転生したら帆波ちゃんだったので、綾小路君の相棒になってみようと思います 作:レイラレイラ
ありがとうございます!
『高度育成高等学校』の恩恵を受けられるのはAクラスだけということ、これからクラス同士の争いが激化するということを理解したみんなの瞳には明らかなやる気に溢れていた。
確かに色々と不平不満が出なかったわけじゃないけど、何とか私や平田くんの声かけもあって抑えることが出来たよ。
中間テストまであと3週間ということもあって、それぞれがテスト勉強に大なり小なり意識を向けてもいた。
本当に私の知っている状況とは大きくかけ離れているけど、これは大きな成果なんだと思う。
意気揚々と教室を出ていくクラスメイトたちを見ていると、原作と違って何処にも絶望の表情は見受けられない。
私が起こした行動が良い変化をもたらしたことは素直に嬉しい。
でもそれだけじゃなくて、600もクラスポイントを残せたことと、私の推測がばっちり当たっていたことでクラス内での発言力は半ば磐石なものになっているんじゃないかな。
これは後々の特別試験でもかなりプラスな要素になる。
無人島試験の連携が崩壊するような事態も防げる可能性はかなり高いはず。
もっとも、そんな事態には最初からさせるつもりはないけどね。
それはともかくとして、私と清隆くんは茶柱先生に呼び出されて職員室に向かっている途中だったりする。
清隆くんが職員室に呼び出されるのはわかるけど、なんで私まで呼び出されたのか分からないんだよね。
彼みたいに入試と小テストで全教科50点を意図的に取ったというわけでもないし、何か問題行動を起こしたわけでもないのに。
「本気で心当たりがないんけどな。職員室に呼ばれる理由なんて」
「理由ならあるだろ。例えば佐倉にアイドルプレイをさせたりとかな」
「どうしてそれを知ってるの!?」
「佐倉から聞いた」
愛里ちゃんが清隆くんとちゃんと話せてるのは嬉しい進歩だと思うけど、どうしてそれを話しちゃうかな!
というかプレイじゃないから!
人目を気にならなくなるようにするための訓練だから!
もしもそれが茶柱先生の耳に入っているなら、それでクラスポイント減らされたりしないよね!?
せめて私の停学で手を打てないかな…………
「クク。放課後にイチャついてる暇があるとは、ずいぶんと余裕なことだな」
この特徴的な笑い方と傲慢な物言いは、自称クラスの王様の彼以外にいない!
「
「俺を知っているのか。不良品クラスを一気にBクラスまで引き上げたっていうお人好し女の面を見に来ただけだったんだがな。聞いていた以上に情報通らしい」
目をつけられるとは思ってたけど、想像以上に早く干渉してきたことに内心ではかなり驚いてる。
それにわざわざ自分から会いに来たってことは、龍園くんの中では私は要警戒人物の枠組みに入れられてるってことだよね。
「自慢するわけじゃないけど、結構顔が広いつもりだからね。それで本当の要件は何? まさか本当に私を見に来ただけってことはないよね」
「はっ、思ったよりも肝が据わってるじゃねえか。なら正直に言ってやる。Bクラスは必ず潰してやるよ。その時に一之瀬、お前は俺の足元に跪いているだろうさ」
不遜な笑みを浮かべて宣戦布告してくる龍園くん。
自分の勝ちを疑っていない様子の彼に一言だけ、私は言い返すことにした。
「潰せるといいね! 卒業までに!」
「おもしれー女だな…………また会おうぜ帆波」
リアルにおもしれー女を聞くことになるとは思わなかったよ。
しかもいつの間にか名前呼びになってるし。
まあ、酷い渾名付けられたわけじゃないから別にいいんだけどね。
龍園くんは私の横を通りすぎていくのと同時に、私たちも止めていた足を再び動かした。
これ以上遅れて茶柱先生に退学宣言されても嫌だからね。
清隆くんはやっぱりというか、目立たないように終始無言を貫いていた。
龍園くんもずっと私にしか視線を向けなかったし、私はうまいこと清隆くんの隠れ蓑になれていることを証明できたことになる。
「どうするつもりだ? ああして宣戦布告してくるあたり、相当自信があるみたいだが」
「もちろんうまくやるつもりだよ。安心して、大人しく負けるつもりなんてないから」
「だろうな。そもそも帆波が負けるとは思ってないから安心しろ」
清隆くんが信頼してくれてることが嬉しくて、頬が緩みそうになるのを必死の我慢する。
せっかくの緊張感が台無しになっちゃうもんね。
「帆波」
名前を呼ばれたから振り向こうとすると、脇腹にくすぐったい感覚がやってくる。
「ひゃっ!」
もしかしなくても清隆くんのくすぐり攻撃だった。
清隆くんは不意にこういうことするけど、結構法的に際どいラインだってことわかってやってるのかな!?
「いきなりなにするの!?」
「顔が少し強ばってたぞ。緊張するのはわかるが、それだと帆波のスペックを発揮出来なくなる。だからオレなりの激励のつもりだったんだが、何か間違っていたのか?」
清隆くんなりに励ましてくれてたんだ。
本当に君は不器用というか、素直に言葉で言ってくれるだけでもよかったんだけどね。
でもその不器用な優しさが嬉しくて、とても間違ってるなんて言いたくなかった。
「ううん、間違ってないよ。ただ、これは私以外にやっちゃダメだからね?」
「…………よくわからないが、わかった。帆波以外にはしないと約束しよう」
私以外の女の子に今のはやってほしくなくて、ちょっとだけわがままを言わせてもらった。
須藤くん暴力事件の時、堀北さんの正気を取り戻す手段を奪っちゃったけど罪悪感はなかった。
恋する女の子はたまに意地悪になっちゃうんだよ。
「失礼します! 1年B組の一之瀬帆波です! 茶柱先生はいらっしゃいますか?」
コンコンとノックをしてから、にこやかに挨拶をしつつ要件を告げる。
この時点で茶柱先生がいないのは知ってるから形式的なものだけどね。
「え? サエちゃん? えーっとね、さっきまでいたんだけど」
ある意味一番会いたくない
会いたくないって言っても、この人のことが嫌いとかじゃなくて結果的に担当のクラスをCに落としたことによる罪悪感が大きい。
あとは私は原作だと星之宮先生が担任なわけだから、他所のクラスの生徒として接せられて気まずくなりたくないっていう身勝手な理由かな。
「ちょっと席をはずしてるみたい。中に入って待ってたら?」
「すみません。清隆くんが目立ちたくないらしくて、廊下で大丈夫です」
星之宮先生はどういう意図があるのか、ひょっこりと廊下に出てきた。
「私は現Cクラス担任の星之宮知恵って言うの。佐枝とは高校の頃からの親友で、サエちゃんチエちゃんって呼び合う仲なのよ~」
自己紹介以外は真っ赤な嘘だよね。
少なくとも茶柱先生がチエちゃんなんて呼ばないから。
逆に見てみたい気はするけど。
「ねえ、サエちゃんにはどういう理由で呼び出されたの? ねえねえ、どうして?」
「それが私たちにも分からなくて」
「オレもさっぱり…………」
「そっかそっか。一之瀬さんでも分からないか~」
どうして私の名前を知ってるのかな!?
教師だから知っててもおかしくないけど、直接顔を合わせたことはなかったのに…………
私の心情が読まれたのか、星之宮先生は何処か面白いものを見るように私に種明かしをする。
「一之瀬さんのことは先生の間でも有名よ~? くせ者揃いのDクラスを纏めて、さらにBクラスに引き上げた優秀な生徒だって。何でAクラスにいないのか不思議なくらいにね~」
「にゃはは。なんだか照れちゃうな」
「ところで、後ろの彼は…………もしかして彼氏さんとか~?」
「にゃっ!?」
完全な死角からの不意打ちに思わずリアクションを取ってしまい、星之宮先生に付け入る隙を与えてしまう。
「ち、ちがっ…………」
「え~違うの~? 美男美女カップルでお似合いだと思うのに~」
カップル…………その単語を聞いて反応せずにはいられなかった。
私たちは幼なじみのようなものであって…………
「
「ふーん? まだ、ね。少なくとも一之瀬さんにはそういう気持ちが────いったぁ!」
「何やってるんだ、星之宮」
クリップボードでスパン、と茶柱先生が星之宮先生の頭をはたいた。
あまりにもしつこくからかってくるから、止めてくれた茶柱先生には感謝しないとね。
「待たせたな二人とも。ただ来てもらって悪いが、一之瀬は生徒会室に行ってもらおうか」
「えっと…………それはどういうことでしょうか。私が生徒会に呼ばれるなんて」
「私は知らん。詳しい話は生徒会の連中に聞け。ちなみに綾小路は生徒指導室に来てもらうぞ」
もう我関せずと言わんばかりに、清隆くんを伴って職員室を出ていく茶柱先生。
星之宮先生にこれ以上からかわれたくなくて、私はさっさと生徒会室に向かった。
早々に接触してきたドラゴンボーイ
帆波(憑依)に『■■のホワイトルーム生』的な二つ名をつけるとしたら
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慈愛のホワイトルーム生
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偶像のホワイトルーム生
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単純にホワイトルーム生No.2