気付けば僕には年上の彼女がいた   作:zennoo

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一話あたりのUAがだいたい600程。それほど皆さんに読んでいただけてるということで作者は舞い上がっています。
まずは一話あたりのUA1000を目指して頑張っていきます
本編どうぞ!


思い出せない感じです

夜10時。真冬は小学校のアルバムを見返しながら必死に何かを思い出そうとしていた。別に感傷に浸っている訳ではないのだ。

 

 

「うーん、やっぱり思い出せないなぁ。ここに僕が友達と仲良く遊んでいる写真があるけど全く覚えがない。」

 

 

そう彼は…………失った記憶を取り戻している最中なのだ(・・・・・・・・・・・・・・・・・・)

 

本人には分からないが何故か中学以前の記憶が全てなくなっている。まるでブツリと切れた線路のように。真冬はこうしてたまに過去の写真を見ては思い出そうと戦っているのだ。

 

 

(やっぱり…写真を見るだけじゃダメなのかな。もっと他の方法を考えないとダメそうだね…。)

 

 

そう思いつつ、真冬は明日に備えてベッドの中で意識を落とした。

 

一方、時を同じくして暗い寝室で真冬のことを気にかけている女性が一人いた。……真冬の彼女、彩だった。

 

 

(お願い真冬君。思い出そうとなんてしないで。きっとそうなったら…多分真冬君には耐えられないだろうから。)

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

次の日、真冬は放課後になって相変わらず同級生に絡まれていた。

 

 

「よお真冬。なんか今日の授業全体的にだるくなかったか?」

 

「そうかな?僕はいつも通りに感じたけど。」

 

「さっすが真冬。中学時代全国模試上位にいた人はレベルが違うってか。ハッハッハ!」

 

「そんな大袈裟だよ……」

 

「でもな真冬。この学年にも真冬を打ち倒すべく必死に勉強してる奴らがいるからな。命取られないように気を付けろよ?」

 

「う、うん……(やっぱり…都内の進学校って競争が凄まじいのかな。)」

 

「あ、それと校門に誰かいるんだけど…ピンク髪の女性が。」

 

「ピンク髪の…?って、彩さん!?」

 

「なぁ~んだ。真冬の彼女さんかよ。お前のこと待ってるんじゃねえか?」

 

「そう…かもね。」

 

 

いつもなら彩は待っている時、真冬に電話を一本入れるのだが今日はしなかったのだ。神経質な真冬にとってはそれが不安の種になった。

 

 

(おかしいな……何かあったのかな?)

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

校門前にて

 

 

「待ってたよ真冬君!」

 

「あ、彩さん……今日は何か急ぎの用が合ったんですか?」

 

「え?特にないよ……?」

 

「電話、入っていませんよ。忘れちゃったんですか?」

 

「あっ!!忘れちゃった……もぉぉ。私、昔からドジっ子って言われちゃうんだよね。大切な場面でよく噛むし、段差で転けるし、もうなんか…………」ブツブツ

 

「わぁーーっ!彩さんネガティブにならないで!僕がフォローするから!」

 

「……本当に?」グスッ

 

「本当です!」

 

「やったぁー!真冬君、だーい好き!」

 

「えっ、ちょっと彩さん!ここ僕の学校の前ですよ!(彩さんの胸気持ち良い…)」

 

「あっ、ごめんね……でも可愛いからしちゃうもん!」

 

「(そういう彩さんの方が可愛いよ…。)それで、今日は何の用ですか?」

 

「そうだった……じっ、実はその…」

 

「?」

 

「特に用が無いんだよね。」

 

「えっ、無いんですか?」

 

「なんか真冬君に会いたくなっちゃって……。ダメかな?」

 

「いえいえ!そんなこと無いですよ!僕も…毎日彩さんと会えて嬉しい……。」

 

「本当!?明日学校おやすみでしょ?だったらデートしよ!」

 

「ちょ、ちょっと彩さん!腕千切れちゃう!」

 

 

真冬の手を握って走る彩。そんな初々しいカップルのやり取りを見てた真冬のマブダチ、大胡はいてもたってもいられなかった。

 

 

「はああ…いいなぁ真冬。この学校でもトップで美人な彼女もいるなんてよぉ……クソオオオオオオ!俺も彼女ほしいいいいい!!!!」

 

 

しかしその雄叫びは誰の心も打たなかった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

駅前のパンケーキ屋にて

 

「わああ!真冬君、美味しそうだよ!」

 

「そうですね…早く食べたいです!」

 

「でもその前に写真、撮ろうよ!今日は付き合って1ヶ月記念だよ!」

 

「早いですね…」

 

「じゃ、撮るよ~」パシャ

 

「あ、凄くいい写真ですね。snsにアップするんですか?」

 

「ううん。これは二人だけの秘密だよ?」

 

「二人だけの……」

 

「なぁに真冬君。ニヤニヤしちゃって~。」

 

「し、してないですよ!」

 

「本当かな~?」

 

「速く食べましょうよ!」

 

「急に話題をそらしたね…じゃ、いっただきまーす!ハムハム美味しい!」

 

「モグモグおいひぃ~!」

 

「(可愛いなぁ…)真冬君、ほっぺにクリームついてるよ?」

 

「あ、本当だ。」

 

「待って、とってあげるね。」

 

「ひゃん!//」

 

「えへへ…真冬君のほっぺ、プニプニ~!」

 

「彩さん…彩さんのほっぺにもクリーム、ついてますよ?」

 

「あっ」

 

「(そんなところも可愛い…)よいしょ。」

 

「とってくれたんだ…ありがと!」

 

「(彩さんのほっぺプニプニ…)そうだ、聞きたいことがあったんです。」

 

「どうしたの?」

 

「今日は付き合って1ヶ月記念でしたけど…僕達もっと付き合っているんですよね?(・・・・・・・・・・・・・・・・・・)

 

「そ、そうだね…」

 

「改めて聞きます…記憶をなくす前の僕ってどんな感じでした?」

 

「うーん、そうだね。今の真冬君と変わらないね。優しくて、可愛いくて。今も昔も私の自慢の彼氏だよ!」

 

「そうですか…えへへ。ありがとうございます。」

 

「病院で会ってからもう1ヶ月経ったんだね。その日を私達の付き合った日にしたんだよね。」

 

「そうですね。失礼ですけど…僕達、何年付き合っていました?」

 

「二年付き合ってたよ。私が高校二年生の時に偶然町で真冬君に助けられて…一目惚れしちゃったんだ。」

 

「そうだったんですね。…ごめんなさい。そのときの事、まだ思い出せなくて。」

 

「無理に思い出そうとしなくて良いよ。それに、私が記憶を失った分まで真冬君を"楽しい"で埋め尽くしてあげるから!」

 

「ありがとうございます!彩さんといると頼もしいです!」

 

「こっちまで嬉しくなっちゃうな。ありがとう、真冬君!」

 

「あ、また話変えちゃいますけど…」

 

「?」

 

 

「記憶を失う前の僕が彩さんと一緒にいる写真、ありませんか?」

 

 

「そ、それね……私、謝らないといけないことがあってね。」

 

「なんですか?」

 

「私、前に交通事故にあってね、そのときに写真のデータが飛んじゃったみたいなの。」

 

「ええっ!?そうなんですか!?」

 

「だから、ごめん!真冬君の貴重な手掛かりがなくて…」

 

「そんな…でもさっき彩さんが言ってたじゃないですか。」

 

「なんのこと?」

 

「無くなった分まで"楽しい"で埋めちゃえばいいって。」

 

「!」

 

「これからもよろしくお願いします!彩さん!」

 

「う、うん!よろしくね!真冬君!」

 

「さ、パンケーキ食べましょうよ。」

 

「……そうだね。」

 

 

彩は歯切れ悪く返答した。今あるパンケーキは彩にとっては甘すぎるのだろうか。




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