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本編どうぞ!
前述した通りこのマンションでは真冬の家の隣が彩の家だ。早朝6時、カーテンが太陽光を遮る部屋で彩は眠気を吹き飛ばして壁に耳をくっつけていた。
「今日は…大丈夫かな……。」
「ふあぁ…よく寝たぁ。」
「ホッ、大丈夫みたいだね…」
何かに安堵して胸を撫で下ろす彩。ひとまず今日は安心だがこの行為は毎朝繰り返されている。当然真冬はこの彩による行為のことを全く知らない。"知られてはならない"彩が真冬と出会った当初からそう決心したのだから。
「それにしても真冬君、今日も声が可愛い…」
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ピンポーンと真冬の家のチャイムが鳴る。朝7時、太陽光が差し込む家の中から真冬はチャイムに対して元気に応答した。
「はーい!」
「おはよ真冬君!」
「彩さん!おはようございます!」
「忘れ物とか大丈夫?」
「はい、大丈夫ですよ。行きましょう!」
5分後…
「手、出してほしいな。」
「えっ!?僕の学校の方が先だから…皆に手をつなぐの見られちゃいますよ!?」
「別に私は手をつなぐなんて一言も言ってないよ?」
「あっ……」
「も~~真冬君、私と手をつなぎたいの?」
「そういう彩さんだって!僕と手をつなぎたいんじゃないですか?」
「ぐっ!それは…」
「僕も…彩さんと手をつなぎたいです。」
「えっ、いいの!?」
「皆に見られちゃうのは恥ずかしいですけど…それでも彩さんと手をつなぎたいっていう思いの方が強いんです。」
「こんなに朝早いんだから皆学校に来てないよ。」
「確かに…」
「じゃあ手、つなごうか!」
「はい!」
学校があるという朝特有の気だるさはこの二人にはないらしい。むしろ互いとふれあう絶好の機会なのだ。
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「じゃあここで一旦お別れですね…」
「うう、寂しいよぉ…でも学校が終わったらまた会えるよね!」
「そうですね。僕も頑張りますよ!」
「じゃあね、ばいばい!」
「また後で!」
(張り切っちゃう真冬君、いつ見ても可愛いなぁ…)
三分後、真冬の通う高校にて…
「よお真冬!」
「大胡君!びっくりさせないでよ…ずっとそこに隠れてたの?」
「おうそうさ!真冬の年上彼女を一目見ておきたくてな…そしたらなんだよ!背が高くておっとりしてて…お似合いじゃねえか!」
「そ、それはどうも……」
「ま、俺は応援してる。結婚式には呼んでくれよ?」
「そんな先のことまで…」
「あ、中間テストの範囲が出たってよ。今回も学年トップ狙うのか?」
「うん。大胡君には負けないよ!」
「模試の恨み、晴らさせて貰うからな~!」
「あはは…」
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金曜日…明日が休みという優越感が学生を襲う。それは高校生に限らず大学生も同様でありこれはほんの一例である。
夕日が沈む午後5時の校舎で自習を終えた真冬に電話が入った。
「もしもし彩さん?どうしたんですか?」
「真冬君、今どこにいる?」
「学校で自習してましたけど…」
「やっぱり真冬君は頑張りやさんだね…すごく偉いと思うよ!」
「あはは…ありがとうございます…。それで、どうしたんですか?」
「真冬君、明日って学校おやすみだよね。」
「そうですけど…」
「良かったら…あの……」
「?」
「今夜、私の部屋に泊まってく?//」
「!?」
急に真冬の心臓が締め付けられる。高校生という自由さが広がった時期で初めて人の家に泊まることを経験する。何が起きるか分からないのが真冬をなんとも言えない気持ちにさせる。
「いいんですか…?//」
「えへ、また緊張してるんだね。」
「だって…初めてですから…」
「私も、人を泊めさせるのは初めてだよ。」
「そっ、そうてすか…」
「じゃあ私、家で待ってるからね。いつでも来ていいよ。じゃあね!」
「あっ、ちょっと彩さん!……電話切っちゃった。もう、強引な人だなぁ…」
一人しかいない教室で呟く真冬だった。
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そしてその日の夜。真冬は結局彩の家に泊まることにした。晩御飯も済ませ、もう後は寝るだけである。
「ふあぁ…」
「真冬君もう寝る?」
「そうですね…もう寝ます。どこで寝ればいいですか?」
「私のベッドで一緒に寝よっか。」
「!?彩さんと…いいいいいい一緒に!?」
「もう今日何回驚いてるの?私達恋人だよ?それくらいいいでしょ?それとも…だめなの…?」
「わ、分かりました!一緒に寝ます!」
「ほんと!?やったー!!」
(表情がコロコロ変わる…そんな彩さんも素敵だな…)
外は車のエンジン音も話し声も静まり今日一日が終わったことを感じさせる。それはこの寝室も例外ではない。
「ほーら、おいで。」
「し、失礼します…(緊張して寝れない気がする…)」
「そんな固くならなくていいんだよ?リラックスリラックス。」
彩が真冬の顔を胸いっぱいに優しく抱き止めた。その包容力は真冬の緊張を一気にほぐしてついには…
「スヤスヤ…」
「寝ちゃった。やっぱり寝顔が可愛いんだけど…写真撮ったら真冬君、起きちゃうよね。」
互いにリラックスできるこの関係になれて心底嬉しい彩に一本の電話が入った。真冬を起こさないように、彩は一度ベランダに出る。
「はいもしもしお世話になります……はい……はい。えーっと多分真冬君は完全に忘れていると思います。ここ最近も笑顔で………はい。こちらこそよろしくお願いします。」
電話を切ってまた真冬がいるベッドに入る。彩は真冬を抱き止めながら何かをまた決心し直した。
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