転生したら帆波ちゃんだったので、綾小路君の相棒になってみようと思います 作:レイラレイラ
理想の学園生活?
「ママ~~! 抱っこして!」
「うーん…………ママは今ちょっと手を離せないから、パパに抱っこしてもらってね!」
どこか危うい足取りで、三歳かそこらの子どもが母親らしき女性に抱っこをせがんでいる。
女性のお腹は見るからに大きくなっており、家事もかなり大変そうだ。
「え~!? パパが抱っこしてると、耳元でずっと算数のこうしき(?)囁いてくるんだもん! いやっ!」
「にゃはは、そうなんだけどね。■■がお勉強で困らないように、パパなりに教えてくれてるんだよ。教え方はどうかと思うけどね」
「心外だな
新聞を読んでいた顔を上げ、無表情の男性がママと呼ばれた女性に声をかける。
「オレは■■が出来る程度の範囲を教えてるだけだ。何も難しいはことはしてないぞ」
「小学六年生の内容はどう考えても無理だと思うけど。私たちがおかしいのであって、この子は普通の子どもなんだからもう少し優しく、ね?」
「そうか。なら、次からは四年生くらいの範囲を…………」
「大して変わってないからね!?」
「むぅ~~~~~!! パパの馬鹿!! もう知らない!!」
ドタドタと上の階に駆けていき、子供部屋に閉じ籠ってしまう。
その様子に帆波は微笑ましいものを見るように頬を綻ばせ、中断していた家事に戻る。
「
「オレが不器用なのは否定する気はないが、後から苦労しないようにというオレの親切であってだな」
「はいはい。それより、こっち手伝ってくれる? まだお弁当の仕上げが済んでな…………ッ!?」
清隆の言い訳をさらりと流し、家事を早く終わらせられるように救援を頼んでいた帆波の口を無理矢理塞ぐ清隆。
舌と舌が濃厚に絡み合う、とても子どもが同じ部屋にいる状態では出来ない大人のキス。
最初はいきなりのことにされるがままになっていた帆波だったが、時間が経つにつれてお互いを求め合うそれに変わる。
蕩けきった帆波の表情に対し、清隆は相変わらずの無表情であったもののその瞳はまっすぐ帆波を見て離さない。
数十秒、いや数分はそうしていただろうか。
ようやく離れた二人だったが、帆波は蕩けきった表情をなんとか整えて頬をぷくっと膨らませる。
「何でいきなりそういうことするかな! そういうことは子どもが眠ってからって決めたのに!」
「そうは言うが、顔に嬉しいって出ているぞ」
「…………好きな人にされて、嬉しくないわけないよ」
「そうか。…………なら、もう一度するか?」
コクリと小さく頷く帆波。
一度離れた唇がまた交わろうとする刹那──────────プツン、と帆波の視界はテレビの電源を落としたように真っ暗になった。
「…………な…………み…………」
「えへへ…………もう少しだけ…………」
「おい、帆波着いたぞ。そろそろ起きろ」
名前を呼ばれて、夢の中から強引に引きずり出される。
ぼんやりしていた意識はだんだんと鮮明になってきて、よく見てみると唇と唇がくっつきそうなくらいの距離に清隆くんの顔あった。
吸い込まれそうな瞳、近くでよく見てみると更にかっこいい容姿、全部が全部愛おしくてしょうがない私の恋した人が夢の中と同じように眼前にいる。
一瞬で沸騰したやかんみたいに、私の全身が熱くなる。
「ふぇっ…………き、清隆くん!? もしかしなくても私、寝ちゃってたのかな!?」
自分で既に認識出来ていることを、改めて清隆に聞く。
そうでもしないと、さっきまで見ていた夢と今の状況のせいで心臓が破裂しちゃいそうだったから。
「それはもうぐっすりとな。オレの肩をもたれて気持ちよさそうに寝ていた。昨日はあんなにはしゃいでいたから、ろくに寝ていないんじゃないか? あれだけ寝るように言っておいたはずだけどな」
「うぐっ」
清隆くんの言う通り、私は昨晩興奮しきって眠れなくなっていた。
だって、とうとうあの『高度育成高等学校』に入学出来るんだよ!?
原作の舞台であり、何度も夢見た学校に清隆くんと一緒に入学出来るなんてこれ以上ないぐらい嬉しかったんだもん!
確かにこれから大変なことはたくさんあるし、解決しなきゃいけない問題も山積みなのは分かってる。
それを踏まえても原作ファンとして、抑えきれない喜びが溢れて止まらなかったんだよね。
「あ、あのそろそろ…………」
「すんません、すぐに出ます」
苦笑いしながらこっちを窺っている運転手さんが遠慮がちに声をかけてきて、清隆くんは棒読みの謝罪をしながら私の手を引いてバスの外に出る。
それと同時に、バスはあっという間に去っていった。
私がなかなか起きなかったせいで無駄に足を止めさせていたのだと思うと、あからさまに罪悪感が沸いてくる。
バスの中には堀北さんはおろか、櫛田さんも見かけなかったからとっくに例のイベントは終わってちゃったのは言うまでもない。
内心で残念がっているのを悟られないように、ゆっくりと深呼吸をする。
…………うん、ちょっとだけ落ち着いてきたかな。
「ごめんね、なんだか迷惑かけちゃったみたいで」
「気にするな。お前に迷惑をかけられた回数は一度や二度じゃないからな。正直慣れてる」
「あはは、本当に正直だなぁ…………」
清隆くんは私の手をあっさりと離すと、教室に向かうべく歩きだした。
手に残る彼の温もりに名残惜しさを感じつつ、私も清隆くんの背中を追うようにして歩を進める。
彼の助けになれるように、そう覚悟を決めながら──────
『高度育成高等学校』の門をくぐった瞬間、やっとここに来ることが出来たんだと感激で胸が満たされる。
他の新入生たちの進行方向にならって歩くこと数分、クラス分けの大きな掲示板らしいものがあった。
本来なら『
もし仮に違うクラスになったとしても、意地でも2000万ポイントを貯めて清隆くんのクラスに移動するつもりだけどね!
絶対に見逃さないように注意深く見ていると、なんとDクラスの所に私と清隆くんの名前がありました!
実際のところ喜んじゃダメなのはわかってるけど、清隆くんと一緒ならどこでも天国だよ!
ホワイトルーム?
…………ノーコメントで。
「どうやら同じクラスみたいだな」
「そうだねー。離れ離れだったらどうしようって思ってたから、正直ホッとしちゃった。清隆くんは私と一緒で嬉しい?」
「嬉しいな。むしろ帆波と違うクラスになるとか、さっきまで考えなかったぐらいだ」
「にゃはは。そっか…………嬉しいんだ…………」
清隆くんから嬉しすぎる言葉を貰えて、ただでさえ舞い上がっていた私の心はどこかに飛び去っていくんじゃないかってくらいに満たされていた。
これから幾度も苦しいことがやってくるかもしれないけど、清隆くんと一緒ならいくらでも頑張れる。
そんな確信が私にはあった。
綾小路くんは子どもが生まれても奥さんのこと名前で読んでそう
完全に悪ノリでやりました
追伸
アンケートの結果、Bクラスのリーダーは神崎くんになりました!
ご投票ありがとうございました!
帆波(憑依)に『■■のホワイトルーム生』的な二つ名をつけるとしたら
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慈愛のホワイトルーム生
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偶像のホワイトルーム生
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単純にホワイトルーム生No.2