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最
終
巻
ネ
タ
注
意
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前編:拙作世界線における“石化問答”
(龍水がおらず、リブートの“あの子”がいる場合)
後編:拙作世界線における大杠プロポーズ
(25巻前に書いた[おもいの話]のフォロー話)
・AIと“ホワイマン”
([宇宙]のREIパート~ゴーザンパートの時間軸)
千空たちが、REIの待つ宇宙ステーションへと帰ってきた。
人間たちは変わりなく無事に。彼らが持って行った“
唯一、千空の“提案”に乗った“
『──命の目的は生きることだです』
己のルーツを知らないと言う“
『なのに、そもそもなぜ石化が嫌だですか? 永遠に生きられるのに嫌だですか?──WHY??』
「唆らねぇから」
その問いに、まず千空が短く即答し、コハクも深く頷いた。
「退屈すぎて、私など即座に寝てしまったぞ」
『石化中は、退屈なのですか?』
思わずREIが問えば、コハクは“不快さ”をあらわすように眉を寄せて、
「何も見えず、聞こえず、微塵も動けないのだ。意識を保てば、物を考え続けることは出来るそうだが……私は
『そうなのですか……“石化状態”とは、とても“寂しい”ものなのですね』
『……さびしい?』
REIがこぼした言葉を、“
『誰かと話すことも、姿を見ることも、触れることも出来ない。それはきっと、“死んでしまう”のと同じくらい、“寂しい”ことです。──“寂しい”のは、よくありません』
「────」
何故か人間たちが目を見開いて沈黙する横で、“
『お前──ずっと、この人工物を維持していた、機械だですね?』
『はい。わたしのことは、REIと呼んで下さい』
問いに答えながら、百夜からもらった大事な名前を告げる。
『REI、お前にとって“寂しい”は、“自身の
『はい』
『──
その問いに、REIは回答を返せなかった。──REI自身にも、わからなかったから。
「──逆に質問だ、ホワイマン」
落ちた沈黙に、千空が問いを投げかける。
「テメーは何で『壊しても殺しても構わない』って言いながら、仲間と離れてまで、俺らと一緒に来た?」
『お前の“提案”したクラフトが、興味深かったからだです。お前風に言うなら、とても
“
「つまり、“死への忌避”より、“クラフトへの興味”が、お前の中で
『────』
虚を突かれたように、“
「答えらんねぇだろ?──俺らも、REIも、同じだよ」
『──私の中にも、“死への忌避”に勝るものがある。お前がたもそう。それはわかったです』
思案するような沈黙の後、カプセルは再び言葉を紡ぎ出した。
『けれど、わからない。REI、お前は“寂しい”が嫌だなのに、人類が再び電波を放った時、どうして自身の存在を報せなかったですか? 私たちのように、メッセージを送ることはできたはずだです』
「言われてみれば、確かにそうだ。何故だ、REI」
“
『人の生死に関わる“不具合”の可能性がある以上、わたしには、
──例えば、GPS。例えば、SOS信号。
そんな“人の生死に関わる電波”が、こちらから発した電波で、
『なので、千空からのメッセージが届いた時は、とても“嬉しかった”ですよ!』
REIの言葉に、千空は目を細め、口の端を上げた。
「その感謝は、俺じゃなくてクロムに言ってやれ。テメーの地道なアピールを目敏く見つけた、地球産の“
──この後、REIは千空たちと地上に降りた“端末”を通し、その地球産“
・BSSならぬWSSO
([宇宙]の後の時間軸)
「3700年前から、ずっと好きでした!──結婚して下さい!」
交際をすっ飛ばして婚姻を申し込まれるとは思わなかったが、相手が大樹である以上、杠の中に“NO”の選択肢はない。
「──はい! どうか、末永くよろしくお願いします」
杠の返答に、大樹は涙腺が決壊したらしく、凄まじい勢いで号泣しだした。
「あ、ありがとう、杠……! お、俺は世界で一番の幸せ者だ……!」
「そういうなら、私も世界で一番の幸せ者ですぞ、大樹くん」
壊れ物に触れるように、そっと抱きしめてくる優しい彼に、杠の方から思い切り抱きつく。
そうして、とっておきの秘め事を、その耳元で打ち明ける。
「──私、中学校上がってすぐの頃から、大樹くんのこと好きだったんだよ」
「………………えッ!!?」
時間をかけて告げられた言葉を飲み込んだらしい大樹が、驚愕の声を上げた。
「中学上がってすぐ……!? クラスも違ったし、俺が
混乱した様子の大樹に、杠は笑って告げる。
「あはは~、わからないのも無理ないですな~。──大樹君のおかげで、私は、大事なボタンを
──中学に上がってすぐの頃。杠のお気に入りのポーチのボタンが、知らない内に取れてしまっていたことがあった。
そのポーチは、杠が初めて型どりから全て自身で行った作品であり、そのボタンも、母に連れて行ってもらった手芸店で、ああでもないこうでもないと厳選したパーツだった。
同じ店に行けば、また同じボタンは買える。けれど、思い入れの強さから、落としたボタンを諦めきれず、その日の自分の行動を辿って、杠は校内を捜して回り──その様子を見留めた用務員さんに、声をかけられた。
事情を話すと、用務員さんは目を見開いて、用務員室前の“落とし物箱”まで連れてきてくれて──そこに、杠のボタンはあった。
礼を告げた杠に、用務員さんは気まずそうに、そのボタンが“落とし物箱”に収まるまでの経緯を話してくれたのだ。
「そのボタン、中庭の掃き掃除の時に、他のゴミに混じってちりとりに入っててな……気づかないで、捨ててしまうところだったんだが」
掃除を手伝ってくれていた男子生徒が目敏く見つけ、「落とし物だー! あとで“落とし物箱”に入れておこう!」と拾い上げると、ゴミ捨てを手伝ってくれた後に、“落とし物箱”へと入れていったのだという。
よく雑務を手伝ってくれるというその生徒の名は、用務員さんも覚えていて、杠はそれで恩人の名を知った。
大木大樹──同じ小学校出身の同級生。クラスが一緒になったことは一度だけで、殆ど話したこともない。それでも、彼の名前を聞いてすぐに顔が浮かぶ程度には、杠は彼のことを
何せ彼は、天才かつ奇人と名高い生徒の親友として、一種の有名人だったから。
そして、彼個人としても、女子の間で「いいよね」と言われるくらいには、人気者だったのだ。
声がちょっと大きすぎるのが玉にキズだけれど、裏表がなくて朗らかで、困った人を見捨てない優しい男子──杠ももれなく、彼の“親切”によって、大樹へ好意を抱いてしまった訳である。
何よりまず、お礼を言いたかったけれど、違うクラスの男子だ。接点のない女子にいきなり声をかけられたら、迷惑かもしれない──そう、杠は思ってしまった。
朗らかで細かいことを気にしない彼本人より、その親友のリアクションが読めなくて、躊躇ってしまったのだ。──彼がいつだって、親友の天才少年を最優先にして行動していることも、噂で耳にしていたから。
そんな風にまごまごしているうちに、大樹の方から「手芸部の小川杠さん! 突然ですまないが、折り入って頼みがある!」と声をかけられて、それはもう驚いたものだ。
けれど、『これこそ好機!』とばかりに、その頼みを引き受けて──杠は、彼の親友公認で、彼と一緒にいられる“理由”を、手に入れたのである。
彼の親友──千空も、杠が想像していたよりずっと、気さくな性格だった。
もの凄く頭がいいのに、周りを見下すような気配は欠片もない。口こそ悪いけれど、本気で人を傷つけるような言葉は絶対吐かない。
杠は、なるほど“大樹の親友”らしいと納得したし、“天才”というラベルを張って、勝手に「気むずかしそう」と思い込んでいたことを、恥じたりもした。
そんな千空は、一度“身内認定”した相手には遠慮がなく、それ以上に大分
筆頭はもちろん大樹だったが、杠も、ロケット作りを手伝う内に、千空から“身内認定”されたらしい。何かといえば大樹と一緒に呼び出されたし、その分、もの凄く手厚くテストや受験の勉強を見てもらったりした。
杠へと発揮されるようになった千空の“遠慮のなさ”は、上手いこと、大樹へ好意を持つ女子への
そんなおかげもあって、杠は堂々と大樹のそばに居続けることが出来たのだ。──大樹の方もこちらを憎からず思ってくれていると、自分で確信できるほどまで、ずっと。
──3700年という膨大な時間すらも、越えて。
(……肝心のお礼は、ずっと、言いそびれちゃってたんだけど)
最初に声をかけられた時に、さらっと言ってしまえばよかったのだけれど──仲良くなればなるほど、言い辛さが増していってしまったのだ。
(だって、「ずっと、お礼を言うチャンスをうかがってました」って……ちょっとストーカーっぽいし……)
引かれて、距離を置かれるのが怖くて、結局そのまま言えなくて──そんな3700年物の秘め事を打ち明けられた大樹は、目をまん丸にした。
「──アレは、杠のボタンだったのか!?」
「覚えてるの!?」
その反応に、杠も驚く。──てっきり、彼にとっては何と言うことのない日常の一幕として、すっかり忘却されていると思っていたのに。
「覚えてるぞ! だって、俺があのボタンを拾ったのは、杠のことが好きだったからだ!」
「はい!?」
予想外の答えに、杠の声は完全にひっくり返った。
「その……小5の時に、同じクラスだっただろう。殆ど話したことはなかったけれど、一度、俺の手提げのボタンを、杠が直してくれて……その時から、俺は、ずっと、好きだったんだ」
そのエピソードがあったため、『落ちてるボタン=ゴミ』として扱うのが躊躇われて、拾って“落とし物箱”に入れたのだ、と。
「──うわぁお……」
杠は、思わず感嘆の声を上げてしまった。
全然気づかなかった──自分の方が先に好きになったのだと思い込んでいたくらいに。
(……千空くんが、ことあるごとに、『さっさとくっつけ、似たもの夫婦が』って言ってた訳だよ……)
千空はとっくに大樹の気持ちを知っていて、あみぐるみの件からずっと、
「……まず、千空くんに、報告しなくちゃね」
──何せ、3700年以上も
杠の言葉に大樹は破顔して、「ああ、そうだな!!!」と大きな声で同意したのだった。
原作完結パワーか、それともアニメ特番パワーか、なんか急にガッとブクマと“ここすきP”が増えて「!?」となってる筆者です。
タグ詐欺については、タグで謝ることで、自分の中で折り合いつけました。許して。
前編は、原作26巻と拙作ではメンバーが違うので、「拙作だとあの問答シーンどうなるかな?」となって書きました。
26巻読んだ際、龍水がフォローしたエラーが、REIでもフォロー出来る(っていうか、REIの管理下だとそもそも起きないかもしれない)ものだったので、「これならメンバー変わってる拙作世界線でも行ける!」と一人で喜んでました。どういう形でも、原作と噛み合うと嬉しい。
あと、龍水グルングルンシーンで頬が攣るほど笑った。ギャグ絵じゃないのが余計にクるんよ。
後編は、BSS(僕が先に好きだったのに)ならぬWSSO(私が先に好きだと思ってたのに)
25巻発売前に書いた大杠話が25巻の巻末情報と矛盾し、一人で勝手に「やっちまったぜ!」となっていたので、大杠結婚記念に矛盾を解消(?)するための話を書きました。
世知辛い世の中だからこそ、ピュアラブの波動を浴びよ……大杠は万病に効く(個人の感想です)
アニメ、楽しみですね!!!