続きがかけなさそうなものを供養する場所   作:lkjhg

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最初はドールズフロントラインにでてくるM200のSSです。M200のキャラが掴めなくて断念。


原作:ドールズ・フロントライン
ドルフロのM200の二次創作がなかったので書いてみた話


「指揮官、今度の任務はどういうものでしょうか?」

「指揮官はやめてくれって何度も言ってるだろ?部隊として存在してるけど俺とお前の二人だけなんだぞ。」

「すみません。お兄さん。」

「・・・指揮官に比べたらマシなんだけどそれもやめてほしかったり。それで次の任務だが、休暇だ。」

「はい?」

「休暇だ休暇。あと学校に行けってさ。だから前線から3年くらい退くことになる。まぁ実質クビみたいなもんだろ。」

「私はどうなるのでしょうか?」

「上層部は機嫌がいいのか連れて行ってもいいってさ。ただしダミーは置いてけって。」

「それはとても景気がいい話です。それじゃあ私はお兄さんと離れ離れにならなくていいってことですね。」

「そうだな。今にして思えば俺ってまだ18だったわ。」

「そうなるとボクはどれくらいでしょうか・・・?16とかでしょうか。」

「いんや18でいいと思うぞ。お互い近くにいた方がいいだろうし。」

 

紆余曲折あって指揮官になったわけだが、実際のところスナイパーの相方のスポッターだった。

月給は安いし任務は辛いしでそこから解放されると言うのは感慨深い。

 

何よりずっと一緒だった相棒と一緒に居続けられるってのが大きい。他の退役していった軍人たちの中には銃がそばにないと寝られないとか、ふとした瞬間に視線を感じるせいで落ち着かないとか色々後遺症みたいなのがある。俺の場合は相棒がいなくなったらまずい。いつか別れないといけない日は来るんだろうけどそれまでは一緒にいたい。

 

「なぁ、M200。」

「なんでしょう。」

「いなくなったりしないでくれよ。」

「もちろんです。ボクでよければ、一緒にいます。」

 

〜〜〜〜〜

 

本部を離れてから数ヶ月。

前線から離れた穏やかな日常は俺の廃れた心を癒すには十分すぎるほどだった。

勉強は辛いけどな。

 

まず、M200の制服姿が可愛い。

恥ずかしがりながらも目の前でくるって回ってくれたんだぜ?これだけで生きる希望ができる。

 

次に飯がうまいよな。

レーションとかジャンクフードばっかりだったから和食とかイタリアンとか色々楽しんでる。飯が美味いだけで生活の質が向上するんだなぁって思うこの頃。

 

「できました。」

「よし。盛り付け手伝うよ。」

 

俺の希望通りM200と一緒に暮らしている。

一番驚いたのは彼女が料理ができることだ。ギターを弾けるのは知っていたが他にも特技があったとは。そういうのが知れて嬉しい。

 

「「いただきます。」」

 

うん。美味しい。

 

俺たちの通っている学校は可もなく不可もなくって感じだ。不良がいるわけでもないし、先生が飛び抜けてクソというわけでもない。勉強するのはあまり好きじゃないけれど任務に比べたら簡単だ。

 

「今週末どこか行く?」

「お兄さんの行きたいところならどこでもいいですよ。ああでも、もう一度水族館に行きたいですね。」

「よし。じゃあ水族館に行くことにしよう。」

 

というわけで今週末の予定決まり!

せっかくなので前回と違うところに行ってみよう。

 

「好きな魚とかいた?」

「魚…じゃないですけど、イルカが可愛かったです。」

「イルカか、いいじゃん。」

「そういうお兄さんは?」

「フグかな。フグのふくれっ面がなんとも。」

「ふふっ。変な人です。」

「なにおう!?」

 

 

残念ながらテレビは家にないので静かに黙々と食べるだけの時間がすぎる。毎日ほとんどずっと一緒にいるせいで話のネタがない。ずっと一緒にいるということに関しては5年前からずっと続いている。だからお互いのことはほとんど知ってる。知らないこともあったけどな。

 

最初は任務中でさえ恥ずかしがっていたけど、だんだん恐怖とかそういうので暖かさってのが欲しくなって一緒にくっついて寝るようになったし、部屋着だって当人が一番楽な格好をする程度には距離感が近い。俺はジャージ、M200はキャミソールとショーツって感じだ。

 

「平和っていいですね。」

「急にどうしたんだ?」

「ああいえ、ボク達人形は本来戦うための存在なのにこうして何事もなく暮らしていることが・・・ちょっと不思議に思っただけです。」

 

確かに言われてみればそりゃそうだ。グリフィンと言うPMCに所属し、敵対する組織や鉄血達と戦うのが仕事だった。今はこうして後方のさらに後ろ側にいるのだから不思議に感じるのも無理はない、か。

 

俺は別に人々を守るためとか金稼ぎのためとかそういうので動いてるわけじゃない。ただ、拾ってくれたグリフィンに対しての恩返しがしたくて部隊長をやっていた。遠距離狙撃による支援、指定された人物の狙撃、対物狙撃、索敵など。だから部隊が俺とM200しかいない。上層部からは追加の人形の配属を言われたが断った。一応ライフルタイプではあったけれどダミー含めればそれなりの数になるためなんのための少人数暗躍暗殺部隊なのかって話になる。自称だけどな。

 

社長とあって話したことがある。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜

回想

 

 

俺が拾われて一定期間の研修を終え、無事に指揮官になることができた時のことだった。

その時指揮官としてどこかしらに配属されるんだろうなとばかり思っていて、割と張り切っていた。

 

「君には、M200を配属する。」

「了解しました。それで配属先はどこでしょうか?」

「どこでもない。」

「はい?」

 

なんて言ったこの社長。

 

「これからは主に敵の意識外からの支援射撃をしてもらう。基地によってライフルタイプの人形はいるだろうが別地点からの奇襲というような形になればいい。あくまでこれは実験だから気負う必要はない、と言いたいがしっかり任務をこなしてもらわなければ給料を出すことはできない。また、他ライバル組織、悪巧みをする組織等の重要人物の狙撃を依頼する可能性があることも重々承知してほしい。質問は?」

 

色々あるよ。色々あるけど一番聞かなくちゃいけないのは・・・

 

「・・・・配属先は?」

「ああ、言い忘れていたな。書面上は本部ということになっているがあちこちに飛び回ってもらうため本部にいる時間はほとんどないだろう。だから先ほどは、ないと言った。」

 

なるほど。

この社長に拾われた俺としては最前線だろうがなんだろうがやるつもりだった。

 

「なんだ。納得いってない顔だな。」

「いえ、自分の感情が独り歩きしていただけです。」

「そうか。じゃあここからはプライベートだ。言いたいことがあるなら言ってみろ。」

「最前線かどこかに配属されると思ってた。拍子抜けとでも言うんかな。」

「新人に最前線を任せられるわけがないだろう。せっかく獲得した地域を奪われたら刑罰どころじゃないぞ。」

「・・・わかった。ところでM200ってどこにいる?」

「お前の部屋で待機させてる。」

「何やってんだよおじさん・・・・」

「ここのトップだぞ?それに何かやましいものでもあるのか?」

「いや、ないけど。」

「じゃあいいだろ。さて、お開きだ。仕事があるからな。お前も覚悟しておけよ。」

 

 

回想終わり

〜〜〜〜〜

 

社長をクルーガーのおっさんって呼んだりおじさんって呼んだりする。無論プライベートに限る。それくらいの分別はつけるさ。俺が何日も飲まず食わずで彷徨っていたところを見つけて保護してくれた。その後孤児院に入れられて、ある程度成長した俺が会社を開いたと聞いて頑張って入社したという感じ。そこまで深い関係というわけでもない。が、浅いというわけでもない。なんとも言えない微妙な関係だと思い返すたびに思う。

 

ついでにM200との顔合わせも書いておこう。

 

〜〜〜〜〜

再び回想

 

 

俺は焦っていた。

別に薄い本とか違法薬物があるわけではない。

ただ単に部屋の片付けをしていなくてゴミが散らかりまくっていたからだ。会ったことすらない女の子に会う前から失望されることになる。それだけは嫌だった。同時におじさんの口ぶりからしてすでに部屋にいるのだから手遅れだということも頭の片隅で理解していた。

 

「M200!」

「ひゃ、ひゃい!」

「わ、悪い。驚かせるつもりはなかった。」

 

ああ、半分ではあるが部屋が綺麗になっている。

 

「部屋片付けてもらって申し訳ない。」

「気にしないでください、指揮官。ボクがやりたくてやったんですから。それに人形は指揮官の身の回りのお世話もするんです。」

 

え?そんな話は聞いたことないぞ。副官として事務作業なんかを手伝ってくれるという話なら別だが。

 

「えっと、とりあえず、ありがとう。俺も片付けるからさっさと終わらせよう。」

「はい。」

 

数十分後、片付けが終わった。

何もなくなったテーブルに椅子を二脚寄せる。冷蔵庫からお茶を取り出して注ぐ。

お互い向かい合って座って少し落ち着いたところで話を切り出す。

 

「じゃあ、改めて。俺は本日付で指揮官になったレイ・アレクサンダーだ。レイって呼んでほしい。」

「ボクはM200と言います。チェイテック社が開発したスナイパーライフルです。よろしくお願いします。指揮官。」

 

レイって呼んでほしいと言ったんだけどなぁ。

 

「疑問なんだけど、さっき言ってた指揮官の身の回りの世話ってのは・・・?」

「食事の用意や洗濯、夜のお世話もですね。」

「ちょっと待って。」

 

人形だからなんでもありってわけじゃないだろ!?

しかも、こんな小学生、中学生みたいな容姿の子にそんなことをさせるのは・・・。

待て俺。なんで想像した!?前言撤回ってレベルじゃないくらいに言ってることが支離滅裂だぞ。『なんでもありはない』とか言っておきながらその後に『させるのは・・・?』ってどう言うことだよ。いや、タイプだよ?めちゃくちゃ好みだよ。色素薄い感じとかちっちゃいのとか。でも指揮官としてありなのか?そう言うことって。職権濫用じゃない?

 

「どうかされましたか?指揮官。先ほどから唸られていますけど。」

「いや、気にしないでほしい。M200は自分の部屋ってあるの?」

「今日まではありました。ペアで動くのだから同じ部屋で過ごして信頼を高め合え。とクルーガー社長に言われたので今からこの部屋に住むと言うことです。」

 

なんてこった。

ベットは一つしかないし部屋自体もそこまで大きくない。

 

「荷物とかは?」

「まだ前の部屋に置いてます。今日はもう遅いので明日運ぼうかなと。」

「了解。俺も手伝うよ。」

「指揮官なのですから手伝う必要はないですよ。」

「いや、今日俺の部屋の片付けしてくれたじゃん。それのお礼。」

「ですが…」

「気にすんなって。ところで夜のお世話云々は誰から聞いたの?」

「…他の人形からです。間違いでしたか?」

「うん。」

「そんな…。すみません。私がやるべきことに関して色々と教えてください。」

「わかった。時間はたっぷりあるし。」

 

回想終了




オリ主とM200がお互いに少しだけ依存してる感じのものを書きたかった。回想後の展開は一応考えていました。そして書きかけでしたが消したので書くことができれば続きを出そうかな。こうして一応投稿するという形をとり、これで終わりってのはうーん。と思ったのが理由です。

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