気付けば僕には年上の彼女がいた   作:zennoo

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やっべ、今回5000字近く書いてもうた。

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ハマモー様
まるちん様
湊彩月彩
他二名の方
ありがとうございました!

本編どうぞ!


夏祭りを満喫したい感じです

「よし、着替え終わった。彩さんはもう着替え終わったかな。」

 

 

胸を躍らせて深緑の浴衣に着替え終わった真冬。真夏の暑さなんて吹き飛ばすほどに夏祭りを満喫する気だ。一度なにかを決めると他のことを考えられなくなるくらい真っ直ぐ突き進む真冬らしいのだが。

準備してきたものを持って彩の家をノックする。

 

 

「彩さーん、準備できましたか~?」

 

「出来たよー!」

 

「入りますね。」

 

 

ドアを開けた先には…

 

 

「真冬くん…どうかな?」

 

 

桃色の浴衣に身を包んだ彩がいた。花柄の浴衣にいつもは下ろしている髪をポニーテールに縛ってイメチェンに成功したみたいだ。

 

 

「すごく……かわいいです!」

 

「ホントに!?ありがとう真冬くん!」

 

「髪型も変えたんですね。すごく似合ってますよ。」

 

「そんなに誉められると照れちゃうな…//」

 

「…照れてる彩さんもかわいい。」

 

「もう…真冬くんったら。//真冬くんの浴衣もすごく似合ってるよ!かっこいいね!」

 

「エヘヘ。嬉しいです。」

 

「じゃ行こっか!手、出してほしいな!」

 

「はい!」

 

 

手を繋いで夏祭りの会場へと向かう二人。胸を躍らせているのが手の降り幅に出ているのは本人達は多分気づいていない。そして真冬と彩を羨望の眼差しで見ている大胡がいることなど知る由もない。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

夏祭り会場に着いた二人。夕方に差し掛かった時刻で早速二人が向かったのは…

 

 

「真冬くん、私ね、夏祭りでやりたいことがあったの。」

 

「どれなんですか?」

 

「射的!景品は真冬くんにあげる!」

 

「ホントですか!?ありがとうございます!」

 

「よ~し、真冬くんのためにも頑張るよ!」

 

 

射的ブースに到着

 

 

「見てて真冬くん!絶対景品を打ち落として見せる!」

 

「お、君たちカップルかい?」

 

「え?そうですけど…」

 

「じゃあ弾二発追加!彼女さん頑張ってくれ!」

 

「え、いいの!?ありがとうおじさん!」

 

「彩さん、僕達恋人に見えているんですね//」

 

「ホントだね。なんか嬉しいね//」

 

 

そして射的スタート。狙うには狙うが当たらない。当たってもなかなか景品が落ちない。弾が後一発しかないと言うところでついに…

 

 

「やった!打ち落とした!」

 

「彼女さんおめでとう!三等だ!」

 

「彩さんおめでとうございます!」

 

「嬉しいよ真冬くん!景品はなんだろなぁ~♪」

 

 

景品に胸を躍らせていると屋台のおじさんが景品を渡してくれた。その景品とは…

 

 

「はいよ景品!」

 

「え?なにこれ……」

 

「三等の熊の剥製のミニチュアだ!玄関にでも飾ってくれ!」

 

「あは…アハハ……」

 

 

渡されたのは熊の剥製。苦笑いが止まらなくなるのも無理はないだろう。

 

 

「彩さん…すごい景品を渡されましたね…。」

 

「うん……真冬くん、これもらっても迷惑だよね…」

 

「ううん、ください!」

 

「……え?」

 

「だって彩さんが頑張って手に入れてくれた景品なんですから。どんな景品でも僕は嬉しいですよ!」

 

 

真冬の一言は彩にとっては衝撃的であった。満面の笑みが添えられた一言に彩がする反応は一つしかなかった。

 

 

「…………」

 

「彩さん?どうしましたか?」

 

「よしよし。」

 

「ちょ、彩さん!?//」

 

 

悶絶。その後頭を撫でる。まあ今出来る最大の表現だろう。

 

 

(彼氏さんよ…いい男じゃねえか。)

 

 

屋台のおじさんはひそかに思うのみ。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

日もすっかり落ちたところで真冬が恥ずかしげに提案する。

 

 

「あ、僕りんご飴食べたいんですけど彩さんも何か食べますか?僕買ってきますね。」

 

「ありがと。私もりんご飴でいいかな。」

 

「分かりました。あそこのベンチで待っててください。」

 

「うん分かった!」

 

(これ…彩さんに引かれないかな…//)

 

 

何かを思いながら五分後、真冬が彩の所へ帰ってきた。

 

 

「彩さーん、お待たせしました!」

 

「ありがと!」

 

 

真冬がベンチに座ると彩があることに気づく。

 

 

「あれ?りんご飴一つしかないよ?」

 

 

その回答は…

 

 

「二人で同じものなら…一つで充分じゃないですか……//」

 

「え、それって……//」

 

「それ以上は言わないでください…///」

 

「真冬くん大胆だね…」

 

「ごっ、ごめんなさい!嫌ですよね…す、すぐに二つ目買ってきますから!「真冬くん!」え?」

 

「一本でいいよ…//」

 

「それってつまり……//」

 

「私、嬉しいんだよ?真冬くんがここまでアタックしてくれるの。」

 

「自分でやっておいてなんか恥ずかしくなってきた……///」

 

「自爆した~?もう、かわいいんだから…ほっぺたツンツン!」

 

「もう!からかわないでくださいよ~!」

 

「エヘヘ。だって真冬くんがかわいいんだもん!」

 

「もう…彩さんを照れさせたかったのに~!!//」

 

「残念でした~!」

 

 

結局自爆した真冬。照れさせる作戦は失敗に終わった。……と、思いきや

 

 

(真冬くん……私どうすればいいの……//)

 

 

爪痕は残したようだった。二人でりんご飴を食べてるときは真冬からどんな風に見えていたのだろうか。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「あれ?なんだかあそこすごく盛り上がってるね。」

 

「ライブ…でしょうか?」

 

「男の人が多いみたいだけど…行ってみようか!」

 

「はい…」

 

 

この時真冬の脳裏に嫌な予感がよぎった。そしてそれはすぐさま現実となる。

 

 

「うわ!人多いね!」

 

「うう…僕身長低くて見えない……。」

 

 

真冬が見えないことを察知して彩が真冬を抱き抱えた。

 

 

「あ、ありがとうございます。」

 

「どう?これで見えるかな?」

 

「はい。見えます…ってあの人は!」

 

 

ステージ上にはマイクを握りしめ全力で歌う真冬のマブダチ、大胡がいた。

 

 

「ん?真冬くんの知り合い?」

 

「彩さん!すぐに下ろしてください!」

 

「え?なんで?」

 

「あの人に僕達が一緒にいるところを見られるとヤバイんです!」

 

「そ、そうなんだ……」

 

 

彩が真冬を下ろして二人は大胡の歌…というより魂の叫びを聴いていた。

 

 

「俺~には~♪彼女はいらなーい!!」

 

「「ハイ!ハイ!」」

 

「す、すごい歌詞だね……」

 

「お客さんも盛り上がってますね……。」

 

 

三分後…

 

 

「皆ー!どうもありがとー!!」

 

「「ワアアアアアア」」

 

「会場が揺れてるね……」

 

「歌詞的にお付き合いされてない男性が多いのも納得できますね…。」

 

「曲が終わったってことはマイクパフォーマンスもあるってことだよね?」

 

「そうですね。なに喋るんだろう…」

 

「お前ら!彼女いないよなぁ!?」

 

「「イエエエエエエエエエイ!」」

 

「リア充、羨ましいよなぁ!?」

 

「「イエエエエエエエエエイ!!」」

 

「だけどな、今回の夏祭り、リア充が結構いるんだよ!」

 

「「えええええええええええ!?」」

 

「だがな、彼女いない歴=年齢の俺が、てめえらの気持ち歌ってやるからな!」

 

「「ワアアアアアア!!」」

 

「行くぜ二曲目!」

 

 

そして激しいドラムが鳴り響き二曲目が始まった。お分かりいただけた通り大胡の歌は彼女がいない男子諸君に突き刺さるため絶大な人気を誇っているのだ。しかし、彼女が今まさに横にいる真冬がこの会場にいれるはずもなく…

 

 

「彩さん、一旦引きましょう。なんかすごい気まずいです。」

 

「そ、そうだね……」

 

 

二人は会場からそそくさと逃げていった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

次に二人が訪れたのは…

 

 

「真冬くん、私スーパーボール掬いやりたいの!いい?」

 

「ボール掬い…僕もやりたいです!」

 

「よし、やろうか!おじさん!二人分お願いします!」

 

「あいよ!って、君たち青春してんなぁ…俺にもそんな時代があったんだよ。」

 

(あれ?この展開…長話を聞かされるのでは?)

 

 

真冬の予想通りこの人の青春時代を十五分ほど聞かされることになった。やはり人の惚気話というのはあまり聞きたくないものであり二人を退屈させるには充分だった。

そして惚気話もようやく終わり、いよいよボール掬いへ。まずは彩の番。

 

 

「頑張ってください!彩さん!」

 

「よ~し、頑張っちゃうよ~!」

 

 

目に力が勝手に入り彩の手が震え始める。それでも負けまいと気合いを入れてポイを水中に入れたが結果は…

 

 

「あっ………」

 

「お嬢さん残念だったなぁ。はい次!」

 

「真冬くん…私…」

 

「そ、そんなに落ち込まないでください!僕が彩さんの分までとりますから!」

 

「えっ、ホントに!?もう真冬くん大好き!」

 

「ちょっと…人前ですから…//」

 

 

屋台のおじさんがよくない目で見てくることもあって真冬の恥ずかしさが最高潮に達したところで真冬の番。真冬はいつになったら彩に抱きつかれるのに慣れるのだろうか。

 

 

「集中して……力を抜いて……一瞬で取る!やった!彩さん、まず一つ目取れましたよ!」

 

「す、すごい真冬くん……」

 

「この調子で二つ目も……よっと。やった!二つ目も取れた!」

 

「あんちゃんやるじゃねえか!あい、ボール2つ!」

 

「取りましたよ!これが僕の分で……はい、これが彩さんの!」

 

「ありがとう!真冬くん、宣言通り2つとったね。やっぱりすごいよ真冬くん!」

 

「そんなに誉めないでくださいよ……照れるので///」

 

「恥ずかしがりやさんだなぁ……ほっぺたツンツン!」

 

 

いちゃつきながら屋台を去っていく二人。その姿を見てかつての青春時代を重ねる屋台のおっちゃんだった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「さて、いよいよ夏祭りのクライマックスの花火だよ!」

 

「ですけど彩さん……」

 

「ん?どうかしたの?」

 

「なんでこんなに暗い山奥なんですか?」

 

 

花火を見ようとする二人。しかし彩が真冬を連れてきたところは人気のない、暗い山奥だった。

そしてその山道を登ること数分後、ベンチがポツリと置いてある見晴らしのいいところまで来た。

 

 

「到着!」

 

「あれ、この街にこんなに見晴らしのいい場所があったんですね。僕知らなかった。」

 

「多分ここに来るの私だけだと思うよ。ここなら誰にも邪魔されずに思う存分花火が見れるよ!」

 

「そうなんですね。」

 

 

ベンチに二人が腰掛け、真冬が何かを喋り出そうとする。

 

 

「彩さん…」

 

「ん?どうしたの?」

 

「ぼ、僕…その…」

 

「あ!花火が始まったよ!」

 

「え?あっ……」

 

 

何かを喋り出そうとした真冬を花火が遮る。罰の悪そうにする真冬の隣で彩は花火を笑顔で見ていた。二人の顔がほんのり様々な色に染まる。

 

 

「きれいだね……」

 

「……そうですね。」

 

 

暫く無言で花火を眺める二人。そして彩が切り出す。

 

 

「ねえ真冬くん。さっき話そうとしてたことって何?」

 

「あ、それなんですけどね……僕、彩さんに告白したこともされたことも覚えてないじゃないですか。」

 

「え?う、うんそうだね……」

 

「だから…告白代わりと入ってはなんですが……彩さん!!」

 

「は、はい!」

 

こっ、これからも、僕と一緒にいてください!よろしくお願いします!

 

 

花火の号砲にも負けない渾身の大声での彩への告白。正直この発言がなんなのかなんて真冬にはどうでもよかった。面と向かっての真冬の告白に彩の返答は…

 

 

「……」

 

「あ、彩さん?やっぱり……いきなりこんなこと言われると困っちゃいますよね……」

 

「ううん違うの!」

 

「え?」

 

「私、真冬くんともっと一緒にいたいと思ったから!だからその告白、私、凄く嬉しい……//」

 

「彩さん……//」

 

「真冬くん、目、閉じて。」

 

「えっと…こうですか?」

 

「そうそう。行くよ?」

 

「はい……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「チュ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「!?」

 

「真冬くん、びっくりしちゃったかな?//」

 

「ち、ちち違いますよ彩さん!//その…」

 

「ん~?」

 

「嬉しかったです。//」

 

「エヘヘ。そっか。」

 

 

花火に照らされた彩の笑顔が真冬の心を撃つ。

 

 

「来年も……また来ましょうね。」

 

「来年、か……また来たいね。」

 

「帰りましょうか。」

 

「……うん。」

 

 

真っ直ぐな真冬とは対照的に不安が襲いかかる彩。それでも決心は変わっていないはずなのだ。

 

 

(絶対私が真冬くんを守る。そう決めたはずなのに…なんでこんなに弱気になってるの…。私のバカ。)




読了、ありがとうございました!
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