宇宙戦艦ヤマト外伝 "BLACK BAD BUTCH"   作:箕理 田米李

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「2205」後章も観た(DVD待ち勢)ので書く事にしました。
本話から「デザリアム戦役編の前日譚」ということで「2205」の裏側を前後編に分けて書いていきたいと思います。恐らく自身が書いた中でも最も長い話になったと思いますが、最後までお付き合い頂けたら幸いです。


『デザリアム戦役編』
第6話「新生BBB戦隊の新たなる航海(たびだち)の最中に起こる波乱 Part.1」


無限に広がる大宇宙 この無数の星々の煌めきの中に 様々な生命の営みがある

 

「愛」「希望」「野心」「戦い」それは 地球人類の営みと なんら変わることはない

 

ガトランティス残党を弱体化させる「雷王作戦」が終わって2年の月日が流れた

 

時に西暦2205年 地球は時間断層を捨て復興に向けての再出発 ガミラスはガルマン星への大移住計画と それぞれ新たな一歩を歩み始めていた

 

 

地球圏外縁部

第99特殊戦略戦術機動打撃群(新生BBB戦隊)

旗艦:戦略指揮戦闘空母≪デア・エクス・マキナ≫

 

艦橋

 

多田部「旗艦≪マキナ≫より、新生BBB戦隊に所属する全艦と乗員に達する。諸君らも先程の報せを聞き驚いている事だろうが、今は落ち着いて私の話を聞いて欲しい。

先程、防衛軍司令部から我が艦隊に新たな任務が与えられた。これより我が新生BBB戦隊は現在の新乗員訓練航海を中止し、ガミラス第28移民船団護衛任務に就く。全艦、ワープ準備にかかれ。」

 

西暦2205年、その驚愕の報(しらせ)は突然もたらされた。「ガミラス本星が謎の敵から襲撃を受け消滅」、これをすぐに理解し事実を認め受け取れる脳みそを持ってる人間は地球人にもガミラス人にも居なかった。

こういうのを「青天の霹靂(へきれき)」と言うのだろうと多田部を含む新生BBB戦隊の面々は思うのだったが、今は自分達に与えられた任務に集中すべきと気持ちを切り替える。

 

多田部「ハーガワネン大尉。データ収集が足りないかもしれなくてすまないが、ここで一旦ストップさせてください。」

ミホノラ・ヴラディレタ・ハーガワネン(技術科員/戦略指揮システム「オルケストラ」新任担当オペレーター)「は、はい。了解しました。」

 

新任下士官で戦略指揮システム「オルケストラ」担当オペレーターのミホノラ・ヴラディレタ・ハーガワネンは少しオドつきながらも返事を返して無人艦の制御及び戦闘データを記録していた。

 

多田部「焦らんくていいよ。火星での演習の時よりも練度は良くなったるから。」

ミホノラ「は、はい❗️ありがとうございます❗️」

 

まだ新米だけあってシステムの実戦を想定した訓練操作はまだ不慣れな彼女だが、出航当初よりかは確実に練度が向上しているのは多田部も感じているところであったため「できてきてますから、焦らずでやってください」と声を掛けてやる。

 

ピピーッ❗️ピピーッ❗️(通信の電子音)

 

エドワード・クロンナウア(通信手兼レーダー手交代要員)「艦長、第26戦隊 旗艦≪うらぬす≫からグーーーーーーーーーッモーニング・マキナァーッ‼️が来てますよ。」

ゴルド・ガルシア(操舵手交代要員)「Suprime tu voz americana(声抑えろやアメリカ人)❗️」

多田部「メキシコの言葉が喋りたきゃ、メキシコの艦に乗ってください。言っと来ますがこの艦は艦名は洋だが艦長の私は日本人です。」

ゴルド「そんなにキレんでくださいよ艦長❗️あんたの日本語は⁉️そっちは良くて俺のスペイン語はダメですかッ⁉️」

多田部「この艦は何割が日本人でしたっけ副長⁉️」

金田「6〜7割でしたかと。」

多田部「だってさ、だから日本語喋ってんです。"武器"になるって教えてください。」

金田「"言葉は武器"ですよガルシア操舵手。今は集中を。」

ゴルド「けっ❗️アイサーですよ。」

多田部「気を取り直して繋いでクロッち。」

クロンナウア「あいよ艦長❗️どうぞぉ〜‼️」

 

栗梶と同じ通信手兼レーダー手で交代要員の陽気なアメリカ人 クロンナウアの大声に「耳が痛ぇ❗️」と怒る操舵手の鷹乃目の交代要員のメキシコ人のガルシアが腹を立てて母国語を喋るのを制止させ、クロンナウアは仕事に戻らせてメインパネルに映像を送らせる。先程まで新生BBB戦隊と演習を繰り広げていた地球連邦防衛軍 第26戦隊 旗艦 ドレッドノート級主力航宙戦艦 DBB-261≪うらぬす≫艦長兼戦隊司令の西 麻沙美(にし あさみ)が映し出される。

 

西 麻沙美(映像通信)「多田部殿、我々も貴艦隊に同行するよう命令を承りました。ワープをご一緒させていただきたく思います。」

多田部「それはありがたいです。人助けするに人が多いに越した事はないですからね。」

西「全くその通りです。同盟国ガミラスの危機、これ見捨てれば両国の関係に歪(ひず)みが生ず。ですよ。せっかく仲良くなったんです。この絆、保たなくては損でしょう。」

多田部「ははは、上手い詩です。では参りますか。」

 

両艦長兼司令の話が終わり、両艦隊はワープに突入する。

 

 

オリオン座a(アルファ)星宙域"ベテルギウス"

 

新生BBB戦隊

旗艦:戦略指揮戦闘空母≪デア・エクス・マキナ≫

 

艦橋

 

ガルシア「ワープ終了。」

クロンナウア「現在位置、太陽系から約550光年の位置、オリオン座a星・ベテルギウスです。ベリベリホットヒットハット、フゥッ❗️」

 

オリオン座a星、別名"ベテルギウス"はおおいぬ座の"シリウス"とこいぬ座の"プロキオン"と共に「冬の大三角形」を構成する星の一つとして星に詳しい者達には知られている。遠くから見れば綺麗な三角形を形成する星座だが、近くで見る"ベテルギウス"は太陽の如くメラメラと活発にうごめく恒星だ。

 

ピュイーン❗️ピュイーン❗️(レーダーの反射音)

 

クロンナウア「おっと❗️」

多田部「どうしましたクロロン❓」

クロンナウア「我々の反対側の位置、前方に見える恒星の向こう側に反応ありですよ❗️」

多田部「ウチ(防衛軍)か❓ガミさんか❓警戒艦≪べんてん≫から映像を中継、拡大/鮮明化させてこっちに送るよう言って。」

クロンナウア「サー❗️」

 

≪べんてん≫から送られてきた映像がメインパネルに投影される。そこに映し出されたのは黒を基調として赤いラインの入った円盤状の軍艦で構成された艦隊だった。

 

多田部「あれが、ガミラスを消した艦隊の...❓」

金田「えぇ恐らく。報告にあったのと外見が酷似します。」

手邦(CICからの通信)「それだけじゃないですよ❗️」

多田部「おっと❗️手邦、何か分かったの❓」

 

メインパネルの隅っこに手邦の顔が映し出される。彼は今、艦橋下部のCIC(戦闘指揮所)から通信している。

 

≪マキナ≫CIC(戦闘指揮所)

 

手邦「敵艦隊の放射エネルギーパターンが完全に一致してるんです。我々が使う波動エネルギーとは違う"ドス黒く重い"波長ですよ。」

 

≪マキナ≫艦橋

 

多田部「待った、なんでそこまで分かるんだ❓まだ詳細は分かってないはずだぞ❓」

手邦(CICからの通信)「あぁ、デスラー艦隊の戦闘記録を様々なガミラスのネットワークを経由してハッキングしたんですw.」

多田部「うえぇッ⁉️」

金田「手邦お前という奴は...(呆れ)。」

多田部「まぁこの際良いですか、今は地球もガミラスも混乱してますしハッキングの一つや二つやっても誰も気づかんだろうし敵の情報は必要です。無くて挑んでこっちがおっ死(ち)んだら元も子もないしね。」

 

手邦は技術屋であると同時にハッカーとしての能力も高くこの手の事は朝飯前どころではないチョチョイのチョイと松茸なのだ。本来なら軍関係のハッキングは処罰される案件だろうが、「こんな状況だから臨機応変にしましたって言えば良いだろう」と多田部はそう言って手邦を咎める事はせずで済ませた。

 

金田「それにしてもマゼラン星系のみならずこんな地球圏の近くまで来ているとは...敵の勢力は我々の想像していたよりも広いのかもしれませんな。」

多田部「そうですね、何しに来たのか偵察か❓」

金田「でしたら下手に手を出して戦闘をする必要はありませんな。ガミラス移民船団護衛に向かうのに貴重な時間をロスするわけには。」

手邦(CICからの通信)「いえ、そうはいかないかもですよ。」

 

そう言うと手邦は艦橋のディスプレイのサブパネルに何かのデータを転送する。

 

多田部「これは❓」

手邦(映像通信)「恒星と敵艦隊近くに大きなエネルギー反応があるんですが、このエネルギー体に向かって恒星の持つエネルギーが引き寄せられていってるんです。」

多田部「えっと、つまり...それはエネルギー吸収装置か何かって事か❓」

手邦(映像通信)「はい、恐らくは。だとしたら大変な事ですよ。

仮にこのままエネルギーを吸い出され続けると、あの恒星は何万年も早く超新星化してしまいます。それもただの超新星爆発じゃありません。"ハイパー・ノヴァ"です。」

多田部「ハイパー・ノヴァ❓」

ミホノラ「確か20世紀の終盤に初めて観測されて定義された星の爆発...でしたよね❓」

多田部「おぉ、詳しいね。グリフィンドールに10点❗️」

ミホノラ「あ、ありがとうございます❓(困惑)」

多田部「あぁ、手邦お話続けてちょうだい。」

手邦(映像通信)「はい。通常恒星は寿命が尽きると超新星爆発を起こして星間ガスへと還ります。

しかし、太陽の30倍以上の大きさを持つ恒星は爆発すれば桁違いの被害を周囲にもたらすことが分かったんです。それが"超・超新星爆発"ことハイパー・ノヴァです。

天文学者の計算によれば地球から3000光年以内でハイパー・ノヴァが起こった場合、地球は壊滅的な被害を被る事になるという結果が出たんです。

ベテルギウスの場合は地球からは経ったの500光年くらいしか離れていません。直径が太陽の500倍以上で、比重が軽いですが質量比でも優に数十倍はあります。

すなわち、ベテルギウスはハイパー・ノヴァを充分に起こし得る超巨星なんです。」

多田部「❗️なんてこったでパンナコッタだな❗️」

持月アンナ(新任砲術長)「でも艦長、要はそいつららをぶっ倒せばそのはいぱー・のゔぁ❓ってのは起きないんでしょ❓だったらやっちゃいましょうよ❗️」

高佐田「おい❗️簡単に言うな❗️艦長へのタメ語も慎め❗️ったく、なんで砲術長関連は血の気の多いやつばかりなんだよ。」

多田部「フフ、良いよ戦術長。持月の言う事も一理ある。だけど不用意に仕掛けちゃダメよ。」

持月「ちぇ〜。」

 

長々と会話が続いたが、要するに「ベテルギウスがエネルギー吸い込まれ続けていくとハイパー・ノヴァばばんばんが起きて約550年後の地球がべーからどげんかせんといかん」という事である。「じゃあ、ピンチはパンチでねじ伏せる❗️(セリフ/演技指導 川上 姫路(かわかみ ひめじ)←誰ヤネーン❗️)で行けば良くね❓とハーガワネン大尉と同期の新任砲術長の持月が言うのだが、「それも悪くないけど慎重にね❓」と多田部は却下する。

そこで多田部はこの見過ごす事ができない危機をどう対処してしんぜようかと頭を回転させる。

 

多田部「・・・・・クロ助、無駄かもしれんけど敵艦隊に忠告文を打って貰えますか❓」

クロンナウア「え❓構いませんが...。」

金田「何をお考えで艦長❓」

多田部「宣戦布告もしてないししてきてない相手をいきなり奇襲したらアレだからね。一応ポーズ取りをしてやるんです。」

金田「なるほど、だいじな事ですな。」

多田部「ハーガワネン大尉。」

ミホノラ「は、はい❗️」

多田部「実戦における君の初仕事が遂にやってきたようですわいえ。新型も含む無人艦達で良いメロディを奏でてほしい。頼めますか❓」

ミホノラ「わ、私に任せると言うんですか⁉️」

多田部「これまでの訓練で君の資質は計れた。手邦にだって負けない"識者"だってね。だいじょぶだいじょぶ、君をサポートする人員はたくさんいる。思う存分やってくれ。さぁ復唱して。」

ミホノラ「りょ、了解しました❗️ハーガワネン、無人艦隊指揮の任を承ります‼️」

 

そう言うとハーガワネンは早速準備を始める。彼女だけだなく今回操作する無人艦の中には「戦略指揮艦操作対応の新型無人艦」が2種にとっても初陣である。「大丈夫、訓練はやってきた。やれる❗️私ならやれるはず❗️」と自分に言い聞かせて事に挑もうとしていた。

 

多田部「では、とりま頑張って始めていきまっしょい❗️」

 

 

デザリアム

第XXⅣ師団 第Ⅰ旅団

 

プレアデス級艦隊指揮型戦艦

≪エルダータ≫

 

艦橋

 

通信手「突如宙域に現れた謎の艦隊より電文を受信。言語解析開始。完了まであと65メラ(地球の単位でいう「秒」)。」

デザリアム側の旗艦 エルダータは新生BBB戦隊から送信された電文を解析し始める。

 

旅団長「うむ、続けろ。」

 

同師団の旅団長の役職を持つデザリアム人の男が解析を続けるよう言う。無視するかと思ったが、意外に聞く気はあるようである。

 

オペレーター「プラント稼働32パセラー(地球の単位で言う「%」)に到達。熱核エネルギーから暗黒物質"ウラリウム"へのエネルギー変換は順調。」 

旅団長「これだけエネルギー変換効率の良い恒星は久しぶりだな。わざわざこんな時空間のこんな辺境に出向いた甲斐があったというものだ。

後はメルダーズ閣下と麾下のデーダー司令の第Ⅰ艦隊が"忌むべき星"イスカンダルを略取すれば、我ら「デザリアム千年の夢」の実現に大きく近づく。」

通信手「電文の言語解析完了です。旅団長。」

旅団長「読み上げよ。」

通信手「「貴艦隊は星系の平穏を脅かしている。採掘を続行すればハイパー・ノヴァの可能性が大。

即時エネルギー採掘作業の中止することを求む。尚、武力を以て貴艦隊を排除することはこちらの本望にあらず。熟慮されたし。」以上です。」

旅団長「ふ、舐められたものよ。我らデザリアムの調律に示された行動に水を差すつもりらしい。ククク...面白い採掘任務ばかりやらされていたからな。退屈しのぎに少し遊んでやろう。我らデザリアムの力を以て制してやればその舐めた口と態度を改めよう。レーダー妨害開始❗️」

 

 

新生BBB戦隊

旗艦≪デア・エクス・マキナ≫

 

艦橋

 

クロンナウア「わぉッ❗️艦長❗️敵さんジャミングをジャラジャラさせてきましたよ‼️」

金田「どうやらこれがあちらの出した"答え"のようですな。」

多田部「まぁ警告を素直にうんうんはいはいカクカクシカジカ聞くような相手じゃないのは分かりきってましたけど、まぁとりあえず体裁は整えたワケだからこれで容赦なくやっていいって向こうが言った様なものですし。きっと向こうは自信過剰も甚(はなはだ)しい態度して私達のこと笑ってんだ。そうでしょ大尉❓」

ミホノラ「えっ⁉️そ、そうなんでしょうかね〜(汗)。」

 

急に話を振られて動揺して答えるミホノラ。彼女自身はこういう話の振りに慣れてない。

 

多田部「そうだよ大尉。笑ってやがんだよデザリアムという奴らはさ。ガミラスの星と臣民の皆さんを消し飛ばしてさぞ気持ちがいいこったろうなしてやがんだよしてるぅ〜。つまり向こうは腐ったゴ○ブリ野郎だ❗️ゴ○ブリが目の前に出てきたらどうする大尉❓」

ミホノラ「え〜っと、雑誌か何かを使って叩き殺します。ですかね❓」

多田部「そっか君はそっち派か、それも方法だが違う❗️答えは踏み殺すだろぉッ⁉️今から君の方法でそれを殺っちまえよ殺れ❗️してくださいな。」

ミホノラ「りょ、了解しましたサー(この人怖い...汗)」

金田「はい、全艦の配置完了しています。」

多田部「クロッポ❗️全艦戦闘開始だ❗️戦術WS発動‼️」

 

第26戦隊

旗艦:主力戦艦≪うらぬす≫

艦橋

 

通信手「≪マキナ≫より作戦開始の合図来ました❗️」

西「よし❗️いよいよ合戦だ。皆、敵の懐(ふところ)へいざ吶喊(とっかん)だ‼️」

艦橋クルー全員「おぉーッ‼️」

 

マキナからの作戦開始の合図を受け、第26戦隊は新生BBB戦隊から離れていく。これから彼らの大立ち回り大暴れ祭りが始まるのだ。

一方のデザリアム 第XXⅣ師団側の旅団長は余裕綽々(よゆうしゃくしゃく)の表情で迎撃体制を整えていたのだが、それを突き崩すかの如くそれは突然やってきた。

第XXⅣ師団上方より第26戦隊旗艦≪うらぬす≫が戦隊の僚艦を引き連れワープアウトし急降下して襲い掛かってきたのだ。

 

第26戦隊

旗艦 主力戦艦≪うらぬす≫

艦橋

 

西「吶喊❗️吶喊❗️吶喊❗️すれ違い様にばら撒くだけ弾をばら撒けッ‼️」

 

同戦隊所属 ガーランド級巡洋艦 CLS-262≪しちは≫

艦橋

 

艦長:玉田 円(たまだ まどか)「魚雷全力投射❗️1発も撃ち漏らすなよ‼️」

 

同戦隊 同級 CAS-263≪きゅちは≫

艦橋

 

艦長:細見 亜深(ほそみ あみ)「細見隊も遅れを取るなッ‼️」

 

同戦隊 ハヴォック級駆逐艦 DDS-269 ≪はご≫

艦橋

 

艦長:福田 直美(ふくだ なおみ)「先輩方に続くであります❗️前進前進‼️」

 

そう言ってショックカノン、魚雷、パルスレーザーを四方八方にばら撒き撃ちする。突然の出来事でデザリアム側は「修正」という単語を用いて冷静に対処しようとする。旅団長も「まぐれだ。それにまだ対処可能だ。」と先手を撃たれた事に若干動揺(❓)してんのかしてないのか分かんないや❗️←それで済むかッ‼️(怒)ベシッ!だけどもだっけどで指揮に戻る。

だが、ワープアウトはそれだけに止まらず前後に左右に斜めとありとあらゆる方向から次々にお出まししてきた。その中には「時間断層が生み出した異端児」とも言える艦の姿もあった。

 

アンドロメダ改級強襲型突撃戦艦

ABBAS-6≪アマテラス≫

 

艦橋

艦長:天伝雷 諏訪(あまでら すわ)「アッハハハハハハッ❗️これよこの感覚ぅ❗️ガトランティス戦役以来よぉ❗️ゾクゾクしてイッちゃいそう‼️

私の愛する主様は私の扱い方を誰よりも知っているわぁッ‼️アッハハハハハハ‼️」

 

発狂な狂喜乱舞(きょうきらんぶ)をしているのは先の戦役で中破するも回収され、改装の上で新生BBB戦隊に配属されたアンドロメダ級6番艦≪アマテラス≫艦長の天伝雷だ。

新生BBB戦隊司令の多田部を「主様(あるじさま)」と呼び絶対の信頼と忠誠を誓う和風美女。年齢経歴共に不明で、「アマテラスの魂が人の形を得たのでは❓」という荒唐無稽(こうとうむけい)な話もある。

≪アマテラス≫は全十門の主砲を全方位に向け無数にばら撒いていき、その牙にデザリアムの艦艇は次々と火球と化す。

 

レーダー手兼通信手「前方に敵艦ッ❗️」

アマテラス「アマテラスが通るのよ❗️おどきなさいッ‼️」

 

レーダー手兼通信手がそう叫ぶ間もなく天伝雷はアマテラスの衝角(ラム)に波動防壁を纏い敵艦に体当たりして粉砕しいく。これもアマテラス本来の運用法だ。そんなアマテラスの後続にはBBB級と無人型ハヴォック級、そしてBBB級とクラスDそれぞれをベースにし、より「戦略指揮艦の制御に適した無人戦闘艦」であるハンマーヘッド級≪ハンマーヘッドⅠ~Ⅲ≫とデリンジャー級≪デリンジャーⅠ~Ⅲ≫がハーガワネン大尉の指揮制御の下に全方位火力投射を行っていき更に被害が拡大していくデザリアム側。

正確無比なワープに「ジャミングしてるのになぜ⁉️」と思っている旅団長だが、このデザリアム的に言う「ノイズ」の正体はまだ掴めてない。

ではその「ノイズ」側に場所と話を移そうか読者諸君。

 

新生BBB戦隊とデザリアム第XXⅣ師団それぞれの立ち位置の中間の宙域で僅かにデザリアム寄りな所

 

新生BBB戦隊所属

パスファインダー級早期警戒航宙軽巡洋艦

CLRS-10≪べんてん≫

艦橋

 

通信手兼レーダー手「戦術WSは順調。宙域観測データを≪ラジエル≫に転送します。」

戦術長「いいな〜、あたしらもド派手にドンパチしたいですよ〜。ねぇ〜艦長〜❓」

 

艦長:宗谷 知冴(むなたに ちさ)「そういうなら司令に言えよ。今のあたしらの位置情報のデータ収集だ。大人しく飯食っとけ。」

 

戦術長「は〜い。」

 

同宙域 同所属 同級 CLRS-169≪エゾーケン≫

艦橋

 

艦長:浅草 さいり「いや〜、にしても派手に撹乱してるね〜金森君(双眼鏡で様子を見ながら)。」

 

副長:金森 むつみ「落ち着いてるように見えますが、敵さんも慌ててると見えます。"瞬間物質移送機の戦術の真似事"ですが、司令もやりますね。」

 

戦術長:水崎 みさと「え❓それどういう事なの金森さん❓」

 

パトロール艦≪エゾーケン≫の艦長の浅草、副長の金森、戦術長の水崎が会話しつつ観測と観戦をしている。金森の意見に対し水崎は質問する。

 

金森「司令は敵への通告文を送り相手がそれを読んでる間に我々に敵艦隊の状況とその周辺のデータを観測するよう言いました。

つまりは司令は初めから敵が通告文をガン無視することを見越してジャミングされる前にこの戦術を展開する下準備を整えたいたというワケです。」

水崎「なるほど、予めデータ取っとけばジャミングしても意味ないね。すごいじゃんウチの司令❗️」

浅草「うむ、中々に参考になる人物だ。よし❗️後で司令をモデルにした人物の設定を書こう❗️」

金森「その前にちゃんと今の仕事してくださいよ。」

 

同宙域 同所属

ドレッドノート改級早期警戒管制艦

DPR-213≪ラジエル≫(旧 ラボラトリー・エピメテウス)

艦橋

 

オペレーター「≪ペネムエル≫≪べんてん≫≪エゾーケン≫≪ダンタリオン≫から観測データ受領。最適ワープ座標位置の計算、「E.R.I.K.A」に送ります。」

 

新生BBB戦隊所属の全ての警戒担当艦が送ってきたデータを集めているのはドレッドノート改級早期警戒管制艦の≪ラジエル≫だ。

 

艦長:本城 ヒトミ「あぁ〜おつかれ〜。ちゃちゃっと計算よろぴくね"エリカたん"。」

 

≪ラジエル≫は表向きは早期警戒管制艦であるが高度情報処理特化型AI「E.R.I.K.A」を搭載した解析艦であり、かつて時間断層の制御を担当していた≪ラボラトリー・エピメテウス≫なのだ。艦長である本城はエピメテウス時代からの艦長で時間断層でAIの研究を波動実験艦≪銀河≫とは違うアプローチで行っていた。時間断層破棄後は艦共々職を失ってしまったが、新生BBB戦隊にスカウトされ今に至る。

「戦術WS」、"ワープ・スポッター"はパトロール艦複数隻を展開して特定宙域を観測。そのデータを高度な分析AI搭載の警戒艦兼解析艦≪ラジエル≫が宙域データを精査し攻撃を仕掛ける艦に最適なワープ位置を提示するというもので「雷王作戦」で見せた「戦術DE(デストロイヤー・エクスプレス)」とは異なるがこれもガミラスの「瞬間物質移送機による奇襲戦術」の地球版と言える戦術だ。

 

新生BBB戦隊

旗艦≪マキナ≫

艦橋

 

クロンナウア「敵艦隊混乱中❗️まるで株価が大暴落した時のウォール街みたいですよ‼️」

多田部「とりま成功だね。大尉、よくやりましたね。アマテラスも背中を預けてるという事は安心して信頼してるって事だと思うよ。引き続きそのままよろしく。」

ミホノラ「は、はい❗️ありがとうございます‼️」

金田「まもなく第2群が陽動に入ります。」

多田部「よしよし、思いっきし引きつけてもらいましょう。もう一隻の元"時の住人"にも伝えて。そろそろ出番でっせと。」

 

新生BBB戦隊 第2群

旗艦:アンドロメダ改Ⅱ級超弩級戦略指揮航宙戦艦 ABBSC-49≪ネメシス≫

艦橋

 

艦長:冬月 元夢(ふゆつき もとむ)「やれやれ私の様な老人の出番は無いかと思ったが、ここで来たか。では派手に行くとしよう。」

 

ガトランティス戦役後に新生BBB戦隊は増強され第2群(第2艦隊)を編成するまでに至った。その旗艦を務めるのがアンドロメダ改Ⅱ級の≪ネメシス≫だ。新生BBB戦隊旗艦≪デア・エクス・マキナ≫と同様、次世代艦のテストベッドの任を帯びたアンドロメダ級の改良型である。

艦長は冬月 元夢。まもなく還暦を迎える自身を「老人」と揶揄(やゆ)しているが、年相応の落ち着きがある為信用され第2群の司令も務めている。今回の陽動も彼のその冷静かつ敵に悟られぬよう指揮できるという点から選ばれたのだ。

 

デザリアム

第XXⅣ師団

旗艦≪エルダータ≫

艦橋

 

レーダー手「我が方の被害拡大中。敵艦隊に新たな動きあり、我が方の正面からワープアウトしてきました。」

旅団長「ぐぬぬ...トドメを刺しに来たという訳か。小癪(こしゃく)な❗️返り討ちにしろ‼️」

 

旅団長は感情に流されそれが陽動だとも知らず新生BBB戦隊第2群に艦隊を向けてしまう。まず正面から撃ち合いしゆっくりと右舷を晒して全砲門を向けて撃ちつつ第XXⅣ師団をエネルギープラントから引き剥がしていく。そして...。

 

レーダー手「我が方の後方に新たなワープアウト反応検知、隻数3。」

旅団長「なに⁉️たったの3隻だとッ⁉️」

 

デザリアム 第XXⅣ師団後方より現れたのは新生BBB戦隊所属の3隻のクラスD。2隻は通常の戦艦型≪ディアボロス≫と≪ダエーワ≫だが、その二艦をワープブースターにして挟まれるように間にいる一隻は黒とオレンジと縞模様(ストライプ)の塗装が施された特異な艦であった。

 

ドレッドノート改級早期警戒管制艦

DPR-963≪ザフキエル≫(旧ラボラトリー・プロメテウス)

艦橋

 

艦長:刻崎 アサミ「きっひひひ❗️ダァァァメですわよ後方の警戒を疎かにしては、そのエネルギー変換装置とやらがガラ空きではありませんの‼️」

 

独特な笑い声を発しながら艦長の刻崎は「やっと出番が回ったきましたわ❗️」と嬉しそうな笑みを浮かべる。

彼女が指揮する≪ザフキエル≫はかつて「時間断層の番人」と呼ばれた制御艦≪ラボラトリー・プロメテウス≫その艦である。先程紹介した≪ラジエル≫こと旧≪ラボラトリー・エピメテウス≫と同じく時間断層の消失により職を失った所を新生BBB戦隊のスカウトを受けその艦体を黒く染めた。

艦長 刻崎アサミは波動実験艦≪銀河≫艦長の藤堂早紀(とうどう さき)から引き継ぎ《ラボラトリー・プロメテウス》の艦長に就任し時間断層の制御の任を引き継いだが、「有意義な場所であり、退屈な場所だった」とどこか矛盾した言動を取っているもよう。

 

刻崎「さぁ、始めますわよ❗️時空逆行弾<バイツァ・ダスト>、発射ですわ。」

 

第二主砲塔基部の両舷にある多目的ランチャーの右舷一門からミサイルが1発発射される。放たれたそれは弾頭を開き灰色っぽい空間を展開させる。そして少し時間が経過すると、デザリアムが設置したエネルギープラントがゆっくりとその姿を消していく。

 

デザリアム

第XXⅣ師団

艦隊指揮型戦艦<エルダータ≫

艦橋

 

旅団長「な、何が起きたッ⁉️」

オペレーター「エネルギープラントが消失、反応ゼロ。」

 

突然の事に驚きを隠せない旅団長。「なぜプラントが消えたのか❓」思考を巡らせても答えが出ない。後方の敵艦から何かが発射されたのは確認していたが、それが発射されて数秒後にプラントの反応が消えた。無関係とは思えなかった。

 

旅団長「消えた...❓いや、"消し去った"、というのか⁉️」

 

クラスD改級早期警戒艦≪ザフキエル≫

艦橋

 

刻崎「きひひひ❗️違いますわよ。"時間を戻して無かった事にした"だけですわ。」

 

時間断層での任務をこなしつつ彼女はある研究をしていた。「時空研究」だ。

「通常空間よりも10倍の速度で時間が経過するという特異な空間である時間断層の特性を何か別の方法で使えないか❓」という発想の元に生み出されたのが先程使用した「時空逆行弾」通称<バイツァ・ダスト>の様な「時空兵器」だ。空間を漂う「タキオニウム=「時流」とも言う。時の流れを司る物質」を縮退してエネルギーを抽出し生み出されたこの兵器はその名の通り「時空間に影響をもたらす兵器」だ。例えばこの逆行弾では「展開した空間の時間を戻す」という作用を持つ物で、時間を長く調整すればただ戻すだけでなく「存在そのものを無かった事にする」という恐ろしい代物なのだ。この逆行弾だけでなく他にも数種類の時空弾が存在するらしい。

 

刻崎「ではデザリアムの皆さん。これにて失礼、ごきげんよう。」

 

デザリアム 第XXⅣ師団

艦隊指揮型戦艦≪エルダータ≫

艦橋

 

レーダー手「敵艦ワープで離脱したもよう。」

オペレーター「艦隊損耗率68パセラーです。」

旅団長「バ、バカな❗️我々の戦力とプラントをこうも容易く...⁉️」

 

プラントの消失を確認しザフキエルはワープブースターとなっている2隻のクラスDを使ってワープして戦線から離脱した。最重要防衛目標であったエネルギープラントが消失し驚きと悔しさを禁じ得ないデザリアム第XXⅣ師団。もはや早くこの宙域から撤退すべきであろうが、徹底抗戦の姿勢を取るべきが悩んでいる時だった。

 

通信手「ッ❗️旅団長、敵艦隊旗艦から通信。」

旅団長「なに⁉️降伏でもしろと言うのか⁉️」

通信手「「そちらの優先防御目標は消滅した。これ以上の戦闘はこちらの望むところではない。直ちに現宙域より退避されたし。

追伸:また次に来て性懲りも無く同じ事をした時は大穴が空く事になる。それは貴艦か中の乗員かもしれない。」以上です。」

 

降伏の勧めではなかったものの、屈辱的な物言いであった。だが、守るべき物も既になくここでイタズラに戦力を消耗させるのは賢明な判断ではないのも事実であった。数刻の考える間を持ち、旅団長は命じる。

 

旅団長「... ... 全艦に通達せよ。」

 

 

新生BBB戦隊

旗艦≪マキナ≫

艦橋

 

クロンナウア「ッ❗️敵さんワープで撤退を開始したもよう。」

多田部「退いてくれましたか、艦隊全艦に通達。攻撃中止、逃げる奴は逃してやって。」

ミホノラ「ッ⁉️あの...艦長❓」

多田部「どうしました大尉❓」

ミホノラ「追わなくてよろしいんですか❓」

持月「そうだぜ、アタシ結局一発も撃ってねぇんだぜ❗️」

高佐田「お前はただ撃ちたいだけだろうが❗️」

 

ハーガワネンと持月は「ここまで来てみすみす敵を見逃すとは、ましてやガミラスを容赦なく消し飛ばした相手を」と思うのは無理なかった。

 

多田部「あぁいいよいいよ。ハイパー・ノヴァを起こす要因を消すのが目的だったんだ。別に殲滅なんかしなくて良いんだよ。

それに向かうさんあれ以上戦ってたらさらに戦力を消耗していたし、こちらの意志と実力を充分に伝わったろう。敵が思ったよりお利口さんで助かったわ。殲滅しちゃったら相手に伝わらないしね。」

ミホノラ「はぁ...理由は分かりましたが、体制を立て直して再戦を挑んでくる可能性も。」

多田部「そうだな〜、じゃあこうが良かったかな〜❓「3つ数える間に俺たちの前から消えろ❗️この引っ越し中の相手しか殺れない下○太郎がッ❗️テメェらみたいな腰抜けの真っ黒○スケにもう用はねぇ❗️とっとと出て失せろッ‼️(※一人芝居中)」って言い放って逃げる相手に向かって笑いながらショックカノンを乱射した挙句に「血だらけのメリークリスマスだ❗️良い年が来るゼェ‼️」と吐き捨てる。そんなのお望みだった大尉❓」

ミホノラ「い、いえ...そこまで私は...(汗)」

 

多田部のエキセントリックで情け容赦ない一人語りに困惑するハーガワネン。

多田部が「エキセントリック」と言われる所以(ゆえん)の一つである「タクロー節」が今日も快調に炸裂している。

 

多田部「なんてね、冗談だよ冗談。マジでマイケルかトーセンなジョーダンだからさ。君から「相手を逃さずもっと叩くべきだった」って言う好戦的な意見が出るとは思ってなかったから驚いたんだよ。」

ミホノラ「は、はぁ...。」

多田部「確かに戻って来て「レッツ・再見(ツァイツェン:中国語で「また会おう」という意味)❗️」だのなんだの言ってやってくる事もあるだろうけど、その時はその時だ。また返り討ちにしてやれば良い。大切なのは相手を必要以上に追い詰めて"死に物狂い"にさせない事なんだ。そうなった相手は何をしでかすか分かったもんじゃないからね。

新生BBB戦隊(うち)は"殺し合い"はやらないの、やるとしたら"一方的な殺し"だ。捨て身の突撃が必要な場合もあるだろうけどそれは訓練に訓練を重ねたテクニックで覚えた時にしかやっちゃダメだ。あぁこれ全部自分のかつての上官の受け売りなんだけどね。

それにこれ以上戦闘して本来の任務である移民船団護衛で貴重な戦力を消費するのは得策じゃない。向こうで補給が確実に受け取れるという保証はないからね。」

ミホノラ「ッ❗️」

 

多田部はハーガワネンになぜ追撃しないのかを説明する。先程のエキセントリックなタクロー節と打って変わって真剣でしっかりとした戦略/戦術眼にいつしか言い返す言葉を失っていた。

 

多田部「というわけです。もちづっきーも聞き分けてくださいな。大丈夫大丈夫またまた撃つ機会くらいあるでしょうよなんて。」

持月「ちぇ〜、分かったよ艦長。」

西(映像通信)「多田部殿。」

多田部「あぁ、西艦長。作戦ご苦労でした。」

 

作戦を終えた第26戦隊の西から映像通信が入る。

 

西(映像通信)「いえいえなんの。本来の我々の本領を発揮できる一撃離脱戦法をさせていただいて大満足でありますとも❗️」

多田部「艦隊の損害はどうですか❓」

西(映像通信)「戦没艦は0でしたが、少なからぬ損傷と弾薬の欠乏でどうやら我々はこれまでの様です。」

多田部「そうですか、ここでお別れとは残念です。」

西(映像通信)「こちらもです。貴艦隊の任務成功を祈ります❗️」

多田部「こちらこそ、無事な帰還を。」

 

そう言って二人は敬礼して通信を終えた。

 

多田部「では本来の任務に戻りましょう。針路再設定❗️」

金田「アイアイサー❗️針路再設定❗️」

 

第26戦隊

旗艦 主力戦艦≪うらぬす≫

艦橋

 

西「艦隊、針路変更❗️地球へ帰還する❗️」

 

多田部と西がそれぞれそう言うと各々の艦隊は針路を変え第26戦隊は反転し地球への帰路に、新生BBB戦隊は再びガミラス移民船団護衛任務に向け船足を上げるのだった。

 

銀河方面 某所

デザリアム 第XXⅣ師団

≪???≫

艦橋

 

師団長:???「バカ者ッ❗️それでノコノコと逃げ帰ってきおったのかッ⁉️」

 

銀河のとある場所でデザリアム 第XXⅣ師団の師団長と思われる気の強い女性の上官にお叱りを受け苦い顔をしてそれを聞いている旅団長の姿があった。

 

副師団長:???「まぁ本来ならか〜な〜り〜の厳しい罰が下される所なんだけど、戦力を保持して撤退を選んだのは結果だけど良かったんじゃないかな〜❓」

師団長:???「ふんッ❗️しょせん"無知"な男のやる事、相手のやり口にハマり後手に回ってしまっているのでは話にならん‼️」

 

少し幼さのある声と話し方で副師団長(こちらも女性)は旅団長の失敗をフォローするが、師団長のお怒りは鎮まらず叱責も止まないようだ。

 

師団長:???「まぁ、プラントを失ったのは痛いがその後の戦闘で戦力の消費をさせなかったその判断は認めてやるとしよう。」

旅団長「ははぁ❗️恐縮であります❗️」

師団長:???「して、お前が相手をしたのは黒い艦隊だと言ったな❓」

旅団長「はっ❗️こちらでございます...。」

 

旅団長から送られてきた映像を端末で確認する師団長は様々なアングルで撮られたその艦隊の画像を見て眉間にシワを寄せる。

 

副師団長:???「どうしたの〜、そんなに眉間にシワ寄せちゃって❓」

師団長:???「いや、メルダーズ閣下とデーダー司令も"大喪失"に類する存在にイスカンダル略取作戦の妨害を受けたと先程報告があった。恐らくは旅団長が遭遇したこの艦隊も同じ存在だろう。」

 

不思議そうにする副師団長にも画像を飛ばして見せる師団長。

 

副師団長:???「へぇ〜、私達と同じく真っ黒い艦だね〜。」

師団長:???「(イスカンダルでの事と言いこの邂逅は記録になかった筈...。彼らは何者だ❓それにこの艦隊色、なぜ我らデザリアムと同じ色をしているのだ❓この時空間には"まだ"我々は存在していない筈だが...。)」

 

師団長は難しく考え込む。「記録に存在しない者たちとの邂逅」をした事に。デザリアムの言う「大喪失」のせいで彼らの事は分からない事だらけであった。

 

師団長:???「とりあえずお前の処分については後で報告する。今は下がれ。」

旅団長「はっ❗️」

 

これ以上考え込み過ぎても答えは出ないのでしょうがないと思い、とりあえず旅団長の処分は後にして下がらせる師団長。

 

副師団長:???「でどうするの〜❓またプラント置きに行く❓」

師団長:???「いや。アレは意外と高価な代物だ。上もおいそれと出せる代物でもない。かといってデザリアム・ハンマーも使えん。あれは死にゆく星にこそ効果を発揮する物で恒星には使えん。

それに旅団の戦力の立て直しが先だ。現地にもう敵がいないという保証もない。あの恒星からエネルギーが取れないのは惜しいが、なにこの時空間にはまだまだ抽出しがいのある星などいくらでもある。修正は容易だ、焦ることもないだろう。

(この黒い艦隊...旅団長が油断していた事もあったが、ほぼ一方的にこちらに攻撃を加えて向こうはほぼ無傷。いや完封勝ちと言っても差し支えない戦果だ。それにエネルギープラントの無力化をした後はこちらを追撃せず「退去せよ」との通告をした。ふっ「不用意な殺生を好まぬ」ということか。面白い敵だ。この艦隊にはまた相見える予感がするな。)」

副師団長:???「どうしたの❓どうしたの❓師団長が笑みを浮かべるなんて久しぶりだね〜❓」

師団長:???「いやなに、興味深い相手だと思っただけだ。それに、我らデザリアムを差し置いて黒づくめをしているとは生意気な奴だともな。

今度出会った時には教えてやろう。「宇宙に黒い艦隊は二つもいらん❗️」とな。」

 

デザリアム 第XXⅣ師団 師団長は厳ついながらもどこか楽しそうな笑みも微かに浮かべて新生BBB戦隊との再戦を願うのだった。




まずは読了ありがとうお疲れ様でした。15,000字越えという過去最大の文字数と新旧ゲームのヤマトのみならず「86/エイティシックス」「ウマ娘」「声優」「史実」「ガルパン」「グッドモーニング・ベトナム」「フューリー 」「ジブリ」「ジョジョ」「ハリー・ポッター」「けものフレンズ」「小島よしお」「チャーリーとチョコレート工場」「プラトーン」「ホーム・アローン2」「スパイダーマン(東映版)」「暴走特急」「よしもと新喜劇」「政治家」「遊戯王ZEXAL」「艦これ」「ハイスクール・フリート」「ガンダム0083」「映像研には手を出すな!」「デート・ア・ライブ」「エヴァ」「ガンダム00」「空母いぶき」「沈黙の艦隊」「日常」「ヨルムンガンド」「クイーン・エメラルダス(OVA版)」「美味しんぼ」など名前やセリフにフレーズ、表現に至るまでのありとあらゆるネタを片っ端からぶっ込みました。皆さんはどれだけ分かりましたか❓
本話は「2205」の裏側で起きた新生BBB戦隊(とお付きの第26戦隊)とデザリアム 第XXⅣ師団との戦いを描きました。ガミラス第28移民船団護衛に向かう道中で遭遇戦でペテルギウスが爆発したらヤバイのでそれを阻止する戦いでした。元ネタはps2「イスカンダルへの追憶」です。
新キャラ、新メカを「これでもか❗️」と自分で言うのもあれですが「正義の大盤振る舞い❗️(これも遊戯王ZEXALネタ、因みに余談ですが私は「遊戯王DM」〜「5D"s」まで世代ですが、「ARC-Ⅴ」まで観てた人です。)したので一応解説はいれましたが、長くなるのでちょこっとしか紹介してないのもあるのでそこはまた今後の話で描写を入れたり解説文で紹介したりするので御了承くださいますようお願いします 
デザリアム側の描写は「ps2」版のを元に「2205」の設定や雰囲気を取り入れて描きました。最後の方に出てきた師団長は中々に有能そうな方のようです。それこそps2版に出てきたミヨーズみたいな。しかも旧作にも現時点でのリメイク版にも出ていない女性士官とは、「デザリアム戦役編」本編での登場でその正体が明らかになるのか⁉️
今回出てきた新生BBB戦隊の新艦艇≪ネメシス≫≪ザフキエル≫≪ラジエル≫は模型の方で鋭意製作中なので気長にお待ちくださいますようお願いします。
次回はガミラス移民船団護衛作戦の回となります。また間が空きますが、それまでTwitterで模型や考察等のつぶやきで世界観を語ったらしてくのでそれもよろしくです。ではまたバイビーなの〜(「のんのんびより」のれんちょん風)。

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