「法の書ねぇ。さすが魔術サイド。よくわからない本に随分とご執心なようで。」
「魔術サイドの人間が聞いたら、特にローマ正教が聞いたらブチ切れますよそのセリフ。」
「だって事実だろ?」
「たしかに私もそこまで興味はありませんが…」
レッサー曰く法の書っていう魔術的に超大事なものが盗まれた挙げ句それが日本に持ち込まれたとかなんとか。どこからそんな情報仕入れてるんだ。
「貴方のところに何かしらの依頼って来てないんですか?」
「来てないよ。金はあるからいいけどここ何週間か依頼が来てないから暇なんだ。」
それはそれで平和だからいいんだけど。俺も好んで人間消してるわけじゃないしな。
「ところでぇ、私の格好に何か言及しないんですか?」
クルリとその場で回って見せるレッサー。可愛い。が、しかしだ。
「お前なんで裸エプロン(水着着用)なんだよ。」
「え!?…ぇ、えと…その…裸は恥ずかしいっていうか…」
「ちげーよ服着ろ服。可愛いのはわかってるんだから。なんでお前は少し倫理観というかそこらへんがどっか行ってるんだ。」
「むぅ…」
ふくれっ面されても困るんだが?
「それで話の続きなんですけど。」
ちゃんと服を着てきたレッサーはお菓子を取り出しながら話し出す。
「解決したみたいですよ。」
「すっ飛ばしすぎだろ。」
「実際のところ法の書が盗まれたのは嘘。ある組織を潰そうとして失敗して返り討ちにあったとか。ローマ正教の連中ザマァって感じです。」
なんかローマ正教に対するヘイトが高くないか?
「誰がやったんだ?」
「イギリス清教ネセサリウス所属ステイル・マグヌス。同じく禁書目録。天草式十字凄教。そして学園都市在住の上条当麻。」
「は?」
「いやーなんかおかしいですよね?気づきますよね?そりゃ。」
あの野郎勉強せずに何やってんだ。ついこの間も姫神の件だったりゴーレムの件で関わってたはずだ。把握してない事件で関係してたことのほうが多そうだな…。どれだけお人好しなんだアイツは。
「現在魔術サイドは上条当麻を警戒しています。特にローマ正教です。」
「ここでローマかよ。」
「アイツら表はすごくキレイなんですけど裏が汚すぎるんですよ。というかそもそも自分たちの教義以外正しくないとして排除する連中です。」
「宗教こっわ。」
そりゃ俺や先生みたいな戦力が用意されるわけだ。魔術とかいう理解しきれないものを使うとはいえ所詮は人間。効果的に殺せるならそれに越したことはないか。先生のあの兵器は飛び抜けてヤバいしな。それに学園都市の戦力は能力者だけじゃなくロボットもだ。毎年その関連の戦車やらなんやらの展覧会を行っているが絶対にそれを超える戦力をある程度整えてるはずだ。もしかすると世界を敵に回しても戦えるかもしれない。
「学園都市の戦力を調べてみた限りだと魔術サイドに対してそこまで優位には感じないんですが調べらなかった場所がかなりあるので最低でも五分五分だと見てます。」
「7対3だな。」
「どうしてですか?」
「あくまで俺の推測でしかない。」
流石に先生のA.A.A.は話せないけど。話したところでどうにかなる兵器でもないんだけどさ。
「学園都市内で戦うのならこっちが有利だ。レベル5にアンチスキル。金次第じゃスキルアウトも動いてくれるだろうさ。統括理事長が魔術に対して何の対策を設けてないはずがないし、俺もいる。俺の知らない高性能戦闘ロボットもあるはずだ。なんなら街を要塞化するのもできなくはないだろうし。」
今度先生のところに行って武器の相談するか。戦争に備えておいて損はないからな。
「上条当麻は戦力ではないと?」
「そりゃアイツは右手が特殊なだけの無能力者だ。前線で戦える力はない。」
それに、俺の予感なんだけど魔術サイドってくくりで一致団結して戦争を仕掛けてくるってことは起きないと思う。現時点で仲悪いのに、手柄の取り合いとか同士討ちとか起きそうじゃん。あまりにも世界が広いからなぁ。
「そろそろお昼ですね。堅苦しい話はここまでにしましょうか。」
「ん。で、昼ごはんどうする?出前でも頼むか?」
「あ、作ってもいいですか?」
「レッサーって料理できたのか…ってか冷蔵庫のなかは飲み物しか入ってなかったと思うんだけど。」
「ちゃんと買ってますよ。」
「そういうことなら頼もうかな。」
レッサーって料理できたのか(大事なことだからry)。
さっきの裸エプロンのエプロンを着て(ちゃんと服着てる)鼻歌じりに料理を始めたレッサー。ご飯作りに来てくれる後輩っていうより新妻みたいな雰囲気出てるのなんでなんだ。待てよ…?レッサーの出身ってイギリスだったよな。イギリスといえばメシマズだろ?今日の午後生きてるかな…。流石にアニメみたいな暗黒物質だったり毒物だったりじゃないだろうから死にはしないだろうけど不安は消えない。
キッチンから香る匂いはとても美味しそうな感じ。これは期待できそうだ。
そして完成したのは…
「オムライスです。」
「おう。」
見るからにふわふわな卵にデカデカとケチャップでハートマークが描かれている。
「いただきます。」
こっこれは!?
「美味すぎる!」
「えへへ〜頑張った甲斐があります。」
この味とこの完成度…並大抵の努力じゃ到達し得ないぞ。いろんな意味でレッサーは中学生なのか!?普段の言動といい料理スキルといい魔術の腕といいなんでこうもスペックが高いんだレッサーは!
「金は出す。皿洗いもやろう。ご飯作ってくれ。」
「にゃ!?」
なんというかこう・・・お袋の味じゃないけど手料理の暖かさっていうのかな。柄にもなくそういうのを感じてしまった。学園都市外で生活してる両親元気かな?息子はいろいろ汚れてしまったけれど元気に生きてます。
「こ、これからも末永くよろしくお願いします…?」
もしかして味噌汁作ってくれ的なアレだと勘違いしちゃった…?いや、勘違いというか俺が言ったことって実際そのとおりなわけで。
なんだこれちょっと気まずい。告白するならもうちょっとシチュエーション整えたかったんだがあまりの美味さに俺の頭のネジが吹っ飛んだんだよきっと。
「よろしく。レッサー。」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〜レッサーside〜
『金は出す。皿洗いもやろう。ご飯作ってくれ。』
『にゃ!?』
それはそれはもう驚きました。色々焦って感情がこんがらがってわけがわからなくなってしまって。
『こ、これからも末永くよろしくお願いします…?』
こんな事を口走ってしまうくらいには動揺しました。日本の告白の婉曲表現の味噌汁のアレだと思ったんですよ。
そ、そりゃ色仕掛け的なことはたくさんしてますから嫌いなわけないじゃないですか。好きでもない男性にしませんよ!?本当ですからね?
そしてですよ!返答がまさかの…
『よろしく。レッサー。』
なんですよ!?なんか成立しちゃいましたよ!私達恋人になりました!
うう…純粋な乙女としてもうちょっとロマンチックなシーンが良かったのです。でも私のオムライスが発端なのでそれはそれで悪い気はしません。
「うあぁぁぁ…」
個室もらえてよかったです。きっと今の私は耳まで熟れた林檎のように真っ赤になりながら、パジャマでベットの上をゴロゴロと悶ているので到底見せられる姿じゃないです。
サラッと可愛いとか言ったり…色仕掛けに反応してないようでしてるし…塩対応すぎるとちょっとムッとしますけどね。
もっといろんな料理作れるよう練習しましょう!なんなら家事とかも勉強しちゃいましょう。ええ、新たなる光で最強なんですからなんだってできるはずです!
どうしましょうか。応援してくれていたベイローフたちに報告すべきですかね?あーでもでもなんだかいじられそうな気がします。も、もうちょっと仲が進展してからということにしましょう。
「ずるいですよホントに。」
〜レッサーside out 〜
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
やってしまった。いや何も悪いことはしてないけどやってしまったという感情になっている。改めて冷静に考えると結構大胆だった。
科学が数歩、いや数十歩進んでいる学園都市とはいえ、いい感じのスポットは幾つもある。観光地だってあるし行事もある。裏がどす黒いだけで上澄みはちゃんと綺麗なんだよ。
「朝どういう感情で顔合わせりゃいいんだよ。」
好きだぜ?可愛いし強いし、ちょっとうっかりな部分もあるけど問題ないレベルだ。デート用に色々調べておくか。俺自身が言ってみたい場所もあるし。
ヤッちまったわけじゃないから気楽に行けばいいのか?関係が一歩進んだだけでこんなに感情が荒ぶるとは思わなかった。
裏の世界の人間だからなんでも経験済みとか思うなよっ!
いやほんと。
大切な存在っていうのは、色々な意味で大きすぎるよ。
昔学校で小説読んだのとアニメがあるからどうにかなるだろって思ってた時期がありました。小説はオティヌス編のところしか買ってないです。レッサーも好きですけどそれよりもっとオティヌスのほうが好きなので。