ボーダーは変わり者と人が多い所だから僕を見つけてくれて、友達になってくれそうだという理由で入りました。後悔はしてません。   作:ガイドライン

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どうも。
もう5月に、GWに入りますね。ってか、入った人もいるか。
…………いいな〜〜!!!!

………ということで、どうぞ。





1月8日②

「本当にごめんなさい。

壊した壁の弁償は一生かけても弁償しますので…」

 

千佳の見事なまでの土下座に佐鳥は慌てて土下座を仕返した。

 

「な、え!?、こ、こちらこそ!」

「何をしてるんだお前は…」

 

佐鳥の行動に少し頭が痛くなった東。

しかしいまはこっちより、

 

「頭を上げなよ。大丈夫、訓練による事故だ」

「で、でも……」

 

「それに君はまだ訓練生。責任というなら正隊員が取るべきだ」

「はい!!その責任はオレが取ります!!!!」

 

土下座をやめて勢いよく宣言する佐鳥。

それは千佳の不安を取り除くためか、それともお調子よくやっているだけか……

 

「ということだ。責任はここいる佐鳥が取る」

「え、えぇ??」

「大丈夫だよ。それに君の所の玉狛支部にも影響はないからね」

 

それを聞いてホッとする千佳。

するとこの訓練室に「いったい何があったんだ!!」と怒鳴り込んでくる声を聞いた千佳はまたビクっと体を震わせ怖がりだした。

 

「な、何だこれは!?なぜ壁に穴が空いとるッッ!!!」

 

そこに現れたのは鬼怒田。

その姿を見た佐鳥は何だかカッコよく決めようとサッと鬼怒田の前に立ち

 

「鬼怒田開発室長。訓練中にちょっとした事故が起きました。

責任は全て現場監督のボクにあります」

 

決まった。という表情をする佐鳥。

しかし鬼怒田は身体をフルフルと震わせたあとに片手を上げたあとに佐鳥の頭にめがけて振り落とした。

 

「その通りだあ!!!」

「痛く…ないッ!!」

 

思いっきり頭上にチョップを喰らった佐鳥。

いまはトリオン体になっているので痛みは感じないが

 

「防衛隊員が基地を壊してどうするんじゃ!!!!」

「あ、あれ?ここは怒られないパターンじゃ……」

「んなもんはないわッッ!!!!!」

 

普段よく鬼怒田を怒らせるものがいるので仕方ない。

ストレスはすぐに発散しないと大変なことになるのだ。

 

鬼怒田は佐鳥を身体を思いっきり揺らし「どうするつもりだ!!?」と怒鳴っている。そんな様子を見た千佳は、どうしても罪悪感が拭えずに

 

「あ、あの!!すみません。私が壁を壊しました……」

「なに!?東くん本当かね」

「ええ。それは事実です。彼女が壁に穴をあけました。

そして彼女は玉狛支部の雨取 千佳です」

 

「……玉狛支部…だと!?」

 

険しい顔になった鬼怒田にさらにビクっとする千佳。

やっぱり怒られると覚悟をしていると

 

「そうかそうか。千佳ちゃんというか」

「……え、は、はい……」

 

突然見たことのないような笑顔で千佳の頭を撫でる鬼怒田。

絶対に怒られると思っていた千佳は面をくらい動揺している。

 

「すごいトリオンの才能だねえ。

ご両親に感謝しなきゃいかんよ。壁のことは気にせんでいい。

あの壁もトリオンでできてるから簡単に直せる」

 

「は、はい……」

 

とりあえず怒られずに済んだのは良かったが、やっぱりさっきの鬼怒田と様子が違いすぎてギクシャクしてしまっている千佳。

そんな様子を痛くはないが頭を押さえながら東と会話をしている佐鳥が

 

「鬼怒田さんはロリコンだった!?」

 

「お前…絶対に本人の前でいうなよ……

確か分かれて暮らしている娘さんを思い出しているんだろう。今は確か中1だったはず」

 

「なるほど……」

 

本当に分かったのか??と思いながらもこの場が収まったことにホッとする東。そして鬼怒田が"玉狛支部"と聞いたときの反応について考え出した。

 

(そういえば、A級隊員に指導を受けれる隊員がいるって聞いたのが玉狛支部だったはず……)

 

もしかしてと思考を巡らせているとその張本人が

 

「あれ??どうしてここにあるんですか鬼怒田さん」

「全てお前が悪いんじゃッ!!!」

 

と、懐から何故かスリッパが出てきてハジメめがけて投げ飛ばした。それはもうアステロイドかと思うぐらい速く重たいものがハジメの顔面に当たった。

 

「痛くないですけど、酷くないですか??」

「五月蝿い!!玉狛支部のことは全てお前が悪い」

 

「いや。横暴にもほどがありますよ」

「だからお前だけにしか言っとらんわ」

 

あんなものを食らって平然と会話しているハジメと、下手したら虐待と取られる行為を平気にしている鬼怒田に、周りにいる新入隊員達は

 

(……こ、怖い……なにか、分からないのが怖い……!!)

 

どんな関係性だったらこんなふうになるのか考えたくもないほどにこの空気は異常だった。

 

「おぉ。派手にやったんですねチカリン」

「う、うん……」

 

「これを僕が責任負えばいいんですか??」

「…んなわけなかろう。あの壁はトリオンで出来とる。すぐに修復出来るわい」

 

「なるほど。つまり僕のトリオンを吸い取るということですね」

「お前のわけわからないトリオンなんぞ使うかッ!!!」

 

完全な漫才だと思うぐらいにまた懐からスリッパを取り出してハジメの頭を叩く鬼怒田。このやりとりが終わるまでは誰も口出し出来ない。

 

「それに責任はこの佐鳥に取らせる」

「あぁ。佐藤先輩ですか」

 

「僕の名前は佐鳥だあ!!!さっき鬼怒田開発室長も言っただろうがッッ!!!!」

 

「いつものやつなので」

「やっぱりワザとかッッ!!!!」

 

「当たり前ですよ。そんなに残念な頭ではありません」

「残念な頭をだろうがッッ!!!!」

 

「五月蝿いッ!!!!」

「ヘボッ!!!?」

 

散々ハジメにイジられた後に鬼怒田からの一撃。

いくらトリオン体といえども心にくるものがあるようで…

 

「な、何なんですか!?オレそこまで悪いことしましたかッ!!!??」

「……話にならん。東!後はしっかりと見とけ!!」

 

と、言いながら鬼怒田は佐鳥の首根っこを掴み引っ張る。

 

「お前はいまから始末書を書け」

「絶対にオレの扱い、間違ってますよッ!!」

 

佐鳥の訴えなど聞く耳持たず。

鬼怒田はもう一度佐鳥の頭にチョップを食らわせて黙らせて連れて行った。痛みはないのだろうが精神的にきたようで佐鳥は大人しくなったようだ。

 

「…………よし、訓練を続けよう」

(さっきのをなかったことにした!?)

 

この中でも一番の大人である東の言葉。

しかしさっきの出来事を掘り返すことなど誰も望んでいない。

ということで、訓練生は一斉に訓練に戻った。

 

「ほほう。なかなかの統一ですな」

「……いや、これは誰も触れたくないだけだ……」

「何のことですかオッサム?」

 

そういうことだ。と一言言いたかったがグッと堪えた。

ここで蒸し返したらきっと大変な目にあうのが目に見えている……

 

……………………………………………………

 

「いい加減どうにかならんのか…お前らは……」

「仕方ないですよ。相性が悪いんですから」

「本当に、水と油ですよね……」

 

風間隊は訓練室を後にしたあと自身の作戦室へと帰っている途中だった。話題は先程のハジメと菊地原とのやり取り。

 

「だがな菊地原。お前は先輩なんだぞ。

少なくともお前が改善すれば時崎は突っかかってこない筈だ」

 

「はず。ですよね。そんな曖昧じゃ変える気はないですよ」

 

これ以上は無駄だと分かった風間はハァーとため息をつく。

すると目の前から現れたのは女性二人組。

 

「あら風間さん。もしかして入隊式に??」

「まぁな。ちょっと気になった奴もいたからな」

 

「もしかして、時崎君かしら??」

「そうか。お前のところにも来ていたか……」

 

現在時崎が何処にお世話になっているのか特に情報共有しているわけではないが、加古は前にハジメと風間が出会っていることを知っていた。

 

「時崎君が太刀川君を引きずっている時にアドバイスしたのでしょう。その時私達の作戦室からだったら」

 

「………なるほど。そういうわけだったか……」

 

「詳しく話を聞かなかったの??」

「あのバカに説教するんだ。詳しい話などいらん」

 

どうやら太刀川がよく説教されている。という普段の行いが悪いことを知っている風間は理由を聞かなくとも100%有罪と理解している。

 

「しかしまさかお前に"シューター"を習っていたとはな……」

「まだ教えてないわよ」

 

「なら、何をしに……」

「こっちも色々あるのよ。そっちも時崎君に手解きしたんじゃないの??」

 

「"カメレオン"のようなものを使いこなせる奴がいるなら、いつか同じ現場に出たときに足を引っ張らないように前もって訓練したにすぎない」

 

「………そういうことにしておくわ」

 

必要以上の情報を出さない。

同じボーダーだとしても手の内を見せることはない。

すると、そこへもう一組現れたのが

 

「何やってるんだお前ら??」

「諏訪。訓練は終わったのか??」

 

そこにいたのは諏訪隊の諏訪と堤だった。

今回の訓練をモニターで監視していた二人。

 

「いまな。ったく、今回の新人は面白い奴が多いな」

「玉狛支部の新人は特にですよね」

 

「ねぇ。時崎君の戦闘訓練の様子、見れないかしら??」

「時崎だぁ??……あぁアイツか……」

「あの子、本当に何者なんですか??」

 

……………………………………………………

 

訓練室の様子を見るモニター室に集まった一同。

堤がパソコンを扱いハジメの戦闘訓練を映した。

するとそこにはネイバーに襲われるハジメが片手で攻撃を止めて、そして()()()()()()()()()()()()()()

 

それからネイバーをよじ登り、ハジメ自身が数字を数えながら18秒の所でトドメを指していた。

 

「……改めて見てもスゴイわね……」

「報告では受けていたが、これはネイバーの対抗策に使える」

「でもたかが一人じゃそこまで変わりませんよ」

「だけど、足止めに関して鉄壁といえる」

 

大した戦闘力はない。

しかしそれを大きく補うほどの力。

何もかも止めてしまう力と、姿を消せる力。

それがハジメの中にある特殊なトリオンが影響している。

 

「次の大規模侵攻。時崎の使い所によっては戦況が大きく変わるぞ」

 

その風間の言葉に誰もが頷いた。

C級隊員は原則戦闘行為は出来ない。しかしそれ以上に時崎の力はきっと今度の大規模侵攻で役に立つ。

 

「上層部はどう考えいるんだ風間??」

「……まだ判断しかねると。迅の予知も時崎には反映しにくいようだからな」

 

「なんつうトリオンだ……」

「それでもC級隊員であり扱いとしては規定通り。

何か起きたときは速やかに本部に帰還させるようにする」

 

「そいつが、うまくいかないんだよなー」

 

その声に全員がモニター室の入口の方へ向いた。

そこには防衛任務を終えた迅がいたのだ。

風間は少し不機嫌そうな表情で

 

「どういうことだ迅。予知は見えないんじゃないのか??」

 

「まだハジメのことは見えない。

だけどハジメに関わった人間に関しての未来は見えるんだ」

 

「つまり、良くない未来が見えたのね??」

 

「全てがそうだとは限らない。むしろいい未来が多いかな。割合としては7:3ぐらい良いほうだよ」

 

それを聞いてホッとするがそれでも3割も悪い未来がある。

そしてそれを少しでも減らすには

 

「もしかして、時崎が好き勝手にやったほうが未来が良くなるとか、ですか??」

 

「その通り。アイツの勘は当てになる」

 

「んな賭け事で街を、人を、時崎を守れるのか迅??」

 

「守るよ。俺は直接ハジメには関われないけど、少なくともここにいるメンバーはそれをやってくれる。そして時崎に関わった人達も守ったり守られたりして、結果上手くいくことが多い。未来を選ぶなら、俺はそれに賭けてみたい」

 

迅の真剣な瞳で訴える言葉。

少しの沈黙の中風間がため息をついたあと

 

「やるならしっかりと上層部へアピールすることだ。

それが通れば、その賭けもやってやらないことはない」

 

「私はいいわよ。みすみす私のお気に入りを無くすなんて嫌だもの」

 

「しゃーねぇーな!カワイイ後輩の為だ!やってやるよ!!」

 

この決断がまた大きく未来を変える。

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 






ーオマケですー

小南「随分と目立ってきたのね遊真」
遊真「そんなつもりはなかったんだがな」

レイジ「千佳も派手にやったな」
千佳「あんなになるなんて……」

鳥丸「いいじゃないですか?一番目立ったのは修ですし」
修「アハハ………」

陽太郎「ハジメは何かしなかったのか??」
ハジメ「いつも通りでしたけど」

陽太郎「なるほど」
レイジ「いつも」
鳥丸「通り」
小南「ねぇー」

4人「(ジィーーーー)」

ハジメ「?? オッサム。僕、なにかしましたか??」
修「………頼むから、自覚してくれ……」
ハジメ「??」

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