転生したら帆波ちゃんだったので、綾小路君の相棒になってみようと思います   作:レイラレイラ

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帆波ちゃんを好きになる人が増えますように


原作前
プロローグ


 …………知らない天井だ。

 

 よく小説の描写で使われるありふれた表現が浮かぶ。

 

 本当に知らないんだから、その通りでしかないんだけども。

 

 上体だけ起こして、自分の身体(?)をしげしげと眺める。

 

 大学生としては小柄だった私だけどもロリと言われるほど小さくはなかったし、平均より少しばかり小さかった私の身体は目が覚めるとすっかり縮んでしまっていた。

 

 子どもみたいに小さな手足は言うまでもなく、結構大きかったはずの胸までもが跡形もなく消え去っていたのだ。

 

 嘘でしょ…………

 

 私の唯一のアイデンティティーはどこ行った!? 

 

 誰に見せるわけでもなく、触らせる予定の無かった胸だけども没個性の私が唯一誇れるものだったのに! 

 

 ぺたぺたと触ってみても、固い骨がすぐそこにあるのを主張するばかりで柔らかさの欠片もありはしない。

 

 その有り様はまさに絶壁。

 

 誰だ、私の主張の激しいお胸を盗んだのは! 

 

 違う違う、今はそんな現実逃避をしている場合じゃないのは分かってる。

 

 状況を整理すると

 

『知らない部屋で目を覚ます』

 

『身体が縮んでいる』

 

 以上。

 

 うん、ワケわからん。

 

 ラノベとかなら交通事故とか、通り魔に刺されて死んで転生したとかの可能性もあるけど私には死んだと思うような記憶がない。

 

 だとしたら眠っているとき、または自分の死を知覚できないほどに唐突に死ぬような目にあったという推測がつく。

 

 どうせ死んだんなら剣と魔法のファンタジー世界転生したかったなぁと思いつつも、ひとまずは部屋の中を物色するべく行動を開始する。

 

 手っ取り早く学生証とか免許証みたいなのがあればよかったけど、どうみても今の私は三歳ぐらいの幼稚園児にしか見えないので早々に諦める。

 

 半ば諦めるように戻ろうとした布団の近くに、真新しい黄色いバッグが鎮座していることに気づく。

 

 さすがに名前ぐらいはわかるでしょ、そう考えてバッグの名前欄の部分を見つめてみる。

 

 そこに書かれた名前を見て、頭を金属バットでぶん殴ったような凄まじい衝撃が襲った。

 

『いちのせ ほなみ』

 

 何かの間違いかともう一度名前を確認する。

 

 うん、やっぱり変わらない。

 

 私の目がおかしくなったとか、同姓同名の誰かさんとかでなければ、まず間違いなく想像していた通りということになる。

 

 私もしかして…………「ようこそ実力至上主義の教室へ 」の『一之瀬帆波』ちゃんになっちゃったってこと!? 

 

 あの一癖や二癖どころじゃない、頭おかしい(色んな意味で)方々が集まる魔窟の世界での天使ちゃんに転生したと。

 

 まあ、ちょっとだけ中学で万引きをしてしまったという過去はあったわけだけどもそんなことで私の帆波ちゃんへの好感度は変わりはしなかった。

 

 自分の罪をBクラスのみんなの前で告白したシーンでむしろさらに好きになったまである。

 

 推しと直接話したいという願いは叶わなくなってしまったけれど、だったら私なりのやり方で(一之瀬帆波)としての人生を幸せに生きていこう。

 

 あの『高度育成高等学校』という政府運営の高校で生き残り、Aクラスに登り詰めることを当面の目標にする。

 

 高度育成高等学校は卒業生に対して希望する進学先、就職先をほぼ100%認められるという触れ込みで有名な進学校。

 

 ただし、入学する生徒の過去は勝手に調べまくるわ、過去の言動や問題点次第では実際の成績に関係なくDクラスに振り分けられるという。

 

 そして高度育成高等学校の恩恵を受けられるのはAクラスのみで、それぞれのクラスがAクラスに昇格するために争いあうのだ。

 

 ただ、だとしてもいきなりAクラスに入ったんじゃ意味がない。

 

 というよりも入りたくない、というのが私の本音なわけで。

 

 Aクラスに入ると坂柳有栖の支配下に身を置くも同然なわけで、あの手この手で無理矢理従わされそう。

 

 なら原作通りにBクラスかと言われたらそれも違う。

 

 私がBクラスのリーダーになったとしても、有栖ちゃんあたりから狙われそうだしね。

 

 Cクラスは論外。

 

 椎名ひよりちゃんは味方になってくれそうだけど、龍園翔に抵抗しながら他クラスに対処するとか考えるだけで億劫になる。

 

 だからこれから先の展開を知っているだけに、いざというときに対処できるのが主人公の綾小路清隆くんがいるDクラス。

 

 あまりにも多くの爆弾を抱えてるDクラスだけど、動向が掴みやすいしさっきも言ったように綾小路くんがいるから安心できる。

 

 と言っても、彼が実力を率先して発揮するのは二年生に上がってからなんだよね。

 

 まあ、それまではぼちぼち上手くやっていくのが最適解かな。

 

 

 

 ──────────本当は、あともう一つだけ理由がある。

 

 

『私』はいわゆるガチ恋勢というやつだ。

 

 つまり何が言いたいかっていうとね、前世の頃から私は綾小路くんが大好きすぎるってこと。

 

 一見地味だけど、整った顔立ちのイケメンだし。

 

 何より綾小路くんの活躍の全てに、私は心の底から魅了されてしまっている。

 

 冷酷で無慈悲な面があるのは事実だけど、親切心から人助けをしている時があってそこがたまらなく好き! 

 

 できれば綾小路くんの異性の教科書…………大切な人になれたらいいなと考えなくはないけどいずれ軽井沢恵ちゃんが選ばれるだろうし、そのときになったら身を退こうと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ────────最後に彼が『勝って』さえいればそれでいいから

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




善人と狂人が上手くブレンドされるとそそるものがあるのです(作者の個人的な性癖です)
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