新たにお気に入り登録してくださった
ずんだマシマシ様
ミアウィットロック様
ありがとうございました!
そして急ですが今回で最終回です。いきなりすぎましたね。ごめんなさい。
そしてこれは私からのお願いなんですがこの回を読み終わったらこの小説の総評を感想欄にてしていただけるとありがたいんです。誰でも感想をかけるようにしてあるので良かったらよろしくお願いします。
それでは、本編どうぞ!
「おまたせ。行こっか!」
「はい!」
真冬が記憶を取り戻してから二週間目。この日はどこか宛もなくデートをするらしい。準備を終えて晴天の世界へと足を運び始めた。
「うーん……デートすると言ってもどこ行きましょうか……。」
「そうだね……行きたいところありすぎて決められないんだよね……。今日は気ままに歩こっか。」
「そうですね。時間が経ったら行きたいところが見つかるかもしれないので。」
「じゃあしゅっぱーつ!」
「えぇ!?走るんですか!?」
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二人がやってきたのは駅前のパンケーキ屋。ここは以前二人が来ていたところでもある。いかにもメルヘンという色や装飾物で彩られているが真冬の心境は裏腹であった。
「うぅ~ん……っと。なんか最近伸びが癖になってきたな~。」
「ここのところいろんな所にお出かけしてたから知らないうちに疲れが貯まったんじゃないですか?楽しいと疲れとかに鈍感になっちゃうので。」
「それもそうだね。うぅ~ん。」
「っ!」
「ん?どうしたの?」
「あっ……いえいえ!何でもないですよ!」
「…?変な真冬くん……。大丈夫?具合悪い?」
「そ、そんなこと無いですよ!ほら!頼んでたパンケーキ来ましたよ!」
「……?そうだね…。」
真冬に異変を感じながらもそのままナイフに手を伸ばす彩。同様に真冬も食べようとナイフに手を伸ばしたがそのままナイフに手が触れることはなかった。
「あ、あの~彩さん。」
「どうしたの?やっぱり具合悪い?」
「いえそうじゃなくて……僕のパンケーキ切ってもらえますか?」
「?うんいいけど……」
「ありがとうございます……。」
「じゃ、じゃあ食べようか…。いただきます!」
「い、いただきます!」
銀色の光沢を放つナイフを自分で触ること無くパンケーキを口に運ぶ真冬はこの時どんな味が広がっていたのだろうか。この時ばかりは彩も写真を撮ることに気が回らなかったのであった。
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パンケーキ屋を出て二人は途方もなく商店街を歩いている。が、いつもと違い、真冬が彩の手だけでなく服も握りしめている。そしてそのどちらとも震えている。
「真冬くん、一度静かなお店行こっか。この商店街に良いカフェがあるの。行ってもいいかな?」
「ええ……。なんか今日は静かなところで落ち着きたい気分です。アハハ……。」
晴天が作り出す青いカーテンからの光を浴びた商店街を行くこと3分。目的地の羽沢珈琲店に到着した。その店が作り出す空間は外界とは一線を画しており、そとの賑やかさは遮断されているようだった。
「つぐみちゃーん!私の彼氏と一緒に来たよー!」
「彩さん恥ずかしいですよ…」
「ん?あっ、彩先輩!お久しぶりです!その人が前先輩が言ってた…彼氏さん?」
「うん、真冬くんだよ!あ、真冬くん。この子がつぐみちゃん。私の後輩で優しい子だよ。」
「ど、どうも……真冬です。」
「真冬くんね、はじめまして!」
「……っ!」
「あれ?彩先輩、私嫌われちゃいました?」
「え?ううんそんなこと無いと思うよ!だっ、だよね真冬くん…?」
「……」
「真冬くん……?」
「っ!ごめんなさい!全然嫌いになんてなっていませんよ!よろしくお願いします!つぐみさん!」
「う、うんよろしくね…。席はこちらにどうぞ!あ、そうだ。最近カップルドリンク始めたんですけどよかったらどうですか?」
「え?カップルドリンク!?真冬くん飲もうよ!一回やってみたかったの!」
「は、恥ずかしいですよ……//」
「一緒に写真撮ってくれるだけでいいの!お願い…!」
「……分かりました。一瞬だけですよ?」
「やったー!真冬くん真冬くん!」
「ちょっと彩さん…目の前につぐみさんがいるんですよ…?//」
「あっ。ご、ごめんつぐみちゃん!なりふり構わずに…。」
「あはは……ではごゆっくり……//」
火照った心をすこし冷ましてから案内された席に着く二人。
「………」
「真冬くん。話なら聞くよ?」
「……」
「真冬くん?今は話にくい?」
「………怖いんです。」
「怖い…?」
「記憶を取り戻してから今日まで……思い出さない方が良かったトラウマが……いろいろと湧いて出てくるんです。」
「っ……」
「でもこれを彩さんに話したら…今度は彩さんまで潰れちゃうかもしれない。襲撃にあったあの日、ナイフや鉄パイプを向けられてそれがトラウマで……思い出さない方が良かった…。」
「真冬くん……。」
「彩さんはそんなトラウマを思い出させないために色々根回ししてくれてたんですよね?それなのに僕、彩さんの気遣いを台無しにしちゃって……。自分が嫌になりました……。」
「……そうだったんだね。」
「話がまとまってないですね……。もう…どうしたら……。」
「あのね真冬くん。」
「?」
「私が騙したとはいえ真冬くんは私のことを恋人だって認めてくれたんだよ?そういう話しはどんどんしてほしいな。」
「ごめんなさい……。」
「え?」
「もう僕は……誰かに頼る自分が……守られる自分が嫌なんです!そんなみっともない自分が大嫌いなんです!!」
「あっ!真冬くん!」
二人だけの店内に真冬の傷みが響きわたる。真冬は目に涙を浮かべながら彩に千円を預けて店を飛び出していった。焦りと放心が彩の脳内を駆け巡った。
しばらくすると彩は決意を固めた。
(なんと言われようと……真冬くんを一人にはさせない!)
「つぐみちゃーん!お金おいておくね!お釣り入らないよ!また来るね!」
「え?えーっと……あ、ありがとうございましたー!」
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「うーん……どこだろう真冬くん……。もっと遠くなのかな……。」
まだ青いカーテンが空を包む頃、彩は商店街を歩き回り真冬を探していた。聞き込みやsnsの呟きのチェックなどひたすらにこなしていたがどれも当たりは無く、時間だけが無情に過ぎていった。
真冬を探し始めて一時間が経過した頃だった。二十代前半の男のグループが彩を尋ねた。
「すいませーん。」
「え?私ですか?」
「はい。実はこの子を探しているんですが……何か心当たりはありませんか?」
「え?」
男が見せた写真は見間違うはずもない、彩の彼氏、真冬の写真だった。
「実は私も探してるんです。その子、私の恋人で……。」
彩のその返答で男達は何かを確信したかのようにニヤリと口角を上げ、高らかに笑い始めた。
彩が困惑していると彩の後頭部に激痛が走った。
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「はあ……僕、彩さんになんてことを……。ますます自分が嫌になる…。」
一方真冬は商店街から遠くはなれたとある公園のベンチで一人うつむいていた。記憶を取り戻してからというもの、自責の念にかられて自暴自棄になる真冬。結局今回も彩の手を煩わせてしまったと後悔しているのだ。
そんな真冬に一本の電話が入った。真冬にとっては知らない電話番号だった。
「あれ?何この電話番号……。もしもし……?」
「高部…真冬だな?」
「!?………だったらなんなんですか?」
「その前にまず俺が誰か分かるか……?」
知らない電話番号に知らない男の声。真冬の脳内は疑問符で埋め尽くされていたがそれがこの後すぐに焦りへと変わる。
「覚えてるか?俺は去年の夏にてめえを襲撃したチームのリーダーってところだ。」
「……!なんで…なんで僕の電話番号が分かった!?」
「そりゃ不思議に思うよな!それもそのはずだ。あの時俺らを邪魔してくれたピンク髪の女を人質にとっているんだからなぁ!」
「……え?彩さんを…!?」
「俺らは日の丸運輸って潰れた会社の廃倉庫にいる。助けに来たかったらこいよ。おーっと警察呼ぶのは無しだぜ!?警官が一人でも見えたらその瞬間この女殺すからな!」
「そんなことして何になるんだ!今すぐ彩さんを解放しろ!」
「まあ焦んなよ。てめえが一人で来ればいい話なんだからな。じゃ、待ってるぜ。ハハハ……!!」
「……また僕のせいで彩さんが……。なんで僕は…!」
一人焦りが止まらない。結局自分が足手まといになってしまった。そう感じる真冬に走馬灯の如く今までの彩との思い出が甦ってくる。
(辛かったら私がいるよ。いつでも抱きしめてあげるからね。)
「違う……こんなことしてる場合じゃない!今度は僕が彩さんを助けるんだ!」
おぼつかない手でスマホのマップを開き、真冬は彩が待つ倉庫へと向かった。
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廃倉庫にて…
「もう離してよ!こんなことして何になるの!」
「うるせーよ……一年前、俺らをボッコボコにしてくれたよなぁ!?」
「その復讐ってこと?一年前も今も一人相手に大勢でかかってきて……呆れちゃうよ。」
「なんだと……このヤロウ!」
「っ!」
彩の顔面すれすれで男が振った鉄パイプが止まった。どうやら彩に恐怖を植え付けたいのだろう。しかし……
「私はそんな脅しには屈しないよ。どんなに殴られてもね。でも……」
「……あ?」
「真冬くんに手を出したら……容赦はしないよ。」
恐怖どころか怒りが彩を支配する。男達が若干後ずさりするがリーダーらしき男が言葉を怒り混じりに紡いでいく。
「身動きもとれねえ状態で何いってんだよ……!てめえ死にてえのか!?」
「……(これで良かったんだよね。真冬くん、バイバイ。)」
だがもう死を覚悟している彩はもはや諦めていた。
だが諦めの気持ちだけでなく、真冬を巻き込まないで済んだという安堵の気持ちで口角が若干ながら上がった。
「よーし、じゃあもうやっちまうぞ。お前ら!俺が先陣切ったら後に続けよ!」
「へい!」
リーダーが鉄パイプを振り上げた______その時だった。
「ちょっと待ったーーーーーーー!!!」
「あ?ってなんだよアレ!?」
「どけどけどけーーーーーーー!!」
「おいやべえ轢かれるぞ!ウワアアアッ!」
「えっ!?真冬くん!?」
「デスソース入り水鉄砲をくらえ~~!!」
「ギャアアア!!」
「目がああああ!!」
真冬が廃倉庫の脇においてあった巨大フォークリフトに乗って彩のもとへ登場。集団で突撃した直後、真冬が男達の目と口を正確に射撃していき、気づけば彩を取り囲んでいた全員がその場に倒れた。
「はあ……はあ……緊張した…。」
「真冬くん……助けにきてくれたの?」
「はい…。一年前、彩さんは僕を助けてくれた……。だから今度は僕の番だったんです!」
「真冬くん……。かっこよかったよ。」
「良かった……。彩さんが無事…で……」
「えっ?真冬くん!?真冬くん!」
「すぅ…すぅ……」
「寝ちゃった。大好きだよ。」
「すぅ…」
「帰ろっか。」
彩は真冬を背負って歩き出した。もう外は日が落ち始めてオレンジ色の光が二人に降り注いだ。
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「んあ……あれ?ここは?」
「真冬くんの家だよ。」
「え…?てことは僕……」
「私の背中でぐっすり寝てたよ。気持ち良さそうにね。」
「えっ!?ごっ、ごごごごめんなさい!///」
「謝ること無いんだよ?それに……」
「それに?」
「助けてくれてありがとう。真冬くん…ヒーローだよ。」
「えへへ……初めてそんなこと言われた……。」
「かっこよかったよ。」
「ありがとうございます。何だか…恥ずかしい…//」
「そっか。真冬くんらしいなぁ…」
「それと……カフェであんなこと言ってしまって……本当にごめんなさい。僕…自暴自棄になってて……」
「ううん、いいんだよ。」
「それに……まだまだトラウマが乗り越えられそうになくて……」
「真冬くん。」
「はい。」
「一緒に乗り越えようよ!」
「……は、はい!」
気づけば僕には年上の彼女がいた END
急ぎ足のような最終回になってしまったような気がします
今作は短い小説ですが多くの方に読んでいただき、すごく嬉しかったです。
ここまで読んでいただきありがとうございました!
この小説の反省点と言えばキャラの心情表現がくどかった点だと思います。皆さんはどう思いますか?もし良ければコメントしていただけるとありがたいです。
それとイラストを書いてみました。まあこんな感じのオリ主でした。
それでは、読了、ありがとうございました!