連載するならタイトルは「異世界の魔女が人理修復を手伝うそうですよ…?」です。
星はどんな世界にもある。ならば私はどこかに存在することができる。
星がない世界など、それは宇宙ではないだろう。
私は星だ。星がなければ生きることはできない。
逆に言えば、星さえあれば生きることができる。
元人間で、星に祝福され星と成った私は、魔女と成った。
一度、世界と人類のほとんどを滅ぼした災厄でもある。
だが、人類が嫌いというわけではない。
まぁ、好きというわけでもないが。
そこの少女みたいな存在は助けたくなる。
無理難題に対してほとんど丸腰で挑んでいるにも拘らす、諦めることなく進むことができる人間はそういない。盾の少女がいることも要因だろう。
「はじめましてだな。少女たち。私は星眼の魔女。気軽に星眼とでも呼んでくれ。」
女騎士の持っている剣は星の要素があるようだ。となればエクスカリバーか。まぁ既視感はある。
「久しぶりだな。アーサー王。」
「貴様、何者だ?」
「そういえば英霊は一度座に帰還したら召喚中の記憶はなくなるのだったな。もう一度教えておいてやる。原初にして唯一の魔女、星眼の魔女だ。一般人が持っているような名前は数万年前から忘れている。暇つぶしがてらこの世界を訪れてみたがどうやら人類がピンチらしい。よって助力することにした。」
星には星を。
しかしどうやら性質が反転しているようだ。
「『卑王鉄槌』、極光は反転する。光を呑め・・・!」
「出会ってすぐにブッパか。手っ取り早いがもう少し会話を楽しめよ。アーサー王。」
黒い光が収束する。
「約束された勝利の剣!」
「『逸らせ。』」
光でさえも飲み込むであろう反転したアーサー王の宝具。残念ながらそれは私に届かない。『逸らせ。』、は文字通りそらす魔法だ。潤沢な魔力によって殆どの攻撃をそらすことができる。結果、白い膜のようなものが黒いビームをそらして分厚い雲を突き破り数瞬青空が見えた。
「弾幕は数だぞ?」
色とりどりの光弾を無数に飛ばす。
しかし魔力放出は厄介だ。
「近接戦闘に持ち込めば勝てると思ったか?」
「所詮は後方職が。」
一瞬にして懐に潜り込まれた私は防御魔法を使いながら罠と散弾で対処するがやはり魔力放出で防がれる。
…私も真似していいか?
「フンッ!」
「ッ!?」
なるほどこれは便利だ。細かいことを考えなくて済む。杖をバスタードソードに変化させる。いつ、近接戦闘ができないと言った?
「剣士の真似事だがたまには楽しいだろうよ。」
流石だアーサー王。本来のお前相手ならせいぜい四肢もぎ取るくらいで私は負ける。
転移からの魔力放出による急降下とバスタードソード化した杖の重量による重い一撃。しかしこれも魔力放出で押し返される。
大きく弾かれて仕切り直しとなった。
「『星よ。吹き飛ばせ。』」
反転アーサー王の宝具の2段ほど威力を向上させた超高威力のビームブッパ。
我ながらズルだと思うが反省も後悔もしない。
「これほどとは・・・やはり魔女は恐ろしい存在だ。結局どう運命が動こうと私一人では同じ末路を迎えるということか。」
「あ?どういう意味だそりゃ。テメエ、何を知っている?」
「いずれ貴方も知る、アイルランドの光の御子よ。ついでにそこの魔女もだ。いや、もう知っているのか?まぁそんなことはどうでもいい。グランドオーダー、聖杯を巡る戦いはまだ始まったばかりということをな。」
私が知っているだと?何も知らないに決まっているだろう。たった今この世界に来たばかりなんだぞ。買い被りにも程がある。それにしても先ほどから気色悪い気配はあるんだが具体的な場所がわからない。少なくともこの場にはいないようなんだが・・・
「セイバー、キャスター、ともに消滅を確認しました。・・・わたしたちの勝利、なのでしょうか?」
この少女たちほとんど戦闘経験が無いと見た。なのに最初からアーサー王とかいうビッグネームがラスボスって可哀想だな。
「あ、魔女さんもありがとうございました。少なくとも英霊ではないようですが?」
「礼などいらんぞ盾の少女よ。英霊ではないのは確かだ。正確なことを言うなら異世界からの来客に該当する。」
「ちょっと待ちなさいよ!ちゃんと説明しなさい!」
「説明はお前たちの拠点に戻った時でいいだろう。ところで、オルガマリー・アニムスフィア。」
「なっなんで私の名前を!?」
少し頭の中を覗かせてもらった。なかなか面倒臭そうなやつだが、救ってもいいだろう。
「気はしっかりと持っておけよ。」
「は?なんの答えにもなってないじゃない!」
嫌な気配の存在が来る。
「いや、まさか君たちがここまでやるとはね。計画の想定外にして私の寛容さの許容外だ。」
この男、人間ではないな。もっと邪悪な・・・ふむ、悪魔あたりか?
「レフ教授!?」
レフというのか。おそらく愛称だな。それにしてもあのモジャモジャは趣味がよろしくない。あーだこーだ言ってるが大体愚痴だな。学校の教師を始めたらストレスで禿げ上がりそうで一度見てみたい。
「レフ・・・ああ、レフ、生きていたのねレフ!よかった、貴方がいなく成ったら私、この先どうやってカルデアを守ればいいかわからなかった!」
「やァオルガ。元気そうで何よりだ。君もたいへんだったようだね。」
なんだなんだこの依存具合は。彼女には洗脳もヤンデレの素質もないというのに、心の拠り所がないだけで人間はこれほどまでに依存するのか。
「オルガマリー。『動くな』」
「ねぇ。なんで止めるの?なんでレフのところへ行けないの?なんで行かさせてくれないの。」
「私の忠告は覚えているな?」
「ええ。正気よ。とっても気分が優れているわ。だってレフがいたのだから。」
「単刀直入に言うが、オルガマリー・アニムスフィアは死んだ。」
「え?」
「そしてカルデアスは真っ赤に燃えている。」
「・・・・・・・・・ぇ。」
全く、記憶を覗いていなかったら何もわからないままだったぞ。
「嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ!私のせいなんかじゃない。私は失敗していない!私は死んでなんかッ!」
「死んだぞ。」
「イヤァアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
気持ちはわからなくもないが落ち着け。
「忠告をこうも早く忘れられたら困るぞ。『鎮まれ』」
精神沈静化の魔法を掛ける。
「・・・・・ハァ、ハァ。」
「私にはお前を生き返らせる術がある。」
「本当に?」
「私は、星眼の魔女だ。星に祝福され永遠を生きることとなった。その間に蘇生魔法を開発していても、なんら不思議はないだろう?魔術師。」
「それにな、勝手に記憶を覗いたのは悪いが、お前ほどの努力者はなかなかいないぞ、オルガマリー・アニムスフィア。素晴らしいよ。」
「なんだ。涙が出るほど嬉しいのか?お前の教育環境はどうなっていたんだ。」
「勝手に場を仕切って悪いがその聖杯は私たちのものだ。」
「おっとほら奪ってやったぞ。」
種は簡単だ。転移だよ。
「お前が怒ったところで赤子のようなものだよ。お前の主にでも伝えろ。星を相手にすることになるとな。」
悪魔如きがわめくなうるさいぞ。
「と言うわけで諸君。帰ろうか。」
「もちろん君たちのカルデアにだ。」
「次元間の転移は得意ではないが、不可能というわけでもないのでこそこそ準備をしていた。」
「ところでなんでお前たち喋らないんだ。」
「まぁいい。『良い子は帰る時間だ』」
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「『集え、星の生命よ。形づくれ、少女を。定めよ、少女の魂を。これより行うは人間の製造。私の子となりて甦れ。』」
5節。私としては破格の詠唱数だ。普段は基本的に無詠唱か1節。ちょこちょこ2節は使うが3と4は出番がない。あとは30分ほどすれば完了するだろう。100年分くらいのエネルギーが持っていかれたか。まぁ100年などあっという間だ。何年生きているかなど数えていない。
「ダ・ヴィンチ。いささか距離が近いぞ。」
頬がくっつくくらいには近い。
「あ、ごめんね。でも、魔法以上のことをさっとやっちゃうんだから天才の頭脳と血が疼いて仕方がないのさ。」
「私が星であると言うことはわかるな?」
「もちろんだとも。何度も言われたし、そうだと断定して納得しないといけないのは悔しいけどね。」
ファンタジー以上にファンタジーしているのは認めよう。正直、私としても最初の願いが多少なり歪められたのだから少し怒った。
「星は星でも恒星だ。恒星はエネルギーを光と熱として命の続く限り放出し続ける。」
「そして恒星を人の形へと押し込み、なおかつ光と熱ではなく人間と同じようなエネルギーの消費の仕方になった、と。」
「貯蓄可能であると言う点は自分でも訳がわからないがな。」
「うん。この天才を以てしても意味不明だし理解不明だ。いっそのこと神様ですと言ってくれた方が私としては楽だよ。」
「確かに神にも等しい、もしくはそれ以上のこともできるが、神になろうと思ったことはない。」
「そりゃどうして?」
「クソッタレが多すぎる。それに宗教は嫌いなんだ。」
ああ思い出すだけでムカつく。宗教的な対立で家の近くで戦争してくれたバカたれな国があった。その二つを滅ぼしたら全世界の人口が半減した。
「あー。君の世界でも魔女狩りがあったのかい?」
「確かにあったな。だが正真正銘の魔女は私と、他二人のみだからそこまで思い入れがあると言うわけでもない。」
一般的に魔女と呼ばれていたのはなんか占いがよく当たるとか天気を予測するとか、おまじないの範疇を超えない連中だった。
「げ、君みたいなのが他にいるのか!?」
「私ほど万能ではないが、そこら辺のサーヴァントには遅れは取らないだろうよ。というか私みたいなってなんだ。」
まるで化け物みたいな扱いだ。心外だぞ。
「大聖杯級のエネルギーを個人で保有していてなおかつ自然回復し、過剰分はどこかに保存されるとか化け物以外のなんでもないだろう?おまけに使う魔術も半端ない。神ですらないのに神以上の能力を持ち、人間に対して割と友好的な存在は初めてだよ。」
「勘違いするなよ?私は藤丸立香の味方というだけであって人類の味方ではない。なんなら世界の90%を滅ぼしたこともある。」
「ウェ!?」
あの頃は魔女になりたてだったのもあるし、人間として未熟だった。私が激怒して一ヶ月ほど時間をかけてとある魔法をじっくり作成した。そして王をトリガーとして発動した。そんな魔法に名前なんてない。怒りの発露と、復讐だったのだから。
「・・・・・・・・はぁ。君が一番の厄ネタだと私は思うよ。」
「安心しろ。自分のケツぐらい自分でふく。」
「ぜひそうしてくれ。ついでにサーヴァントですらないから縛ることもできないか・・・」
「私も英霊召喚はさせてもらうぞ。その時は自前の魔力で行うからエネルギー問題は気にするな。」
いよいよ白目むいて気絶したな。この大天才といえど改めて情報を整理したらヤバさに気絶することがあるとはな。
・・・・ようやく目覚めの時間だ。
「ここ、は?」
「カルデアの医務室だ。おめでとう。蘇生魔法は成功した。オルガマリー・アニムスフィア。」
ほら、足音が近づいてくるぞ。
お前を慕う人間はたくさんいるんだ。
そんな奴らを頼ればいい。
そしてみんなお前を頼るだろう。
オルガマリー・アニムスフィア自身の人間性と今までの努力によって生まれた信頼だ。
「「所長!!」」
「あ・・・」
これから先は地獄となるだろう。
「寝坊ですよ所長。」
だとしても、この瞬間くらいは、
「無事でよかった…!」
「怪我はありませんか?どこか具合の悪い場所はありませんか?」
「医者に組織のリーダーなんてさせないでください。」
幸福に包まれても誰も文句など言いはしまい。
「ただいま。皆。」
「「「おかえり(なさい)!所長。」」」
やはり、少女には笑顔が似合う。
僕としては今まで書いたものの中で一番感動チックにかけたと思うお話だったんですけどねぇ…。なので出来はいい方。
まず、原作プリヤの方のやつとオリキャラ同一人物なんです。
次にそれを縁としてイリヤ召喚じゃあ!ってのが2話の予定でしたけど…うーんってなりまして。無駄に複雑ですし別にイリヤとの物語書くなら原作プリヤの方でいいよなってなって没という感じです。
オルガマリー救出云々はうちの魔女さんがパワープレイで解決できそうなんですけど2部7章のストーリー的には原作通りカルデアスに吸い込まれたほうがいいかなって。そこまで話が書けるかどうか聞かれたら無理と答えるんですけどね。
そんなわけでFGO二次創作2つ目でした。