での活動に適しているアイルーたちを自立して動ける戦力にしたいと考えているので、そうした質問にもかなり丁寧に答えている。

 

 その後しばらく、周囲から薪になる落ちた枝や倒れた木などを集める。ついでに倒れた木などの様子から、この当たりが大型のモンスターの活動圏内になっているかも探る。

 

 この自然の様子からモンスターの活動圏を探るというのはかなり重要で、少なくともそうすることでモンスターとの余計な接触であったり縄張りの侵犯を避けることが出来ているのではないかと千空は考えている。

 

(まあ、生態系が変わっちまった以上は、前の常識を持ち出すのは危険なんだがな。出来る限りはしときてえ)

 

 せずに遭遇して後悔するよりは、して遭遇しないほうがもちろん良い。そう考えて

アイルー達にも伝えている。

 

 ちなみに今のところそうした自然破壊で見かけているのは、千空が石化から復活して初めて見た、黄色の甲殻と青い鱗や毛並みを持った狼のようなモンスターと、大きな木々にぶら下がって跳び回る、巨大な猿のようなモンスターだ。それ以外にもモンスターの痕跡らしきものはあるが、千空にはどれがどのモンスターか判断するすべがない。アイルー達も、流石に森の木の様子からそういったことに気づくことは出来ないらしい。

 

 

 1時間ほどかけて一山になる程度の小枝や倒木を集めた後は、臨時キャンプ地の地面を軽く掘り下げて、しばらく焚き火出来る程度のスペースを作る。

 

(くっそ、スコップの偉大さがわかりやがるな)

 

 そんな中で感じるのは、スコップという、一見シンプルな道具のありがたさだ。見た目も形状もシンプルなスコップだが、あれでも複数の能力を兼ね備えている。

 

 まず第一に、幅の広く薄い先端部によって、地面に深くまで鋭く突き刺さる。まず今の千空たちの文明レベルだと、それだけするどく薄く幅広く更には頑丈な道具というのは夢のまた夢だ。

 

 そしてその鋭さは、ただ地面に刺さるだけでなく、森や山、草原などにおいて地面の下に張り巡らされている植物の根を断ち切るのにも役立つ。地面の下に張り巡らされた根は、断ち切ってばらばらにしなければ地面を掘るのの最大の障害になると言っても過言ではない。

 

 そしてさらに、掘り返し、柔らかくした土を、その広い面にのせて一気に外へと運ぶことが出来る。この人の体より遥かに多くのものを一度に楽に運ぶ道具というのは、スコップに限らず、例えばそれこそ水を運ぶ土器だとか、ものをはこぶ革袋だとか、いずれも効率的な活動には欠かせないものだ。

 

 まあ今はそのいずれも無いので、ひたすら槍や木の棒で地面の土を突き刺して柔らかくしては、それを両手と胸で抱えるようにして外に運ぶことしか出来ないのだが。

 

「あー、くそ、目の細けえザルでもかごでもありゃあな」

「疲れたニャー!」

「大変だ、ニャ……」

 

 それほど広くない、直径が1メートルほどの穴ですら、1人と2匹かかりで重労働だ。それでも、数日は拠点にする可能性が高いので丁寧になんとか穴を堀切。加えてその穴の縁に拾ってきた大きめの岩を埋めることで、一時的に周囲から崩れないようにした。

 

 そうこうしているうちに、探索に出かけていたハルとアキが戻ってきた。探索ついでに採取もしてきてもらったので、2匹とも背中のかごにそれなりにきのこなどが入っている。

 

「なんかあったか? でけえモンスターは?」

「モンスターはいなかったニャ! でもアプトノスの群れがいたから、食べに来るかもしれないニャ」

「空の遠くに飛んでたニャ。広いところも見つけたニャ」

 

 2匹の報告の中で、千空は見逃せない報告を見つける。

 

「広いところってのは、邪魔な草が無いってことか?」

「そうニャ! チクチクでじゃまなのがなかったから歩きやすかったニャ」

 

 改めて問いただした質問の答えに、千空は笑みを濃くした。それこそが、この海の近くに探したかった要件の土地だ、と。

 

「よし、アキ、飯食ったらそこに案内してくれ」

「わかったニャ!」

 

 

 

******

 

 

 

 遅い昼食を早速焚いた焚き火の周りで終えた1人と4匹は、アキの先導で、邪魔な草がないというエリアに向かった。

 

 臨時キャンプ地である2つの大岩の間からわずか50メートルほど。周囲の木が大きく育ったために、細い木も、膝丈、あるいは腹、 胸ぐらいの高さまで伸びる可能性のある下生えすら生えておらず、丈の低い草と、若木が1、2本だけ生えている空間に出る。

 

「ギャップだ」

「ギャップ、ニャ?」

「ああ、森の中で、木の生育上こうやって隙間が生まれることがある。それをギャップとか、もっとシンプルに空き地なんつったりするんだよ」

 

 下生えで笹などが生えまくった場所というのはかなり活動しにくい。ツリーハウスの拠点からここまでの行軍でも、そういう場所に差し掛かるたびに移動速度が落ちていた。とくにアイルーたちは背丈が低いので、千空が先頭にたって通り抜けてきた。

 

 そしてそういう場所はどういう活動をするのにも向かない、少なくとも下生えを刈る、あるいは焼くという手間を払わなければ利用出来ないのだ。

 

 その点この森の中に広がる20メートル四方の空き地はかなり使いやすい。ついでにこうした空き地の周りには高い木が集まるので、大型のモンスターの接近も自然と防げるのではないかと千空は期待していたりする。

 

「ここを建設地にするぞ」

「建設?」

「家を建てるってことだ」

「家! 作るにゃ! 木登りニャ!」

「ニャー!」

 

 木の上の家というツリーハウスの要素を気に入っているアイルー達がはしゃぐが、千空はそれを制止する。

 

「はしゃいでるとこ悪いが、今回は木には登らねえ」

「ニャ!?」

 

 ショックを受けているアイルーを他所に宣言する。

 

「俺たちは今から、原初の人の家、『竪穴式住居』を、ここに建てる」

 

 そうと決まれば、建設に取り掛かる準備だ。

 

「ハル」

「ニャ! なんだニャ!」

「先に雨をしのげる場所を探しといてくれ」

「わかったニャ!」

 

 忘れていた雨宿り場所の選定をハルに任せて、建設の準備を始める。準備と言っても、持ってきた道具のうち宿泊用以外の石器類などを、建設予定地の空き地へと運んでくるだけである。残った荷物は、岩の下の隙間に押し込んで、仮に雨が降った場合に濡れないようにしておく。

 

 そして準備を終えたところで、いよいよ、竪穴式住居づくりの始まりだ。これは、今後の活動でも欠かせないものになると千空は思っている。少なくとも鉄器の刃物で綺麗に木材が切れるようになるまでは、竪穴式住居がもっとも堅実で作りやすい建物になる。それをアイルー達にも覚えさせて、千空がいなくても拠点を建てれるようにしておきたい。

 

 ぶっちゃけ最初にツリーハウスに手を出したのはミスだったと千空は思っていた。ただあの頃は、巨大なモンスターやその争いを見て、地面に足をつけた家というのを畏れて樹上へと逃げていただけだ。加えて、木の太い枝の間にハマるように建築したことで、家本体の支えだけでなく木によって支えられてツリーハウスは絶妙なバランスで成立しているのだ。

 

 あれがアイルーたちの基準になってしまっては困る、というのが、千空の一番懸念していることだった。




先行公開は36話まで公開中(現在執筆2週間ほど休止中)
先行公開に関してはこちらの記事に詳細を
https://amanohoshikuzu.fanbox.cc/posts/6347909
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石神村がどう原作から変化しているかについて。  モンハン世界だとハンターのいる村になってるかな、とか、自然の生命力が高いので原作より人が生きてそうだなとかあります。 後は、石神村は原作だと鉄を扱うという考えがなかったので、武器はボーン系、モンスターの骨を加工したのとかがメインかなとか。 回答選択肢はたくさん作っておきます。

  • 原作そっくり。モンスターは避けている
  • 規模は原作 ボーン武器でモンスターと戦う
  • 規模が大きい ハンターいる
  • モンスターに襲われるので規模は原作
  • モンスター素材加工で発展した村
  • モンスター素材加工でちょっとだけ発展
  • モンスターによって滅亡の危機(イビル等)
  • 瑠璃を助けるのに秘薬がいる
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