気付けば僕には年上の彼女がいた   作:zennoo

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長らく時間を空けてしまい申し訳ありませんでした。
なかなか構想が固まらなくてつい手間取ってしまいました。

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ありがとうございました!

今回は5000字と自分のなかではかなり長くなりましたが最後までお付き合いください。

本編どうぞ!


海で思いっきり遊ぶ感じです

「さて……後は彩さんを待つだけだね……。」

 

 

真冬の帰省の翌日。二人は静岡のとある海水浴場に来ていた。皮膚に照りつける太陽光と雲一つ無い晴天がはしゃげと言わんばかりに夏を象徴している。現在真冬がパラソルやら何やらのセッティングを完了して彩が来るのを待っていた。辛いことがあった分、彩と思いっきり遊ぶことができることに胸を躍らせているのかその心の高まりが鼻歌に表れている。

 

それから待つこと一分後……

 

 

「お待たせ真冬くん!」

 

「わっ!ビックリした~……いきなり抱きつかないでくださいよ……//」

 

「もう…真冬くん、私達付き合ってから結構経ったのにまだハグに慣れてないの?そろそろ慣れてほしいな~。」

 

「そういう彩さんこそ……ッ!//」

 

「ん?どうしたの?」

 

 

真冬が振り返るとそこにはフリルビキニ姿の彩がいた。淡いピンクで無自覚にも真冬の顔が赤くなっていく。そのせいか真冬の動きがピタリと硬直してしまったが数秒してなんとか言葉を振り絞った。

 

 

「す、すごくかわいいです……///」

 

「!ホントに!?すっごく嬉しいよ!この水着ね、真冬くんに喜んでもらうために時間かけて選んだの。エヘヘ、真冬くんに誉めてもらっちゃった!」

 

「……//」

 

「あれ?真冬くんどうしたの?」

 

「いっ、いえ!大丈夫ですよ!」

 

「そんなこと言って……私に視線が釘付けだよ?」

 

「えっ!?ごっ、ごめんなさい!//嫌ですよね……。」

 

「ううん、むしろ嬉しいよ!だって今日の私をかわいいって思ってくれてるんでしょ?恥ずかしがらなくていいんだよ。」

 

「そうですか…//でも自然と顔が赤くなっちゃう…。」

 

「そういうところ、私は大好きだよ!さ、速く行こ!」

 

「あっ、でもその前に…」

 

「ん?何かあったっけ?」

 

「日焼け止めを塗っとかないと帰る頃に皮膚が痛んじゃいますよ。」

 

「そっか。真冬くんが今シャツを着てても日焼けしちゃうかもね。じゃあ私が塗ってあげるね。横になって。」

 

「あ、お願いします。」

 

「あっ、これ結構冷たい……。いくよ~。」

 

「ひゃんっ!」

 

「ごっ、ごめん!くすぐったいかな……。」

 

「だ、大丈夫ですよ!これくらい……。ひゃん!」

 

「あ、真冬くんが脇に弱いの忘れてた…。こしょこしょこしょ~」

 

「アハハハ!くすぐったいですよ~!」

 

「もっといくよ~!」

 

「ちょっとやめてくださ~い!アハハハ!」

 

 

二分後

 

 

「ハア…ハア…今度は僕が塗りますね…。」

 

「ごめん…調子にのっちゃった……。疲れちゃった?」

 

「ううん、大丈夫ですよ!彩さんも冷たかったら言ってくださいね。一応冷たくしないようにはしますけど…」

 

「うん、ありがとう。」

 

「じゃ、背中行きますね。」

 

「っ!ひゃん!///」

 

「!ごっ、ごめんなさい!さっき冷たくしないようにするって言ったのに……」

 

「ううん…大丈夫だよ。続けて塗っちゃってほしいな。」

 

「あ、お尻塗りますけどいいですか?」

 

「うん、いいよ。」

 

「ぴとっ」

 

「ひゃんっ!///あぁぁん///」

 

「えぇっ!?」

 

「ごめん…いきなりで驚いちゃったよね……。」

 

「いっ、いえ!このまま塗りますね!(彩さんってたまに色っぽい声出すんだよね…。セクシーな一面も持ってるんだなぁ…。)」

 

「うん、おねがい。(マッサージみたいで気持ちいい……。)」

 

 

三分後

 

 

「よし!お互いに塗り終わりましたね!」

 

「じゃあ海に入ろっか!」

 

「「せーの!」」

 

 

じゃぶーん

 

 

「プハァ!冷たくて気持ちいい~!」

 

「ですね!あ、僕浮き輪使っていいですか?」

 

「いいよ!じゃあ私押してあげるね!」

 

「よっこいしょ……じゃあおねがいします!」

 

「いくよ~?すいすいすい~!」

 

「キャハハハハハ!楽しい~!」

 

「まだまだ行くよ~!すいすい~!」

 

「アハハハハハハハ!」

 

(いつもしっかりしてる真冬くんだけど……こういう子供っぽい一面もまたかわいいんだよね…。)

 

「アハハハハ!ってうわっ!」

 

「わあ!浮き輪から落ちちゃった!」

 

「ブクブクブク……プハァ!あはは……真っ逆さまに落ちちゃいました……。」

 

「ビックリした~!いきなりだよ~。」

 

「彩さんは大丈夫ですか?僕の足が当たっちゃったり……」

 

「大丈夫だよ。こんなときまで私の心配をして……もうっ!真冬くん大好き~!」

 

「あ、彩さん!?」

 

 

急に抱きつかれたもので焦る真冬。彩の質のいい素肌を顔で感じ取っているためまた顔が最高潮に赤くなっている。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「彩さん、こんなのを持ってきました!」

 

「水鉄砲?」

 

「はい!そこそこ値段が高かったのでこれは期待できますよ。はい、彩さんの!」

 

「ありがと。えーと……ここに水を入れるのかな…?」

 

「隙あり~!」

 

「きゃ!」

 

「えへへ。先制攻撃で撃たせてもらいましたよ、彩さん!」

 

「やったな~?くらえ~!」

 

「うわっ!」

 

「お返しの水鉄砲だよ!まだまだ~!」

 

「キャハハハハハ!僕もやられっぱなしじゃないですよ~!」

 

「あはは!楽し~い!」

 

 

水鉄砲で全力で楽しむ二人。一方二人とは別で海に来ていた"ある男"がその光景を見ていた。

 

 

「あれは…真冬とその彼女さん?だよな、間違いねえ!……チクショウ、夏休みを満喫してやがる……くっそぉぉぉぉぉ!俺も彼女ほしいいいいいいいい!」

 

 

真冬の親友、大胡だ。男友達と来ていてたまたま同じ海で巡り会ってしまった。その悲痛な叫びは誰にも届かなかった。

 

 

「ん?」

 

「真冬くん、どうかした?」

 

「どこからか聞いたことのある声が……」

 

「え?なにそれ怖い……」

 

「まあ気のせいですよね!」

 

「そっか。じゃあ続き!くらえ~!」

 

「キャハハハ!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ちょっとそこのお姉さーん!」

 

「え?彩さんのこと呼んでるのかな?」

 

「ど、どうなんだろ……」

 

「そこのピンク髪のお姉さーん!」

 

「あ、私のことだった……。はい…なんですか?」

 

 

真冬と彩が振り返るとそこには金髪の男が六人揃っていた。ネックレスや入れ墨も見えており、柄が悪いことがうかがえる。二人ともポカンとしていたがそれは次第に恐怖へと変わる。

 

 

「お姉さんきれいだよね~。よかったら俺達と遊んでかない?」

 

「彩さん…これって……」

 

「うん、ナンパだね。」

 

「ここは僕が……」

 

「え?」

 

「あの~、この人は僕の彼女です。悪いですがナンパなら他を当たってくれませんか。」

 

「あのなおちびちゃん。俺らはそこのお姉さんに用があるんだよ。テメエは引っ込んでな。」

 

「引っ込んでなんていられません!人の恋人をナンパして奪おうだなんて……そんなの僕が許さない!」

 

「真冬くん……//」

 

「テメエな……用がねえつってんだろ!これ以上楯突くなら容赦しねえぞ!?あぁ!?」

 

「……」

 

 

真冬の、彩の手を握る手は震えてる。それでも気持ちが先走る真冬が出す結論は一つだった。

 

 

「やってみろ!」

 

「!?」

 

「真冬くん!?」

 

「……ハハハ!そうかいそうかい!なら一発!」

 

 

男は拳を振りかぶって真冬の顔面へと放った。鈍い音と共に拳が真冬の顔面にぶつかる_____直前でその拳が止まった。いや止めたのだ。彩が。

 

 

「な!?」

 

「今……私の彼氏に手を出そうとしたよね。」

 

「!?いだだだだだ!テメエ!なんつう馬鹿力なんだよ!」

 

「もし手を出して怪我でもさせたら……ただじゃおかないよ。絶対に手出しはさせない。」

 

「………」

 

「彩さん……」

 

「……ハハハ、そうかよ。だけど、それは素手だったらの話だろ?」

 

「…どういうこと?」

 

「こういうことだよ。やれ!」

 

「ああっ!」

 

 

真冬の後頭部から鈍く、甲高い音が鳴り響いた。真冬は銀色のパイプの先端だけを目に入れてそのまま意識を手放そうとしたが、朦朧としながらもなんとか耐えている。

 

 

「真冬くん……?真冬くん!?」

 

「あ……あぁ……」

 

「絶対に手出しはさせないとか抜かしてたな!じゃあ後ろからの攻撃はどうなんだよ!あぁ!?」

 

「真冬くん……ごめんね。」

 

「これで分かっただろ?俺らに歯向かうとどうなるかをな!ハハハ…ぶほぉっ!」

 

「……許さない。」

 

 

怒りに任せ、ただただ拳をふりつづける。その彩の姿が真冬には恐怖としか映らない。そして達の悪い男達は逃げていったが、彩の頭の中は焦りと謝罪の気持ちでいっぱいになっていた。

 

 

「彩…さん……僕……」

 

「真冬くん!?大丈夫!?真冬くん!ま……くん……。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

目が覚めると真冬は先程のパラソルの下にいることに気付いた。それと同時に真冬の頭が彩の胸の中にいることにも気付いた。

 

 

「ううん……あれ…?僕…無事だったの……?」

 

「!真冬くん……目が覚めた?」

 

「彩さん……あれ?この包帯は?」

 

「真冬くんをここに運んでから私が手当てしたの。幸い出血してなくて良かった……。その様子だと…脳の方にも影響は無さそうだね。」

 

「ありがとうございます、彩さん。僕のこと助けてもらって……」

 

「ううん、結果的に真冬くんに怪我させちゃったんだもん。お礼はいらないよ。」

 

「それでも……彩さんが手当てしてくれなかったら今頃どうなってたか……彩さんは僕にとっての命の恩人なんです。」

 

「真冬くん……大好き。」

 

「えへへ、彩の胸の中にいると嬉しくなっちゃうんです。彩さんのことが好きだからなのかな……。」

 

「そっか……。帰る前に私の大学の病院に行こっか。真冬くんの頭の検査しとかないとね。私も付き添うよ。」

 

「ありがとうございます。やっぱり彩さんは頼もしいです!」

 

「日もすっかり暮れちゃったし帰ろっか。あ、なんかやり残したことある?」

 

「うーん……いっぱい遊んだし、後悔はないです!」

 

「そっか。立てる?介助してあげるね。」

 

「あ、お願いします。」

 

「せーの、よっこいしょ。」

 

「よっ、と……あれ?」

 

「ん?どうかしたの?」

 

「彩さんのお尻から血が……」

 

「血!?そういえばさっきからなんか痛いと思ったら……」

 

「磯の方に行ったときに多分蟹に挟まれたんですよ。ちょっと待ってくださいね、絆創膏が確か……あった。貼りますね。」

 

「ん、ありがとう。」

 

 

ぷにっ

 

 

「ひゃんっ!//」

 

「あっ!彩さんごめんなさい!触られるの嫌でしたよね…」

 

「ううん、真冬くんならいいんだよ……//」

 

「なんかこっちまで恥ずかしくなってきた……//」

 

「それにしてもよく血が出てるなんて気付いたね。もしかして私のキュートなお尻にずっと釘付けだったのかな~?」

 

「そ、そうじゃないですよ!」

 

「いいんだよ。私のお尻揉みたいんでしょ?」

 

「えっ……//」

 

「すこしだけならね……//」

 

「………はい//」

 

 

結構長い時間触っていた。また一歩大人の階段を上った真冬なのだった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

夕日が差し込んで淡い緋色の空間が出来上がった電車内には人気は全く感じられず、真冬と彩だけが座っていた。華やかさの欠片もないプラトニックな空間で今日のことを振り返っていた。

 

 

「でも彩さん、包帯を巻けるなんてすごいですね。すごくカッコいいですよ!」

 

「真冬くんから誉められると照れちゃうなぁ~。私文系の学部に行ったのになぜか包帯の巻き方を習ったんだよね。でも習っておいて良かった~。」

 

「なんか……最近このままでいいのかなって……」

 

「ん?どういうこと?」

 

「彩さんに守られっぱなしで…甘えっぱなしで……本当にこんなんでいいのかなって……」

 

「うーん……全然そんなこと気にする必要無いと思うけどな~。」

 

「え?どうしてですか?」

 

「いつも勉強頑張ってるけど、あれっていい大学行っていい企業に就職して私を贅沢させたいからなんでしょ?」

 

「えぇっ!?いつ聞いてたんですか!?」

 

「昨日だよ。実家で真冬くんがお父さんとそんな話してたのをたまたま聞いちゃってね……。キュンってしちゃった。」

 

「……//」

 

「守られっぱなしでって言ってるけどそんなこと無いと思うよ。さっきだって体をはって私のこと守ろうとしてくれたじゃん。」

 

「でもあれは……結果的に彩さんに守られてたのであって…」

 

「それだけじゃないよ。」

 

「え?」

 

「無くなった写真の分だけ楽しんじゃえばいいって。あれ言ってくれて私、すごく嬉しかったんだよ?」

 

「………」

 

「あといつもしっかりしてる真冬くんが私に甘えるの結構好きなんだけどな~。ギャップ萌えなのかな?」

 

「それは……」

 

「とにかく!真冬くんだって頼れる彼氏なんだよ。お互い支えあってこそカップルだよ!」

 

「……そうですね!ありがとうございます!」

 

「うんうん。その笑顔こそ真冬くんって感じだよ!というかこの際不安なことを全部吐き出しちゃおうよ!なんかあるかな?」

 

「あ、不安ではないんですけど一つ気になることが………」

 

「ん?」

 

「さっき男が数人僕を襲おうとしたところを彩さんが助けてくれたわけですが……以前にもこんなことがあった気がしてならないんです。」

 

「………え?」

 

「うーん…記憶がなくなる前の話なのかな……。」

 

「そんな……無理して思い出さなくても……」

 

 

思考回路をフルスピードで巡らせてなんとか答えを出そうとする真冬。そしてその行動が予想だにしない結果を招いた。

 

 

「ぐぅっ!」

 

「?」

 

「あああぁ………ぁぁぁアアアア!!」

 

「えっ?真冬くん!?どうしたの!?」

 

「うあああああぁぁぁぁぁ!!」

 

 

突如真冬の脳内のテレビジョンに昔の記憶が次々に写し出されていった。小学校の校舎……そのときの友達……自分の母親……夕暮れの高架下……大勢の取り巻き……手を差しのべるピンク髪の女性……

あまりにも目まぐるしく写し出される情報が収まると同時に思いがけないことが起きた。

 

 

「ハア……ハア……」

 

「真冬くん……?落ち着いた……?」

 

「彩さん……。僕……」

 

「?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「記憶を………取り戻しました。」

 




前編と後編に分けても良かったかな?でもそれだと読者様が飽きちゃうか……

いかがでしたでしょうか。そろそろこの小説もクライマックスです。
読了、ありがとうございました!
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