「なぜ檜山を殺した!」
「なぜ殺すべきではないと言える?」
「質問を質問で返すな。」
檜山を殺し南雲ハジメを奈落へと落とした後、少し面倒くさかった。まず、国の地位ある者たちに呼ばれる質問攻め。南雲とかいう無能はともかくなぜ檜山を殺したのかとか色々。すべて適当に答えた。風の噂では私を異端指定するとかしないとか。元より地球で魔女は異端な存在のため今更な気がする。なので痛手という事は全くない。
「説明したところでお前は何も理解しないだろう?説明するのが無駄というだけだ。」
「じゃあ私には?」
そう言ってやってきたのは八重樫雫。
天之河はどっか行ったので入れ違いということになる。おそらく聞いていたからあの言葉なのだろうが会っていないのか?
「八重樫か。まぁいいだろう。正直お前の心労を増やすだけにしかならないと思うのだが…」
「…いいわ。説明してちょうだい。」
「わかったと言っても至極簡単な話だ。ああいうやつがいれば戦線が乱れる。戦線が乱れれば死傷者も増える。そして負けることにつながる。一番の敵は無能な味方という言葉を覚えておけばいい。」
「なるほどね…でも殺す必要は無かったんじゃないかしら。牢屋に入れておくのでもよかったんじゃない?」
「見せしめだ。何人か不穏なやつがいる。そいつらに対しての牽制の意味がある。」
「そう…あなたはあなたで考えて行動していたのね。」
「当たり前だろう。魔女でなくとも人間は思考することができる生物だ。思考停止してはその素晴らしい能力も無駄になる。」
もう一つ、付け加えておくか。
「天之河を信用するなよ。何かあれば私を頼れ。この上なく信頼ならんだろうがな。」
「頭の片隅に入れておくわ。ところで魔女って?」
「む。メルドから説明が無かったのか。」
「え、えーと怒らせてはいけないとだけ。」
「ちゃんと説明すればいいものを。はぁ〜。今から説明する。」
〜魔女説明中〜
「地球にファンタジーってあったんだ。」
「薄まっているがな。」
まともに会話できる人間で助かった。
天之河みたいな人間は嫌いだ。
「今更だけれど先生があなたのことを探していたわ。おそらく…」
「またこの話だろうな。まぁそれは八重樫が気にすることではない。用が済んだならさっさと出ていけ。」
「ごめんなさい。もう一ついいかしら?」
「なんだ?」
「南雲くんについてよ。」
ああ、そういうことか。
まぁ説明したところで納得はしないだろうな。特に白崎香織とその親友である八重樫雫は。傍から見ようと見らずとも私は親友が好いている人間を奈落に落とした人物だ。殺したのと同義だろう。一応、一度見た数多ある未来の90%で南雲ハジメは奈落へと行っている。私が色々な魔法をかけた状態で送ったのだから死にはしないだろう。まぁ落下死を防ぐだけではあるが。
「何か問題でも?」
「大ありじゃないッ!あんた人殺しておいて何か思うところでもないのッ!?」
「ない。私は魔女だ。人ではない。人の形をしたなにかだと思え。魔女とは自由だ。己のやりたいようにやる。一応訂正しておくがあれは未来を考えての行為だ。」
「なんですって?」
「理由は言えないがいずれ答え合わせをするときが来る。その時までお預けだ。」
「クソったれ。あんたが死ねばよかったのよ。」
「ふん。なんとでも言え。私が死ぬことはない。」
さて?
なかなか人間関係も拗れてきたところで先生にも同じ説明をしなければならないのは正直面倒だ。ボイコットすることにする。
そしてそろそろ七大迷宮への観光に行こうかと思う。まぁ転移を使うからよほどのことがない限り日帰りになる。なんだ。私はRTAでもするのか?
それはともかくとしてまずはライセン大迷宮へ行こうと思う。オルクス大迷宮は面倒くさい。合計200階層ある。行くのは最後にする。
明日、出発だ。
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おはよう、こんにちは、こんばんは。
読者たちとはそのどれかで挨拶ができるな。私としてはおはようで済ませたいがそういうわけにもいくまい。
「起動。」
ライセン大迷宮最寄りの街であるブルックの町に来たわけだが…
「空間の魔女と時間の魔女ではないか。」
「あ、お母さん!」
「ひさしぶり。星眼さま。」
「どうしてここにいる?」
「観光!」
「そんな感じ。星眼さまだけ面白いことするのはおかしいでしょ?」
「人形の魔女は?」
「何度連絡しても音沙汰なし。」
時間の魔女。
我々魔女の中で最も若い魔女である。
事実上の17歳だ。
「それはそうと時間の魔女。学校はどうした?」
「休んだ。」
年齢からわかると思うが彼女は高校生である。両親に相談せず私に相談しに来たのだぞ?高校へ行かなくてもいいか、と。私は親ではないのだがな…
「人形さん死んだんじゃない?」
「彼女の魔法的に死ぬことは99%ないのだがまぁ気にする必要はないか。ところで今から迷宮へ行こうとしているがついてくるか?」
「行く行く!」
「私もついていくわ。」
というわけで人数が増えた。
地道に、無言で目的の場所があるであろう場所へ向かって歩く。転移してもよかったが細かい位置がわからないので徒歩で探索することにした。
「それにしてもこの世界は空気が綺麗よね。」
「工業化も何もしていないからな。大気汚染は皆無と言ってもいいだろう。」
「私この世界に移り住もうかな。魔法も多少だけど使いやすくなるみたいだし。」
「やめとけ。お前みたいな若者がこの娯楽のない世界にい続けられるわけない。」
「なにおう!?…確かにそうかもしれないけど、うーん、別荘地くらいがちょうどいいかな?」
うんうん唸りだす時間の魔女。
空間の魔女にお願いしなければ地球とこの世界を行き来する術はないがお菓子で取引成立することが多いからコスパ最強である。とはいえ彼女はまだ女子高生。手持ちの金などろくに無いだろう。
「え?お金?バイトしてるから少しだけ貯金がある。」
ならいいか。
「お母さんお母さん。お菓子ある?」
「すまないが持ち合わせていない。探索後先程の町で何か買うとしよう。無論お金は私が出す。」
「やったー!」
「星眼さま私は?」
「いいぞ。というかお前たちこの世界の金銭持ってないだろ。」
てへっとする二人。私が持っているのは国から支給されたお金だからどうってことはない。
「さあついたぞ。」
「ねぇこの看板ムカつかない?」
〝おいでませ! ミレディ・ライセンのドキワク大迷宮へ♪〟
「お母さん。この人見つけたら潰していい?」
「駄目だ。面白い話が聞けるまではな。」
私達は入った。
ソナーのような魔法を使い地形を確認した上で入った。ところどころに看板が立っているがすべて煽る文言のみ。二人はフラストレーションが溜まっているようだがまだまだ子供ということか(実際子供)。
常に地形変化もしているが関係ない。
30分ほどで最奥へたどり着いた。
「よく来たね。と、言いたいところだけど君たち反則すぎでしょ!強すぎ!何なの!?」
「魔女(だが?/だけど/!)」
「あーもう!頭にきた。このミレディちゃんがぶっ殺してあげる!」
おおこのゴーレムらしきものよくできているな。
「ねぇ星眼さま。私達二人で」
「ボコボコにしていい?」
「いいぞ。やってやれ。」
ここで彼女たちの能力の説明を少ししておこう。と言っても名称から察してもらえると思う。空間の魔女は空間操作がメイン。断絶したりデリートしたりもできる。時間の魔女は時間の加速減速停止。たまに過去へ遡ってなんかやっている。
まず時間の魔女がゴーレムにかかっている時間を減速させる。
「え?あれ?」
そして次に空間の魔女がゴーレムを覆うくらいの空間を指定し圧縮を始める。
「まって!まって!」
「お母さん。このゴーレム…硬いよ。でも!」
びきびきと音をたてながら次第に亀裂が走っていく。
「嘘でしょ?」
「う、ああああああああ!」
グシャという音ではないがそんな感じでゴーレムは立方体になった。
ちなみに、時間の魔女が手を出すまでもなく同じ結果になっていた。時間の魔女が魔法を使ったことには一つ理由がある。時間操作をすると正常な世界との歪みが使用者に激痛となって返ってくるのだが、彼女はそれを気持ちいいと感じる体質なのだ。いわゆるドM。時間の魔女とはいうが、別の呼び方をすれば快楽の魔女。彼女が自慰行為に費やす時間はかなり多い。なぜ知っているのか?両親にはバレたくないと言って私の家の空き部屋を使うからな。すべて筒抜けだ。
「んっ///」
彼女が魔法を使うときは大抵そういうことをするときだ。
「ふぅ…星眼さまこれからどうする?」
「奥に行く。さっきのやつから話が聞けるだろうからな。」
「うん。奥に気配がする。」
「えっホント?」
若いがゆえに未熟だ。
奥へ歩いていくと小人らしきものが待っていた。
「はっじめましてー!ミレディ・ライセンです!」
「あっ、はめ外してるときの私じゃん。」
「確かに似てるな。」
「似てる似てるー。」
テンションが馬鹿みたいに高いのはなぜだろう。もともとの性格なのならば仕方ないがキャラ作りのためならばなんか滑稽にも見える気がする。
「っていうか驚いていてないじゃん!普通死んだと思ったやつが出てきたらびっくりするよね!?」
「如何せん既に見ている。既に魂だけで自身で作った人形を転々としているやつがいてな、最近はいよいよ死んだかと噂話をしているところだ。」
「えぇ…」
「でもでもーこの前お菓子を人形で持ってきてたよ!」
「それいつだ?」
「えーっと…えーっと…10年前くらいかな。」
純粋に感覚が狂っているな。私とて100年を最近と言ったりもするが。
「と、ところで星眼さま。この人誰?」
「叛逆者、否、解放者の1人。神を殺そうとし失敗した者たち。そういえば教皇を殺すことにしていたな。」
教皇は協会本部にいるようだな。
サービスで状況を映し出す。
「何をするの?」
「見てればわかる。」
『私には、星が見える。私には、星がある。私は、星である。』
『それ故に星眼の魔女である。』
『星眼の魔女の名において裁定を下そう。』
『宗教とは権力ではなく象徴であるべきである。よって有罪。』
『裁定の光よ。ふり注げ。』
裁定とは言うが思いっきり私情まみれの主観的な判断だ。
いくつもの光の柱が迸り最終的に1つに収束する。
そして建造物を、人間を跡形もなく消し飛ばした。
「ふむ。上手くいったな。」
「ちょっとちょっとあそこには魂魄魔法っていう神代魔法をゲットするための迷宮があるんですけどーッ!?」
「安心しろ。それは消さない程度に調整している。」
「あ、ホントだ。」
さて、本格的に動くとするか…まぁ隠れて動くのが面倒になっただけとも言う。
「空間の魔女、時間の魔女。あそこに拠点を作りに行く。手伝ってくれるだろう?」
「「もちろん!」」
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えっと取り残されたミレディでーす。
あの子っていうかあの人?何者なの?魔女とか星って名乗ってたけどあれ1人でエヒト殺せるくない?え、えぇ…(困惑)
私達解放者が全盛期のときに束になっても勝てないだろうなぁ。
「ま、いっか☆アイツが死んでくれるならそれで。」
星眼の魔女が強すぎて勝手にRTAになるのも展開が思いつかなくなる原因だった。